• 更新日 : 2024年10月17日

動画マニュアルとは?適した内容や作り方、おすすめソフトを紹介(無料あり)

動画マニュアルとは、業務の手順を動画化して、パソコンやスマートフォンなどから閲覧できる形にしたものです。動画化することで、紙の冊子では伝わらない視覚的および聴覚的な情報も直感的に理解できます。

本記事では、動画マニュアルのメリット・デメリット、動画マニュアルの作成方法、動画マニュアル作成におすすめの無料ソフト・アプリなどをご紹介します。

動画マニュアルとは?

動画マニュアルとは、業務内容や操作手順を、動画形式で説明するものです。従来、企業で使用されるマニュアルは、紙製の冊子が一般的でした。しかし、近年はパソコンやタブレット、スマートフォンの普及に伴い、動画マニュアルを導入する企業が増えています。

マニュアルを動画化することで、紙マニュアルよりも多くの情報を、短時間で効率よく伝達可能です。加えて、冊子では伝わらない細かな技術を、視覚的および聴覚的に理解できるメリットもあります。

動画マニュアルを作成するメリット・デメリット

動画マニュアルは、複雑な作業を視覚的および聴覚的に伝える強力なツールです。言語の壁を越えて情報を共有でき、紙マニュアルでは表現しきれない内容も効果的に伝達できます。一方で、部分的な確認が難しく、必要な情報を素早く見つけ出すのに時間がかかる場合があります。また、視聴環境や機器に制約がある点も課題です。以下、具体的なメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。

動画マニュアルを作成するメリット

動画マニュアルのメリットは、次の3点です。

  • 技術・手順を視覚的および聴覚的に伝えられる
  • 印刷・郵送のコストを削減できる
  • 多言語対応が可能になる

動画マニュアルは、複雑な技術や手順を視覚的および聴覚的に伝えられる利点があります。細かな作業も感覚的に理解しやすく、言語の壁を越えて情報を共有できます。

また、動画マニュアルは電子機器で確認したり、メールで送信したりすることも可能です。紙マニュアルの印刷費、郵送費も必要ないため、コスト削減の効果も期待できます。

近年は、AIによる自動翻訳機能も発達しているため、他言語にも対応可能です。外国人雇用を検討している企業にとっては、心強い味方となるでしょう。

動画マニュアルを作成するデメリット

動画マニュアルは便利ですが、次のようなデメリットもあります。

  • 部分的な確認に向かない
  • 閲覧に端末が必要になる

動画マニュアルで作業の一部分だけを確認したい場合、動画の何分何秒に見たい内容があるか、都度確認しなければなりません。紙マニュアルと併用したり、動画を細かく区切ったりといった工夫により、わかりにくい部分を探しやすくなるでしょう。

また、動画マニュアルは、パソコン・タブレットを所持していないと閲覧できません。いつでも見られるように、社用端末を配布したり、インターネット環境を整備したりする取り組みが必要です。

動画マニュアルに適した内容

動画マニュアルに最適な内容は、次のとおりです。

  • 操作マニュアル
  • 技能伝承マニュアル
  • 研修マニュアル
  • 営業マニュアル
  • 接客マニュアル

操作マニュアル

操作マニュアルとは、機械・システムの操作方法を確認できるマニュアルです。特定の設備や製品の操作手順、トラブルへの対処方法を確認でき、初めて扱う機械の操作イメージをつかむ助けになります。

操作マニュアルを動画化することで、複雑な手順や危険を伴う作業をより効果的に伝えられます。実際の操作環境を視覚的に示し、誤操作のリスクを低減できるため、安全性が向上するでしょう。

技能伝承マニュアル

技能伝承マニュアルとは、熟練者がもつ技能を残し、伝えるためのマニュアルです。熟練者の技術や、属人化したノウハウをマニュアル化し、社内に残します。

製品の品質を保つには、熟練者のもつ技術が不可欠です。紙マニュアルで伝えられない細かな技術を動画に残し、若手に受け継いでいく必要があります。技能伝承マニュアルを作成することで、ノウハウの消失を防ぐことにもつながります。

