- 更新日 : 2024年10月21日
封入封緘の正しいやり方・マナーは?手作業を効率化する方法も解説!
取引先に請求書を送る際は、封入封緘を行います。実は封入封緘には正しいやり方があるため、マナー違反などをしてしまうと相手に失礼な印象を与えかねません。また、業務効率化のためにも、封入封緘をいかに効率化するかは大切なポイントです。
ここでは、封入封緘の正しいやり方やマナーだけでなく、手作業を効率化する方法も解説します。
目次
そもそも封入封緘とは?
封入封緘とは、封入(ふうにゅう)と封緘(ふうかん)の2つの行為を合わせた言葉です。
封入とは、請求書などを封筒に入れる行為のことをいいます。封緘とは、請求書などを入れた封筒をのり付けなどで閉じる作業のことをいいます。封入も封緘も、取引先に請求書を送る場合に必要な作業です。
封入封緘の正しいやり方・マナーは?
次に、封入封緘の正しいやり方やマナーについて見ていきましょう。
封をする方法に気を付ける
請求書を封筒に入れたら、封緘しなければなりません。一般的に、液体のりやスティックのりを使って封をします。封は簡単に剥がれないようにするため、粘着力が高いものを選びましょう。
のりの代わりに両面テープでも問題ありませんが、セロハンテープやガムテープはマナー違反とされています。セロハンテープは乾燥や水に弱く、封が開いてしまう危険性があります。また、相手に雑なイメージを与えることがあるので、封緘には向きません。ガムテープも段ボールなどの大型の荷物に封をする際に使うため、封緘には向きません。
封緘したら封字をする
のり付けなどで封をしたら、最後に封字をします。封字とは、簡単にいうと締めマークのことです。封字をするのは、送り先にしっかりと封をしたことを伝えるためです。途中で開封されていないことを示せるため、送り先に安心感を与えられます。
また、封字をした封筒は重要な書類が入っていることを示し、他の郵送物と区別することが可能です。送り先が大きな企業の場合は、他の担当者が間違って開けることを防ぐ効果もあります。
封入封緘に使用する封字の種類と意味は?
封字にはいくつかの種類があり、それぞれ使う場面などが異なります。ここでは、封入封緘に使用する封字の種類と意味を見ていきます。
「〆」「締」
「〆」は一般的な封字で、基本的にどのような書類でも使うことができます。「〆」を少し丁寧にしたのが「締」です。「締」は、目上の相手や一般の書類よりも重要な書類を送る場合に使うことが多いです。
「封」
「封」は、重要な書類を送る場合に使われる封字です。願書や履歴書などを送る際には「封」が使われることが多いです。
「緘」
「緘」は、公の書類を送る際によく用いられる封字です。各自治体や学校などの教育機関から送られてくる書類に多く用いられ、その書類が重要であることを示します。
「寿」
「寿」は、慶事で用いられる封字です。相手にお祝いの気持ちを伝えるときに使います。
「賀」
「賀」も慶事で用いられる封字で、相手にお祝いの気持ちを伝えるときに使います。「寿」との違いは、「賀」は年賀の祝いの際によく使われる点です。
「蕾」「つぼみ」
「蕾」や「つぼみ」は、女性のみが使う封字です。一般的な書類では使いません。
封入封緘を自社で行う課題やデメリットは?
請求書などの重要な書類は、封入封緘を自社で行いたいと考える企業も多いでしょう。しかし、封入封緘を自社で行うことには、次のような課題やデメリットがあります。
時間や工数がかかる
送付する書類が多い場合には、封入封緘に多くの時間や工数がかかります。封入封緘では、書類を封筒に入れて封をするだけでなく、記載内容や宛先に間違いがないか確認しなければなりません。
会社の部署をまたいで書類を封入封緘する場合などは、間違いがあったときの確認作業にも時間がかかります。他の仕事をする時間が削られるなど、会社全体の業務効率が悪くなる可能性もあります。
ミスが出ない体制を構築する必要がある
請求書など重要な書類で内容や送り先などにミスが生じると、相手に情報漏洩などの損害を与える可能性があるうえに、相手からの信頼を損なってしまいます。
しかし、多くの書類を送る場合には、人為的なミスがどこかで起きてしまうものです。ミスが出ても書類を送る前に発見できるよう、自社でチェック体制を構築するなどの対策を講じることが必須です。
封入封緘の作業を効率化する方法は?
