- 更新日 : 2025年4月1日
AI-OCRで請求書をデータ化する方法は?メリットやおすすめのサービスも
OCR(光学文字認識機能)という技術は従来もありましたが、近年のAIの発達により「AI-OCR」という新たなOCR技術が注目されています。今回は「AI-OCR」を使って書面の請求書をデータ化するメリットやおすすめのサービスについて解説します。
目次
そもそもAI-OCRとは?
はじめに、AI-OCRとは何かについて解説します。「OCR」は「Optical Character Recognition」の略であり、請求書などの書面に記載されている文字や数字を光学的に抽出し、電子データに変換する機能です。抽出した文字や数字をエクセル等に反映させたり、書面の文字データから会計の仕訳処理を行ったりするなど、書面のデータを手動で電子化する手間を省ける便利な技術です。
しかし、従来のOCR技術では文字や数字の誤認識が起こるなどの弊害がありました。そこで近年注目されているAIの学習機能とOCR技術を組み合わせることで、データ認識の精度を向上させたのがAI-OCRです。
AI-OCRで請求書をデータ化する方法は?
では、AI-OCRを使ってどのように請求書をデータ化するのか、その方法について解説します。
請求書の読み取り
はじめに、紙ベースの請求書を専用のスキャナや複合機のスキャン機能などを使って電子データとして読み込みます。利用するAI-OCRによっては、画像撮影などにも対応しており、スマートフォン等で請求書を撮影するだけで読み取れる機能もあります。
読み取りデータの識別
スキャンや撮影により読み取った文字や数字のデータを、AIを使って識別していきます。「ソ(そ)」と「ン(ん)」のように、特に手書きの文字については、従来のOCRではよく誤認識が発生していましたが、AIの持つ学習機能を使った識別により、精度の高い識別ができるようになりました。
識別データの抽出
AI-OCRが識別した文字や数字のデータを、エクセルやワードなどのデータとして抽出できます。また、読み取った請求書を単純な画像データとして保存することも可能です。
AI-OCRで請求書をデータ化するメリットは?
進化したOCRであるAI-OCRは、特にビジネスにおいて非常にメリットのある技術です。次に、AI-OCRを利用するメリットをご紹介します。
事務作業の効率化
例えば、請求書を会計伝票に起票するにあたって、従来であれば簿記の知識を持った事務担当者が、請求書を見ながらパソコンにデータ入力する形で対応していました。
しかしAI-OCRのなかには、文字や数字の高い識別精度はもちろんのこと、識別したデータから自動で仕訳処理を行ってくれる機能を備えたものがあります。これにより、従来の手入力を省略して事務作業を効率化できます。
コストの削減効果
請求書のデータを電子データとして利用するためには、手動でデータを起こす必要がありました。初期の設備投資はかかるものの、AI-OCRを利用すれば請求書からのデータ入力が原則不要になるため、そのための人員を雇用する必要がなくなります。
請求書の保管コストの削減
「電子帳簿保存法」では、請求書をスキャナ保存しておけば原本である紙ベース請求書の保管義務はなく、破棄しても問題ありません。電子帳簿の保存要件さえ満たせば、保管場所や保管する手間が省けるためコストの削減につながります。
AI-OCRで請求書をデータ化するときの注意点は?
近年成長をみせるAI-OCRですが、注意点もあります。次に、AI-OCRで請求書をデータ化する際の注意点について解説します。
文字や数字の識別精度が100%ではない
AIの学習機能が高いとはいえ、人が書く、癖がある文字や数字を識別する精度は100%ではありません。人間が見れば、癖がある文字や数字も、前後の文書の流れなどからある程度識別できます。しかし、基本的にAIは学習しなければ識別できず、100%近い精度になるには相当の時間と学習を要します。
利用するシステムによっては非定型のフォーマットの識別が困難
請求書や領収書のように、会社名や金額が用紙の一定の位置に記載されているケースではAIの識別精度が上がります。しかし、手書きの請求書のように位置が決まっていない非定型フォーマットの場合、利用するシステムによってはAI-OCRの識別精度が著しく低下する場合もあるようです。
AI-OCRで請求書をデータ化するならマネーフォワード クラウド
AI-OCRの導入を検討している方におすすめしたいのが、「マネーフォワード クラウドインボイス」です。「マネーフォワード クラウドインボイス」の特色として挙げられるのが、オペレーターによる補正サポートです。AI-OCRによる識別業務に加えてオペレーターによる補正が行われることにより、高い識別精度でデータ化が可能です。
「マネーフォワード クラウドインボイス」について詳しく知りたい方は、次のリンクを参照してください。
「AI-OCR」を使って事務効率アップを
「AI-OCR」を使った請求書のデータ化は、AI技術の進化と共に今後さらに発達していくと予想されます。人件費をはじめとした経費削減を検討している方は、今回紹介した最先端の「AI-OCR」技術を活用してみてはいかがでしょうか。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
請求書の分割は違法?それとも合法?ルールや書き方、トラブル防止について解説
請求を分割して発行することは可能です。ただし、取引先との同意がなければ違法になったり、取引先の信用を失ったりするリスクもあります。 本記事では、分割請求が違法とされるケースとされないケースについて解説します。分割請求するメリットとデメリット…
詳しくみる請求書の数え方は?枚や通など単位の使い分けも解説
ビジネスにおいて、請求書の枚数はどのように数えるのでしょうか。1枚で完結する書類や複数の枚数にわたる書類など、書類や場面によって数え方の単位が異なります。今回は、請求書の数え方として使われる単位や取引内容の数え方、送付状に記載する際の数え方…
詳しくみる家庭教師の請求書テンプレートと書き方のポイントを紹介!
家庭教師の請求書は、一般的に必要ないケースも多いですが、家庭教師として働く個人または家庭教師サービスを提供する企業が使用する場合もあります。この請求書は、家庭教師が生徒に提供した指導サービスに対する対価を請求する際に用いられます。通常、指導…
詳しくみる請求書の発行日はどう決める?発行タイミングや支払期日も解説
請求書を適切なタイミングで発行するには、その取引概要や取引先を正確に把握しておく必要があります。請求書を発行するタイミングを間違えてしまうと取引先に迷惑がかかるだけでなく、トラブルに発展してしまう可能性もあります。 本記事では請求書を発行す…
詳しくみるスマートレターの郵便料金はいくら?出し方や注意点を解説
2024年10月に実施される郵便料金の値上げには、スマートレターも含まれます。低料金で使い勝手のよいスマートレターですが、値上げによってどれだけコストアップになるのでしょうか。 本記事では、スマートレターの新料金について解説します。スマート…
詳しくみる請求管理システムとは?導入メリットや比較検討のポイントを解説
取引先が拡大するにつれて、請求書の作成や入金確認業務には多くの工数が費やされます。請求管理システムを導入することで、自社の請求業務や債権管理を効率化でき、労働生産性向上にも効果的です。本記事では、請求管理システムの概要や種類、サービスを比較…
詳しくみる