• 更新日 : 2026年1月23日

パワーポイントでポスターを作成するには?作り方の手順とデザインのポイントを解説

パワーポイント(PowerPoint/PPT)でイベント告知や学会発表用のポスターを作りたいと思ったことはありませんか。専用のデザインソフトがなくても、PowerPointがあれば見栄えの良いポスターを作成できます。

本記事では、パワーポイントでポスターを作る手順から、効果的なデザイン・レイアウトのポイントまで詳しく解説します。

パワーポイントでポスターを作るメリットとは?

PowerPointは操作が簡単で、大判サイズへの対応も可能なため、ポスター作成に適したツールです。

ポスター作成というとIllustratorなどの専門ソフトを思い浮かべる方も多いですが、PowerPointでも十分なクオリティのポスターが作れます。多くの人が使い慣れたソフトであり、追加費用なしで始められる点が大きなメリットです。

PowerPointはA0やA1などの大判サイズにも対応しており、学会発表用の学術ポスターから、店頭掲示用の販促ポスター、イベント告知ポスターまで幅広く活用できます。テキスト、画像、図形、グラフなどを自由に配置でき、直感的な操作でデザインを進められます。

パワーポイントでポスターを作る手順は?

スライドサイズを印刷サイズに合わせて設定し、レイアウトを組み立てていきます。

ポスター作成の基本的な流れを確認しましょう。通常のプレゼン資料とは異なり、1枚のスライドで完結するデザインを作成します。

STEP1:スライドサイズを設定する

印刷するポスターのサイズに合わせてスライドを設定します。

  1. 「デザイン」タブをクリックする
  2. 「スライドのサイズ」→「ユーザー設定のスライドのサイズ」を選択する
  3. 「スライドのサイズ指定」のドロップダウンから「ユーザー設定」を選択し、「幅」と「高さ」の欄に作成したいポスターの実寸(A1なら59.4cm×84.1cmなど)を直接入力します。
  4. プリセットにない場合は「幅」「高さ」に直接数値を入力する
  5. 「OK」をクリックする

一般的なポスターサイズはA1(594mm×841mm)やA0(841mm×1189mm)です。PowerPointの最大サイズは142.24cm×142.24cmです。A0サイズ(84.1cm×118.9cm)はこの制限内に収まるため、縮小せずに実寸で作成することが可能です。

ただし、142.24cmを超える特大サイズのポスターを作る場合や、動作を軽くしたい場合は、あえてA2サイズ(420mm×594mm)などの比率が同じ小さいサイズで作成し、印刷時に拡大する方法も有効です。

STEP2:向きを設定する

ポスターの縦横を決めます。

同じダイアログボックス内の「印刷の向き」で「縦」または「横」を選択します。一般的な掲示用ポスターは縦向き、学会発表用ポスターは横向きが多いですが、掲示場所や目的に応じて選びましょう。

STEP3:背景とテーマを設定する

ポスター全体の雰囲気を決める基盤を作ります。

「デザイン」タブから好みのテーマを選択するか、「背景の書式設定」で背景色やグラデーション、画像を設定します。ポスターの目的やブランドイメージに合った配色を選びましょう。白背景にシンプルなデザインでも、十分に見栄えの良いポスターが作れます。

STEP4:ガイド線を設定する

レイアウトの目安となるガイドを表示します。

  1. 「表示」タブをクリックする
  2. 「ガイド」にチェックを入れる
  3. Ctrlキーを押しながらガイド線をドラッグして複製する
  4. 必要な位置にガイド線を配置する

余白やカラム(段組み)の位置にガイドを設定しておくと、要素を整列しやすくなります。グリッド線も併せて表示すると、より正確な配置が可能です。

STEP5:タイトルエリアを作成する

ポスターの最上部にタイトルを配置します。

テキストボックスを挿入し、ポスターのタイトルを入力します。タイトルは最も目立つ要素なので、大きなフォントサイズ(目安として100pt〜150pt以上)を使用しましょう。プルダウンメニューの選択肢にない数値も、ボックスに直接数値を入力することで設定可能です。

