- 更新日 : 2024年10月17日
迷惑メールに潜む請求書詐欺に注意!スパムメールの対処法
請求書の送付を装った迷惑メールによって、情報の抜き取りや不正入金が行われるケースがあります。添付ファイルを開かせてコンピューターウイルスに感染させる、不正なプログラムをダウンロードさせるといった手口です。被害にあわないためには、迷惑メールの特徴や見分け方、届いた場合の対処法や予防法を知っておくことが大切です。
目次
件名「請求書」の添付ファイル付き迷惑メール
「請求書」「納品書」など重要なものと思わせるタイトルにして、添付ファイルやリンク先を開かせる迷惑メールが届くケースがあります。コンピューターウイルスに感染させたり、不正なプログラムをダウンロードさせたりして、情報の抜き取りや不正送金を行うことを狙ったものです。
添付ファイルはZIP形式のものが多く、ファイル名などでExcelやWordに見せかけているものもあります。開いてしまうと詐欺やウイルスの被害に遭う可能性が高いため注意は必要です。
請求書を装った迷惑メールの例
ここでは請求書に見せかけた迷惑メールの例を紹介します。それぞれの特徴も解説していますので、迷惑メールに気づくためにも、どのような迷惑メールがあるのか知っておきましょう。
文章に違和感がある例
【例文1】
本文が極端に短く違和感があり、ビジネスマナーにも沿っていない例です。このほか、てにをはが間違っているなど、文章に違和感のあるものも見られます。本文がなく、添付ファイルのみの場合もあります。
詳しい情報がない例
【例文2】
前月のご請求額が確定しましたのでお知らせいたします。
11日までにお支払いください。
一見普通のメールにも見えますが、「11日」と具体性のない日にちが入っています。内容をぼかすような文面であるため、「よくわからないからとりあえず開いてみよう」と添付ファイルを開いてしまわないよう注意しましょう。
なりすましの例
【例文3】
請求書を送付いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。
○○株式会社
東京都△△区○○1234
直通メールアドレス:abcd@××.××
実際にある会社や住所・連絡先を使ってその会社になりすましている迷惑メールもあります。会社や公式からのように見えてもすぐには信用せず、取引があるか、メールが届くような覚えはあるかを確認しましょう。
請求書を装った迷惑メールの見分け方
請求書を装った迷惑メールには注意が必要ですが、メールで請求書を送付する取引先もいるでしょう。業務を円滑に進めるには、迷惑メールを見分ける方法を知っておくことが大切です。「怪しいけど判断がつかない」という場合の調べ方も紹介します。
実際に取引があるかどうかを確認する
まずは実際に取引がある会社なのかを確かめ、メールの送信元が信用できるかを確認しましょう。分からなければ営業担当者や上司などに確認することも一つの方法です。
ただし、明らかに文章がおかしいなど、疑わしい部分があれば迷惑メールと判断してもいいでしょう。ZIPファイルなどは開かないようにしてください。
本文や記載された情報に違和感や不審な点はないか確認する
本文が日本語としておかしい、ビジネスマナーに沿っていないなど、違和感があれば迷惑メールの可能性が高いでしょう。署名の情報についても、苗字のみの場合や電話番号の桁がおかしい場合など、不審であれば注意が必要です。実在する会社かどうかも、必要に応じて確認しましょう。
文面や会社の情報を検索して被害の情報が出てこないか調べる
メールの内容を検索し、迷惑メールである旨や被害の情報が出てこないか調べることもできます。詐欺業者は同じメールを違う送り先に送信していることが多いものです。そのため、同様のメールが届いた人が、注意喚起のために文面や情報を公開していることがあります。
検索で必ずしも情報が見つかるとは限りませんが、迷惑メールが大量に送信されている場合は有力な情報が見つかるかもしれません。
IPアドレスや送信元のアドレスを調べる
IPアドレスを調べることで、メールがどこの国のサーバーから送られたのかを知ることができます。メールのプロパティの詳細情報などからIPアドレスを調べ、IPアドレス検索サービスで検索することによって送信元の国がわかります。
届いたメールに表示されているメールアドレスは、偽装されているかもしれません。この場合には「Return-Path」を調べることにより、実際の送信元のアドレスがわかります。Return-Pathとは、メールに不具合がある、送信できないなどの場合にエラー情報を送るアドレスのことです。こちらもメールのプロパティの詳細情報などから調べられます。
「怪しいけど確信が持てない」という場合は、この2点を試してみるとよいでしょう。
請求書を装った迷惑メール対処法と予防法
迷惑メールは受信したくなくても届いてしまいます。そのため、届いた場合の対処法を知っておくと安心です。さらに、迷惑メールの受信を予防する方法も紹介します。
迷惑メールが届いた場合の対処法
開封しなくても迷惑メールと分かる場合は、開かずそのまま削除しましょう。削除してしまえば、誤って添付ファイルを開いてしまう可能性もなくなります。身に覚えのない送信元からのメールは、開かずに削除すると安心です。
迷惑メールを開いた場合の対処法
迷惑メールを開いてしまっても、添付ファイルやリンクはクリックしないようにしましょう。もしクリックしてしまった場合は、上司やパソコン・セキュリティの担当者に報告・相談しましょう。表向きに異常がなくても、バックグラウンドで不正プログラムが動いていることもあります。念のためシステム会社などにも連絡を取り、指示を仰ぐと安心です。
迷惑メールが届くことを予防する方法
迷惑メールが日常的に届いてしまうと、振り分けや判断が必要となってしまいます。その手間を省くために、日頃から迷惑メールが届かないように予防すると良いでしょう。
セキュリティ対策を講じる
セキュリティ対策ソフトの中には、迷惑メールを検知してブロックしてくれるものもあります。そもそも迷惑メールがフィルタリングされれば、必要なメールかどうかを確認する労力を省けます。
ホワイトリストを利用する
メールを受け取れる送信元を指定する「ホワイトリスト」を利用することで、迷惑メールをブロックできます。「ブラックリスト」と逆で、指定したアドレスからのメールのみ受信するため、安心してメールを利用できます。メールでやり取りをする取引先はホワイトリストに入れておきましょう。
新たな顧客とメールでのやりとりが始まる場合は、事前にアドレスを聞いておき、ホワイトリストに入れておくことで受信できます。
メールの設定を見直す
迷惑メールを開いてしまわないために、メールの設定を見直すことも効果的です。メールの自動開封や、タイトルにポインターを当てるだけで内容が読めるプレビュー機能はオフにしておくといいでしょう。
最新の情報を知っておく
どのような手口で迷惑メールが届くのか、どのような被害があるのかなど、最新の情報にもアンテナを張っておきましょう。事前に知識があれば、詐欺の疑いのある迷惑メールに気付けます。
請求書を装った迷惑メールを見分けて被害を防止しよう
重要なものと見せかけたタイトルで迷惑メールが送られてくることは多くあります。迷惑メールの内容や特徴を知っておけば、届いた時点で見分けられる可能性は高まります。さらに、届いた場合や開封した場合の対処法を知っておくことも大切です。正しい知識を持ち、迷惑メールの被害を防止しましょう。
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