• 更新日 : 2025年11月13日

スマホ対応受発注システム・アプリおすすめ9選!無料期間や選び方のポイントを解説

受発注業務は、現在電話やFAX、メール等でも行われ、対応できる時間や場所が限られる側面もあります。このような中、スマートフォンやタブレットに対応した受発注システム(アプリ)が注目されています。時間や場所を選ばず、発注漏れや転記ミスを減らし、業務効率化をサポートするものです。

とはいえ「自社に合うシステムがわからない」といった悩みもあるでしょう。この記事では発注アプリの選び方と主要サービスの比較ポイント、システムやアプリの選び方を解説します。

スマホ対応の受発注システム・アプリを導入するメリットは?

スマホ対応の受発注システム(アプリ)を導入するメリットは、時間や場所を選ばずに受発注業務が完結できる点です。また取引が記録されるため、電話やFAX、メールで起こりやすかった発注の遅れや「言った・言わない」のトラブル、転記ミスを大幅に削減できる点も挙げられます。

これにより、発注担当者だけでなく、注文を受ける受注側も含めた、業務全体の効率化が期待できます。

メリット1:時間と場所の制約から解放される

従来の発注方法では、オフィスの営業時間内や、事務所のPC・FAXの前といった場所の制約がありました。特に電話は相手先の営業時間に限られ、FAXも送信のために出社する必要があるなど、制約も伴います。

スマホ対応の受発注システム(アプリ)であれば、こうした課題の解消に役立ちます。例えば、店舗の閉店後に在庫を棚で確認しながらその場で発注したり、建設現場や営業先への移動中に(停車中など安全な場所で)必要な資材を発注・承認したりすることが可能です。早朝や深夜でも、時間を気にせず注文データを送信できます。このように、PCを開く手間もなく、すきま時間を活用して業務を進められるようになります。

メリット2:発注ミスや確認の手間を削減できる

電話での口頭注文や、手書きFAXの読み間違いは、発注ミスの原因となりがちです。「言った・言わない」の水掛け論や、判読できない文字の確認電話、メールの見落としといった、非効率なコミュニケーションが発生する場面も少なくありません。

スマホ対応システムでは、商品名や品番、数量を画面上でタップして選択・入力するため、転記ミスや聞き間違い、読み間違いが起こりにくい。また、発注履歴(いつ・誰が・何を注文したか)がシステムに正確に残るため、「言った・言わない」のトラブルを防ぎ、問い合わせにも即座に回答できるでしょう。多くのシステムでは、過去の注文履歴から簡単に「再発注」できるため、入力の手間とミスが同時に減ります。

メリット3:リアルタイムな情報共有で業務がスピードアップする

高機能な受発注システムは、単なる発注ツールにとどまりません。受注側の在庫情報と連携し、リアルタイムで在庫を確認しながら発注できるため、「注文したのに欠品だった」という手戻りを防げます。

また、発注内容の承認(ワークフロー)もスマホで完結できる製品が多く、上司が外出中でも承認が滞りません。発注データは即座にクラウドに蓄積され、受注側だけでなく、社内の経理担当者なども(権限があれば)情報を確認でき、仕入れ管理や請求処理がスムーズになります。

スマホ対応のおすすめ受発注システム・アプリ9選

スマホ対応の受発注システムには、BtoB(企業間取引)に特化したものから、飲食店向け、小規模事業者向けまで、多様なシステムがあります。ここでは、スマートフォンやタブレットからの操作に対応し、多くの企業で導入実績のある主要なシステム・アプリを15個紹介します。

※料金や機能の詳細は、必ず各サービスの公式サイトで最新情報をご確認ください。
※カテゴリ別まとめ

B2B受発注/卸ECアラジンEC・CBP・W2 BtoB・らくうけーる
統合基盤/ERP系Oracle NetSuite・楽楽販売・freee販売・kintone
B2CモバイルオーダーMOS

1. アラジンEC

アラジンECは、BtoB(企業間取引)のECサイト、すなわちWeb受発注システム構築において豊富な実績を持つパッケージサービスです。企業間取引特有の複雑な価格設定、例えば得意先ごとの掛け率の違いや、注文数量に応じた価格変動(数量スライド)などに標準で対応。特定の取引先のみが閲覧できるクローズドなサイト運用も可能です。

