• 更新日 : 2019年10月4日

翻訳家の納品書の書き方

翻訳・通訳の派遣サービス会社などに登録せずに仕事を行うフリーランスの翻訳家の場合、翻訳作業が完了したら取引先に納品書を提出します。納品書は、取引先に対して納品物の報告を行う資料であるとともに、相応の報酬を請求する資料でもあります。ここでは、翻訳家の納品書の基本的な書き方を解説します。

翻訳家が納品書を書く前に

翻訳家が翻訳業務を完了したら、その原稿を取引先に納品します。そのときに添付するのが「納品書」です。ただし、その前に厳重な品質管理をする必要があります。

まずは、以下のような作業を行い、翻訳原稿の入念なチェックを行いましょう。

・訳抜けがないかのチェック
・訳文の表記の点検(誤字脱字のチェック、送り仮名や句読点の有無、位置の確認・表記ゆれの統一など)
・訳語の点検(専門用語、外国語カタカナ表記など)
・表記ガイドとの一致の点検
・文体の点検(文体の一貫性、読みやすい文章かどうかの検討など)
・語訳の点検(単語や文法ではなく、論旨、情景描写、調査などの視点からチェック)

次に、単語数による見積りの場合には、もう一度単語数のチェックを行いましょう。仕上がり原稿計算方式を採用しているなら、仕上がった原稿の単語数を納品書に記載します。一方で、原文主義計算方式を採用しているなら、見積書を作成したときや原文の原稿を受け取ったときに確認した単語数を、そのまま納品書に記載することもできます。どちらの方式を採用するかで、納品書の書き方も変わります。

公費での支払いを受けるときに知っておくべきこと

国や公共団体の研究費などの公費での支払いを受けるときには、納品後に正式な見積書、納品書、請求書(三連書類)の提出を求められることもあります。

翻訳家の納品書の書き方

それでは、納品書の書き方を見てみましょう。

翻訳納品書

 

納品書の書き方の注意点

翻訳家の納品書は、以下のようなことに注意して書きます。
品目には、基本的に「翻訳料」と記載するようにしましょう。
納品書は必ず2部作成して、取引先には翻訳原稿と一緒に1部を提出し、もう1部は自分で保管しておきます。発注者と受注者が納品された翻訳原稿に対して共通の認識を持つためのものですから、忘れないようにしましょう。この際、あとで振り返れるように、見積書、請求書の番号と紐付けておくとなお良いでしょう。

納品書の品目の書き方

翻訳家の納品書の品目は「翻訳料」として、報酬額とその明細を記載します。明細は、原文主義計算方式、または仕上がり原稿計算方式に基づき、単語数と単語単価で示す書き方をしましょう。

ただし、発注者と受注者に継続的な取引がある場合には、納品書の書き方にはさらなる注意が必要です。翻訳家が1カ月に複数回にわたり翻訳原稿を納品する場合、発注者は1カ月分の報酬をまとめて払うことを望むため、納品書には報酬額を記載しないのが一般的だからです。そのときは、翻訳原稿の名称と明細、単語数と単語単価が明示する書き方がなされていれば十分です。

請求書を送るタイミング

上記のようなケースが多いことを踏まえると、請求書を送るタイミングについても取引先とよく相談しておくことをお勧めします。納品書と請求書を同時に送る、または納品書兼請求書という書式のものを使用するのではなく、1カ月分をまとめて請求書に起こした方がいいかもしれません。

このように、翻訳家の納品書の書き方を身につけて、業務の完了から請求までをスムーズに行いましょう。継続的な取引があることが多い翻訳家の場合、翻訳料金の計算方法、請求書を出すタイミングなどは、取引先と事前に相談しておくことも重要です。


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