- 更新日 : 2024年9月4日
うっかりミスが多いのはなぜ?原因や10の対策を解説
うっかりミスとは「ケアレスミス」とも呼ばれ、ボンヤリしていたために起こってしまう、通常では考えられないミスのことを指します。小さなものと思われがちですが、うっかりミスが原因で大きなトラブルに発展する恐れもあります。そのため、うっかりミスが起こりにくい環境や仕組みをつくることが重要です。
本記事では、うっかりミスの原因や10の対策について解説します。
目次
うっかりミスが多いのはなぜ?原因は?
ビジネスシーンにおいて、うっかりミスの原因は主に次の7つのパターンに分けられます。
- 時間や締め切りに追われている
- メモの取り忘れや確認不足
- パソコン内の整理整頓ができていない
- 仕事に慣れていない
- 自分は大丈夫だと思っている
- 集中力が低下している
- ストレスや疲れ
余裕がなかったり注意力が散漫になったりしていると、うっかりミスが起こりやすい傾向があります。
なぜこのようなときにミスが起こりやすいのか、詳しく見ていきましょう。
時間や締め切りに追われている
時間や締め切りに追われていると、余裕がなくなりうっかりミスを起こしやすくなります。通常なら見落とすはずがない誤字や脱字、数字の桁数の違いなども、入念なチェックができないため、見落としやすくなるのです。
また、周囲とのコミュニケーションも疎かになりやすい傾向があります。チームでこなしているプロジェクトも、重要な事柄が伝わらず大きなトラブルになるリスクがあるのです。
メモの取り忘れや確認不足
重要な点をメモしない、またセルフチェックや上司への確認を行わない場合も、うっかりミスが発生しやすくなります。
メモを取り忘れる原因は、次のようなことが考えられます。
- 本人が「メモを取る必要がない」と思い、あえて取らない
- 「メモを取らなければ」と思っていても、何をメモしていいのかわからない
- メモを取ろうと思っていて、つい忘れてしまう
- 紙やペンがない、というようなメモを取りたくても取れない状況にある
また、業務前のセルフチェックをしない・疑問点を上司に聞かないなどの確認不足は、作業効率や品質の低下を招く恐れもあります。
パソコン内の整理整頓ができていない
パソコン内にファイルやフォルダがいくつもあり煩雑化している場合も、うっかりミスが発生しやすくなります。なぜなら、次のような事態が発生しやすくなるからです。
- 必要なデータがいつまで経っても見つからない
- 必要なファイルを誤って削除する
- 必要なファイルを紛失していた
業務に必要なデータがすぐに見つからないと、焦りや苛立ちによりさらにうっかりミスを引き起こしやすくなります。
また、パソコン内の整理整頓ができていないと、作業効率低下のリスクもあります。パソコン内は、定期的に整理整頓しましょう。
仕事に慣れていない
新入社員や人事異動など、新しい仕事を始めたばかりの場合も、うっかりミスが起こりやすくなります。
仕事に慣れていない社員に対しては、慣れるまで周囲がサポートするといいでしょう。ミスをした場合には、なぜミスをしたのか解明し、次は同じミスをしないように心がけることが重要です。
それでも同じミスを繰り返す場合には、根本的な原因を分析して改善する・周囲からアドバイスをもらうなどの解決策を考えましょう。
自分は大丈夫だと思っている
自分の能力や今までの経験を過信し「私は大丈夫」と思っている人も、うっかりミスが多くなる傾向があります。その理由は次のとおりです。
- 過去の成功経験から「この仕事でミスをすることはない」と思い込む
- 確認作業を面倒くさがり、必要な確認を省略してしまう
小さなミスは誰にでも起こり得るものです。しかし、自分は大丈夫だと思っている人は、過信から確認作業を怠り、うっかりミスにつながってしまうリスクが高まります。
集中力が低下している
集中力が低下していると、うっかりミスが発生しやすくなります。集中力低下の主な原因は次のとおりです。
- 単純作業が続いている
- 複数の作業を同時に行っている(マルチタスク)
- 睡眠が不足している
- 段取りを決めずに作業している
- 「失敗するかも」と考えすぎている