また、Web受発注機能や見積もり機能に加え、多言語・多通貨対応も備えています。特に、既存の基幹システム(販売管理や在庫管理システム)とのデータ連携を前提に設計されている点が強みで、受発注データが自動で基幹システムに反映されるため、業務全体の効率化を強力に後押しします。

こんな企業におすすめ:既存の基幹システムと連携させ、バックオフィス業務も含めたデジタル化を本格的に進めたい中堅・大手企業に向いているでしょう。(※料金は個別見積もり、無料トライアルは要問合せ)

参照:アラジンEC 公式サイト|株式会社アイル

2. 楽楽販売

楽楽販売は、販売管理や受発注管理など、企業のさまざまな業務をノーコードでシステム化できるクラウドサービスです。受発注はもちろん、見積もり管理、請求書発行、売上データ分析など、販売管理に関わる一連のプロセスを一元管理できます。

Excelやメールベースの管理から脱却し、リアルタイムでの情報共有を実現します。ルーチンワークを自動化する機能も豊富で、業務の属人化を防ぎながら効率化を図れます。無料トライアルが用意されており、自社の業務に合うか試すことができます。

こんな企業におすすめ:受発注だけでなく、見積もりや請求処理も含めた販売管理全体を、自社の形に合わせて効率化したい企業。

3. Oracle NetSuite

Oracle NetSuiteは、会計システム、ERP(統合基幹業務システム)、CRM(顧客関係管理)などをクラウドで統合的に提供するプラットフォームです。受発注管理は、その多岐にわたる機能の一部として含まれます。

リアルタイムでの経営状況の可視化や、複数拠点・複数通貨に対応したグローバルな業務管理を得意としています。受発注データが会計や在庫情報とシームレスに連携し、経営判断の迅速化を支援します。無料のデモやハンズオンセミナーで、その機能性を体験できます。

こんな企業におすすめ:受発注管理に留まらず、会計・在庫・顧客管理まで含めた経営基盤全体を、一つのシステムで統合・管理したい企業。

4. MOS (モス)

MOS (Mobile Ordering System) は、スマートフォンやタブレットからの注文に特化したモバイルオーダーシステムです。無料プランが用意されており、コストを抑えて導入することが可能です。

主に飲食店や小売店が顧客(BtoC)向けにテイクアウトや店内注文で利用するケースが多いですが、その手軽さからBtoBの簡易的な受発注システムとしても活用されます。LINEとの連携にも対応しており、発注側が使い慣れたツールで注文できる点も強みです。

こんな企業におすすめ:飲食店や小売業で、BtoCのモバイルオーダーとBtoBの受発注をまとめて管理したい、あるいは低コストでシンプルなWeb発注フォームを持ちたい企業。

5. CBP

CBPは、企業間取引における受発注業務をデジタル化し、ペーパーレス化を推進するクラウドサービスです。FAXや電話での注文をWebや専用アプリに置き換えることで、転記ミスや確認の手間を削減します。

BtoB取引特有の複雑な価格体系や、得意先ごとの商品表示制御にも対応可能です。2週間の無料トライアルが提供されており、導入前に実際の操作感を試すことができます。アカウント数による課金がないため、取引先が多い企業でもコストを気にせず利用を広げやすい点が特徴です。

こんな企業におすすめ:多くの取引先とのFAXや電話でのやり取りをデジタル化し、コストを抑えつつペーパーレス化を進めたい企業。

6. W2 BtoB専用ECプラットフォーム

W2 BtoB専用ECプラットフォームは、その名の通りBtoB(企業間取引)専用のECサイト構築・受発注システムです。クローズドサイトの構築、取引先ごとの価格設定、見積もり機能、与信管理など、BtoB特有の商慣習に標準で対応しています。

システムのカスタマイズ性も高く、自社のビジネスモデルに合わせた独自の機能追加も可能です。BtoC向けのECプラットフォームで培ったノウハウを活かした、使いやすいインターフェースも特徴です。(※無料トライアルは提供されていませんが、資料請求やデモの相談が可能です)

こんな企業におすすめ:独自の商慣習や複雑な業務フローがあり、パッケージシステムでは対応が難しい、カスタマイズ性の高いBtoB専用ECを構築したい企業。

7. kintone (キントーン)

厳密には「受発注システム」そのものではありませんが、自社業務に合わせた受発注管理アプリをノーコード(プログラミング不要)で「自作」できるクラウドサービスです。30日間の無料トライアルで、自社の業務に合うアプリが作れるか試すことができます。

