• 更新日 : 2024年1月30日

販売管理とは?目的や業務フロー、メリット、効率化のポイントを解説

販売管理とは、商品販売において生じる「モノ」と「お金」の流れを管理する活動を指します。販売管理は、企業の利益を適切に管理し、顧客との関係性を維持・強化していくために重要な管理活動です。

本記事では、販売管理の概要や業務フロー、メリット、効率化のためのポイントについて解説します。

販売管理とは

はじめに、販売管理の概要や実施目的について解説します。

販売管理の概要

販売管理とは、商品の販売に関する一連の業務を管理することを指します。
具体的には、商品販売に伴って生じる「モノ(商品)」と「お金」の流れについて、「いつ」「どこで」「誰から」「いくらで」といった各項目を管理します。

販売管理を実施する目的

販売管理を実施する目的としては、主に以下の点が挙げられます。

販売業務を効率的に行うため

販売管理によって商品の受注日や在庫状況、納品タイミングなどを一元的に管理することで、効率的な販売業務を実現できます。

商品の販売には営業部門だけでなく、製造部門や経理部門といったさまざまな部門が関わるため、販売管理によって部門間の連携ミスなどを防止することが求められます。

利益向上のため

販売管理は、企業の適切な利益把握・利益向上のために欠かせない管理活動です。
しっかりと販売管理を行うことで、商品別の販売状況や収支状況などを随時把握でき、利益向上に向けた対策につなげることができます。

顧客との関係性を強化するため

販売管理を実施することで、顧客とやり取りする見積書請求書などの書類も一元管理できるため、書類の提出忘れや期日遅れを防止することが可能です。それによって顧客との関係性の維持・強化を図れるとともに、支払いなどに関する法令遵守にもつながります。

販売管理を実施するには部門間の連携が不可欠

企業で販売管理を実施するには、部門間の連携が不可欠です。
例えば、販売部門と在庫管理部門が連携することで、適切な在庫レベルを維持し、過剰在庫や品切れを防ぐことが可能になります。
製造部門・物流部門・販売部門が連携すれば、サプライチェーン全体の効率が向上し、コスト削減や納期の短縮などが期待できます。

企業で販売管理を実施する際には、経営層が部門間連携の重要性を認識し、積極的なサポートを実施することが重要です。部門間の連携を強化できれば、企業全体で一貫性のある販売戦略を実行することが可能となり、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

販売管理の業務フロー

ここでは、販売管理の業務フローについて、以下の流れに沿って解説していきます。

  1. 受注管理
  2. 出荷管理
  3. 請求管理
  4. 仕入管理・支払い管理
  5. 在庫管理

1.受注管理

受注管理では、顧客からの商品の受注に関する各種情報を管理します。
具体的には、見積書の作成・提示や契約締結、受注伝票の管理などを行います。初めて取引を行う顧客の場合は、顧客情報の登録も実施することが一般的です。

2.出荷管理

出荷管理では、顧客からの受注情報に基づき、商品を出荷する業務までを管理します。
例えば、出荷伝票の作成や商品の梱包作業、配送手続きといった業務が挙げられるでしょう。

3.請求管理

請求管理では、顧客に請求書を発行し、商品代金の入金確認までを管理します。
請求書は、取引単位で発行する場合と、一定期間単位で発行する場合とに分けられます。顧客ごとに金額や入金期日をしっかりと管理し、入金遅れなどがあった際は顧客への状況確認を行うことが必要です。

4.仕入管理・支払い管理

仕入管理では、商品の原材料などを仕入れ先から調達する業務を管理します。
具体的には、仕入れ先業者との契約締結や原材料費の見積り、発注、入荷・検収作業、支払いなどが挙げられます。
顧客への請求管理と同様、仕入れ先との間でも、適切な請求書のやり取りや期日までの支払いを行うことが重要です。

5.在庫管理

在庫管理では、商品の出荷状況と関連付けながら商品の在庫数を管理します。
商品自体の在庫管理に加えて、仕入れ先から調達する原材料などの資材の在庫管理も大切です。在庫数のズレが生じないよう、定期的に実地での棚卸作業も行うようにしましょう。

業種別の販売管理の特徴

販売管理は、業種の特性に応じて実施する必要があります。
ここでは、製造業・卸売業・小売業の販売管理の特徴と違いについて詳しく解説します。

製造業の販売管理

製造業の販売管理は、正確な販売予測のもとで生産計画を立て、適切な価格設定と利益率の最適化を図ることが重要です。
また、過剰在庫や品切れを防止する必要があるため、製品の品質管理も重要なポイントだといえます。製品の品質を維持することで、顧客満足度アップにつながり、リピート購入にもつながりやすくなるでしょう。