集中力には波があり、1回の周期は15分・集中できる限界は90分ともいわれています。適度な休憩を取り、心身ともにリフレッシュすることは、集中力の低下を防止するために重要です。
また、睡眠不足や心配のあまり考えすぎてしまうことも、集中力低下の原因となります。
ストレスや疲れ
ストレスや疲れも、うっかりミスを招く原因となります。ストレスや疲れがたまると脳が疲弊し、集中力が維持できなくなるからです。
具体的には、次のようなことが考えられます。
- 集中力が低下する
- 注意力散漫になる
- 判断力が低下する
ストレスや疲れは、睡眠不足や食欲不振などの体調不良にもつながり、さらなるうっかりミスを誘発する悪循環に陥るリスクがあります。
ミスを減らすためには、ストレスや疲れをためないような心がけが重要です。
うっかりミスを防ぐには?10の対策
- 業務を細かく分け1つずつタスクをこなす
- 仕事のスケジュールを作成する
- 話を聞いたらすぐにメモする
- 自分の認識が合っているか確認する
- 作業終了後はダブルチェックをする
- 「報連相」を徹底する
- パソコンの整理整頓ルールを決める
- 自分のミスを反省する
- 時間に余裕をもって行動する
- 規則正しい生活を送る
それぞれの対策は、日常の業務に取り入れられるものばかりです。対策できそうなものから始め、うっかりミスを防止していきましょう。
詳細について、事項で説明します。
業務を細かく分け1つずつタスクをこなす
業務を細かく分けて、1つずつ確実にタスクをこなしていくと、うっかりミス防止が可能です。
人の脳は一度に処理できる情報に限界があります。そのため、複数のタスクを同時にこなそうとすると、注意力散漫になりうっかりミスが起こりやすくなるのです。
業務を細かく分けることで集中しやすくなります。タスクにかかる時間も把握しやすくなるので、心理的負担の軽減にもつながります。
仕事のスケジュールを作成する
仕事のスケジュールを作成しておくと、うっかりミスを防止可能です。会議や取引先への訪問などの予定が事前に把握できていると、スケジュールにあわせて行動ができます。それにより、重要なタスクの抜けや漏れ、焦りなどを防げるようになるからです。
スケジュールは、思いどおりに進まないケースも多く見られます。そのため、予定の間にスキマ時間を作成したり予備日を設けたりするなど、現実的なスケジュールを作成するとよいでしょう。
話を聞いたらすぐにメモする
商談や会議などの場では、話を聞いたらすぐにメモすると、うっかりミスを防止できるようになります。人は覚えられる情報量に限界があるため、メモを取らないと大切な情報を忘れてしまうからです。
メモするタイミングは、相手が何か考えていたり沈黙したりしているときがよいでしょう。話している最中にメモしようとすると、話の内容に集中できない・相手に不快感を与えるなどのリスクがあります。
業務中にミスをしたときも、なぜミスが起こったのかメモしておきましょう。次回同じ作業をするときに確認できるため、同じミスを繰り返しにくくなります。
自分の認識が合っているか確認する
自分の認識に少しでも不安を感じたら、合っているか同僚や上司に確認しましょう。認識や進捗状況を周りや上司に報告することで、思い込みによるうっかりミスに気づきやすくなるからです。
「自分もミスをしているかも」という危機感を常に持ち、誤字脱字をチェックするときには、指さし確認をするといった慎重な態度も、うっかりミス防止につながります。
作業終了後はダブルチェックをする
作業終了後のダブルチェックも、うっかりミス防止に有効です。
ダブルチェックとは、作業終了後に他の人にもう一度内容を確認してもらうことです。一人で確認する「セルフチェック」ではどうしても見落としやすいミスを、他の人に確認してもらうことで洗い出し、ミスを防ぎます。事前に見落としやすい項目をチェックリストにしてピックアップしておくと、効率のいいダブルチェックが可能です。
作業スケジュールにはダブルチェックの時間も含めておくと、余裕をもって確認できます。
「報連相」を徹底する
報告・連絡・相談の「報連相」の徹底も、うっかりミス防止の有効な手段です。報連相を徹底することで、次のような効果が期待できます。
- 情報共有の促進:情報共有することで、認識のズレによるうっかりミスを防ぐ
