• 更新日 : 2023年4月21日

請求書処理のフローは?受領から保管まで徹底解説

請求書処理のフローは?受領から保管まで徹底解説

企業の経理担当者は、請求書を適切に処理するフローを把握しておきたいのではないでしょうか。請求書は発行と受領で必要な処理が異なるため、それぞれの流れを理解しておく必要があります。本記事では受領した請求書を処理するフローや保管方法、処理業務を自動化するメリットなどについて解説していきます。

受領した請求書を処理するフロー

受領した請求書を処理するフローは以下のとおりです。

  1. 請求書を受領して内容を確認する
  2. 承認を受けたら請求費用を支払う
  3. 出金状況を確認して消込作業を行う
  4. 請求書の原本を保管する

1.請求書を受領したら内容を確認する

請求書を受領したら内容に不備がないか確認するようにしましょう。内容に不備があると買掛金の処理が正常に行えないため、取引先へ請求書の再発行を依頼する必要があるからです。請求書を納品書・注文書と照合して確認するとよいでしょう。

請求書のフォーマットは企業によって異なるため、見落としがないように注意深く確認するようにしましょう。多くの企業が紙で請求書を作成しているなか、最近ではWordやExcel、請求書作成ソフトなどで作成した電子データを送付する企業も増えてきています。

特に確認すべき項目と、どう確認すればよいかを下記の表にまとめました。

確認すべき項目確認すべき内容
請求書の宛名送付先が合っているか
発行事業者名実際に取引のあった相手か
請求書発行日発行日時が誤っていないか
取引年月日取引のあった日時と一致しているか
取引内容や金額発注金額との相違がないか
消費税税率および消費税に誤りがないか
支払期限指定した支払期限に設定されているか
振込口座振込口座に変更がないか
振込手数料手数料負担の認識に相違がないか
添付資料など適切な資料が添付されているか

2.承認を受けたら請求費用を支払う

請求費用を支払うためには支払依頼書を作成して、上長や経理担当者から承認を受ける必要があるケースもあります。

小規模の事業所であれば経理部へ請求書を直接手渡したり、メモなどを添えて渡したりするだけで支払い処理を行うことも多いでしょう。しかし、事業所の規模が大きい場合は取引している会社が多くなるため、どの案件の請求書かわからなくなってしまいます。そこで、支払依頼書を作成します。

支払依頼書を作成する場合は、以下の項目を記載する必要があります。

  • 支払依頼書の作成日時
  • 承認欄
  • 申請者名
  • 所属部署名
  • 請求書番号
  • 請求日時
  • 支払先の企業名
  • 振込先の銀行口座情報
  • 支払金額
  • 支払期限
  • 支払方法
  • 支払金額の内訳

3.出金状況を確認して消込作業を行う

請求費用の出金状況が確認できたら、買掛金や未払金の残高を減らす支払いの消込処理が必要です。消込作業を行うことにより、取引先からの未払金や買掛金の残高が把握できるため、二重請求や支払い漏れなどのミスを防ぐことができます。

ただし、自社で作成したExcelなどにより消込作業を行う場合は、入力ミスや確認ミスなどのヒューマンエラーが発生しやすくなるため、慎重に作業を行うようにしましょう。

4.請求書の原本は7年間保管すること

消込作業が終わった請求書の原本は原則7年間保存する義務があります。保管方法はいくつかありますが、支払いが終わった請求書を月ごとに分類して保管する方法が一般的です。ただし、取引先があまりに多いとファイリングした請求書が探しづらくなってしまうため、スキャナ保存などにより、電子データとして保存する方法をおすすめします。

また、2022年1月の電子帳簿保存法の改正により、電子データで受領した請求書を紙に出力して保管する方法が認められなくなりました。電子帳簿保存法は企業の意見などをもとに2023年12月まで猶予期間を設けていますが、早いうちから法改正に対応したシステムを準備しておくことにより、急いでシステム環境を整備することがなくなるのではないでしょうか。

電子帳簿保存法については、別の記事で詳しく解説しています。

課題になりがちな請求書処理業務

課題になりがちな請求書処理業務は以下のとおりです。

  • 受領方法が統一されていない
  • 受領した請求書の保存方法が複雑
  • 承認フローや管理が複雑な

受領方法が統一されていない

請求書の受領方法が統一されていないことは、請求書処理業務の大きな課題です。企業によって請求書のフォーマットや送付方法が異なるため、請求書を処理する目的で届いた請求書のフォーマットを自社で統一させる必要があるからです。

