- 更新日 : 2024年10月21日
請求書の宛名には「御中」を使う?「様」との使い分けを解説
取引先に請求書を発行する際「どのように宛名を書くべきか」とマナーに悩むこともあるでしょう。特に会社名に「御中」をつけるべきかなど、宛名の敬称については多くの方が迷う部分です。
そこで今回は、請求書の宛名の書き方について例文を挙げながらご紹介します。この機会に敬称の使い方を再確認しておきましょう。
目次
請求書の宛名には「御中」と「様」どちらを使う?
請求書の宛名の書き方について基本的な点を再確認しておきましょう。
御中は法人宛てに使う
「御中」を使うのは法人宛て、部署宛ての請求書の場合です。具体的には以下のような宛先の場合に使います。
- 会社:株式会社、合同会社など
- 団体:公益法人、学校など
- 部署:営業部、総務部、経理部など
例えば、「A株式会社 営業部」に請求書を送る際の宛名は「A株式会社 営業部 御中」とするのが正しい書き方です。また、一つの宛名には一つの敬称のみを使います。
以下のような敬称の使い方は誤りですので注意しましょう。
- A株式会社 御中 営業部 御中
- A株式会社 営業部 〇田〇男 御中
様は担当者宛てに使う
「様」は個人の担当者宛てに送付する場合に使う敬称です。例えば、「A株式会社 営業部 〇田〇男」さん宛てに請求書を送る際の宛名は「A株式会社 営業部 〇田〇男 様」となります。また、法人に所属する個人だけでなく、個人事業主やフリーランス宛てにも「様」を使用します。
ただし、以下のように御中と併用したり、法人・部署に「様」をつけるような使い方は誤りです。
- A株式会社 営業部 御中 〇田〇男 様
- A株式会社 営業部 様
なお、「様」は目上宛て・目下宛てを問わずにどちらにも使える敬称です。社内文書や社外宛て文書など、幅広いケースで使用できます。
殿を担当者宛てに使う場合もある
個人宛ての敬称は一般的に「様」が使われますが、「殿」を使う場合もあります。
ただ、「殿」は部長から部下の課長宛ての場合に使うなど、目上の人から目下の人に使う敬称と考えられています。よって、請求書のような取引先への送付物には不向きの敬称となりますので気をつけてください。取引先の担当者が年下・目下の人であっても使用は避けたほうが無難でしょう。
請求書の宛名を書く際に注意すること
請求書は、商品の代金、サービスの対価を支払ってもらうために、非常に重要な書類です。また、相手方との取引が行われた記録にもなるので、内容に誤りがないよう細心の注意を払って作成しなければなりません。
この章では、宛名を書く際に注意すべきことをご紹介します。
先方に送付先を確認しておく
請求書を作成する際は、先方に送付先をしっかり確認してください。間違いなく届けられるよう、複数の部署がある会社は部署名まで確認必須です。また、誰宛てに送るかも確認してください。担当者個人に送る際はフルネームまで確認しておきましょう。
御中と様を併用しない
前述したとおり、宛名を書く際は「御中」と「様」を併用しないようにしましょう。以下のような書き方は誤りですので気をつけてください。
- A株式会社 営業部 御中 〇田〇男 様
「御中」と「様」を併用しないよう、以下のような書き方をしましょう。
- A株式会社 営業部 御中
- A株式会社 営業部 〇田〇男 様
役職名が入る場合は担当者名の前につける
役職名が入る場合は、担当者の前につけてください。下記は正しい例です。
- A株式会社 営業部 部長 〇田〇男 様
名前の後ろにつけるような以下の書き方は避けましょう。
- A株式会社 営業部 〇田〇男部長 様
会社名を略さない
会社名を略さないようにすることもマナーとして重要です。以下のような書き方は避けましょう。
- A(株) 御中
- (財)B 御中
社名を記載する際には、下記のように記載してください。
- A株式会社 御中
- 財団法人B 御中
会社名の正しい表記にも気をつけてください。例えば「株式会社エービー」の場合、「株式会社AB」と書いてはいけません。反対に「株式会社AB」が正式名称である場合、「株式会社エービー」と記載するのは誤りとなります。必ず、先方の名刺等で確認した正式名称を記載しましょう。
また、部署名を略するのも避けましょう。例えば、「販売管理部」宛てに送付する場合、「販管部」という書き方はしないようにしましょう。略称のほうが広く使われているとしても、正式名称で書くことを心掛けてください。
連名の場合の書き方
担当者が2名いるなど、宛名を連名にする場合はそれぞれの名前に「様」をつけます。
以下のように記載してください。
- A株式会社 営業部 〇田〇男 様 △山△子 様
片方にのみ「様」をつける書き方は間違いですので、気をつけましょう。
- A株式会社 営業部 〇田〇男 △山△子 様
複数の人に送る場合
請求書ではあまりないケースかもしれませんが、部署全体に宛てた表記にする場合があります。その際の宛名のは下記のように記載します。
- A株式会社 営業部 担当者各位
「各位」は「みなさまがた」という意味をもつ敬称であるため、「様」との併用はしません。そのため以下のような書き方は誤りです。
- A株式会社 営業部 担当者各位様
請求書に記載すべきこと
請求書を作成する際は、以下の項目を必ず入れてください。
- 請求者名
請求書を作成する事業者名です。事業者によっては印鑑を押印する場合もあります。 - 取引年月日
取引の事実があった日をはっきりさせるためにも、必ず記載してください。 - 取引内容
こちらも取引の事実を確認するために必要です。「品目」「単価」「数量」「合計金額」を記載しましょう。 - 取引金額
請求金額にも関わるため、間違いがないように記載してください。分かりやすいように「合計」「小計」「消費税額」は分けて書くとよいでしょう。 - 取引先名
送付ミス、受取ミスを防止するためにも取引先名は必ず記載してください。
請求書の詳しい書き方については下記の記事も参考にしてください。令和5年10月から始まる消費税のインボイス制度への対応もありますので、請求書記載内容についてはよく確認をしておきましょう。
郵送する際の宛名
請求書を郵送する際の送付物の作成方法、特に、封筒の書き方についても知っておきましょう。まず、封筒は「白」で「透けない」ものを選ぶのが基本です。また請求書一般的にA4サイズで作成されますが、郵送時には三つ折りにしても問題ありませんので、長形3号(120×235mm)の封筒を選ぶとよいでしょう。
また、宛名を書く際は、封筒の中心から少し右に会社名、その左に少々下げて部署名、中心あたりに担当者の名前を書くとバランスがよくなります。もし継続的に請求書を送付する予定があるなら、プリンタで宛名を印刷したタックシールや穴あき封筒を使って宛名書きを省力化するのがおすすめです。
請求書を作成する際は宛名にも注意を払おう
請求書を作成する際は、請求内容に間違いがないようにするのはもちろん、宛名の書き方にも気を配りましょう。
特に、担当者宛てに送る際は名字だけではなく、フルネームで名前を書くようにしてください。また、(株)のように会社形態を略さず、正式な社名で書くことを心掛けましょう。
そして、会社・部署宛てに送る際は「御中」、担当者宛てに送る際は「様」のように、敬称の使い分けも把握しておいてください。
請求書は自社にはもちろん、取引先にとっても非常に重要な書類の一つです。作成・送付の際は細心の注意を払うように心掛けましょう。
よくある質問
請求書の宛名には御中と様のどちらを使うべきですか?
会社宛て、部署宛てに送る際は「御中」、担当者宛てに送る際は「様」を使用しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
請求書の宛名を書く際に気をつけるべきことはありますか?
特に「御中」と「様」を併記しないよう気をつけてください。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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