- 作成日 : 2023年8月28日
販売管理とは?目的や業務フロー、メリット、効率化のポイントを解説

販売管理とは、商品販売において生じる「モノ」と「お金」の流れを管理する活動を指します。販売管理は、企業の利益を適切に管理し、顧客との関係性を維持・強化していくために重要な管理活動です。
本記事では、販売管理の概要や業務フロー、メリット、効率化のためのポイントについて解説します。
目次
販売管理とは
はじめに、販売管理の概要や実施目的について解説します。
販売管理の概要
販売管理とは、商品の販売に関する一連の業務を管理することを指します。
具体的には、商品販売に伴って生じる「モノ(商品)」と「お金」の流れについて、「いつ」「どこで」「誰から」「いくらで」といった各項目を管理します。
販売管理を実施する目的
販売管理を実施する目的としては、主に以下の点が挙げられます。
販売業務を効率的に行うため
販売管理によって商品の受注日や在庫状況、納品タイミングなどを一元的に管理することで、効率的な販売業務を実現できます。
商品の販売には営業部門だけでなく、製造部門や経理部門といったさまざまな部門が関わるため、販売管理によって部門間の連携ミスなどを防止することが求められます。
利益向上のため
販売管理は、企業の適切な利益把握・利益向上のために欠かせない管理活動です。
しっかりと販売管理を行うことで、商品別の販売状況や収支状況などを随時把握でき、利益向上に向けた対策につなげることができます。
顧客との関係性を強化するため
販売管理を実施することで、顧客とやり取りする見積書や請求書などの書類も一元管理できるため、書類の提出忘れや期日遅れを防止することが可能です。それによって顧客との関係性の維持・強化を図れるとともに、支払いなどに関する法令遵守にもつながります。
販売管理の業務フロー
ここでは、販売管理の業務フローについて、以下の流れに沿って解説していきます。
- 受注管理
- 出荷管理
- 請求管理
- 仕入管理・支払い管理
- 在庫管理
1.受注管理
受注管理では、顧客からの商品の受注に関する各種情報を管理します。
具体的には、見積書の作成・提示や契約締結、受注伝票の管理などを行います。初めて取引を行う顧客の場合は、顧客情報の登録も実施することが一般的です。
2.出荷管理
出荷管理では、顧客からの受注情報に基づき、商品を出荷する業務までを管理します。
例えば、出荷伝票の作成や商品の梱包作業、配送手続きといった業務が挙げられるでしょう。
3.請求管理
請求管理では、顧客に請求書を発行し、商品代金の入金確認までを管理します。
請求書は、取引単位で発行する場合と、一定期間単位で発行する場合とに分けられます。顧客ごとに金額や入金期日をしっかりと管理し、入金遅れなどがあった際は顧客への状況確認を行うことが必要です。
4.仕入管理・支払い管理
仕入管理では、商品の原材料などを仕入れ先から調達する業務を管理します。
具体的には、仕入れ先業者との契約締結や原材料費の見積り、発注、入荷・検収作業、支払いなどが挙げられます。
顧客への請求管理と同様、仕入れ先との間でも、適切な請求書のやり取りや期日までの支払いを行うことが重要です。
5.在庫管理
在庫管理では、商品の出荷状況と関連付けながら商品の在庫数を管理します。
商品自体の在庫管理に加えて、仕入れ先から調達する原材料などの資材の在庫管理も大切です。在庫数のズレが生じないよう、定期的に実地での棚卸作業も行うようにしましょう。
販売管理を実施するメリット
販売管理を実施するメリットとしては、主に以下の項目が挙げられます。
- 販売データのタイムリーな可視化ができる
- 人的ミスを防止できる
- 販売業務にかかる費用や手間を軽減できる
販売データのタイムリーな可視化ができる
販売管理によって、販売データをタイムリーに可視化できるというメリットがあります。
商品の受注状況や納品後の入金状況といったデータをタイムリーに把握でき、利益状況をリアルタイムに確認することができます。
商品の販売状況が参照できるため、今後の販売戦略の見直しや商品の改良、新商品開発の企画などを効果的に検討することができるでしょう。
人的ミスを防止できる
販売管理を行うことで、販売業務における人的ミスの防止も期待できます。これまで紙などのアナログ方式で販売業務を行っていた場合、人的ミスが生じやすく、ミスを検知することも難しかったのではないでしょうか。
一方で、企業内で統一されたルールや仕組みに基づいて販売管理を行えば、ヒューマンエラーを防ぎながら的確な販売業務の把握・管理ができるようになるでしょう。
販売業務にかかる費用や手間を軽減できる
販売管理を実施することで、販売業務にかかる費用や手間を軽減できる点もメリットです。例えば、従来の紙伝票を使った販売業務の場合、伝票の印刷代や保管コストなどがかかります。
それに対し、システムを活用しながら販売管理を行うことで、コスト削減やペーパーレス化による業務効率化、テレワーク促進などの効果が期待できます。
販売管理を効率化するための方法
ここでは、販売管理を効率化するための方法として、以下の2点について解説していきます。
- エクセルの活用
- ERPの活用
エクセルの活用
販売管理を効率化する方法としては、まずエクセルの活用が考えられます。
エクセルであればツールの追加導入費用が不要であり、操作に慣れている人も多いため、始めやすいでしょう。
また、様式の自由な設定やカスタマイズができる点もメリットであるといえます。
一方で、エクセルを使った販売管理では、管理業務が一部の担当者に依存しがちな点、エクセル関数やマクロといったスキルが求められる点がデメリットとなります。
ERPの活用
販売管理の効率化においては、ERP(Enterprise Resource Planning)を活用する方法も有効です。ERPを活用することで、販売データをはじめ、企業内のあらゆるデータの一元管理や可視化ができるようになります。
また、ERPであれば特定の担当者が属人的に管理する状況を解消でき、持続可能な販売管理を実現できるでしょう。販売管理においては販売管理システムも候補となりますが、ERPであれば会計データなどを含めた、より幅広いデータの一元管理が可能です。
ERPと販売管理システムとの違いなどについては、以下の関連記事も併せてご確認ください。
まとめ
販売管理とは、商品の販売に関する一連の業務の管理活動を指します。
販売管理の主な目的は、販売業務の効率化や利益の維持・向上、顧客との関係性の強化であるといえます。
販売管理を実施することで、販売データのタイムリーな可視化や人的ミスの防止、販売管理にかかるコストの削減などが期待できるでしょう。
販売管理を効率的に行うための方法としては、エクセルやERPの活用が挙げられます。中でもERPであれば、販売データをはじめ会計データなども含めた企業内のあらゆるデータを一元管理することが可能です。

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