さらに、原材料の調達から製品の配送までのサプライチェーン全体を管理することも非常に重要です。サプライチェーンを柔軟に管理することで、需要の変動に応じて生産量を調整したり、過剰在庫や品切れを防いだりするなど、臨機応変な対応が可能になります。

卸売業の販売管理

卸売業では大量の商品を取り扱うため、効率的な在庫管理と物流管理が重要です。
過剰在庫や在庫不足を防ぐために、需要予測に基づいた精密な販売管理が求められます。
また、取引先の需要を予測し、適切な商品をできるだけ早く供給しなければなりません。

安定した供給を実現するためには、適切なサプライチェーンの構築が不可欠です。日頃から商品の製造元との関係を築いておき、強力なサプライチェーンを構築することで、安定した供給と迅速な配送が可能となるでしょう。

また、小売業者との関係を築くことも重要なポイントです。
エンドユーザーのニーズを把握し、ニーズに応じた商品やサービスを迅速に提供することで、小売業者と長期的な関係を築くことができるでしょう。

卸売業における販売管理では、これらの要素を総合的に管理し、利益を最大化する取り組みが求められます。

小売業の販売管理

小売業では、エンドユーザーとの直接的なやり取りが頻繁に行われるため、そのニーズや行動パターンを直接把握し、即座に応えることが重要です。
売れ筋商品の在庫不足や過剰在庫などは、店舗の売上や利益、顧客満足度に直接影響するため、適切な在庫管理が欠かせません。
例えば、在庫数の自動追跡や発注システムなどを活用することで、効率的な在庫管理を実現できるでしょう。
前述のとおり、製造業では生産量とのバランスが重視されているのに対し、小売業では顧客志向に合わせた在庫管理が求められています。

また、小売業の販売管理では、店舗プロモーションや割引イベントなどの販売促進活動が大きく関わるのも特徴です。販売データを分析し、トレンドや消費行動について理解することで、効果的なマーケティングを展開できるでしょう。

販売管理を実施するメリット

  • 販売データのタイムリーな可視化ができる
  • 人的ミスを防止できる
  • 販売業務にかかる費用や手間を軽減できる

販売データのタイムリーな可視化ができる

販売管理によって、販売データをタイムリーに可視化できるというメリットがあります。
商品の受注状況や納品後の入金状況といったデータをタイムリーに把握でき、利益状況をリアルタイムに確認することができます。

商品の販売状況が参照できるため、今後の販売戦略の見直しや商品の改良、新商品開発の企画などを効果的に検討することができるでしょう。

人的ミスを防止できる

販売管理を行うことで、販売業務における人的ミスの防止も期待できます。これまで紙などのアナログ方式で販売業務を行っていた場合、人的ミスが生じやすく、ミスを検知することも難しかったのではないでしょうか。

一方で、企業内で統一されたルールや仕組みに基づいて販売管理を行えば、ヒューマンエラーを防ぎながら的確な販売業務の把握・管理ができるようになるでしょう。

販売業務にかかる費用や手間を軽減できる

販売管理を実施することで、販売業務にかかる費用や手間を軽減できる点もメリットです。例えば、従来の紙伝票を使った販売業務の場合、伝票の印刷代や保管コストなどがかかります。

それに対し、システムを活用しながら販売管理を行うことで、コスト削減やペーパーレス化による業務効率化、テレワーク促進などの効果が期待できます。

販売管理の戦略

販売管理は、数値を見るだけでなく市場を調査した上で最適な戦略を立てていくことがポイントです。特に、以下のプロセスが重要となります。

  1. 市場分析
  2. ターゲット顧客の特定
  3. 競合分析
  4. 販売目標の設定

市場分析

まずは、業界レポートや市場調査、顧客調査などの内容を踏まえて、市場規模や成長率、顧客の購買行動などを分析していきます。
ここでは、市場の傾向や需要、成長機会などを理解することが大切です。正確な市場分析は、適切な販売戦略を策定するための基礎となる、特に重要な工程だといえるでしょう。

ターゲット顧客の特定

続いて、年齢や性別、購買行動などに基づいてターゲット顧客を定義します。
ここでの目的は、最も効果的にサービスを提供できる顧客層を明確にすることです。ターゲット顧客を明確にすることで、マーケティングと販売の効果を最大化することができるでしょう。

