- 更新日 : 2024年10月17日
請求書を送信する際のファイル名は?電子帳簿保存法の検索要件も解説
請求書は郵便やファックスでも送付できますが、PDFとして作成してからメールに添付して送付することもできます。請求書をPDFとしてメールに添付する場合、PDFのファイル名はどのような付け方が望ましいのか、具体例を挙げて解説します。また、電子帳簿保存法で推奨されているファイル名も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
請求書をメールで送る際のファイル名はどうする?
メールで請求書を送るときは、改ざん防止のためにもWordやExcelからPDF化して添付するようにしましょう。請求書をメールなどで送る際、PDFのファイル名を「請求書」などシンプルなものにするとどの請求書か分からず、取引先に混乱を与えかねません。請求書の内容が分かるようなファイル名にすると、取引先だけでなく発行側もデータを管理しやすくなります。
請求書のPDFファイル名の付け方には、特別な決まりはありません。しかし、後からファイル名で検索する可能性があることを考えると、請求月と取引先、取引内容が分かるようにしておくほうがよいでしょう。いくつか例を紹介します。
- 「2023年4月 社屋新築工事費用請求書 A社」
- 「4月 印刷用紙代請求書 B社」
- 「【請求書】202304 建築資材 C社」
ファイル名のパターンを決めたら、すべての請求書のファイルを同じパターンで名づけるようにしましょう。
請求書は電子帳簿保存法の検索要件に沿ったファイル名で保管
国税庁では電子帳簿保存法の一問一答で、ファイル名には取引年月日などの日付、取引金額、取引先を含め、統一した順序で入力することが望ましいとしています。これらの情報を過不足なく含めるだけでなく、ルールを決めて一定の順序で列挙することが好ましいです。
例えば、「20230901_D社_396000_建築資材請求書」のように記載すると、情報を過不足なくファイル名に盛り込めます。ただしあまりにも長くなると一目で確認しづらいこともあるため、取引金額など長くなりがちなものは省くのも1つの付け方です。
また、請求書をPDFで受け取った際は、発行した請求書とフォルダを分けるだけでなく、ファイル名に「A社から受領」などと記載しておくと後ほど検索する際に便利でしょう。
電子帳簿保存法に対応したシステムの利用が便利
請求書のファイルには必要な情報を過不足なく盛り込んだファイル名をつけると、後で検索しやすくなります。メールで受け取る側も、ファイル名を見るだけでどのような取引についての請求書なのか理解しやすくなるでしょう。また、ファイル名から宛名や日付、金額などの間違いに早めに気付けます。
ファイル名の付け方には社内でルールを決め、毎回正確に守ることが大切です。例えば「20XXXXXX_相手企業名_取引内容」のようにシンプルなルールを決めて、社内で統一するようにしましょう。
なお法人の場合、請求書は原則7年間の保管義務があります。欠損金がある事業年度に関しては10年間となります。また、個人事業主は原則5年間、適切に保管しなくてはいけません。ただし保管年数の起点となるのは確定申告書の提出期限の翌日です。
紙の書類を長期にわたって保管するのは、スペースが必要なだけでなく、紛失などのリスクもあり、できれば避けたいものです。電子帳簿保存法の要件を満たしたシステムで請求書を作成し、データとして保管するようにしましょう。
請求書は検索しやすいファイル名で保存しよう
請求書をファイルで作成・保管するときは、社内でルールを決めてファイル名をつけるようにしましょう。ファイル名の付け方に法的な決まりがあるわけではありませんが、日付や取引内容、取引先の名前などを含めると、後で検索しやすくなります。受け取った請求書も同じルールでファイル名を付けるようにすると、よりデータをきれいに整理できるでしょう。
また、請求書は原則として7年間の保管義務があります。欠損金が生じた事業年度は10年間、個人事業主は原則5年間保管しなくてはいけません。大切な書類を正しく保管するためにも、管理しやすいファイル名をつけることが大切です。
よくある質問
請求書をメールで送信する際は、どのようなファイル名をつければ良いですか?
ルールを決めておくと、ファイル名が統一されて検索しやすくなります。取引年月日などの日付や取引金額、取引先を含め、統一した順序で入力するとより分かりやすくなります。詳しくはこちらをご覧ください。
受け取った請求書を保管する際は、どのようなファイル名をつければ良いですか?
受け取った請求書も発行する請求書と同一のルールでファイル名をつけると、よりわかりやすくなります。ただし、受け取った請求書であることがわかるように「A社から受領」などと記載しておきましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
副業で請求書のやり取りをする際のポイントは?インボイス制度対応についても紹介
副業で請求書を発行する際、フリーランス・個人事業主と同様に必要事項を記載しなければなりません。また、インボイス制度が始まると、請求書・見積書・納品書・領収書に登録番号を記載するケースがあります。会社員(サラリーマン)は年末調整が1人1企業の…
詳しくみる帳票とは?発行を電子化するメリットや方法、注意点を解説
帳票は日々の業務に欠かせないビジネスツールです。業務の進捗管理やデータ集計、法的な書類作成まで、多様な場面で活用されています。しかし、紙や手作業での帳票管理はミスや遅れを招きやすく、生産性向上を阻害する大きな課題の1つです。本記事では、帳票…
詳しくみる請求書番号は必要?役割・メリットや書き方を解説(無料テンプレート付き)
請求書番号は請求書を管理するために付与する番号のことです。法律上は不要ですが、請求書管理を効率化できるというメリットがあります。 本記事では、請求書番号を記載する必要性やメリット、登録番号との違い、書き方のポイント、テンプレート・請求書発行…
詳しくみる請求書の電子印鑑は法的に必要?種類や押印方法、注意点を解説
脱ハンコ社会が加速的に進む一方で、完全な「脱ハンコ」ではなく、従来との兼ね合いから「電子印鑑」を利用した書類をよく見かけます。 もともと、請求書には押印がなくても効力は変わらないものですが、従来の取引の慣習から引き続き「印影」を求める場合に…
詳しくみる封筒サイズで郵便料金はいくら変わる?サイズごとの重量や用途も解説
封筒サイズや重量で郵便料金は異なります。また、2024年10月から新料金が適用されることで、郵便料金も値上げになります。封筒を利用して書類を送付する場合、どの程度の影響があるのでしょうか。この記事では、封筒サイズによる郵便料金の区分、封筒の…
詳しくみる建設/建築業・工事の請求書テンプレートと書き方のポイントを紹介!
建設業の請求書は、建設業に従事する業者や個人事業主が、工事やサービスを提供した後に、その対価を請求するために使用します。具体的には、建築工事、土木工事、リフォーム、電気工事、設備工事などの職種の人々が、工事完了後や約束された支払いスケジュー…
詳しくみる