• 作成日 : 2023年3月3日

領収書の但し書きはどう書くべき?具体例や注意点を解説

領収書の但し書きはどう書くべき?具体例や注意点を解説

領収書を発行してもらう際に、但し書きの記載内容を聞かれることがあります。領収書の但し書きは経費として計上するときにどのような意味を持ち、どう記入すべきなのでしょうか。

本記事では、領収書の但し書きの書き方、具体例、注意点などについて解説します。

領収書の但し書きとは

領収書の但し書きとは、金銭が支払われた取引内容の詳細を示す記載事項です。
会社の経費として計上すべきか、またどのような種類の経費に計上すべきかを経理担当者が判断する際に必要です。とりわけ、小口の現金取引について経費の計上を行うときに但し書きを確認するケースが多いでしょう。

また、領収書は税法上保存が義務付けられている国税関係書類の一種であり、税務調査などで確認されることがあります。領収書の但し書きは、しっかりと記載されていれば不正がないことの証明としても機能します。

但し書きが「品代」や空欄でも経費処理はできる?

領収書の但し書きがない場合、経理担当者は税務調査で不正を疑われることのないように、経費計上を認めない可能性があります。また、消費税法では、取引内容が領収証の必要記載事項とされており、税制上も領収書として認められません。

但し書きに「品代」と記入した場合はどうでしょうか。この場合も何に対する支払いかがわからず、経費として計上されない可能性が高いです。税務調査においても不正を疑われる恐れがあるため、具体的な品目やサービス内容を示す必要があるといえます。

領収書の但し書きの例

領収書の但し書きには、金銭を支払った物品やサービスの具体的な内容を記載し、「○○として」と締めるのが一般的です。
領収書の但し書きに記載する内容としては、以下のような例が挙げられます。

  • 飲食店で支払った料金:飲食代、飲み物代
  • ノート、ペン、ファイル:文房具代
  • デスク、キャビネット:事務用品費
  • 本や雑誌:書籍代
  • 広告費関連:チラシ印刷代、求人広告費
  • 通信費関連:切手代、はがき代、電話料金、インターネット料金
  • 旅費関連:鉄道運賃、駐車場代、宿泊費
  • お中元、お歳暮、冠婚葬祭の引き出物、花:ギフト代

領収書の但し書きを書く際の注意点

領収書の但し書きの役割からすると、但し書きがない、あるいは「品代」と書くことには問題があります。但し書きがないと、経費計上が認められない可能性があるばかりか、税制上の領収書としても認められません。
それでは、領収書の但し書きを書く際には、どのようなことに注意したら良いのでしょうか。

事実と異なる記載はしない

領収書の但し書きに、事実と異なる記載をしてはいけません。
領収書の但し書きは、経理に適切に計上するために、あるいは税制上の控除を受けるために、何に対する支払いなのかを証明するものです。そのため、正確な事実を記載しなければならないということに注意が必要です。
もし、事実と異なる内容を記載した場合には、私文書偽造罪(刑法159条)に該当する恐れもあります。

受領者が但し書きを記載してはいけない

領収書の受領者が但し書きを記載してはいけません。
そもそも領収書の発行権限は、代金の受領者です。そのため、領収書の受領者が但し書きを記載してしまうと、本来的に作成権限のない者が文書を改変したことになります。そのため、領収書の受領者が但し書きを書いた領収書には信用性がないといえるでしょう。

相殺のときはその旨を但し書きに記載する

企業間では、同時期に複数の取引を行うことがあります。お互いに売掛金買掛金がある場合に、同等の金額部分については差し引きを行う形で支払処理を済ませられます。これを相殺といいます(民法505条1項本文等参照)。

相殺が行われる場合でもお互いに領収書を発行しますが、但し書きには「相殺金」と明記しましょう。そうすると、金額が5万円以上の場合でも収入印紙が不要となります印紙税法基本通達別表第一第17号文書の20)。

複数の品目がある場合は代表的なものだけ記載すれば良い

一度に複数の物品を購入した場合には、すべての品目について記載する必要はありません。複数品目のうち、最も高額な物品や代表的な品目を記載し、その後に「他○点」などと記載しておきましょう。

領収書の但し書きには具体的な品目を記載

領収書は経費の処理を行う際の重要資料です。領収書の但し書きは経費計上が認められるか、どのような経費として計上すべきかを判断する材料となります。そのため、但し書きの記載がない場合や「品代」程度の簡単な表記ではなく、具体的な品目やサービス内容を記載する必要があります。一定の経費項目に該当するように、記載例にあるような書き方を心がけましょう。

また、領収書は、国税関連書類の一種でもあります。脱税等の不正がないことの表明のためにも、事実を正確に反映した形で、代金受領者に記載してもらうことが重要です。

よくある質問

領収書の但し書きとは?

領収書の但し書きとは、どのような取引において金銭が支払われたのか、取引内容の詳細を証明する記載事項です。詳しくはこちらをご覧ください。

領収書の但し書きには何を書けばいい?

領収書の但し書きには、「飲食代として」「書籍代として」などという形で、具体的な品目やサービス内容がわかるように書きます。詳しくはこちらをご覧ください。


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