月額1,000円台/ユーザー(※スタンダードコースの場合)から利用でき、発注管理だけでなく、案件管理、日報、在庫管理など、社内のさまざまな業務アプリを作成・連携できます。市販のパッケージシステムではフィットしない特殊な業務フローを持つ企業に適しています。

こんな企業におすすめ:市販のパッケージシステムではフィットしない特殊な業務フローを持つ企業。受発注以外にも効率化したい業務が社内に多く存在する企業。

8. freee販売

freee販売は、「freee会計」と連携することを前提とした、販売管理・受発注管理システムです。見積書や請求書の作成から、受発注、在庫管理までをカバーし、入力したデータは自動でfreee会計に連携されます。

これにより、受発注から会計処理までの流れがシームレスにつながり、バックオフィス業務全体の効率化と、二重入力の撲滅に貢献します。30日間の無料トライアルが用意されており、freee会計との連携感を試すことができます。

こんな企業におすすめ:すでにfreee会計を利用している、または導入を検討しており、受発注・販売管理と会計を一体化させたい中小企業・個人事業主

9. らくうけーる

シンプルさと低コストを追求したWeb受発注システムです。BtoB取引に必要な基本機能(取引先ごとの価格設定など)を備えつつ、わかりやすい操作画面で、PCやスマホの操作に不安がある取引先でも利用しやすい設計です。

基本料金は月額20,000円から(別途ID料金等)となっており、無料トライアル期間(期間は要問合せ)も用意されているため、事前に操作感を試すことができます。受注データのCSV出力にも対応しており、既存システムへのデータ連携も可能です。

こんな企業におすすめ:機能はシンプルで良いので、取引先にとっても使いやすく、低コストでWeb受注を始めたい中小企業。

中小企業・個人事業主が受発注システム・アプリを選ぶ基準は?

自社の業種(飲食店、小売、建設など)の商慣習に対応しているか、現在の業務フローに合うか、そして費用対効果が見込めるかが選択の基準となります。

高機能であっても、自社の業務に合わないシステムは定着しません。特に中小企業や個人事業主は、導入・運用のリソースが限られるため、シンプルさと自社への適合性を重視すべきでしょう。

自社に適合するか

BtoBの取引は、業種によって必要な機能が大きく異なります。

  • 飲食店:「不定貫」(グラム単位の発注)や「荷姿」(ケース/バラ)への対応、LINEからの手軽な発注機能。
  • 建設業:現場からの発注、見積もり依頼機能、図面や写真の添付機能。(例:PRO-S)
  • アパレル:色・サイズ(SKU)ごとの在庫管理、ルックブック(画像)からの発注機能。(例:LITE)

自社の業界に特化したシステムを選ぶことは、導入成功への近道です。

スマホでの見やすさ・使いやすさ

受発注システムの導入目的が「外出先や店舗からの効率化」である以上、スマートフォンでの操作性は最も重視すべき点の一つです。PC画面をそのまま縮小したようなデザインでは、タップミスを誘発し、かえって効率が落ちるかもしれません。

自社の担当者だけでなく、取引先(発注側または受注側)が迷わず使えるかという視点も必要です。無料トライアルで、関係者自身が「これなら毎日使える」と感じるかどうかを厳しくチェックしましょう。

既存システムとの連携ができるか

「あったら便利」という機能まで求めると、コストが高額になりがちです。まずは「絶対に譲れない機能」を明確にしましょう。

特に、現在使用している販売管理・在庫管理システムや、会計ソフトと連携できるか(CSV出力やAPI連携など)は、バックオフィス業務全体の効率化に直結します。連携できない場合、結局どこかで「手入力」や「転記」作業が発生し、効率化の効果が半減してしまいます。

サポート体制(導入時・運用時)

新しいシステムを導入する際、特に取引先にも利用をお願いする場合は、トラブルや疑問が必ず発生します。導入時に設定をサポートしてくれるか、取引先への説明会などを手伝ってくれるか、そして運用開始後に電話やチャットですぐに相談できる窓口があるか、といった点は確認が必要です。

特にIT担当者がいない中小企業では、システムの機能そのものよりも、ベンダー(提供会社)のサポート体制の充実度が、運用定着の鍵を握ります。
また、セキュリティ環境の程度や制度改正対応の迅速さについても検討するとよいでしょう。

受発注システム・アプリはExcelなどと比べてどう違う?

