- 更新日 : 2024年10月22日
翻訳家の請求書の書き方を解説!テンプレートも
派遣サービスを行う会社に所属せずに、個人事業主(フリーランス)として生計を立てる「翻訳家」は、翻訳業務が完了したら、その報酬を得るために請求書を発行し請求先に渡す必要があります。翻訳家が記載すべき請求書の基本的事項や、特に注意した方が良い点について説明します。
翻訳家の仕事とは
翻訳家の仕事は、さまざまな種類の文章を日本語から外国語、外国語から日本語へと変換する仕事です。文芸やノンフィクションなど日本語の文章の美しさを求められる出版翻訳、映画やドキュメンタリーなどの映像翻訳に従事する人を「翻訳家」、主に専門性の高い文献やマニュアルなどを取り扱う産業翻訳に従事する人を「翻訳者」ということもあります。ビジネスとして多数を占めるのは後者ですが、その分野はコンピューター、工業技術、経営管理・財務、医学・薬学、特許関連、契約書など多岐にわたります。
翻訳料金は、例えば以下のような方法で計算されます。
または、外国語に翻訳された原稿用紙枚数(1枚400字)×単価(1枚あたり○円)・外国語の単語数×単価(1単語あたり○円)
翻訳家を派遣する会社に所属せずにフリーランスの翻訳家として仕事をしている場合、業務が完了したら、取引先に対して請求書を発行しましょう。次の項から、請求書の基本的な書き方を見ていきます。
請求書の基本的な書き方
請求書は、翻訳業務という役務の提供に対する対価を取引先に請求するための書類です。請求書は翻訳業務に対する報酬額や支払期日などを取引先に知らせる役割を担っています。まず、請求書の書き方を説明する前に、翻訳家の場合のサンプルをご覧ください。
(サンプル請求書)

(参照:請求書|マネーフォワード クラウド請求書)
請求書の書き方の注意点
翻訳家の請求書を作成する際には、以下の点に注意をする必要があります。
請求書の品目の書き方
翻訳家の請求書の品目は「翻訳料」として、その根拠となる計算方法を記載します。他の案件と取り違えられることのないよう、取り扱った書類のタイトルなども明記しておく必要があります。
インターネットや電子辞書などを利用して気軽に翻訳できるようになったことから、翻訳料金の基準は昔とは変わってきていますが、翻訳対象の専門性や難易度、緊急の案件かどうかなどで、追加料金を支払ってもらうべき状況もあります。追加料金が発生するときは、請求書の書き方が変わることもあります。品目に、翻訳料とは別に「特急料金」として追加しましょう。ただし、受注した後にトラブルになることがないよう、翻訳料金についてはしっかりと話し合っておくことをお勧めします。
また、内訳には軽減税率の対象とならない品目(10%)と対象となる品目(8%)の小計を分けて記載し、それぞれの消費税額を明らかにします。
翻訳料は源泉徴収税の対象になる
翻訳家の業務に対する報酬は、源泉徴収税の対象になります。請求書にて示した金額から、源泉徴収税が控除されて支払われることになります。源泉徴収に関する知識がないと「約束した金額が支払われていないと」思いこみ、取引先にクレームをつけたり、不要な問い合わせによって担当者に手間を取らせたりしてトラブルになることもありますので注意しましょう。
まとめ
このように、翻訳家の請求書の書き方には注意すべき点がいくつかあります。翻訳料金の計算方法は「文字単位」「原稿用紙の枚数単位」と細かいため、受注する前に必ず確認しておきましょう。さらに、支払時期、振込手数料や消費税などの支払条件についても、取引先と認識のズレがないようにしておくことが大切です。トラブルがなく仕事を行うために、正しい請求書の書き方を身につけましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
請求書での端数処理の方法は?インボイスにおける処理の注意点まで解説
請求書の消費税に1円以下の端数が生じることは、良くあります。端数処理の方法は「切り上げ」「切り捨て」「四捨五入」のいずれかで、どの方法を選択しても問題ありません。 また、インボイス制度の導入により、インボイス(適格請求書)を発行する事業者の…
詳しくみる請求書の電子化・ペーパーレス化のメリットとは?保存要件や注意点も解説
最近では、請求書を紙に印刷したものを取引先に郵送せず、電子化された請求書でやり取りを行う企業が増えています。 また、e-文書法や電子帳簿保存法の施行により、電子化(電子データ)による保存が認められた書類の中に請求書も含まれています。そのため…
詳しくみるコンビニで請求書の支払いはできる?クレジットカードなど決済方法も解説
全国には5万店舗以上のコンビニエンスストアがあります。お弁当や飲み物など日用品の購入はもちろん、それ以外にもATM、印刷・コピー、荷物の発送など、利用できるサービスは多岐にわたります。最近では、ネットショッピングの代金をコンビニで支払う人も…
詳しくみる長形3号封筒の郵便料金はいくら?差額切手の貼り方も解説
2024年10月より、郵便料金が値上げされるため、今のうちに対策を立てたいという事業者の方もいるでしょう。 そこで今回は、郵便料金の節約を考える事業者のために、A4サイズが3つ折りで入る長形3号封筒を送る際のコストについてご紹介します。新し…
詳しくみるWeb請求書システムとは?利用のメリットや活用法を解説
取引先や取引件数が多い企業では、請求書の発行や送付は大変な作業です。作業量に応じてコストもかかるため、課題感を持っている企業も多いでしょう。煩雑になりがちな作業を効率化できるのが、請求書を電子化するWeb請求書システムです。 ここでは、電子…
詳しくみる請求書買取サービスのメリットは?利用時の注意点も解説
請求書買取サービスは、請求している代金を早期に入金させて資金繰りを良くしたい場合などに活用できる、債権を現金化できるサービスです。2社間で行うものと3社間で行うものなどで仕組みが異なります。 この記事では、請求書買取サービス利用時のメリット…
詳しくみる