- 更新日 : 2024年12月27日
VLOOKUP関数とは?初心者向けにわかりやすく解説
VLOOKUP関数とは、Excelの強力な機能の一つで、指定した値を元にデータを探し出すために使用される関数です。この関数を用いることで、大量のデータの中から必要な情報を迅速に抽出することが可能になります。特に、表形式のデータを扱う際に便利で、初心者でも理解しやすい構文を持っています。この記事では、VLOOKUP関数の基本から応用まで、わかりやすく解説します。
VLOOKUP関数とは
VLOOKUP関数の使い方
VLOOKUP関数は、膨大なデータを検索して任意の数値や名称を探し出せる非常に便利なツールです。このセクションでは、VLOOKUP関数の基本的な使い方を説明します。まずは簡単な構文を理解し、次に実際の例を通じてその使い方を学んでいきましょう。
VLOOKUP関数の基本構文
VLOOKUP関数は、以下のような構文で使用されます。
=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方式)
それぞれの引数の役割を簡単に見ていきましょう。
- 検索値:何を探すのか、検索したい値を指定します。セルの指定はもちろん、数字や文字列の指定も可能です。例えば、A列「商品ID」のセルA3に入力された「C12345」の単価を探したいときは、A3を指定するか、直接 “C12345”とダブルクォーテーションで囲みます。
- 範囲:どこを検索するのか、データの範囲を指定します。検索値を含む列が左端に位置するように、かつ返す値の列が含まれるように範囲を指定します。
- 列番号:どの列の値を返すのか、戻り値を含む列の番号を指定します。1が範囲の最初の列、つまり検索値を含む左端の列です。例えば、探している値が検索値の列の隣にある「単価」の列にあるときは、「2」と指定します。
- 検索方式:必要に応じて省略可能な引数で、TRUEまたはFALSEを指定します。TRUEは近似一致、FALSEは完全一致を意味します。実務上は、FALSEを指定することが多いでしょう。
実際の使用例
次に、実際のデータを使ってVLOOKUP関数の使い方を確認しましょう。
商品ID | 商品名 | 価格 |
---|---|---|
001 | りんご | 150 |
002 | バナナ | 100 |
003 | オレンジ | 120 |
上記のテーブルを参照して、商品ID「002」の商品名を取得したい場合、以下のようなVLOOKUP関数を使用します。
=VLOOKUP(“002”,A2:C4,2,FALSE)
この関数は、商品IDが「002」の行を探し、2列目(商品名)から「バナナ」を返します。
注意点
VLOOKUP関数を使用する際の注意点をいくつか挙げておきます。
- 検索値が範囲の最初の列に存在する必要があります。
- 文字列を検索値として指定するときは、ダブルクォーテーションの向きに注意してください。
- 列番号は範囲の列数を超えないようにしましょう。
- [検索方式]をFALSEに設定することで、完全一致のみ、つまり検索値に対応する列の値を返せます。省略しても VLOOKUP関数は動作しますが、この場合は「TRUE」を入力したことになるので注意してください。
以上がVLOOKUP関数の基本的な使い方です。実際のデータを使用しながら、この関数の使い方をマスターしていきましょう。
それぞれの引数の解説
VLOOKUP関数は、データを検索して値を取得するための非常に便利なツールですが、正しく使うためにはそれぞれの引数を理解することが重要です。このセクションでは、VLOOKUP関数の全ての引数について詳しく解説します。
1. 検索値(lookup_value)
検索値は、VLOOKUP関数がテーブル内で検索する値です。この値を元に、関数は指定された範囲内からデータを探し出します。
- 例: 検索対象のID、名前、商品コードなど。
2. テーブル配列(table_array)
テーブル配列は、VLOOKUP関数が検索を行う範囲を指定します。この範囲は、検索値を含む列と、返したい値が含まれる列を含める必要があります。
- 形式: A1:D10 など、セル範囲を指定します。
- 注意: 範囲の最初の列は検索値を持っている必要があります。