封入封緘の作業は、多くの時間や工数がかかります。本業に影響が出ないためにも、封入封緘の作業を効率化する方法を導入したほうがよいでしょう。封入封緘の作業を効率化する方法として、主に次のものが考えられます。
封緘印を利用する
封緘印とは、あらかじめ「締」や「封」などが彫られた印鑑のことです。毎回手書きで封字を書く手間を省けるため、効率化を図れます。封緘印は、安ければ数百円程度のものもあるので、会社に用意しておくとよいでしょう。
封入封緘機を利用する
封入封緘機(インサーター)とは、封入封緘を自動で行う機械のことです。一度に多くの封筒を自動で封入封緘できるので、業務効率化につながります。封入封緘だけでなく、ページ合わせや書類の折りなどを自動で行うものもあります。
封入封緘機を使えば、封入封緘にかかる時間や工数の短縮だけでなく、書類の中身を担当者以外が見る機会が少なくなるので、セキュリティ対策になります。ただし、機種にもよりますが、封入封緘機の導入には一定のコストがかかります。
封入封緘代行サービスを利用する
封入封緘代行サービスとは、請求書などの書類の封入封緘作業を代行するサービスのことです。封入封緘代行サービスを扱う業者は多くあり、業者ごとに作業内容や価格が異なります。業者によっては、封入封緘だけでなく、封入物の印刷や折り加工、封入物の内容チェック、封筒の発送までを行います。
封入封緘代行サービスを利用すれば、封入封緘作業を自社で行う必要がなくなるので、大幅な業務効率化につながります。代行できる作業内容やコストから、利用する封入封緘代行サービス業者を選びましょう。
紙の請求書を電子化する
紙の請求書を電子化してデータで送れば、そもそも封入封緘作業は必要ありません。具体的には、請求書をPDF化などしてデータとして取引先に送ります。
紙の請求書を電子化する場合は、インボイス(適格請求書等)と電子帳簿保存法に注意が必要です。電子化した請求書であっても、請求書をインボイスにしている場合は、適格請求書発行事業者の登録番号などの記載が必要です。
紙の請求書を電子化してデータで送った場合、電子帳簿保存法では、紙ではなく電子データとして保存する義務があります。そのため、データを削除しないように気を付けなければなりません。
マネーフォワード クラウドを活用すれば封入封緘の作業が不要に!
請求書などの封入封緘作業には、多くの時間や手間がかかります。そのため、封入封緘機や封入封緘代行サービスを利用することで、作業効率を上げられます。
しかし、封入封緘機や封入封緘代行サービスには、多くのコストがかかるなどのデメリットもあります。そこで検討したいのが、紙の請求書を電子化し、データとして送信することです。「マネーフォワード クラウドインボイス」を利用すれば、請求書や納品書などの帳票を電子化して取引先に送付することが可能です。また、受け取った紙の請求書を簡単に電子化できます。
マネーフォワード クラウドインボイスには「受領プラン」と「送付プラン」があり、どちらか一方だけでも契約ができます。「送付プラン」を契約すれば、請求書をデータとして取引先にメールで添付したり、Web上で送付したりできるため、封入封緘作業が不要になります。
封入封緘作業の効率化を考えている場合は、マネーフォワード クラウドインボイスの利用もぜひご検討ください。
帳票送付サービス マネーフォワード クラウドインボイス[送付]
封入封緘の作業を削減し、事業効率化を図ろう!
封入封緘とは、請求書などを封筒に入れる行為である封入(ふうにゅう)と封筒をのり付けなどで閉じる作業の封緘(ふうかん)の2つの行為を合わせた言葉です。封入封緘では封をする方法に気を付けたり、封緘後に封字をしたりするなどのマナーを守る必要があります。
ただし、封入封緘を自社で行うと、時間や工数がかかります。また、ミスが出ない体制を構築する必要もあります。
そこで検討したいのが、紙の請求書を電子化して送付することです。請求書などをメールで送付するため、封入封緘作業自体が必要ありません。封入封緘の作業を削減し、事業効率化を図りましょう。
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