- 更新日 : 2024年10月22日
イラストレーターの請求書の書き方を解説!テンプレートも
フリーランスのイラストレーターは、請求書を出さなければ報酬を受け取ることができないため、請求書の書き方を知っておかなければなりません。また、会社で納税手続きを行なってもらえる給与所得者とは違い、日頃から帳簿を付けて確定申告に備えることも必要です。ここでは、イラストレーターが作成する請求書の書き方や源泉徴収についてお話しします。
イラストレーターにとっての請求書とは
イラストレーターの場合、仕事の内容が雑誌や本、絵本、カタログの表紙や挿絵など多岐にわたっているため、具体的な仕事内容をしっかりと明記し、支払い請求をすることが必要です。もちろん、報酬を確実に獲得するため、支払い期日をはっきりと伝えるのも請求書の役割です。請求書は、依頼された仕事1件ごとに提出しても、あるいは、一定期間まとめて請求しても、どちらでもかまいません。依頼主によっては、請求書を発行する期日が指定されている場合もあります。
個人事業主であるフリーランスのイラストレーターは、自分で確定申告をし、納税する義務があります。イラストレーターが報酬を受け取るには、依頼されたイラストを納品し、請求書を依頼主に提出することが必要です。実際に支払われた金額を確認できるように、請求書はしっかりと保管しておきましょう。
フリーランスのイラストレーターに適用される源泉徴収
イラストレーターの報酬は、源泉徴収の対象であるデザインに該当します。
仕事の依頼主が報酬を支払う際に源泉徴収税を差し引いていない場合や、総所得額が基礎控除額(38万円)を超えている場合は、自分で所得税額を計算して申告することが必要です。ただし、源泉徴収されている場合には、経費を含む報酬額に対して課税されているため、税金を払いすぎている場合もあります。もしも、総所得額が38万円以下であれば、源泉徴収された税金は全額戻ってきます。
消費税の取り扱い
イラストレーターが仕事の依頼を受けた際には、報酬に消費税が含まれているか(内税)、あるいは含まれていないか(外税)を確認しましょう。請求書を作成するとき、消費税を分けて明記すると、税抜きの報酬部分のみに源泉徴収税が課税されます。しかし、消費税額を明記せず、税込価格のみを記載した場合、消費税が含まれた報酬額に対して課税されるため、源泉徴収として差し引かれる金額が大きくなってしまいます。
例えば、内税の報酬額が5万4千円として請求書を発行した場合は、5万4千円に10.21%をかけた金額、つまり5,513円が源泉徴収税として支払いから差し引かれます。しかし、報酬5万円プラス消費税4千円と分けて請求書に記載すると、源泉徴収税は5万円に10.21%をかけた金額、5,105円となります。なお、一回に支払う報酬が100万円を超える場合の源泉徴収税額は、100万円を超える部分に20.42%をかけて計算します。
また、内訳には軽減税率の対象とならない品目(10%)と対象となる品目(8%)の小計を分けて記載し、それぞれの消費税額を明らかにします。
イラストレーターのための請求書の書き方
請求書の書き方に規則はありませんが、報酬をタイムリーに支払ってもらうためにも、内容が明確でなければなりません。請求書の一番上にタイトルとして「請求書」と書きます。また、会社により請求書の締め日や支払方法、入金日などが異なります。支払いの際に問題が起こらないよう、事前に確認することが必要です。では、請求書の書き方を見てみましょう。
2. 請求者として、自分の氏名(会社名・事務所名)と住所を記入します。
3. 請求書番号・請求日・支払い期限を書いておきましょう。報酬を一括で請求する際には、管理しやすいように1-1、1-2、1-3のような枝番号を書いておきます。請求日と支払い期限は、ミスがないように記入してください。請求の仕方に関しては、クライアントによって異なることが多いので確認が必要です。
4. 仕事内容を具体的に書き、その単価、数量、価格(単価×数量)を記します。
ここまで来たら、いよいよ計算です。
