• 更新日 : 2023年3月23日

請求書が2枚以上にわたる場合の書き方を解説

請求書が2枚以上にわたる場合の書き方を解説

受注量の増加や計算期間のズレなどが理由で、請求書が1枚に収まりきらない場合があります。請求書が複数枚にわたっても、法律や会計のルール上、何の問題もありません。ただし、送付先に請求書が2枚以上だと伝えるために配慮が必要です。今回は、請求書が2枚にわたるのがどのようなケースか、その場合の請求書の書き方や注意点を紹介します。

請求書が2枚以上にわたるケースはある?

取引量が増えて項目数が多くなると、請求書が1枚で収まりきらない場合があります。自社の計算期間と取引先の締め日とのズレや、金融機関の営業日の都合で、当月分の請求が翌月にずれ込むことで2枚に及ぶケースもあります。特に年末年始やゴールデンウィークの時期に、請求書が2枚にわたるケースが発生することが多いです。

また請求書を2枚に分ける場合、1枚目に合計金額を記載し、2枚目以降で内訳を示す企業があります。

普段使っているフォーマットが複数枚に対応していない場合、どのように請求書を作成すべきか戸惑うかもしれません。経理業務をスムーズにこなしたければ、イレギュラーな事態にも臨機応変に対応する必要があります。

請求書が2枚以上に及ぶのは決して珍しいケースではないため、書き方や記載項目を把握しておきましょう。

請求書が2枚以上にわたる場合の書き方

請求書が2枚以上に及ぶからといって、1枚で収まる際と書き方が大きく変わるわけではなく、いつも通りに発行して問題ありません。複数枚に及ぶ場合の記載項目に関する明確なルールは存在せず、合計金額の記載場所もさまざまです。

ただし小計欄は分かりやすさを意識して、ページごとに設けたほうがよいため注意しましょう。角印の扱いについても、取引先から指定がない限り、2枚目以降は省略して構いません。

記載事項は1枚のときと大きく変わらない

基本的に、請求書が複数枚に及んだとしても記載事項に変更はありません。参考までに一般的な請求書の記載項目を列挙します。

  • 作成者
  • 取引年月日
  • 取引内容
  • 取引金額
  • 送付先事業者や部署名
  • 請求書番号
  • 小計と消費税
  • 備考
  • 支払い期限
  • 振り込み先

作成時は発行日(請求日)や金額の表記、送付方法に注意が必要です。発行日は取引先の締め日に合わせるのが一般的ですが、会社や時期によっては具体的な期日が指定される場合もあります。

金額については合計以外にも単価や内訳の記載も必要です。請求金額が曖昧で不明瞭だと、請求ミスが生じたときに間違いの原因がどこにあるか突き止めるのが難しいためです。送付方法は、手渡しや郵送、電子データをメールに添付して送付するなどの方法があります。

請求書の作成方法について、詳しくは下記記事で紹介しています。

合計金額の記載方法は様々

合計金額の記載方法に明確なルールは存在せず、どこに記入しても問題はありません。1箇所のみ記載するほか、2枚以上にわたって複数回記入する方法も認められています。

すべてのページに合計金額を記載する、1枚目のみに記載する、最終ページだけ記載するなどのパターンが考えられます。

ただし、複数枚に合計金額を書き入れると、かえってわかりにくくなる可能性が高いです。備考欄を活用して、請求金額を全ページに記載している、またはどのページに記載しているかを明記したほうがよいでしょう。

合計金額の記載方法にはさまざまな取扱いが認められているからこそ、送付先と共通認識を図ることが重要です。

小計は一枚ずつ記載が無難

合計金額欄とは異なり、小計欄は1枚ごとに記載するのが好ましいでしょう。すべてのページに小計があったほうが内訳はわかりやすく、見落としも防げるためです。

小計欄では、内税や外税の記載も必要です。外税を採用するなら小計欄の下に税額を書き入れましょう。

請求書の税金の算定方法や扱いは、統一しておくのが重要です。1枚目に税額の記載があるにもかかわらず、2枚目以降にない場合、送付先が混乱してしまう可能性が高くなります。

2枚目以降に角印を押すか特段の決まりはない

請求書をはじめ、社外宛のビジネス文書は角印を押すケースも多いです。請求書が複数枚にわたる場合、2枚目以降にも角印を押すかどうかという点について明確なルールは存在しません。