承認を得るために紙の請求書が必要な場合は事前に取引先へ伝えておき、紙の請求書を郵送してもらうようにしましょう。紙の請求書を処理する際はヒューマンエラーが懸念されるため、ミスがないように注意して作業を進める必要があります。

受領した請求書の保存方法が複雑

請求書のフォーマットに決まりはないため、受領する際は紙または電子データにより受領することになります。しかし、請求書を受け取ったまま物理的・電子的にそれぞれ保管すると、必要なときに探しづらくなります。その場合は解決策として、電子データでの保存に統一する方法が有効です。

電子データで保存する場合は、紙で受領した請求書をスキャナ保存することになります。スキャナ保存は複雑だと感じるかもしれませんが、電子データへの保存に統一する場合は工数が紙の保存よりも少なくて済むため、結果的に作業負担を軽減することができます。

承認フローや管理が複雑な課題

承認作業は本来、請求書の記載ミスや社内での不正を防ぐ目的で行われています。しかし、承認に必要な担当者が多くなればなるほど承認フローが複雑化するため、請求書を処理するために手間や時間がかかってしまいます。

また、担当者が社内にいるタイミングでしか承認が受けられないようなフローだと、日中不在のような場合は請求書の処理を進めることができません。担当者が外出中でも承認が行えるシステムを導入するといいでしょう。

請求書処理業務を電子化・自動化する3つのメリット

請求書処理業務を電子化・自動化するメリットは以下のとおりです。

  • 請求書を効率的に処理できるようになる
  • ヒューマンエラーが防げる
  • リモートワークの推進につながる

請求書を効率的に処理できるようになる

請求書処理業務を電子化する最も大きなメリットは、承認フローが改善されることです。請求書の内容や案件の詳細がWeb上で確認できるようになるため、オンラインで申請から承認までが完結するからです。

また、請求書処理業務を自動化することにより、取引先情報の入力作業も軽減されます。1度入力した取引先の情報は次回作成時に自動で入力されるからです。システムの機能を活用することにより、業務効率の大幅な向上が見込めます。

ヒューマンエラーが防げる

処理業務を自動化することにより、費用の支払期限のリマインドや出金状況がひと目で確認できるようになります。請求書の処理業務では出金漏れや出金ミスを防ぐことを目的として、複数人による承認作業が行われています。

しかし、人間が目視で確認している以上、どれだけ注意してもミスが完全にゼロになることはないでしょう。少しでもミスをなくすための対策として、処理業務の一部を自動化する方法が有効です。

リモートワークの推進につながる

多くの企業では、リモートワークへの移行の課題として請求書や経費精算を挙げています。しかし、請求書を電子化することにより、出社しなくてもWeb上で請求書の閲覧や編集、承認ができるようになります。

また、紙で届く請求書が気がかりな場合は、経理部の社員が交代で出社して電子データ化を行うほか、電子データ化の代行を委託することも可能です。届いた請求書は代行業者によって保存されているため、原本が必要な場合は郵送を依頼できます。

請求書作成ソフトを導入して処理業務を効率化しよう

本記事では受領した請求書を処理するフローや、それぞれの作業を行う際の注意点について解説してきました。請求書の処理業務は複雑に感じるかもしれませんが、必要な作業が決まっていることが多いため、業務の流れさえ把握できれば難しいものではありません。

ただし、出金漏れや二重支払いなどのミスが生じてしまうと、取引先とトラブルになる可能性もあります。どれだけ注意していてもヒューマンエラーは防ぎきれないため、請求書処理業務の電子化・自動化を進めていくといいのではないでしょうか。

よくある質問

受領した請求書はどのように処理するのが適切ですか?

会社の規定にもよりますが、内容を確認したら支払依頼書を作成して上長の承認を得るのが一般的です。請求費用の支払いを行うためには必要なフローが存在するため、ミスが生じないようにそれぞれの業務内容を把握しておく必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。

受領した請求書の処理にあたって、自動化できる業務はありますか?

ヒューマンエラーの防止や、請求書の処理状況の確認などが自動化できます。詳しくはこちらをご覧ください。


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