• 更新日 : 2024年9月18日

仕事の引継ぎの際に起こる「あるある」とは?引継ぎのコツと併せて紹介

仕事の引継ぎとは、担当者が変更になる際に、業務内容や進捗状況を次の担当者に伝えることです。情報共有不足やマニュアルの不備などの仕事の引継ぎのあるあるがあり、業務に支障が出る恐れもあります。本記事では、仕事の引継ぎの際に起こるあるあるとうまくいかない理由、スムーズに行う方法を詳しく解説します。

仕事の引継ぎとは?

仕事の引継ぎとは、担当者が交代する際に、業務内容や進捗状況、ノウハウなどの情報を後任者に伝達し共有することです。この引継ぎは、スムーズな業務の継続と、担当者変更に伴う混乱やリスクを最小限に抑えることを目的としています。

引継ぎでは、後任者が前任者と同等の成果を上げられるよう、業務遂行に必要な知識や情報を的確に伝えられます。単に資料を渡すだけでは不十分で、口頭での説明や質疑応答、OJTなどを組み合わせると、引継ぎの効果を高められるでしょう。

仕事で引継ぎが必要になる場面

仕事において、引継ぎが必要になるシーンはさまざまです。業務の担当者が変更になったり、前任者が退職や休職、昇格したりする例が挙げられます。また、進行中のプロジェクトでメンバーが離脱する場合も、引継ぎが重要な役割を果たします。

本項では、仕事の引継ぎの際の場面を解説します。紹介する場面を理解して、自身の引継ぎのシーンに活かしてください。

人事異動・業務の担当交代

企業の組織変更や個人のキャリアプランなど、さまざまな理由で担当者が変更になる場合に引継ぎが発生します。特に、同じ部署内での異動の場合「同じ部署だからおおむね業務内容を把握しているだろう」と引継ぎを軽視してしまい、後々トラブルになるケースも少なくありません。

異動や担当交代は、新しい視点やスキルをもたらす一方で、業務の停滞や情報の断絶を引き起こす可能性があるため、適切な引継ぎが必要です。

前任者の退職や休職

退職や休職は、業務の継続に大きな影響を与えるため、事前に十分な引継ぎを行うことが必要です。特に、長期にわたる休職や突然の退職は、引継ぎが不十分になりやすく、業務の混乱を招く可能性が高くなります。

前任者の昇格

キャリアアップによる昇格は、本人にとって喜ばしい出来事である一方、後任者への引継ぎという重要な課題が付きまといます。新しい役割に専念するためにも、円滑な引継ぎが不可欠です。

進行中のプロジェクトへの合流や離脱

プロジェクトの途中でメンバーの入れ替わりが発生する場合、チーム内での情報共有と引継ぎが欠かせません。新しく加わるメンバーがスムーズにプロジェクトに貢献できるよう、下記の内容を詳細に伝達することが重要です。

  • プロジェクトの目的
  • 目標
  • 現状の進捗
  • 直面する課題

一方、プロジェクトを離脱するメンバーは、自身が担当していたタスクの進捗状況や残された課題、今後の対応方針などを明確に引き継ぐ必要があります。時間が限られている中でも、後任者が迷わずに業務を引き継げるよう、ポイントを絞った説明を心がけましょう。

前任者の失敗による担当交代

業務上の失敗やトラブルが原因で担当者が交代となるケースも見られます。このような場合、失敗の原因を徹底的に分析し、再発防止策を講じることが引継ぎには重要です。

前任者のミスから学び、同じ失敗を繰り返さないためにも、問題が発生した経緯や背景を共有する必要があります。単に失敗を責めるのではなく、組織としてどのようにリスクに対処すべきかを話し合い、改善につなげていく姿勢が大切です。

仕事の引継ぎの際に起こるあるある

仕事の引継ぎは、担当者の交代に伴って必ず発生する重要なプロセスですが、実際に引継ぎを行う際には、さまざまな問題や課題に直面する場合があります。例えば、情報共有の時間が足りずに、スムーズに情報共有できないことや引き継いだ内容と実際の業務が異なる場合です。

本項では、引継ぎの際に起こりがちな”あるある”を見ていきましょう。

情報共有の時間が足りない

引継ぎの際、最も頻繁に発生する問題の一つが、情報共有の時間不足です。引継ぎに十分な時間が確保されていないと、前任者から後任者へ業務に関する重要な情報が適切に伝達されず、後任者が業務を円滑に遂行できなくなる恐れがあります。

また、時間不足によって、後任者が前任者に質問や確認をする機会が限られることも、引継ぎの質を低下させる要因となります。

資料やマニュアルが分かりずらい

引継ぎの際に渡される資料やマニュアルが分かりづらい点も、よくある問題の一つです。前任者が作成した資料が体系化されておらず、情報が散在していたり、業務の全体像が把握しづらかったりすると、後任者は引継ぎ内容を正しく理解できません。