1枚目のみ角印を押し、2枚目以降は同じ請求書だと分かるようにホチキス等でとじ込んでおくだけでも大丈夫です。ただし取引先がすべてのページに押印を求めてくる場合は、指示に従ったほうがよいでしょう。

なお角印に限らず請求書の書き方においては、記載が必要な項目さえ書かれていれば書式の指定はありません。自身で作成しても構いませんが、必要項目を確実に含められるよう、テンプレートなどを活用すると良いでしょう。なお、「マネーフォワード クラウド請求書」では、無料で使える請求書テンプレートを配布しています。下記リンクより簡単にダウンロードできるので、ぜひご利用ください。

請求書が2枚以上にわたる場合の注意点

請求書が2枚以上にわたる場合、工夫を施して複数枚にわたることを取引先にきちんと伝えましょう。伝え方にはいくつかの方法があります。

  • 備考欄に請求書が2通以上ある旨を記載する
  • メールや送付状を活用して請求書の枚数を伝える
  • 請求書番号の記載方法を工夫する

より見落としの危険がなくなるため、複数の方法を組み合わせるのがおすすめです。具体的な書き方を解説します。

備考欄に請求書が2通以上ある旨を記載する

請求書には補足事項を記載する備考欄が付いているのが一般的です。通常では請求内容の詳細や取引先への希望を伝えるために活用します。

たとえば無形サービスのように、提供する品物が不明瞭になりやすいケースにおいて「〇〇代として」と記載し、具体的に示します。請求項目欄で取引の詳細を伝えられるのであれば、備考欄に何も書かなくても問題ないでしょう。

請求書が複数枚に及ぶ場合、備考欄には1/2、2/2のように、ページ番号を記すのがおすすめです。ページ番号があったほうが、見落としや確認ミスが生じるリスクを防げます。合計で何枚あるのか、ページ数は何枚目かという2つの情報を記載してください。

メールや送付状などで請求書の枚数を伝える

請求書が2枚以上にわたる場合、メールの文面や封筒に同封の送付状に「請求書は〇〇枚になっています」と書くのが親切です。請求書の備考欄だけでは見落とす可能性もあるため、万全を期すためにも別途伝えるのがおすすめです。

たとえば請求書が2枚にわたる場合、送付状の挨拶文を下記のように記載すると良いでしょう。

【送付状の例文】

拝啓、貴社ますますのご清栄のこと、お慶び申し上げます。早速ですが12月分の請求書を作成しました。ご査収のほど宜しくお願いいたします。※なお、今回の請求書は2枚に分かれています。

請求書番号の記載方法に工夫する

取引先に送付する請求書に請求書番号を付けている場合、請求書番号の書き方を工夫して枚数を伝えるのもおすすめです。たとえば請求書番号が001であれば、1枚目には「001-1」、2枚目には「001-2」と記すと一目で連番だと伝わりやすくなります。

1枚目に紐づいていると直感的に把握でき、書類の紛失や見落としの防止にも役立ちます。

請求番号は、社内での確認や取引先との共通認識を図るために記載するものです。必ず記載すべき項目ではありませんが、あると便利でしょう。とくに請求書が複数枚におよぶ場合、管理しやすさにつながります。

請求書が2枚になる場合はわかりやすさに配慮を

請求書が2枚以上にわたる場合、取引先に対する伝わりやすさへの配慮が必要です。備考欄の活用や請求書番号の付与などの工夫を施し、複数枚にわたることを確実に伝えるように心がけてください。

さらに送付状に「請求書は〇枚です」と書き入れておけば、見落としが起きる危険は限りなく低くなるでしょう。

請求書が2枚以上にわたったとしても、記載内容に特段の違いはありません。書式は定められておらず、取引先との同意や約束に抵触しなければ大丈夫です。ただし伝え方には注意して、見落としがないよう注意を払いましょう。

よくある質問

請求書が2枚以上にわたる場合はありますか?

経理処理上のタイミングの相違や、金融機関の営業日などの都合により請求項目が増えた結果、請求書の枚数が増える場合もあります。 詳しくはこちらをご覧ください。

請求書が2枚以上にわたる場合、気をつけるべきことはありますか?

請求書番号の付与や備考欄の活用、送付状への記載などによって請求書が複数枚に及ぶことを取引先へきちんと伝えましょう。詳しくはこちらをご覧ください。


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