• 更新日 : 2024年12月12日

ゲーム企画書とは?書き方の見本・テンプレートを紹介

ゲームプランナーは、ゲーム企画の立案から開発、発売までを手がける専門職です。ゲームの企画センスが非常に問われる職業であり、職場によっては「ゲームデザイナー」「ゲーム企画担当者」とも呼ばれます。

ゲームプランナーとして活躍するためには、ゲーム業界の市場やトレンドの調査・分析に基づいたゲーム企画書の作成スキルが欠かせません。そこで今回は、ゲーム企画書の概要から企画書を作成する上での考え方、さらに企画書の作り方と作成のポイントまで詳しく説明します。

ゲーム企画書とは?

ゲームプランナーが携わる業務は幅広くありますが、その中でもゲーム企画の立案は最も重要な業務となります。そして、ゲーム企画の立案時に必要となるのが「ゲーム企画書」です。

ゲーム企画書とは、新たなゲームの開発・提案に向けたアイデアを分かりやすくまとめた資料を指します。主に、ゲームジャンルやシナリオ・コンセプトのほか、制作における計画や手順、さらに費用対効果などの細かい情報も明確に記載します。

ゲームプランナーが作成したゲーム企画書は、最終的に会社の上層部によってチェックされ、開発可否の判断が行われます。ゲーム開発を進めることが決定した場合は、作成した企画書に基づいてゲーム仕様書を作成します。その後、グラフィックデザイナーやプログラマーが仕様書に基づいてゲーム制作を進めるという流れです。

ゲームプランナーとしての成果を上げるためはもちろん、ゲーム制作に携わるすべての職種がスムーズに仕事を進められるようにするためにも、ゲーム企画書の作成スキルは欠かせません。

ゲーム企画書の作成スキルは実務経験を積むことで自ずと身につく部分もありますが、就職活動では簡単な企画書の作成・提出が求められるケースも多いため、これからゲームプランナーを目指す方は事前にある程度のスキルを習得しておくのがおすすめです。

ゲーム企画書の無料テンプレート

マネーフォワード クラウドでは、ゲーム企画書のテンプレートも取り扱っています。無料でダウンロードできるため、すでにゲームプランナーとして活躍している方はもちろん、就職活動でゲームプランナーを志望している方はぜひご利用ください。

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ゲームプランナーの企画書の考え方

ゲームプランナーが企画書を作成する上での考え方としては、「アイデアを出してテーマを決める」「ターゲットを決める」「コンセプトを決める」という3つの要素が特に重要です。

まずは、ゲームのテーマやアイデアをじっくり考え、どの方向性が最適かを決める段階からスタートします。そして、そのテーマに合ったターゲット層を明確にし、適切なコンセプトや世界観を練り上げることで、プロジェクト全体の軸がブレることなく進行できます。

また、これらの基礎を固めておくことで、次に行うべき実装機能の具体的な考案がスムーズになり、企画書の完成度も高まります。

そのため、実装機能を考え終わったタイミングで本格的な企画設計に着手するのが最も効果的です。それまでは、思い浮かんだアイデアを適宜メモに取り、チームで共有してフィードバックを受けながら進めると、より完成度の高い企画を立案できるでしょう。

ゲーム企画書の作り方

ゲームプランナーの仕事は、基本的に企画立案から始まります。なお、企業によってゲーム企画書に記載する必要項目が異なる場合もあるため、あらかじめ要件を確認しておきましょう。

ここからは、ゲーム企画書の作り方を項目別に詳しく紹介します。

ゲームタイトル

目を惹く企画書を作成するには、「誰もが最初に読むであろう1ページ目に何を出すか」が重要です。企画書の印象や評価に大きく関わる重要な1ページ目には、企画するゲームのタイトルやキャッチコピーを記入しましょう。

下記は、タイトルやキャッチコピーを考える際におさえておくべき4つのポイントです。

  • ターゲットに刺さるか
  • ゲーム内容と大きなギャップがないか
  • 見た人の記憶に残るか
  • 発音しやすいか

タイトルやキャッチコピーはゲーム全体の印象を左右し、プロモーションにも大きな影響を与えます。企画書の1ページ目に記入する重要な項目ですが、企画全体をしっかりと練り上げた後に仕上げるのが効果的です。

ゲームの概要・ターゲット・コンセプト

ゲーム企画書の1ページ目では、基本的にタイトル・キャッチコピーの次にゲームの概要を説明します。この部分では、開発したいゲームの基本ルールのほか、作品の骨格となるターゲット・コンセプト(テーマ)についても詳しく記入する必要があります。

ターゲット・コンセプトを考える際のポイントは、「具体性をもたせること」です。具体性をもたせることで、開発したいゲームがどのような人々の心に刺さるのかや、数ある既存のゲームとの差別化をどのように図るのかもしっかり伝えられます。

