• 更新日 : 2025年1月31日

電話対応フローチャートとは?効率化を図る具体例・無料テンプレート

電話対応フローチャートは、業務の効率化や応対品質の向上を目的に活用される、電話業務の流れや内容を図式化したものです。複雑な対応が求められる場面でも、フローチャートが判断の指針となるため、迅速な回答が可能になります。

当記事では、電話対応フローチャートの基本的な作成方法や重要なマナー、状況別の活用例について詳しく解説します。業務改善を進めたい方や対応品質を高めたい方は、ぜひ参考にしてください。

電話対応フローチャートとは?

電話対応フローチャートとは、受電から終話までの一連の流れや対応方法を図式化したものです。フローチャートとは業務のプロセスやシステムを図で示したものを指し、業務の流れがひと目で分かるため、複雑な手順を踏む仕事をマニュアル化する際によく使用されます。コールセンターのオペレーターに限らず、一般企業のビジネス電話対応でも応用が可能です。

電話対応をフローチャート化することには、無駄な手順を省き、1件あたりの通話にかかる時間を短縮できるというメリットがあります。相手の状況に応じて受け答えの仕方を分岐させるので、対応者がどのように回答すればよいのか迷う時間が減り、迅速に判断できるようになります。

電話対応フローチャートの無料テンプレート

電話対応フローチャートは業務効率化だけでなく、担当者ごとの問い合わせ対応のバラつきを防ぎ、質を一定に保つ効果もあります。応答を一貫させることは、顧客満足度の向上にもつながります。また、新人教育の際にも電話対応フローチャートは有効です。フローチャートで電話対応業務に関する新人スタッフの理解度が高まれば、教育期間を短縮化できます。

ただし、電話対応フローチャートを一から作るのは簡単ではありません。「できるだけ作成の手間を省きたい」「すぐに電話対応マニュアルがほしい」という場合は、ぜひ無料のテンプレートをご利用ください。

電話対応フローチャートのテンプレートのダウンロードはこちら

電話対応フローチャートに盛り込みたい基本マナー

電話対応フローチャートの作成方法は、起点を定めてから分岐パターンを整理し、図に落とし込む方法が一般的です。その際は、ビジネスマナーを盛り込むと、電話相手に失礼のない応対ができるようになります。電話対応フローチャートを用意する際は、以下に紹介する基本マナーもぜひ記載しましょう。

電話が鳴ったら3コール以内に出る

電話がかかってきたら3コール以内に出るのが原則です。電話をかけている側にとって相手が出るまでの間は長く感じる傾向にあるので、なるべく早めに受話器を取ることが大切です。

電話に出たときは「お電話ありがとうございます。○○株式会社の○○です」と名乗る必要があることも、フローチャートに記載しておくとよいでしょう。3コール以上鳴ってから出た際は「お待たせして申し訳ございません」のお詫びのひと言を付ける旨も付記します。

ワントーン明るい声でハキハキと話す

お互いの表情が見えない電話では、いつも通りの話し方だと「声が暗い」と相手に思われる可能性があります。そのため、電話対応の際は普段よりもワントーン明るい声でハキハキと話すことを意識します。

明るくハキハキと話すには、口角を上げて笑顔を作ると効果的です。業務に追われていると笑顔を作る余裕がなくなることもあるため、どれほど忙しくても電話では明るく振る舞うようフローチャートに掲載しておきましょう。

通話中は正しい敬語を使う

電話対応は「会社の代表」として行うため、敬語を正しく使いこなすことも求められます。顔が見えない分、不適切な言葉遣いは相手に不快感を与えます。そのため、特に間違いやすい敬語は、適宜フローチャートに載せておくと、言い間違いを防ぐことが可能です。

言葉尊敬語
言うおっしゃる
来るいらっしゃる
聞くお聞きになる
見るご覧になる
知るご存じ
言葉謙譲語
言う申し上げる
聞く・行く伺う
見る拝見する
知る存じ上げる
どうしますかいかがなさいますか
分かりました承知いたしました