サブタイトルや所属、作成者名なども必要に応じて追加します。

STEP6:本文エリアをレイアウトする

情報を整理して配置していきます。

ポスターの種類によってレイアウトは異なりますが、学術ポスターなら「背景・目的」「方法」「結果」「考察・結論」といったセクションに分けます。イベントポスターなら「日時」「場所」「内容」「申込方法」などを配置します。テキストボックスや図形を使って、各セクションを視覚的に区切りましょう。

STEP7:画像やグラフを挿入する

視覚的な要素を追加します。

「挿入」タブから画像、グラフ、SmartArt、図形などを追加します。大判印刷に耐えられるよう、画像は高解像度(300dpi以上)のものを使用してください。

なお、PowerPointは標準設定で画像を圧縮するようになっているため、あらかじめ「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」の「イメージのサイズと画質」で、「ファイル内の画像を圧縮しない」にチェックを入れておくことが重要です。

STEP8:全体のバランスを調整する

最終的な見た目を整えます。

すべての要素を配置したら、全体を俯瞰してバランスを確認します。「配置」機能で要素を整列させ、余白が均等になるよう調整しましょう。文字が小さすぎないか、情報が詰め込みすぎていないかもチェックします。

STEP9:印刷用に出力する

完成したポスターを書き出します。

「ファイル」→「名前を付けて保存」からファイル形式を「PDF」に選択します。その際、「その他のオプション」→「ツール」→「保存オプション」にて、画像解像度を維持する設定になっているか確認してから保存しましょう。印刷会社によっては「PDF/X」形式などの指定がある場合もあるため、事前に入稿規定を確認してください。

自社プリンターでA4やA3用紙に縮小して試し刷りをする場合は、「ファイル」→「印刷」画面の「フルページサイズのスライド」をクリックし、「用紙サイズに合わせて印刷」にチェックを入れてから実行してください。これを行わないと、ポスターの一部しか印刷されません。

ポスターのデザイン・レイアウトのポイント

視認性を最優先に、情報の優先順位を明確にし、適切な余白と配色で読みやすいデザインを心がけましょう。

ポスターは離れた場所から見ることが多いため、通常の資料とは異なるデザイン配慮が必要です。

情報の優先順位を明確にする

伝えたい内容に序列をつけます。

ポスターを見る人は、まずタイトルに目が行き、次に大きな見出しや画像、最後に本文を読みます。この視線の流れを意識し、最も伝えたい情報を目立つ位置・サイズで配置しましょう。すべてを同じ大きさで配置すると、どこを見ればいいか分からなくなります。

余白を十分に確保する

詰め込みすぎは読みにくさの原因です。

ポスターの周囲には最低2〜3cm、できれば5cm程度の余白を設けましょう。要素間にも適切なスペースを確保することで、情報がグループ化され、読みやすくなります。余白は「何もない空間」ではなく、デザインの重要な要素です。

視線の流れを設計する

読み手の目の動きを誘導します。

日本語のポスターは、左上から右下へ、またはZ字型に視線が動きます。この流れに沿って情報を配置すると、自然に内容が頭に入ります。矢印や線、色の変化で視線を誘導することも効果的です。学術ポスターでは、番号を振って読む順序を明示する方法もあります。

フォントは読みやすさを重視する

離れても読めるフォントを選びます。

ポスターでは、ゴシック体など太めで視認性の高いフォントが適しています。明朝体や細いフォントは遠くから読みにくいため、本文でも太めのフォントを使いましょう。フォントの種類は2〜3種類に抑え、統一感を持たせます。

フォントサイズの目安は、ポスターのサイズによって異なります。大判(A0・A1)の場合、タイトルは200〜400pt、見出しは72〜120pt、本文は36〜48pt程度を目安にしましょう。24pt程度の文字は、手に持つ資料としては適切ですが、壁に貼ったポスターではかなり近づかないと読めないサイズになるため注意が必要です。

