- 作成日 : 2024年7月24日
Qast(キャスト)とは?メリットや使い方、料金、おすすめな企業を紹介
Qast(キャスト)は、any株式会社が提供するクラウド型のナレッジ管理ツールで、5,000社以上の導入実績を誇ります。Qastは社内情報の集約や業務知識・ノウハウの共有、知見の蓄積に役立ちます。ナレッジ管理の重要性が増す現代のビジネス環境において、Qastを活用することで効率的な情報共有と組織の生産性向上を実現できます。
今回は、Qastの基本機能や導入メリット、使い方について詳しく解説します。
目次
Qast(キャスト)とは?
Qastとは、any株式会社が開発・提供しているクラウド型のナレッジ管理ツールです。5,000社以上の導入実績があり、規模や業種を問わず幅広い企業に利用されています。
Qastはナレッジ管理に役立つさまざまな機能を搭載していて、社内情報の集約や業務知識・ノウハウ共有、知見の蓄積などに活用することが可能です。
ナレッジ管理の必要性
そもそもナレッジ管理とは、一人ひとりの社員が持つノウハウや技術をマニュアル化し、組織全体の知識として共有・活用するマネジメント手法のことです。
各社員が保有するノウハウや技術は業務に活用されていて、結果として企業に利益をもたらしています。
しかし、社員が退職すると保有していたノウハウや技術は失われ、事業への大きな影響が発生する可能性もあるでしょう。社員個人が持つ知識を組織全体で共有するナレッジ管理は、企業の生産性向上につながる方法として重要視されています。
また、ナレッジ管理を行うと組織全体の知識が集約されるため、人材育成にも役立ちます。業務の属人化を防ぐとともに、効率的な教育プログラムを構築するにはナレッジ管理が必要です。
Qastの利用シーン
Qastには、主に下記のような利用用途があります。
・マニュアルや社内用語集の作成
・議事録作成
・事例共有
・全社アナウンスの発信
など
Qastの導入事例では、「社内に分散しているデジタル資産や知見の集約」「社内情報の一元化」に使われている事例が多い傾向です。特に部署横断での知識の共有を課題としている会社で、Qastが課題解決につながるツールとして活用されています。
ほかにも「社内コミュニケーションの活性化」に使われている事例もあり、Qastは社員同士の意思疎通にも役立っています。
Qast(キャスト)の基本機能
Qastにはさまざまな機能が搭載されています。基本機能は下記の表の通りです。
Q&A | 疑問や悩みを投稿し、社内の誰かに回答してもらう機能です。Q&Aの内容は社内の人が閲覧できて、同じような疑問・悩みを抱えている人の助けになります。匿名での質問も可能です。 |
メモ | 記事の作成・投稿ができる機能です。ノウハウや技術・情報を持つ人が自発的にナレッジを投稿することで、社内でのナレッジ共有を促進できます。 |
こましりbox | 業務で困ったこと・知りたいことを200文字以内で、匿名投稿ができる機能です。社内やチーム内でニーズの高い情報が分かるようになり、関連するナレッジの蓄積を期待できます。 |
プロフィール | ユーザーの名前や所属部署などの簡単な情報、今までに投稿したナレッジやリアクションなどの表示もできる機能です。経験業務や人となりを表すユーザータグも表示されて、相手がどのような人なのかを理解しやすくなります。 |
ワークスペース | 部署や拠点などのグループ単位で専用のワークスペースを作り、特定のメンバーにだけナレッジを共有できる機能です。「業務に役立つものの、全社に共有するナレッジではない」というケースで便利に使えます。 |
ダッシュボード | 閲覧数・投稿数の推移や、閲覧が多いナレッジ傾向の確認など、Qastの利用状況を可視化できる機能です。社内のコミュニケーションや課題も分かるようになり、ナレッジ管理に役立ちます。 |
Qastでナレッジ管理を行うには、基本機能の内容を理解して有効活用することが大切です。
Qast(キャスト)の特徴・メリット
Qastはナレッジ共有に役立つことをはじめ、情報の管理や保護などに役立つ多くの特徴があります。Qastでのナレッジ管理を考えている方は、どのような特徴・メリットがあるかを把握しましょう。
Qastの主な特徴・メリットとして、5つのポイントを解説します。
簡単に社内のナレッジ共有ができる
QastはUIデザインがシンプルで操作しやすく、誰でも簡単に社内のナレッジ共有ができます。
基本的な使い方は、トップページの「新規作成」から作成したい内容を選んだ後に、メモや質問の文章を書いて投稿するだけです。投稿はリアルタイムで反映されて、招待したメンバーが閲覧できます。
Qastはテンプレートの作成もできます。ナレッジ共有用のテンプレートを作成しておくと、文章投稿に慣れていない人もテンプレートに沿ってナレッジ共有ができて、活用促進に役立つでしょう。
情報共有への貢献度がわかる
Qastには「スコア機能」があり、メンバー内での情報共有への貢献度が可視化できます。
スコア機能は、質問数・回答数やリアクションの数、ベストアンサーに選ばれた数などにもとづいて、独自のアルゴリズムでスコア表示される仕組みです。算出されたスコアをもとにランキングも表示されて、特定期間内に誰がどれだけナレッジを共有したかが分かります。
なお、ランキングは管理者機能でオン・オフが可能です。
貢献度がスコアという明確な指標で表れることで、メンバーのナレッジ共有へのモチベーションアップが期待できます。
「無料」から始められる
Qastは無料で使える「フリープラン」が用意されています。
フリープランはアカウント登録数が上限10名となっているものの、無料でQastの基本機能を利用できる点が魅力です。社員数が少ないスタートアップ企業や、まずはデモ版で使い勝手や自社との相性を確認したい企業に向いています。
