- 更新日 : 2024年10月17日
送付状に使える8月の時候の挨拶まとめ 上旬・中旬・下旬それぞれ紹介
ビジネスで送付状を作成する際は、時候の挨拶を入れるのがマナーです。時候の挨拶とは季節を表す言葉を使った挨拶であり、季節ごとに季語が変わります。時候の挨拶は旧暦を基準にしているため、実際の季節とずれがあることに気をつけましょう。
本記事では8月に送る送付状に書く時候の挨拶について、例文とともに紹介します。
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目次
送付状(添え状)に記載する時候の挨拶とは
ビジネスで取引先などに文書を郵送するとき、送付状を添えるのが一般的です。ここでは、送付状の意味や記載する時候の挨拶の役割について解説します。
送付状(添え状)とは?
ビジネスでは、請求書や契約書、履歴書といった書類を送るシーンがあります。ビジネス文書を送る際に添えるのが送付状で、送付状を一緒に送ることがビジネスマナーとされています。
送付状には、挨拶と書類の概要を知らせる役割があります。時候の挨拶を記載し、一緒に送る書類の内容を記載します。マナーとしての意味合いがあるとともに、送付書類を相手に確認してもらうための書類です。
送付状が添えられていないと「挨拶や説明もなく書類だけが送られてきた」と感じ、丁寧ではない印象を与えることもあります。書類を送付した意図が正確に伝わらない可能性も考えられます。ビジネス文書を送付する際は、送付状を添えるようにしましょう。
送付状の書き方について、詳しくは以下の記事が参考になります。
時候の挨拶の役割
時候の挨拶とは、手紙やメールで最初に書く、季節を表す言葉を使った文章のことです。「時候」とは、移り変わる四季の気候や陽気のことで、時候の挨拶では、送る時期の気候や陽気に応じて季節を表現します。
ビジネスレターでは、本文の前に時候の挨拶を入れるのがマナーとされています。
時候の挨拶に使う言葉はさまざまで、基本的に「二十四節気(にじゅうしせっき)」に沿った言葉を選んで使います。二十四節気とは、1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれ6つずつに分けたものです。立春や夏至など、その季節を表す24の季語があります。
8月の送付状への時候の挨拶・季節の挨拶一覧
8月に送る送付状に記載する時候の挨拶は、8月の季語を使います。上旬・中旬・下旬に分かれた挨拶の言葉があるため、時期に合わせて選びましょう。
二十四節気は中国で作られた暦で、実際の季節とは若干ずれた印象を与えます。そのため8月の時候の挨拶は7月の挨拶と間違いやすく、注意が必要です。
時期ごとの時候の挨拶をみていきましょう。
8月上旬の時候の挨拶
8月上旬は、暦の上では「立秋」です。そのため、8月上旬は夏の終わりを表す言葉を使います。立秋(8月7日〜8日ごろ)を過ぎたら残暑となり、夏の暑さを表す言葉は使いません。
- 晩夏の候
- 暮夏の候
- 甚暑(じんしょ)の候
- 夏の日差しが眩しいこの頃
- 猛暑のみぎりでございますが
- 暦の上では夏も終盤を迎えましたが
- 夏の暑さが残る時期ですが
- 甚だしく暑い時期ですが
8月中旬の時候の挨拶
8月中旬は立秋が過ぎ、夏は過ぎたが暑さが残るといった言葉を使います。
- 立秋の候
- 残暑の候
- 残炎のみぎり
- 残暑厳しき折
- 早涼の候
- 暦の上では秋となりましたが
- 残暑の頃となりましたが
- 残暑お見舞い申し上げます
- 残暑の厳しい頃ですが
- 暦の上では秋となりましたが
8月下旬の時候の挨拶
8月下旬は秋が近づいてきたという内容の季語、書き出し文を使います。
- 残暑の候
- 処暑の候
- 暑さが弱まる頃となりましたが
- ようやく秋の気配を感じられる頃となりましたが
- 朝晩涼しくなり過ごしやすい頃となりましたが
- 立秋とは名ばかりの猛暑が続きます
- 時折吹く風に秋の気配を感じるこの頃
- 鈴虫の声が耳に涼しい季節
間違いやすい時候の挨拶
日本における実際の8月は感覚的に夏ですが、時候の挨拶では夏は「5月〜7月」です。「8月」は暦の上では秋であり、すでに「立秋」や「残暑」と呼ばれる時期になることに注意しましょう。
「盛夏の候」「小暑の候」「大暑の候」は7月の季語であるため、8月には使わないようにしてください。
8月の送付状の例文(ケース別)
8月に送る送付状は、書類の種類によって使い分けましょう。ここでは、請求書、領収書、履歴書について、それぞれ時候の挨拶の例文を紹介します。
請求書を送る場合
請求書に添付する送付状に書く時候の挨拶の例文は、以下のとおりです。
残夏の折、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご厚情を賜り、深謝申し上げます。
早速ではございますが、請求書をお送りいたしますので、ご査収の程よろしくお願い申し上げます。
領収書を送る場合
領収書に添付する送付状に書く時候の挨拶の例文は、以下のとおりです。
立秋の折、貴社ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご愛顧を賜り、心より御礼申し上げます。
さて、〇月〇日付けで請求させていただきました「〇〇」の代金につきましてお振込いただき、誠にありがとうございます。
つきましては、領収書を送付させていただきますので、ご査収の程よろしくお願い申し上げます。
履歴書を送る場合
履歴書に添付する送付状に書く時候の挨拶の例文は、以下のとおりです。
初秋の折、貴社におかれましてはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
この度、〇〇に掲載されておりました貴社の求人に応募させていただきたく、履歴書と職務経歴書を送付させていただきました。ご検討の上、面接の機会をいただけると幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
送付状に時候の挨拶を書く際のポイント
送付状に時候の挨拶を書く際は、できるだけポジティブな言葉を選び、相手に合わせた文言を使用しましょう。
ここでは、送付状に時候の挨拶を書くときに注意したいポイントを解説します。
ネガティブな表現は避ける
時候の挨拶には、ネガティブな表現もあります。特に8月は厳しい暑さが続くため、どうしてもネガティブな意味合いになりがちです。例えば、「蒸し暑い夏」「寝苦しい夜が続いております」といった表現はネガティブな感じを与え、印象が良くありません。
できるだけポジティブな言葉を選ぶように心がけましょう。
送付相手に適切な文言を使用する
時候の挨拶は基本的なパターンはありますが、相手を選ばず定型文を使うと形式的な印象を与えます。
相手との関係性を考え、気持ちが伝わる文章を考えましょう。結びの言葉などで体調を気遣う言葉を入れるのもおすすめです。
送付状のテンプレート・ひな形
送付状は、書くべき項目や記載する形式にパターンがあります。マナーに沿った文書を作成するため、テンプレートの利用がおすすめです。
以下のサイトでは、送付状のテンプレートの一覧ページを掲載しています。税理士が監修したテンプレートで、さまざまなビジネスシーンで利用できるワード形式の送付状を無料でダウンロードできます。マナーに沿った送付状を作成したい方は、ぜひご活用ください。
8月の送付状には時候の挨拶を忘れずに
請求書などを送る際に添付する送付状は、時候の挨拶を書くのがビジネスマナーです。時候の挨拶は移り変わる四季の気候や陽気を表現するもので、毎月季語や表現が変わります。
月の中でもいつ送るかで季語は変わるため、注意して書くようにしましょう。できるだけポジティブな内容で書くことが、良い印象を与えるポイントです。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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