【企画書に記載するターゲット・コンセプトの例】

ターゲット「40~50代の男性」→「昔ながらのドット絵RPGゲームで子ども時代を過ごした40~50代の男性」
コンセプト「アクションRPG」→「クラフト・釣り・農業・ユーザーとの交流も楽しめる自由度の高いアクションRPG」

ゲームに必要な機能

企画書にゲームの概要やターゲット・コンセプトを記入した後は、開発したいゲームの細かな実装機能や仕様を記入しましょう。

どのような機能・仕様が必要なのかは、開発したいゲームのジャンルやテーマによって大きく異なります。例えばアクションRPGの場合、「視点(1人称視点or3人称視点)」や「攻撃方法」「装備」「アイテム・インベントリ」などに関する記入が必要です。

また、スマホゲームの場合は「ガチャ」や「問い合わせフォーム」など、メイン部分以外の機能についても触れておく必要があります。

ゲーム画面 ・操作方法

ゲーム企画書には、ゲーム画面や操作方法についても詳しく記載します。

ほとんどのゲームは、フィールド画面・戦闘画面・NPCとの会話画面・インベントリ画面など多くの画面で構成されています。ゲーム企画書には、各画面における実際のイメージ画像を掲載するとともに、操作方法も詳しく記載しましょう。

このとき、「ゲーム画面の詳しい説明」や「操作に必要なコントローラー」「その画面上における各ボタンの役割」があれば、より分かりやすくなります。

企画書に使う画像の選定

文字での説明が多くなりがちな企画書は、読み飛ばされやすいことも特徴です。じっくりと考案して作成した企画書を隅々まで読み込んでもらうためには、適度に画像を用いると良いでしょう。

ただし、企画書に画像を用いるのはあくまでも読み手にゲームのイメージを正確に伝える目的であり、読みにくさを軽減するためではありません。

画像の一部を拡大したり色調を調整したりするなど適切に加工して、ゲームのイメージや企画書の内容としっかりマッチした画像を組み込みましょう。適切な画像が見つからない場合、ゲームプランナー自身がイラストを描くケースもあります。

企画書の形式

企画書では、自分が提案するゲームデザインをしっかり伝えられるよう詳細に記入することが大切である一方で、「分かりやすさ・見やすさ」も求められます。視認性に優れた企画書を作成するためにも、用紙のサイズ・ページ数のほか、文字のサイズ・フォントを重視しましょう。

企画書の一般的な用紙サイズはA4が適しており、ページ数は5ページ程度が目安です。文字は横書きにし、サイズは大見出し・小見出し・本文それぞれで3種類にまとめましょう。

また、フォントは読みやすくかつ提案するゲームのイメージにマッチしたものを選ぶのがポイントです。1つの企画書で複数のフォントを使用すると雑然とした印象を与えてしまうため、できる限り1種類に絞るのが理想です。

ゲーム企画書を作成するポイント

ゲーム企画書を作成する際は、まず「読み手の立場を常に意識すること」がポイントです。誰がこの企画書を読むのか・どのような情報が求められているかを考えることで、ニーズに応じた適切な提案内容を用意できるようになります。

加えて、企画書に情報を詰め込みすぎないことも大切です。企画書に盛り込むべき内容は数多くありますが、そのすべてを詳細に書き込むとかえって要点が見えにくくなります。必要な情報だけを簡潔にかつ分かりやすく伝えるためにも、適宜画像や図を活用してシンプルにまとめることを心がけましょう。

また、企画書の中でアピールしたい魅力的なポイントについては、ただ羅列するだけでなく「なぜそれが魅力的なのか」を具体的に説明することも重要です。

実装する機能やコンセプトがプレイヤーの操作性にどのような影響を与えるのか、ゲーム市場においてどのように差別化できるのかなどをアピールすることで、「説得力のある企画書」としてより高い評価を得られるでしょう。

ゲーム企画書の作成スキルはゲームプランナーに欠かせないスキル

ゲーム企画書とは、新たなゲームの開発・提案に向けたアイデアを分かりやすくまとめた資料のことです。企画書作りは重要なゲームプランナー案件の1つであり、応募者の企画力の評価を目的に、ゲーム会社が就活中の学生に企画書の提出を求めるときもよくあります。

ゲーム企画書を作成する際のポイントとしては、読み手の立場を意識すること・情報を詰め込みすぎないこと・アピールポイントに具体性をもたせることが挙げられます。質の高い企画書は、ゲームプランナー志望者にとって採用の可否に大きく影響するほか、現役ゲームプランナーにとっても評価やキャリアアップにつながる重要な要素と言えるでしょう。


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