- 更新日 : 2024年10月21日
郵便コストを削減する方法は?値上げ対策に電子化がおすすめな理由も解説
2024年10月から、はがきや定型郵便物などの郵便料金が値上げされます。毎月の請求書など、大量に郵送している事業者にとっては大きなコスト増加となるでしょう。今回は郵便料金値上げの対策として、郵便物の電子化など、コスト削減のために取るべき対策について解説します。
目次
2024年10月から郵便料金が値上げ!
2024年10月から郵便料金が値上げされましたが、なぜ値上げが実施されるのか、その背景や値上げによりどれくらい郵便料金が増えるのかなどについて解説します。
郵便料金が値上げする背景
日本郵便株式会社は、2024年10月1日から郵便料金を値上げすると発表しました。値上げの背景として、メールやWeb請求書など郵便物のデジタル化が進んだことにより郵便物数が大きく減少する一方、人件費や燃料費などの営業コストが増加したことが挙げられます。
将来的にはデジタル化がさらに加速すると予想されることから、郵便サービスの安定供給を図るために今回の値上げに踏み切ったようです。
値上げ前と値上げ後の郵便料金比較
値上げの対象となるのは、定型郵便物・通常はがき・レターパックなどです。主なサービスの値上げ前と値上げ後の料金比較は以下のとおりです。
| 郵便サービス | 2004/9/30まで | 2004/10/1以降 | 値上げ額 | |
|---|---|---|---|---|
| 定形郵便物 | 25g以内 | 84円 | 110円 | 26円 |
| 50g以内 | 94円 | 110円 | 16円 | |
| 定型外郵便物 | 50g以内 | 120円 | 140円 | 20円 |
| 100g以内 | 140円 | 180円 | 40円 | |
| 通常はがき | 通常はがき | 63円 | 85円 | 22円 |
| 往復はがき | 126円 | 170円 | 44円 | |
| レターパック | プラス | 520円 | 600円 | 80円 |
| ライト | 370円 | 430円 | 60円 | |
出典:2024年10月1日(火)より郵便料金が変わりました。|日本郵便、「主な郵便料金」を加工して作成
ビジネスでよく利用する郵便サービスも、軒並み値上がりしていていることが分かります。なかには現行料金の30%以上も値上げされているサービスもあり、毎月大量の郵便物を出している事業者ほど大きな影響を受けることになります。
郵便コストを削減する方法は?
今回の値上げで、毎月発生する郵便コストが増加することになりますが、次に、コスト削減のために取るべき対策について確認してみましょう。
郵便物の種類を変更する
郵便料金は、サイズと重量で料金が変わります。郵便コストを抑える対策の1つに、郵便物の種類を変更する方法があります。例えば、従来「定型外郵便物」として出していたものを「定型郵便物」として出せるように郵便物をサイズダウン(A3サイズからA4サイズなど)する方法もあります。また、書面の内容をコンパクトに整理することで、2枚の書類を1枚にまとめるのも重量を抑えるために有効な手段です。
郵便物の発送方法を変更する
毎月、同一取引先に複数回郵便物を郵送するケースでは、郵便物の発送方法を変更するのもコスト削減につながります。週1回の郵送を隔週1回にまとめる、郵送していた書類を営業担当が取引先に直接持参するなど、発送回数を減らすことで郵送コストを抑えられます。
大量の郵便物を発送して割引を利用する
郵便物を大量に発送する場合、発送数に応じた割引料金が適用されます。第一種郵便物(定型郵便物、定型外郵便物)、第二種郵便物(はがき)は1,000通以上、第三種郵便物(雑誌等の定期刊行物)は2,000通以上まとめることで割引を受けることができます。また、通数が多くなるほど割引率が上がるため、発送総数が多い場合は可能な限りまとめて発送するようにしましょう。
郵便代行サービスやアウトソーシングを利用する
郵便物の発送業務を郵便代行サービスなどに社外委託(アウトソーシング)するのも1つの方法です。契約内容によりますが、郵便物の発送を社外委託する場合、区分郵便など自社に最も適した郵便サービスを使って郵送してくれます。また、郵便物の封入や集荷業務なども依頼することで、人件費等の削減にもつながります。
紙の郵便物を電子化する
従来紙ベースで郵送していた書類を電子化、ペーパーレス化する方法です。書類をPDFにしてメールに添付したり、Web上で請求書などを閲覧・出力できるサービスを利用したりする方法などが挙げられます。電子化することで、紙や封筒などのコストも併せて削減できるというメリットもあります。
郵便コストの削減に電子化がおすすめな理由は?
郵便コスト削減の方法のなかでも、郵便物の電子化は特に有効な手段として挙げられますが、その理由について解説します。
郵便の手間を削減して業務を効率化できる
郵便物を電子化するメリットとして、業務の効率化があります。郵便物を電子化した場合、PDF化した書類を添付してメール送信するだけです。郵便料金だけではなく、印刷から封入・発送までの作業を省略可能になるため、大幅に事務コストを削減できます。
ペーパーレス化により紙を保管するコストも削減できる
売上の請求書など、会社に控えを残す書類の場合、紙ベースでは保管する場所を確保しなければならないうえに、保管する際の手間もかかります。電子化でパソコン内に書類を保存するようにすれば、ペーパーレス化による保管コストの削減にもつながります。また、印刷用の紙を大量に保管する必要がない点もメリットとして挙げられます。
郵便コストの削減に向けた電子化を進める方法は?
次に、郵便物の電子化に向けて、どのように作業を進めていけばよいかについて解説します。
郵送までの作業手順の見直しを行う
郵便物の書類作成から印刷、封入、発送作業まで、従来行っていた作業手順を再度確認し、電子化や省略が可能な部分がないか等の見直しを行いましょう。その際、どのような形で電子化するのが最適かを検討する必要があります。
例えば請求書の場合、PDFとしてメール送信する方法や、取引先が自社HPからダウンロードして請求書を取り込む方法、取引先とシステムを共有してシステム上で請求書を閲覧できるようにする方法などがあります。セキュリティの問題やシステムの導入コストなど、それぞれメリット・デメリットがあるため、自社のニーズに合致した電子化を進める必要があります。
電子帳簿保存法への対応
電子化を進めるにあたって注意しなければならないのが、電子帳簿保存法です。2024年1月から、電子帳簿保存法により電子取引データの完全保存が義務付けられており、請求書の発行を電子化するような場合は特に注意が必要です。
電子帳簿保存法では請求書を受け取った側だけでなく、発行した側にも電子取引データの保存義務が生じます。また、保存する方法を定めた事務処理規定や検索規定などもあるため、書類を電子化する際、社内でどのように保存し管理するかを検討し、ルールに沿って電子化を行う必要があります。
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電子化によりコスト削減を推進しましょう
ネット環境の普及により今後、商取引や手続きの電子化はさらに加速することが予想されます。したがって、いずれは電子化を検討しなければならない時期がくるのは明らかです。郵便コストの増加を契機に、郵便物の発送業務の電子化を検討してみてはいかがでしょうか。
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