また、マニュアルが具体性に欠けていたり、古い情報が更新されていなかったりすると、後任者は業務遂行に必要な情報を得られず、混乱を招くことになります。

引き継いだ内容と実際の業務が異なる

引継ぎで伝えられた内容と、実際の業務内容が異なるというケースも少なくありません。引継ぎの際、前任者が業務の一部を説明し忘れていたり、引継ぎ後に業務内容や手順が変更されていたりすると、後任者は戸惑いを感じます。

また、引継ぎでは伝えられなかった暗黙知やコツのようなものが、実際の業務遂行には必要であることもあります。

前任者しか業務内容を把握していない

前任者しか業務内容を理解しておらず、引継ぎの際に知識やノウハウが属人化されてしまうことも、引継ぎの大きな課題の一つです。特に、前任者が長年同じ業務を担当していた場合、業務の全容が前任者の頭の中にしか存在しておらず、それを言語化・体系化することは難しい場合があります。

在宅ワークのため対面で教える機会がない

昨今、在宅ワークの浸透に伴って、対面での引継ぎは難しくなるケースが増えています。オンラインでのコミュニケーションでは、対面に比べて情報の伝達がスムーズにいかない場合があり、引継ぎの質が低下する恐れがあります。

また、実際の業務の進め方やコツを、リモートで伝える難しさも課題です。状況に応じて、対面での引継ぎの機会を設けることも検討すべきでしょう。

引継ぎをスムーズに行うためのコツ

仕事の引継ぎをスムーズに行うためには、引継ぎに十分な時間を確保し、業務内容を詳細に説明することが重要です。また、業務の手順や重要なポイントを明記したマニュアルを作成し、引継ぎ時に活用すると、受ける側がスムーズに業務を理解できるようになります。

さらに、業務の属人化を防ぎ、複数のメンバーが業務内容を把握している状況を作る点も大切です。そして、上司が引継ぎ資料を確認し、引継ぎ資料やファイルの保存場所を明確にしておき、引継ぎ後のトラブルを未然に防ぎましょう。

引継ぎに十分な時間を確保する

引継ぎに十分な時間を確保すると、前任者は業務内容を詳細に説明する余裕が生まれます。特に、業務の繁忙期や重要なプロジェクトの時期を避けて計画的に引継ぎを行うことが大切です。

時間が限られている場合は、優先度の高い業務から順に引継ぎを行いましょう。事前に引継ぎのスケジュールを立て、必要な時間を確保しましょう。

マニュアルを作成する

業務の詳細を記載したマニュアルを作成し、引継ぎ時に使用することで、後任者が業務をスムーズに引き継げます。マニュアルには手順の詳細や重要なポイントを明記し、更新頻度が高い業務については定期的にマニュアルを見直し、最新の情報を反映させる点が大切です。

さらに、マニュアルを作成すると、引継ぎ後も後任者が独自に業務を進めやすくなります。

業務の属人化を防止する

業務の属人化を防止するために、複数の人が業務内容を把握している状況を作りましょう。チームで定期的に情報共有を行い、業務の進捗や重要な事項を共有してください。これにより、担当者が不在でもほかのメンバーが代わりに業務を遂行できるようになります。

属人化を防ぐと、引継ぎ時のトラブルを減らし、スムーズな引継ぎが可能になります。

上司が引継ぎ資料を確認する

引継ぎ資料は上司や先輩社員が確認し、内容の正確性や充実度をチェックする点が大切です。上司の確認を通じて、見落としや誤りを防げます。必要に応じて追加の情報や補足説明を提供し、後任者が安心して業務を開始できるようにしましょう。

上司が引継ぎ資料を確認すると、引継ぎの質が向上し、後任者のスムーズな業務開始につながります。

引継ぎ資料やファイルの場所を確認する

引継ぎ資料や関連ファイルの保存場所を明確にし、後任者がすぐにアクセスできるようにしてください。ファイルの保管場所やフォルダ構成を整理し、分かりやすくしておきましょう。デジタルツールを活用して、共有フォルダやクラウドサービスを利用するのも効果的です。

資料の場所を把握することで、必要な情報に迅速にアクセスできるようになります。

チャットなどコミュニケーションツールを活用する

引継ぎ時には、チャットツールやオンライン会議を活用し、リアルタイムでのコミュニケーションを図ることが大切です。不明点や疑問点が発生した際に、すぐに質問できる環境を整えましょう。定期的なオンラインミーティングを設定し、進捗や問題点を共有するのも効果的です。

また、Chatworkなどのツールを活用することで、効率的な情報共有が可能になります。特に、在宅ワークが増えている昨今では、対面での引継ぎが難しいケースも多く、オンラインでの引継ぎが重要になるでしょう。

業務引継書のテンプレート(無料)

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仕事の引継ぎは、事前に準備して対応することが重要

仕事の引継ぎは、人事異動や前任者の退職・休職など、さまざまな場面で必要です。
引継ぎの際には、情報共有の時間不足やマニュアルの不備、前任者しか業務内容を把握していないなどの問題が発生しがちです。スムーズな引継ぎを行うためには、十分な時間確保やマニュアルの作成を行ってください。
円滑な引継ぎをして、業務の停滞を防ぎ、組織の生産性を維持・向上させましょう。


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