配色は3〜4色に抑える

色の使いすぎは雑然とした印象を与えます。

ベースカラー、メインカラー、アクセントカラーの3色を基本とし、必要に応じて1色追加する程度に抑えましょう。背景色と文字色のコントラストを確保し、読みやすさを優先しましょう。

ただし、PowerPointは画面表示用の色(RGB)で作成されますが、実際の印刷はインクの色(CMYK)で行われます。画面上の鮮やかな色は印刷時にくすんで見えることが多いため、仕上がりの色味が心配な場合は、一度試し刷りをして確認するか、少し明るめの色設定にしておくのがコツです。

画像は高解像度を使用する

大判印刷では画質が重要です。

ポスターは大きなサイズで印刷されるため、Web用の低解像度画像では粗くなってしまいます。画像は高解像度(300dpi以上)のものを使用してください。

なお、PowerPointは標準設定で画像を圧縮するようになっているため、事前に「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」の「イメージのサイズと画質」で「ファイル内の画像を圧縮しない」にチェックを入れてください。これにより、高解像度を維持したまま、大判印刷に適した高品質な出力が可能になります。

グルーピングを意識する

関連する情報をまとめて配置します。

デザインの原則である「近接」を活用し、関連する要素は近くに、異なるカテゴリは離して配置します。枠線や背景色で視覚的にグループを区切る方法も効果的です。情報がグループ化されていると、読み手は内容の構造を素早く理解できます。

要素を整列させる

揃っていないデザインは素人っぽく見えます。

テキストボックスや画像の端を揃え、規則正しいレイアウトを心がけましょう。PowerPointの「配置」機能を使えば、左揃え、中央揃え、等間隔配置などが簡単に行えます。見えない線でつながっているように要素を配置すると、プロフェッショナルな印象になります。

印刷時の注意点

塗り足し、解像度、カラーモードなど、印刷用データには特有の注意点があります。

デザインが完成したら、印刷に向けて最終確認を行いましょう。

塗り足しを設定する

用紙の端まで色を入れる場合に必要です。

背景色や画像が用紙の端まである場合、裁断時のズレを考慮して3mm程度の「塗り足し」が必要です。PowerPointには専用の設定がないため、スライドサイズをあらかじめ「実際の仕上がりサイズより、幅・高さともに6mmずつ大きく」設定し、その外端まで画像や背景を引き伸ばして作成しましょう。

印刷会社に依頼する場合は、この独自の設定方法で問題ないか、入稿ガイドラインを必ず確認してください。

縮小印刷の場合は比率を確認する

A0サイズ(84.1cm×118.9cm)はPowerPointのサイズ上限(142.24cm)以内に収まるため、基本的には実寸で作成することをおすすめします。

やむを得ずA2などで縮小作成し、印刷時にA0へ拡大する場合は、線の太さや画像の解像度もそのまま引き伸ばされるため、最終的な仕上がりで線が細すぎないか、画像がぼやけないかを慎重にチェックしてください。

カラーモードの違いを理解する

画面で見ている色はRGBですが、印刷機はCMYKというインクで印刷されます。

PowerPointはRGBでデータを作成するため、印刷すると特に鮮やかな青や緑などは、画面よりくすんだ色合いになる傾向があります。重要なポスターの場合は、色味の変化を前提にデザインするか、プロ用の変換ソフトを介して色調整を行う必要があります。

テスト印刷を行う

本番前に仕上がりを確認します。

可能であれば、A4やA3サイズで縮小印刷してバランスを確認してください。画面上と印刷物では色味が異なることもあるため、重要なポスターは事前にテストすることをおすすめします。

PowerPointで印象的なポスターを作ろう

パワーポイントでのポスター作成は、スライドサイズの設定から始め、タイトル・本文・画像を順に配置していきます。情報の優先順位を明確にし、十分な余白と読みやすいフォント、統一感のある配色を意識することで、効果的なポスターが完成します。

学会発表、イベント告知、店頭販促など、さまざまな場面でPowerPointのポスター作成スキルを活用してください。

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