研修マニュアル

研修マニュアルとは、新入社員や転属したスタッフ向けのマニュアルです。新入社員には社会人としての立ち振る舞いを、転属してきたスタッフには業務内容を、実際の動作とともに解説できます。

動画形式の研修マニュアルは、オンラインでの研修会でも活用できるため、社員を集めて講義を行う手間がありません。さらに、指導者が付きっきりで指導する必要がないため、教育の負担軽減も可能です。

営業マニュアル

営業マニュアルは、新人営業マンや営業チームのスキル向上を目的としたマニュアルです。営業の基本的な流れや段取り、話し方を動画マニュアルで学ぶことで、基礎的なスキルを習得できるでしょう。

加えて、顧客へのアプローチの方法や販売戦略など、トップ営業マンのもつノウハウを共有することで、社内全体の営業成績アップも図れます。

接客マニュアル

接客マニュアルは、顧客サービスや接客の流れを細分化し、説明したものです。接客マナーや身だしなみ、接客の流れを動画にすることで、好ましい声のトーンや表情をイメージしやすくなります。

新人が接客マニュアルの内容を取り入れることで、人材の即戦力化も可能です。加えて、顧客のニーズを共有すれば、顧客満足度が上がるため、クレーム防止にもつながるでしょう。

動画マニュアルの作成方法

動画マニュアルの作成手順は、次のとおりです。

  1. シナリオを作成する
  2. 台本を作成する
  3. 動画を撮影する
  4. 動画を編集する

シナリオを作成する

最初に、動画マニュアルで「誰に、何を」伝えるか決め、シナリオを作成しましょう。マニュアルで解決したい課題を洗い出し、動画の方向性や内容を決めていきます。ナレーション、アップ・別撮りなどの撮影指示をメモしておけば、映像の過不足がなくなり、再度撮影する手間がありません。

動画マニュアルの作成チームには、熟練者と若手スタッフの、両方を配置するのがおすすめです。幅広い層の意見を取り入れることで、よりニーズに沿った動画マニュアルを作成できます。

台本を作成する

動画マニュアルのシナリオが決まったら、必要な情報や資料を収集しましょう。情報収集の際は、紙マニュアルの情報に限らず、実際に作業を行うスタッフの意見を取り入れます。

次に、シナリオと情報をもとに、動画撮影時の台本を作成してください。動画の完成イメージを共有するため、テキストで記載した台本や、イラスト形式の絵コンテがあると便利です。

動画を撮影する

作成した台本をもとに、動画撮影に入ります。パソコンの操作マニュアルなら画面をキャプチャしたり、作業マニュアルなら現場での動画撮影を行ったりして、必要な映像をそろえましょう。

撮影が終わったら、現場のスタッフと一緒に映像をチェックしてください。現場スタッフと確認することで、実際の業務の流れと合っているか確認でき、見落としがちな細かい手順や注意点を漏れなく反映できます。

動画を編集する

撮影した動画を使って、マニュアルを作成します。カットや並び替えを行ったり、ナレーションや音楽を挿入したりしましょう。ナレーションが必要な場合は、別で撮影するのがおすすめです。

また、次のような素材を用意しておくと、動画のクオリティが上がります。

  • テロップ(内容・デザイン)
  • ナレーション
  • 企業ロゴ
  • 音楽・効果音

編集が終わったら、実際にマニュアルを見る人に動画をチェックしてもらいましょう。視聴者目線でのわかりやすさや、説明の過不足を確認でき、より効果的な動画マニュアルに仕上がります。

動画マニュアルを作成するコツ

動画マニュアルを作成する際は、次のポイントを押さえましょう。

  • 目的とターゲットを明確にする
  • 撮影環境・カメラワークに配慮する
  • テーマごとに動画を作成する

目的とターゲットを明確にする

動画マニュアルは「誰に、何を」伝えるのか、明確にする必要があります。マニュアルの目的とターゲットに合った情報を盛り込むことで、よりニーズを汲み取った内容にできるでしょう。