- 問題の早期発見:問題の早期発見により、ミスの拡大を防止する
- 指示の明確化:指示を明確にすることで、思い込みによるうっかりミスを防止する
報連相は、うっかりミスを防止するだけでなく、業務効率化にもつながる重要なコミュニケーションです。迅速かつ正確に行いましょう。
パソコンの整理整頓ルールを決める
パソコン内にあるフォルダやファイルの整理整頓ルールを決め定期的に行うと、うっかりミスが防止できるようになります。
パソコン内のファイルは似たような名前が多く、整理されていない中で必要なファイルを見つけるのは相当な時間がかかります。そのため、フォルダやファイルは見やすいように整理整頓し、不要なものは削除する必要があるのです。
整理整頓は、関連するファイルは1つのフォルダにまとめる・定期的にファイルを確認して不要なものを削除するなど、簡単なものからルール化し始めるといいでしょう。
パソコンの整理整頓ルールに関しては、下記の記事もあわせてご覧ください。
パソコンのファイル整理のコツ!初心者でもできる整理術を紹介
自分のミスを反省する
ミスをした場合は素直に反省することも、うっかりミスを防止する有効な方法です。ただし、反省のみで終わらせてしまうと、次も同じミスを重ねるリスクがあります。なぜ、ミスが起きてしまったのか・原因は何か・どのように対策すればいいのかまで考えるようにしましょう。
まったくミスをしない人は一人もいません。だからこそ、ミスを経験として活かし、繰り返さないことが重要です。
時間に余裕をもって行動する
時間に余裕をもって行動すると、うっかりミスが起こりにくくなります。時間に余裕がないと、焦りや苛立ちから正確な判断ができなくなり、うっかりミスにつながりやすくなるからです。また、時間に余裕がないからと休憩を取らずに作業を続けると、集中力が低下し、通常ならあり得ないミスを起こすリスクがあります。
無理のないスケジュールを立てる・会議で何を打ち合わせるのか事前に確認するなど、余裕をもった行動を心がけましょう。
規則正しい生活を送る
規則正しい生活を送り、体調を整えておくことも、うっかりミス防止の重要なポイントです。疲れやストレスがたまると、仕事に集中できない・正確な判断ができないなどの問題が起こりやすくなります。このことがうっかりミスの原因となるのです。
規則正しい生活には、十分な睡眠とストレスケアが欠かせません。理想的な睡眠時間は6時間から8時間といわれています。また、ストレスをためすぎないようにするには、適度に気分転換をする、身体を動かすなどの対策がおすすめです。
うっかりミスが多い社員への対応
うっかりミスが多い社員へは、次のように対応するといいでしょう。
- 仕事内容を細分化して伝える
- 積極的にコミュニケーションを取る
- パワハラにならないように注意する
- ミスを改善したらきちんと褒める
うっかりミスが多い社員にも、真剣に仕事に取り組んでいない・取り組んでいても要領が悪い、などのさまざまなタイプがあります。
社員がうっかりミスを起こす原因を探り解決していくことが、ミスを減らす重要なポイントです。
それぞれについて、事項で詳しく説明します。
仕事内容を細分化して伝える
うっかりミスが多い社員には、仕事内容を細分化して伝えるようにしましょう。仕事の内容を理解しきれない・仕事の段取りが悪いなどが原因で、ミスを繰り返す社員もいるからです。
たとえば、「資料を作成する」作業においても「〇日までに市場を調査して、市場規模や成長率・競合状況をまとめる」といったように、細かく指示しましょう。
仕事内容を細分化して伝えると次の行動が理解しやすくなり、うっかりミスの軽減につながります。
積極的にコミュニケーションを取る
うっかりミスが多い社員と積極的なコミュニケーションを取ることも、ミスの防止につながります。コミュニケーションを取ることで自然に報連相が多くなり、小さなミスにも気づきやすくなるからです。
コミュニケーションは部下からは取りにくいものです。そのため、上司が意識してコミュニケーションを取るようにしましょう。ただし、コミュニケーションが過剰になると「コミュニケーション・ハラスメント(コミュニケーションを強要するような発言や嫌がらせを含んだ発言)」につながってしまいます。
