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  • 作成日 : 2021年4月6日

インボイス制度(適格請求書等保存方式)では領収書とレシートどっちが良い?

インボイス制度(適格請求書等保存方式)では領収書とレシートどっちが良い?

2023年10月1日よりスタートした「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」では、条件を満たせば領収書やレシートを簡易インボイスとして交付できます。どちらを利用しても制度上は問題ありませんが、実際のところ領収書とレシートのどちらがインボイスに向いているのでしょうか。

当記事ではインボイス制度と領収書とレシートとの関係やインボイス制度の概要、領収書やレシートをインボイスとするための書き方を解説します。

領収書とレシートはどっちが便利?

法人や個人事業主が経理業務でよく利用する領収書とレシートですが、インボイス制度上では「簡易インボイス(適格簡易請求書)」扱いになります。

あらためて「インボイス(適格請求書)」と「簡易インボイス」の違いや領収書・レシートとインボイス制度の関係、領収書とレシートはどちらが便利なのかについて解説します。

インボイス(適格請求書)と簡易インボイス(適格簡易請求書)の違い

事業者の業種によっては、インボイス(適格請求書)でなく簡易インボイス(適格簡易請求書)の交付が認められるケースがあります。

簡易インボイスとは「不特定多数の者に対して販売等を行う一定の事業者」が発行でき、インボイスより内容を簡易にしたものです。主に、以下の事業を行う者が交付できます。

  • 小売業
  • 飲食店業
  • タクシー業
  • 写真業
  • 旅行業
  • 不特定多数に対して行う駐車場業
  • 上記に準ずるそのほかの不特定多数の者を対象にする一定の営業

簡易インボイスの場合は「書類の交付を受ける事業者の氏名または名称の記載が不要」です。インボイスの交付先である事業者の名前を省略できます。また「適用税率と消費税額等のいずれかの記載(インボイスの場合は両方記載)」となります。

領収書とレシートの扱い

領収書やレシートをインボイスにする場合は、どちらも簡易インボイス扱いになることがほとんどです。領収書やレシートは小売業や飲食店業、タクシー業などの簡易インボイスが認められる業種での扱いが多いこと。また「書類の交付を受ける事業者の氏名または名称の記載」が省略されているケースが多いことが理由として挙げられます。

では、領収書とレシートのどちらのほうが便利なのでしょうか。結論からいえばレシートの方が便利です。レシートはレジで機械的に発行されるため、手書きの領収書よりも信頼性が高い上に、書き間違いや不正を疑われるリスクを防げます。

また、手書きの領収書の場合は、高額の取引になると筆跡調査を受ける可能性があります。ただし、手書きではなく機械的に発行される領収書の場合、この限りではありません。

領収書やレシートはスキャナ・電磁的保存ができる?

領収書やレシートは紙での保存以外にも、電磁的記録(電子データ)として保存することでも仕入税額控除を受けられます。これを電子インボイスと呼びます。

電子インボイスとして領収書やレシートを保存する方法は以下のとおりです。

  • スキャナで読み取りデータ化する(手書きの領収書を除く)
  • スマホやそのほかの写真をデータ化して保存する

電子インボイスとして保存した領収書やレシートは、電子帳簿保存法に定める方法に準じて一定の措置を講じる必要があります。また、領収書やレシート以外にスキャナや写真での保存が認められるのは、請求書や納品書などの証憑書類に限られます。

もし自分が領収書やレシートを発行する場合は?

自分で領収書やレシートを簡易インボイスとして発行する場合は、事前にインボイス制度に対応した形式を用意しておく必要があります。例えば、レシートを発行する必要があるときには、複数税率対応レジを準備しましょう。

もし、数値を間違えたまま発行した場合は、発行した売手側で修正する必要があります。買手側による一方的な修正は制度上認められないためです。

また、インボイスを発行したいときには、前述のとおり適格請求書発行事業者としての登録が必要です。免税事業者のままでは、いくらインボイスに対応した領収書やレシートを発行しても、インボイスとしては認められません。

インボイス制度とは

レシート・領収書とインボイス制度の関係を見たところで、あらためてインボイス制度の概要について確認しておきましょう。
制度の概要やインボイスへの記載内容、発行条件について紹介します。

インボイス制度(適格請求書等保存方式)って?消費税との関係も

「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」は、売手が買手に対して正確な消費税率や消費税額などを伝えるための制度です。

本来、事業者が納める消費税額は「課税売上に係る消費税額」-「仕入課税等に係る消費税」で計算する消費税の仕入税額控除が適用されています。簡単な例は次のとおりです。

  1. 売上額100万円に対して消費税額10万円、仕入れ額50万円に対して消費税額5万円が発生した
  2. 事業者が実際に納める消費税額は10万円-5万円で5万円となる