たとえば、新入社員と入社1〜2年目の社員に適したマニュアルは、次のように異なります。

  • 新入社員:業務手順だけでなく、企業理念や商品詳細を解説する
  • 入社1〜2年目:業務に慣れているため、忘れがちなポイントを再確認する

動画マニュアルを作る際は、誰に向けたマニュアルなのかを意識するのが大切です。

撮影環境・カメラワークに配慮する

動画マニュアルは、見やすさが重要です。映像が暗かったり、カメラの位置が悪かったりして、見にくい映像になっていては意味がありません。より見やすい映像を作るため、明るさやカメラワーク、音質に注意しましょう。

撮影の際は、次のポイントに配慮してください。

  • スタンド照明を増やす
  • さまざまな角度から撮影する
  • ナレーションを別撮りにする

動画が完成したら、現場のスタッフに映像をチェックしてもらいましょう。見やすい映像になっているか、現場の視点から判断できます。

テーマごとに動画を作成する

動画マニュアルは、1本の動画につき、1つのテーマが基本です。再生時間が長すぎると、最後まで視聴してもらえない恐れがあります。忙しい仕事中でも、必要な部分だけを確認できるよう、動画を短く区切りましょう。

たとえば、接客マニュアルなら、次のように区切ると見やすくなります。

  • 挨拶の仕方
  • オーダーの取り方
  • レジの操作方法
  • 掃除の仕方

このように分割すれば、見たい動画だけを再生できます。

テロップや図解で情報を補完する

動画マニュアルには、テロップや図解を挿入して、説明の補足をしましょう。動画の進行が速すぎると、作業の詳細を把握しづらく、展開についていけません。テロップがあれば、内容を聞き取れなくても理解できます。

ただし、テロップの入れすぎは、視聴者の集中を妨げる可能性があります。セリフや解説が多い場合は、重要なポイントのみに絞ってテロップを入れ、要点を明確にしましょう。

動画マニュアル作成に使える無料ソフト・アプリ

動画マニュアル作成に役立つ、無料ソフトを5つ紹介します。

  • パワーポイント
  • Microsoftフォトビデオエディター
  • iMovie
  • Inshot
  • VideoProc Vlogger

パワーポイント

主な機能
  • スライドショー録画
  • 話者録画
  • 動画トリミング
運営会社Microsoft
公式サイトhttps://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/powerpoint

パワーポイントは、Microsoft(マイクロソフト)社のプレゼンテーション作成ソフトです。プレゼンテーションの録画機能が付いているため、プレゼン形式の動画マニュアル作成にも利用できます。

「スライドショー」タブから「スライドショーの記録」ボタンを押せば、プレゼンテーションの録画が可能です。

Microsoft Clipchamp

主な機能
  • カット編集
  • 動画サイズ変更
  • クロマキー合成
  • 画面録画
  • 字幕生成
運営会社Microsoft
公式サイトhttps://clipchamp.com/ja/windows-video-editor/

Microsoft Clipchampは、Windows11に標準搭載されている動画編集アプリです。簡易的な編集ソフトですが、カット・テロップ・速度調整など、一通りの機能がそろっています。

iMovie

主な機能
  • カット編集
  • テロップ・音楽挿入
  • トランジション効果
  • ピクチャ・イン・ピクチャ
  • フィルタ加工
運営会社Apple
公式サイトhttps://www.apple.com/jp/imovie/

iMovieは、Macに標準搭載されている動画編集アプリです。エフェクト・トランジション・アニメーションなどの機能が無料で利用でき、iPadやiPhoneからでも編集ができます。

直感的な操作が可能で、動画編集の初心者でも使いやすいでしょう。

Inshot

主な機能
  • カット編集
  • 動画サイズ変更
  • テロップ・音楽・顔文字の挿入
  • フィルタ加工
  • トランジション効果
運営会社InShot
公式サイトhttps://inshot.com/

Inshotは、AndroidとiOSに対応した、無料動画編集アプリです。SNS用の動画編集に適した機能を備えているため、スマートフォン用の動画マニュアル作成に役立ちます。

ただし、マルチトラックや4K編集など、高度な編集には対応していません。

VideoProc Vlogger

主な機能
  • カット編集
  • テキスト・タイトル挿入
  • 逆再生
  • エフェクト・トランジション追加
  • レンズ補正
運営会社Digiarty Software
公式サイトhttps://jp.videoproc.com/video-editor/

VideoProc Vloggerは、動画変換ソフト「VideoProc」がリリースしているフリーソフトです。無料プランでも、動画に広告用の透かしが入らないため、快適に編集できます。