3. 列番号(col_index_num)
列番号は、テーブル配列内で取得したいデータが存在する列の番号を指定します。この番号は、テーブル配列の最初の列を1としてカウントします。
- 例: 2を指定すると、テーブル配列内の2列目からデータを取得します。
4. 検索の型(range_lookup)
検索の型は、VLOOKUP関数が近似一致か完全一致かを選択するための引数です。TRUE(または省略)を指定すると、近似一致を探します。FALSEを指定すると、完全一致を探します。
- TRUE: 近似一致 – おおよその値を返します。
- FALSE: 完全一致 – 正確に一致する値のみを返します。
ここで、近似一致を使用する場合は、検索対象の列が昇順に並んでいることが重要です。
VLOOKUP関数はどういう時に使う?利用シーンの紹介
VLOOKUP関数は、Excelでデータを扱う際に非常に便利なツールです。具体的にどのような利用シーンで役立つのか、以下で見ていきましょう。
1. 大量データからの情報検索
企業や個人の業務において、膨大なデータを扱うことが一般的です。このような状況でVLOOKUP関数を用いることで、特定の情報を素早く検索できます。例えば、顧客情報のリストから特定の顧客の電話番号や住所を探すといった作業がこれにあたります。
2. データの統合
異なるシートやExcelファイルに分散したデータを統合する際にも、VLOOKUP関数は非常に有効です。例えば、売上データと商品データが別々のシートに存在する場合、VLOOKUPを使えば売上データシートに商品名を自動で挿入できます。
3. 繰り返し利用されるデータの関連付け
定期的にデータを更新する場合、VLOOKUP関数を使用して関係する情報を自動でリンクさせられます。この方法により、手動でデータを入力する手間が省け、ミスも減少します。
4. データ分析の一部として
データ分析を行う上で、特定の条件に基づいて情報を抽出することが求められます。VLOOKUPを使うことで、条件に合致するデータを瞬時に抽出でき、分析の効率を大幅に向上させられます。
5. リスト作成や評価システムの構築
成績評価や在庫管理など、リスト形式でのデータを扱う際にもVLOOKUPは便利です。例えば、成績表で各生徒の得点を自動的に引き出して表示でき、管理が効率的になります。
VLOOKUP関数で別シートを参照する方法
VLOOKUP関数を使用して別シートからデータを参照する方法は、多くのシートを使ってデータを整理している場合に非常に便利です。この章では、別シートに保存されているデータをどのようにしてVLOOKUPを使って参照するかを詳しく解説します。
別シートを参照する基本的な流れ
別シートを参照する際は、引数の中でシート名を指定します。ここでは、具体的な手順とともに例を挙げて説明します。
- 参照したいデータがあるシートを用意します。このシートには、検索する値と返したい値が含まれている必要があります。
- VLOOKUP関数を入力し、検索値を指定してカンマを入力します。
- ブック内の別のワークシートに移動し、テーブル範囲を選択します。
- VLOOKUP関数の構文に従って入力します。
VLOOKUP関数の書式
ブック内の別のワークシートを参照する際の、VLOOKUP関数の基本的な書式は次の通りです。
=VLOOKUP(検索値,シート名!範囲,列番号,検索の型)
ここで、現在の検索値のあるシートとは、別のシート名を指定することがポイントです。別のシート名の後には、感嘆符を配置する必要があります。例えば、シート名が「Sheet2」で、その中の範囲を参照する場合は以下のようになります。
=VLOOKUP(A1,Sheet2!範囲,2,FALSE)
この関数は、現在のシートのセルA1の値を「Sheet2」シートの指定した範囲内で検索し、それに対応する左端から2番目の列の値を返します。
具体例:別シートのデータを参照する
例えば、以下のように「売上データ」という名前のシートから商品名に基づいた売上金額を参照するケースを考えます。
商品名 | 売上金額 |
---|---|
商品A | 5000 |
商品B | 3000 |
この場合、別シート名「売上データ」のA列に商品名、B列に売上金額が入力されているので、A2:B3を範囲指定してみましょう。現在のシートで、商品名がセルA1にある場合(検索値)、次のようにVLOOKUP関数を設定します。