競合分析

競合他社の製品や価格設定、マーケティング戦略、市場シェアなどを分析します。
競合他社の戦略や強み・弱みを理解し、競争優位を確保することが目的です。競合の動向を理解することで差別化戦略を策定でき、市場における優位性を確立できるでしょう。

また、競合分析を行いつつ、自社が売上を伸ばしていくために必要なことや課題なども明確にしておくと良いでしょう。市場や競合他社と比較した上で、価格設定が適切かどうかや、自社のリピート率などを見直すことができます。自社の課題を把握したい場合は、顧客アンケートなどを参考にするのがおすすめです。

販売目標の設定

次に、過去の販売データや市場の成長予測、企業の全体的な目標をもとにして販売目標を決めていきます。
企業の販売戦略に対する具体的な目標や基準を設定していきましょう。明確な販売目標があることで、チームの方向性を定めることができます。

販売目標を設定したら、目標達成のための具体的なアクションプランを作成していきましょう。併せて、販売活動に必要な予算を算出し、担当部署に割り当てます。

企業に適した販売戦略を立案する際には、以下のフレームワークを活用すると良いでしょう。

  • 3C分析
    3C分析は、「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの項目で物事を分析するフレームワークです。
    顧客のニーズや消費行動、競合各社の特徴などを把握できるというメリットがあります。
  • 4C分析
    4C分析は、顧客目線での「Customer Value(価値)」「Cost(費用)」「Convenience(利便性)」「Communication(対話)」などの項目で物事を分析するフレームワークです。
    顧客目線で物事を把握したいときに役立ちます。
  • ペルソナ分析
    ペルソナ分析とは、顧客の基本情報(生年月日や性別など)や居住地、ライフスタイル、持っている悩みなどの項目をもとに顧客の心理や行動を予測する手法のことです。設定項目が多ければ多いほど、顧客のニーズに沿った販売戦略を立てられます。

販売管理を効率化するための方法

ここでは、販売管理を効率化するための方法として、以下の2点について解説していきます。

  • エクセルの活用
  • ERPの活用

エクセルの活用

販売管理を効率化する方法としては、まずエクセルの活用が考えられます。
エクセルであればツールの追加導入費用が不要であり、操作に慣れている人も多いため、始めやすいでしょう。

また、様式の自由な設定やカスタマイズができる点もメリットであるといえます。
一方で、エクセルを使った販売管理では、管理業務が一部の担当者に依存しがちな点、エクセル関数やマクロといったスキルが求められる点がデメリットとなります。

ERPの活用

販売管理の効率化においては、ERP(Enterprise Resource Planning)を活用する方法も有効です。ERPを活用することで、販売データをはじめ、企業内のあらゆるデータの一元管理や可視化ができるようになります。

また、ERPであれば特定の担当者が属人的に管理する状況を解消でき、持続可能な販売管理を実現できるでしょう。販売管理においては販売管理システムも候補となりますが、ERPであれば会計データなどを含めた、より幅広いデータの一元管理が可能です。

ERPと販売管理システムとの違いなどについては、以下の関連記事も併せてご確認ください。

ERPを活用して販売管理を効率化したケース

株式会社フォワード様では、上場審査をクリアできるだけの経理体制が整っておらず、会計業務を税理士へアウトソースしている状況でした。
データを確認する度に税理士へ依頼している状況であったため、リアルタイムでデータを把握できていない状況となっていたとのことです。

上場審査をクリアするには、まずは経理業務の内製化を図る必要があり、そこでマネーフォワード クラウドの利用を検討することになりました。
会計業務をマネーフォワード クラウドに統一したことで、グループ責任者や税理士、公認会計士とのやりとりが円滑になり、リアルタイムで仕訳や帳票を確認できるようになりました。

また、以前利用していた会計ソフトでは、税理士との月次の打ち合わせの際にデータを提出してもらっていたこともあり、締め作業から確認するまでのタイムラグが20日ほど発生していましたが、マネーフォワード クラウドを導入したことでタイムラグが少しずつ減っていきているとのことです。

参考:上場に向けてバックオフィスを内製化。グループ会社の連携もスムーズに

まとめ

販売管理とは、商品の販売に関する一連の業務の管理活動を指します。
販売管理の主な目的は、販売業務の効率化や利益の維持・向上、顧客との関係性の強化であるといえます。

販売管理を実施することで、販売データのタイムリーな可視化や人的ミスの防止、販売管理にかかるコストの削減などが期待できるでしょう。

販売管理を効率的に行うための方法としては、エクセルやERPの活用が挙げられます。中でもERPであれば、販売データをはじめ会計データなども含めた企業内のあらゆるデータを一元管理することが可能です。


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