仕入税額控除は請求書や領収書、帳簿を保存しておけば適用できました。

しかしインボイス制度においては、取引先からインボイスを交付してもらわなければ仕入税額控除を適用できません。上記の例においては、5万円分が控除できないため、10万円を納める必要が出てきます。

インボイス制度についての詳しい内容は、以下の記事にて解説しています。

インボイス(適格請求書)の記載事項と発行するための条件

インボイス制度の目的である「売手が買手に対して正確な適用税率や消費税額を伝える」ために交付するものがインボイス(適格請求書)です。

「インボイス用に新しく書類を作成したり保存したりしなければならないの?」と疑問に思うかもしれませんが、所定の記載事項さえ追記すれば、これまで使っていた書式の流用で問題ありません。例えば、従来の請求書や領収書、レシートなどに記載事項を追記することで、それらをインボイスとして扱えます(領収書やレシートは「簡易インボイス(適格簡易請求書)」扱い)。

インボイスに記載すべき内容は、以下のとおりです。

  • インボイス発行事業者の氏名または名称および登録番号(T+13桁の法人番号または13桁の数字)
  • 取引年月日
  • 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
  • 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜および税込み)および適用税率
  • 税率ごとに区分した消費税額等
  • 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

ただし注意点として、インボイスを発行できるのは一定の条件を満たした事業者に限られることが挙げられます。具体的には次の条件を満たす事業者です。

  • 課税事業者であること
  • 登録申請書を税務署に提出し「適格請求書発行事業者」として登録を受けること

免税事業者でも「消費税課税事業者選択届出書」を提出して課税事業者となれば、適格請求書発行事業者として登録後にインボイスを発行できます。しかし、登録後は課税事業者と同じく消費税の申告と納税を行わなければなりません。

インボイス制度に対応した領収書・レシートの書き方

ここからはインボイス制度に対応した領収書・レシートの書き方の参考例を紹介します。まずは適格簡易請求書のうち、適用税率のみを記載する場合について、厚生労働省のレシート記載例をみていきましょう。
適格簡易請求書の記載例(適用税率のみを記載する場合)
【参考】厚生労働省|適格請求書の記載事項

上記の例で簡易インボイスの記載事項に当てはまる部分は次のようになります。

記載事項
詳細
インボイス発行事業者の氏名または名称および、登録番号(T+13桁の法人番号または13桁の数字)記載事項①のスーパー名や登録番号
取引年月日記載事項②の部分
取引内容記載事項③のコーラやギュウニクなどの品名および軽減税率対象商品の区分
税率ごとに区分して合計した対価の額記載事項④の部分
税率ごとに区分した適用税率記載事項⑤で適用税率をそれぞれ区分して記載

適用税率ではなく、税率ごとに区分した消費税額等を記載する場合の例も、以下で紹介します。

適格簡易請求書の記載例(税率ごとに区分した消費税額等のみを記載する場合)
【参考】厚生労働省|適格請求書の記載事項

記載事項⑤の部分が適用税率の代わりに「内消費税額」として、消費税額がいくらになったのかを税率ごとに記載しています。

手書き領収書の簡易インボイス(適格簡易請求書)の書き方

手書きの領収書を簡易インボイスとしたい場合は、以下の書式を参考にしてみてください。
手書き領収書の簡易インボイス(適格簡易請求書)

インボイス(適格請求書)の書き方の概要

参考としてインボイス(適格請求書)の書き方についてもご紹介します。領収書やレシート以外で、インボイスの交付を行う際の参考にしてください。以下の例は請求書を用いた例です。
適格請求書の記載例
【参考】厚生労働省|適格請求書の記載事項

記載事項の①、④、⑤が、インボイスとするために追加となった内容です。①では「インボイスの発行元と登録番号」、④では「それぞれの適用税率」、⑤では「適用税率ごとの消費税額」となっています。

また、以下では請求書等保存方式とインボイス制度が、どのように記載内容が変わったのか、2019年10月1日から2023年9月30日のみ適用である「区分請求書等保存方式」との違いについて図で紹介します。
区分請求書等保存方式との違い

インボイス制度に備えて領収書・レシートの扱いを知っておこう!

2023年10月1月より適用のインボイス制度は、法人から個人事業主までの多くの事業者に影響が出るものです。とくに経理業務でよく利用する領収書やレシートについては事前に理解しておき、発行側と受け取る側のどちらの立場になっても適切に扱えるようにしておきましょう。

複雑な制度とはいえ必ず対応しなければなりません。制度の基本を含めて情報を集めておくことをおすすめします。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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