フリーソフトながらテックサポートが24時間受けられるなど、サポート体制も充実しています。公式サイトから操作方法の動画マニュアルを確認できるため、自社の動画マニュアル作成のノウハウを学べるのもポイントです。

おすすめの動画マニュアル作成ソフト

動画マニュアルの作成に特化したアプリを、5つ紹介します。

  • tebiki
  • Teachme Biz
  • Dojo
  • VideoStep
  • COCOMITE

tebiki

料金プラン
  • 初期費用:0円
  • 月額費用:要問合せ
主な機能
  • テロップ自動生成
  • 100か国以上の自動翻訳機能・教育効果・習熟度の可視化
運営会社

Tebiki株式会社

無料トライアル

あり

公式サイト

https://tebiki.jp/

tebikiは、字幕生成システムが搭載されたアプリです。映像をスマートフォンで撮影するだけで、音声認識システムが自動で字幕を挿入してくれます。自動翻訳にも対応しているため、外国人スタッフも内容を理解できるでしょう。

完成した動画マニュアルはクラウドで管理し、どの程度見られたかを確認できます。理解度テストも作成できるため、マニュアルの効果を測定できるのもポイントです。製造業やサービス業、IT企業など、幅広い導入実績があります。

Teachme Biz

料金プラン
  • 初期費用:0円
  • スタータープラン:月額65,780円
  • ベーシックプラン:月額131,780円
  • エンタープライズプラン:月額351,780円

※税込み表記

主な機能
  • トレーニングコース作成
  • 承認ワークフロー
  • リンク・QRコード共有
  • 自動翻訳(20か国以上)
  • アクセスログ解析
運営会社株式会社スタディスト
無料トライアルあり
公式サイトhttps://biz.teachme.jp/

Teachme Bizは、スマートフォンやタブレットで撮影から編集まで完結するアプリです。テンプレートに沿って画像や動画、文字を配置するだけで、簡単に動画マニュアルを作成できます。

さらに、マニュアルのアクセス数を解析し、利用頻度が高いマニュアルをチェックできます。利用者のニーズが高い分野を分析することで、新しいマニュアル作成の参考にできるでしょう。

Dojo

料金プラン要問合せ
主な機能
  • 画面キャプチャ
  • 操作説明文の自動作成
  • パワーポイント取り込み
  • バージョン管理
運営会社株式会社テンダ
無料トライアルあり
公式サイトhttps://tepss.com/dojo/

Dojoは、マニュアルの自動作成が強みのアプリです。ツールを立ち上げてパソコンを操作するだけで、画面のキャプチャが完了します。

また、「Dojoウェブマニュアル」を利用することで、スマホでのマニュアル作成にも対応できます。

VideoStep

料金プラン要問合せ
主な機能
  • バージョン管理
  • 承認フロー
  • AI翻訳・読み上げ
  • マニュアル管理・検索
運営会社株式会社VideoStep
無料トライアルあり(2週間)
公式サイトhttps://videostep.io/

VideoStepは、シンプルで直感的に利用できるソフトです。マニュアル作成に特化した機能に絞り、パワーポイントやエクセルに近い操作感で、動画を編集できます。

マニュアルの更新履歴が残るため、頻繁にマニュアルを更新する職場に向いています。

COCOMITE

料金プラン
  • 初期登録料:71,500円
  • エントリープラン:月額32,560円
  • スタンダードプラン:月額86,900円
  • エンタープライズプラン:月額315,700円

※税込み表記

主な機能
  • パワーポイント・ワード・エクセル取り込み
  • アクセス管理
  • リンク共有
  • 画像編集
  • バージョン管理
運営会社コニカミノルタ株式会社
無料トライアル30日間
公式サイトhttps://cocomite.konicaminolta.jp/

COCOMITEは操作難度が低く、わかりやすさを売りにしている動画マニュアル作成ソフトです。マニュアルページのレイアウトや、図の挿入が直感的な操作で行えます。ワードやエクセル、パワーポイント資料を取り込めるため、既存マニュアルを活かすことも可能です。

さらに、完成したマニュアルに対して「いいね」を送る機能も備わっています。


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