コミュニケーションが苦手な社員もいるので、様子を見ながら対応しましょう。
パワハラにならないよう注意する
社員がミスをしたときの指摘は必要ですが、パワハラにならないように注意しましょう。
たとえば、全社員の前でミスを名指しで指摘すると、パワハラと捉えられる恐れがあります。
うっかりミスが多い社員の中には、努力していても能力不足のためにミスをしてしまうケースも見られます。まずは、社員がどのようなタイプなのか見極め、本人や周りの社員からも聞き取りをし、今後の方針を決めるのがおすすめです。
うっかりミスが多いことを理由に、厳しい態度をすぐに取らないように気をつけましょう。
ミスを改善したらきちんと褒める
ミスを改善した社員をきちんと褒めることも重要なポイントです。「ミスを改善できた」という成功体験は、モチベーションにつながります。そのときにポジティブな言葉をかけられると、社員も「もっとミスを減らしたい」と前向きに取り組めるようになるでしょう。
うっかりミスが多い社員のマイナスポイントを指摘するだけでなく、小さくてもミスを改善できたら褒めるようにすると、社員の成長のきっかけになります。
組織でのうっかりミスへの対策
組織でのうっかりミスへの主な対策は、次のとおりです。
- ミスの原因が解消できる業務フローを整える
- ダブルチェック体制を整える
- 組織でタスクを共有できる仕組みを作る
うっかりミスは社員個人だけでなく、組織でも起こります。そのため、うっかりミスが起こりにくい環境や体制を整えることが重要です。
どのようなことなのか、事項で詳しく説明します。
ミスの原因が解消できる業務フローを整える
ミスの原因が解消できる業務フローを整えると、組織でのうっかりミス防止が可能です。たとえば、マニュアルを整備する・業務上のルールを決めるなどが業務フローを整えることに該当します。
業務フローが整っていないと、確認不足や判断不足によるうっかりミスが起こりやすくなるので、注意が必要です。組織でのミスが多いと感じる場合は、現在の業務や社内環境を洗い出し、改善できるか見直してみるとよいでしょう。
ダブルチェック体制を整える
ダブルチェック体制を整えることも、組織のうっかりミス防止に役立ちます。なぜなら、担当者は業務に深く関わっているため「大丈夫」と思い込み、ミスを見落としやすいからです。そこで、第三者の目を入れることにより、誤字脱字や記入漏れなどをチェックします。
ダブルチェックはミスの軽減が可能ですが、工程が増えるため時間もかかります。また、担当者が「チェックしてもらえるから」と、仕事が疎かになるリスクも考慮しなければなりません。
組織にダブルチェックを取り入れる際には、なぜ必要なのかを社員が理解できるように説明し、チェックすること自体が目的にならないように気をつけましょう。
組織でタスクを共有できる仕組みを作る
組織でタスクを共有できる仕組みを作ることも、うっかりミス防止のポイントです。タスクが共有できていれば、進捗の遅れやタスク漏れに気づきやすくなり、チーム全体の業務に悪影響が出ることを防止できます。タスクの共有は、うっかりミスの防止だけでなく、効率よく業務を進めるためにも重要です。
タスクの共有は、ホワイトボードやExcelを始めとした表計算ソフトを活用するとよいでしょう。しかし、管理する人数が多くなると時間も手間もかかるので、その場合はITツールの活用をおすすめします。
作業ミスの始末書の無料テンプレート・ひな形
以下より、テンプレートを無料でダウンロードいただけます。ぜひご活用ください。
うっかりミスを組織全体で防止しよう
うっかりミスは「ケアレスミス」とも呼ばれ、不注意やボンヤリしていたことから起こる、通常ではあり得ないミスのことをいいます。個人はもちろん、組織全体でもうっかりミスは発生する恐れがあり、十分な対策が必要です。
うっかりミスは、意識することで改善できる可能性が高いミスでもあります。簡単に取り入れられる対策から始め、組織全体でうっかりミスを改善していきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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