6. 消費税額を記載します。内訳には軽減税率の対象とならない品目(10%)と対象となる品目(8%)の小計を分けて記載し、それぞれの消費税額を明らかにします。
7. 源泉徴収税を記入します。この請求書例の報酬額は外税となっているので、小計に10.21%をかけて(5万4千円 × 0.1021)算出した金額5,513円が源泉徴収税額となります。
8. 合計金額は、(5)小計 +(6)消費税 -(7)源泉徴収税を合算した5万2,807円となり、これが請求金額となります。
9. 銀行振込で報酬を受け取る場合は、振込先銀行名・支店名・口座番号を記します。不備や誤りがないように注意しましょう。
10. 備考欄に短い挨拶文やメッセージを入れておくと、良い印象を与えます。

まとめ
イラストレーターの請求書は、源泉徴収のことや内税、外税など前もって担当者に聞いておかなければいけないことがいくつかあります。ひとつひとつの仕事を丁寧に請求書を発行しておけば、経理や確定申告の計算をするときに役立つことはもちろん、発注先別に依頼費の比較も一目瞭然にできます。少額の仕事から高額の仕事まで、幅広い価格設定があるのがイラストレーターの仕事。描いたあとに値段が上がる場合もあるので、イラストレーターの請求書の書き方をしっかり頭に置いておきましょう。
よくある質問
イラストレーターにとっての請求書とは?
フリーランスのイラストレーターは自分で確定申告し納税する義務があるため、実際に支払われた金額を確認できるように請求書をしっかり保管しておきましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
イラストレーターの報酬は源泉徴収の対象となる?
イラストレーターの報酬は源泉徴収の対象であるデザインに該当します。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
帳票とは?発行を電子化するメリットや方法、注意点を解説
帳票は日々の業務に欠かせないビジネスツールです。業務の進捗管理やデータ集計、法的な書類作成まで、多様な場面で活用されています。しかし、紙や手作業での帳票管理はミスや遅れを招きやすく、生産性向上を阻害する大きな課題の1つです。本記事では、帳票…
詳しくみる運送業向けの請求書テンプレートと書き方のポイントを紹介!
運送業の請求書は、物流会社や個人で運送業を営むドライバーなどの職種の人が使用します。荷物を運ぶサービスを提供した後、そのサービスの対価として料金を請求するために請求書を発行します。請求書は、運送を完了したタイミングで顧客に対して送られること…
詳しくみる請求書番号は必要?役割・メリットや書き方を解説(無料テンプレート付き)
請求書番号は請求書を管理するために付与する番号のことです。法律上は不要ですが、請求書管理を効率化できるというメリットがあります。 本記事では、請求書番号を記載する必要性やメリット、登録番号との違い、書き方のポイント、テンプレート・請求書発行…
詳しくみる郵送コストの削減にはSMSがおすすめ?送信料やメリットを解説
2024年10月より郵便料金が値上げになり、会社においても「通信費」増加等による業績への影響が懸念されます。これに対応して多くの企業が郵送コストの削減方法を模索する中、携帯電話のSMSの活用は有効な解決策の1つとなり得ます。 この記事では、…
詳しくみる請求書が届かない場合は催促すべき?メール文例も紹介
締め日が近づいても請求書が届かないことは、ビジネスではよくあります。担当者が忘れているか、郵便トラブルが起きているのかもしれません。請求書が届かないからといって、支払いを遅らせるとトラブルにつながる恐れがあるため、早急に担当者に連絡が必要で…
詳しくみる一括契約の請求はどうすればいい?多段階契約や準委任契約との違いも解説比較
一括契約とは、システムの企画から完成まで一括して契約する形態です。多段階契約では工程終了ごとに請求書を発行するのに対し、一括契約では成果物の完成後に請求書を発行します。 一括契約を締結するのは、見積りに変更が生じにくいケースなどです。本記事…
詳しくみる