相手が切ってから受話器を置く

電話がかかってきたときは、かけた側が先に切るのが一般的なマナーなので、相手が切るまで待つようにします。また、取引先に自分から電話をかけた場合も、数秒ほど待つのが基本です。こちらから電話を切る場合は「お電話ありがとうございました。失礼いたします」とひと言かけてから、フックスイッチを押しながら静かに受話器を置いて通話を終了します。

受話器を乱暴に置いて音を立てると、相手に不快感を与えてしまいます。また、ビジネス用の電話はフックスイッチを軽く1回押すと保留状態になるものがほとんどです。そのため、受話器を持っていないほうの手で、フックスイッチを長押しすることもポイントです。電話の最後で悪印象を与えるリスクを減らすために、電話の切り方についてもフローチャートに載せておくとよいでしょう。

【場面別】電話対応フローチャートの例

電話応対のフローチャートを作る際は、誰が読んでも理解できるよう、分かりやすく簡潔な表現を使います。実践的な分岐点を明確に示すと、状況に応じた判断が付くようになります。ここからは、さまざまなシーンに分けて電話対応フローチャートの例を紹介しますので、作り方に迷った際はぜひ参考にしてください。

自分宛ての電話の場合

かかってきた電話が自分宛てだった場合の電話対応フローチャートは、以下のようになります。

電話に出る3コール以内に電話に出ることを記載しておきます。
名乗る「お電話ありがとうございます。○○です」のように、名乗り方も紹介します。
相手の名前の復唱相手が会社名・名前を名乗ったら、すぐに復唱します。
用件を伺う自分が本人であることを告げ、用件を聞きます。
用件の復唱聞き間違えがないよう、相手からの用件を繰り返します。
挨拶相手が先に切ったことを確認してから受話器を置く旨を記載します。

電話を取り次ぐ場合

社内の担当者宛に電話を取り次ぐ場合の電話対応フローチャートは、以下のようになります。

電話に出るメモとペンを手元に用意する旨を記載すると、その後の対応がスムーズです。
名乗る明るい印象を与えられるよう、笑顔で応対する旨を記載してもよいでしょう。
相手の名前の復唱「○○株式会社の○○様ですね、いつもお世話になっております」と、返答の仕方を紹介します。
担当者の確認「○○部の○○ですね、ただいまおつなぎしますので、少々お待ちください」などと言って保留にしてから、担当者が電話に出られるか確認します。
取り次ぐ担当者に相手からの用件を簡単に伝え、電話を取り次ぐようにします。

担当者が不在の場合

相手から電話の取り次ぎを依頼されたものの、担当者が不在だった場合の電話対応フローチャートは、以下のようになります。なお、電話に出てから相手の名前を復唱するまでの流れは省略しています。

担当者の確認希望する担当者の名前を復唱し、保留にした上で在籍の有無を確認します。
戻り時間の案内担当者の不在理由と、戻り時間を案内します。
代替案の提案フローチャートには以下のような代替案を提示しておくと、効率よく対応できます。

  • こちらからかけ直す必要があるか聞く
  • 代わりに伝言を聞く
  • 緊急の用件か確認する
確認と挨拶折り返しの希望がある場合は相手の名前と連絡先を確認し、伝言を預かった場合は自分の名前も伝えることを記載しておきます。

クレーム対応の場合

クレーム電話のフローチャートは、以下のようになります。なお、電話に出てから相手の名前を復唱するまでの流れは省略しています。

謝罪と傾聴まずは謝意を述べ、相手の言い分を聞きます。
対応の可否の判断その場で解決できるのかどうかの判断をし、「対応できる場合」と「対応できない場合」で分岐点を設けます。
対応できる場合解決策を提案します。
対応できない場合責任者から連絡することを伝え、相手の名前・電話番号を確認します。
謝罪と感謝あらためて謝罪し、貴重な意見をいただいたことへの感謝を述べます。

電話対応フローチャートで業務効率化とともに顧客満足度も向上へ

電話対応フローチャートを用意すると、判断に迷う時間が短縮され、スピーディーに返答できるようになります。また、担当者間の応対品質を均一化することには、顧客満足度の向上にもつながる効果も期待できます。無料テンプレートを活用すれば、簡単にフローチャートを作成可能です。効率的な電話対応を実現し、顧客との良好な関係構築に役立ててください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事