=VLOOKUP(A1,売上データ!A2:B3,2,FALSE)
この設定により、セルA1の値(商品名)に基づいて、別シートの売上金額を引き出すことができます。
注意点
別シートを参照する際の注意点として、以下のポイントがあります。
- ブック内の別のワークシートを指定するときは、必ずシート名の後に感嘆符をつけます。
- 参照する範囲は、正確に指定する必要があります。範囲が間違っていると、#N/Aエラーが表示されます。
- VLOOKUPでは検索値は左端の列に存在する必要があります。返したい値はその右側の列でなければなりません。
- 関数をコピーする場合には、範囲が変わらないように絶対参照がおすすめです。上記の具体例だと、「売上データ!$A$2:$B$3」となります。
VLOOKUP関数で複数条件を指定する方法
VLOOKUP関数は、一つの条件に基づいてデータを検索し、結果を返すのに便利ですが、時には複数の条件でデータを取得したい場合もあります。この章では、VLOOKUP関数を使用して複数条件を指定する方法をご紹介します。
基本的な考え方
VLOOKUP関数自体は一つの条件しか処理できませんが、複数条件の検索を行うためには、いくつかの工夫が必要です。ここでは、主に以下の方法を利用します。
- 補助列を作成する方法
- MINまたはMAX関数と組み合わせる方法
- INDEXとMATCH関数を使用した方法
補助列を作成する方法
最もシンプルな方法は、データに補助列を作成して、一つの条件にまとめることです。例えば、名前と日付の2つの条件を1つの値(検索値)として検索したい場合、これらを連結した新しい列を作成します。
具体的な手順は次の通りです。
- 元のデータに、新しく補助列を作成します。
- アンパサンド記号 (&) を使用して、新しい列に、以下のような数式でデータを連結します。
=A2&B2(結合する2つのデータ間にスペースなしの場合)
=A2&””&B2(結合する2つのデータ間にスペースを含みたい場合) - VLOOKUP関数を使用する際、補助列に含まれる値を検索値とします。
このようにすることで、複数の条件を単一の値として扱えるため、VLOOKUP関数での検索が可能になります。
MINまたはMAX関数と組み合わせる方法
もし複数条件の中から最小値または最大値を探したい場合、VLOOKUP関数とMINまたはMAX関数を組み合わせます。この方法では、条件に合う値から最小または最大の値を取得できます。
例えば、次のように実行します。
- VLOOKUPで基本的な検索を行います。
- 条件に合う値をMINまたはMAX関数で絞り込みます。
このようにして、配列数式を使えば、特定の条件に基づいた結果が得られます。
INDEXとMATCH関数を使用した方法
VLOOKUP関数の代わりにINDEXとMATCH関数を使用することも、複数条件の指定を行う一つの方法です。VLOOKUP関数では検索値を含む列は、戻り値を含む列の左側に配置しないと動作しません。一方、この組み合わせはVLOOKUP関数のような制限がないために柔軟性が高く、指定した条件に基づくデータの検索を容易にします。
具体的な利用方法は次の通りです。
- INDEX関数を使って戻したい値の範囲を、配列で指定します。
- MATCH関数を使用して、検索値、検索範囲、複数の条件を満たす行番号、照合の型(検査値と等しい最初の値の場合は数字の0)を指定します。
- INDEX関数に戻り、検索する「列数」を指定します。
- この際、配列数式を使い、条件に合致する結果を取得します。
最終的には、INDEX関数がMATCH関数から得られた値を引数として使用して、正しいデータを返します。
VLOOKUP関数をマスターしよう
VLOOKUP関数を活用することで、業務の生産性を向上させることが可能となります。さらに、複数条件や別シートの参照も行えるため、さまざまなシーンでのデータ分析に役立ちます。正しい使い方をマスターすることで、VLOOKUP関数はあなたのビジネスにおいて不可欠な存在となるでしょう。
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