自作の管理表(例:GoogleスプレッドシートやExcel VBA)は、低コストで柔軟に作成できる点が魅力です。一方で、専用の受発注システムは、リアルタイム性や複数人での同時操作、セキュリティといったメリットがあるため、業務全体の効率化に向いています。

Excelの管理で起こりやすい状況

特にExcel(エクセル)を使った受発注管理は、手軽に始められる反面、運用が拡大するにつれて不便が生じることがあります。例えば、複数人が同時に同じファイルを編集しようとするとロックがかかったり、編集内容が競合(先祖返り)したりする場面も出てきます。

また、「いつの時点のファイルが最新か」がわかりにくくなったり、取引先ごとに見せる情報を制御(価格の隠蔽など)するのが難しくなったりすることもあるでしょう。

専用の注文管理システムの特長

専用の受発注システムは、こうした状況に対応するために設計されています。発注データは即座にクラウド上のデータベースに反映され、受注側もすぐに確認できます。取引先ごとにログインIDを発行し、表示する商品や価格を自動で制御することも可能です。すべての発注・変更履歴がシステムに記録されるため、誰でも正確な情報を参照できます。また、商品マスタから選ぶ形式にすることで、「商品名の書き間違い」や「単価の間違い」を減らす工夫もされています。

専用システムへの移行を検討する目安

自作のExcelやスプレッドシートでの管理から専用システムへの移行を検討する目安としては、いくつかの状況が考えられます。例えば、発注ミスや転記ミスが月に数回発生するようになったり、そのミスの確認や修正作業に担当者が多くの時間を取られたりしている場合は、見直しのタイミングかもしれません。また、取引先の数や発注アイテム数が増え、ファイルが重くなったり管理が煩雑になったりした場合や、外出先から発注できずに事務所に戻る手間が常態化している場合も、専用システムの導入を検討する一つの目安といえるでしょう。

受発注システム・アプリの導入方法は?

まずは導入目的(なぜ従来の方法から変えるのか)を共有し、現場の担当者にとって使いやすい、操作が簡単なシステムを選定することが大切です。

便利なツールも、使われなければ意味がありません。特に取引先を巻き込む場合は、慎重な導入プロセスが求められます。

導入目的の共有と現場の巻き込み

なぜFAXや電話、メールをやめ、新しいシステムを導入するのか。その目的を実際に入力する担当者や、主要な取引先と共有します。「単に会社がコスト削減したいから」ではなく、「お互いのミスを減らし、確認作業の時間を削減するため」「より早く正確に注文を届けるため」といった、双方のメリットを丁寧に説明しましょう。

シンプルに操作できるシステムを選ぶ

受発注システムの選定においては、使いやすいか、操作しやすいかが重要です。特に、取引先に使ってもらうシステムの場合、ITが苦手な人でも迷わず使えるシンプルさが求められます。

多機能であっても、現場が使いこなせない複雑なシステムは避け、自社の業務に必要な機能がシンプルにまとまっている製品を選びましょう。

一部門や特定業務から始めるのがおすすめ

全社・全取引先で一斉に切り替えるのはリスクが伴います。まずは社内の特定部門、例えば備品発注などから試してみるのはどうでしょうか。あるいは、最も協力的でITリテラシーの高い、数社の取引先と試験的に運用を始めてみるのも良い方法です。このように小さく始め、操作に慣れたり、運用上の課題を洗い出したりしながら、徐々に対象を広げていく「スモールスタート」が、結果的に定着へとつながります。

システム導入にあたっては、経済産業省や中小企業基盤整備機構が推進するITツールの活用支援策(例:IT導入補助金)が利用できる場合もあります。コスト負担を軽減するためにも、こうした公的支援の情報を確認するのもよいでしょう。

参照:IT導入補助金2025|中小企業庁

スマホ対応システムは業務の効率化に役立つ

この記事で解説したとおり、スマホ対応の受発注システム(アプリ)は、従来の電話やFAXによる業務を効率化する力を持っています。外出先や店舗からでも場所を選ばず発注でき、転記ミスや確認の手間を削減できる点は、リソースが限られる中小企業にとって大きなメリットではないでしょうか。

自社に最適なシステムを選ぶためには、まず現場の担当者や取引先が「使いやすい」と感じるかを確かめましょう。そのうえで、自社の業種特有の機能や、既存の会計ソフトとの連携性を確認します。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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