社内情報をQ&Aとメモで集約できる
Qastの基本機能であるQ&Aとメモを活用すれば、社内情報をQastのシステム上に集約できます。
例として、業務について自分が分からないことをQ&Aで質問して、回答をもらえば1つのナレッジが蓄積できます。情報はキーワード検索機能で探せるため、ナレッジを持っている人が同じ質問に何度も対応する必要はありません。
Q&Aで質問が多い項目についてメモで詳しい回答を投稿したり、自己解決済みの疑問について周辺知識や解決プロセスも交えて紹介したりする使い方もできます。蓄積したナレッジは社内wikiやマニュアルとしても機能するようになるでしょう。
高度なセキュリティに対応
Qastでは下記のようにさまざまなセキュリティ対策が実施されています。
・データ通信と投稿された情報の暗号化
・DDoS検知や侵入検知、ファイアウォールなどによる不正アクセスの防止
・IPアドレス制限機能により、社外からのアクセスを遮断可能
・ユーザーのアクションログ収集
・情報セキュリティ認証(ISO27001)を取得済
など
重要な情報を守る取り組みが行われていて、高度なセキュリティを求める企業のニーズにも対応可能です。
最新情報:Qast AIのリリース
Qastの機能は進化し続けており、2024年には新機能である「Qast AI」がリリースされました。
Qast AIは、高精度な生成AI技術を活用して、ナレッジ管理にかかわる作業の自動化・効率化ができるようになる機能です。
以下ではQast AIの主要な機能を4つ挙げて、各機能で何ができるようになったかを解説します。
ファイルtoナレッジ
ファイルtoナレッジは、既存の社内ファイルからナレッジを作成し、メモで投稿できる機能です。1つのファイルにつき1つのメモが生成できます。
ファイルtoナレッジの基本的な使い方は下記の通りです。
1 | トップページの「新規作成」をクリックし、「メモを自動生成」を選択する。 |
2 | 「ファイルを選択」から使用するファイルを選択する、もしくはファイルを範囲内にドロップする。 |
3 | 「作成して公開」をクリックする。 |
生成したメモは要約や重要な部分の抽出などで構造化されていて、読みやすくなっています。
業務に活用しやすいナレッジを自動で投稿作成できて、素早いナレッジ蓄積に役立つ点が魅力です。
記事要約
記事要約は、投稿済みのメモを要約する機能です。要約するときに投稿内容の確認は不要となっていて、効率的な情報の整理ができます。
記事要約は下記の手順で行います。
1 | 投稿一覧画面を開き、要約したい投稿にカーソルを合わせる。 |
2 | 「文字数」左側に表示される「Qast AIで要約」をクリックする。 |
3 | 要約の結果が表示される。 |
Qastに多くのナレッジが蓄積されると、検索機能を使用しても類似の検索結果が多数表示されることがあります。数多くある投稿の中から必要な情報を探したいときに、記事要約を活用すれば求めている情報をスムーズに発見できるでしょう。
こましり自動生成
こましり自動生成は、基本機能の「こましりbox」に投稿する文章を自動生成する機能です。Qastの画面上部にある検索窓で検索を行い、該当する投稿が見つからなかったときに利用できます。
こましり自動生成の使い方は、下記の通りです。
1 | 検索結果画面の「こましりに投稿する」直下に、生成された文章が表示される。 |
2 | 自分の疑問や悩みに合致する文章があれば「投稿する」をクリックする。 |
こましり自動生成は、こましりboxの機能を利用しやすくなり、社内ナレッジの蓄積をより円滑にしてくれる点がメリットです。
ユーザータグ自動生成
ユーザータグ自動生成は、タグカテゴリーに関連するユーザータグをAIが自動生成する機能です。
タグカテゴリーをまだ作成していない場合は、下記の手順でユーザータグ自動生成を使用します。
1 | 「マイページ」左メニューの「ユーザータグ」をクリックする。 |
2 | 画面最下部の「+タグカテゴリーを追加」をクリックする。 |
3 | タグカテゴリー名を入力し、「保存」をクリックする。 |
4 | タグカテゴリー内の[+ ユーザータグを自動で生成]をクリックする。 |
5 | 自動生成されたユーザータグの中から不要なタグを「×」で削除する。 |
6 | 「一括保存」をクリックする。 |
すでにユーザータグを作成している場合は、手順4から行ってください。
Qast(キャスト)の使い方
Qastを使う際は、まずは初期設定としてメールでのメンバー招待を行いましょう。フォルダ作成やタグ作成も行うと、投稿の分類がしやすくなります。
初期設定が済んだら、いよいよQastの機能を使うステップです。
以下では、基本機能の「質問・メモ」と「ダッシュボード機能」について使い方を解説します。
質問・メモで投稿を作成する
Q&Aの質問とメモは、Qastにナレッジを蓄積するために欠かせない機能です。それぞれの基本的な使い方を紹介します。
●「質問」の使い方
1 | トップページの「新規作成」をクリックし、「質問する」を選択する。 |
2 | 「ゼロから作成」を選択、もしくはテンプレートを使用する場合は左メニューの一覧から選択する。 |
3 | 質問したいワークスペースやフォルダを選択する。 |
4 | 質問のタイトルと本文を入力する。 |
5 | 質問内容に関連するタグを自分で作成して設置、もしくは「よく使われるタグ」から選択する。 |
6 | 画面右上の「投稿」をクリックする。 |
以上で、Q&Aへの質問の投稿は完了です。
●「メモ」の使い方
1 | トップページの「新規作成」をクリックし、「質問する」を選択する。 |
2 | 「ゼロから作成」を選択、もしくはテンプレートを使用する場合は左メニューの一覧から選択する。 |
3 | 質問したいワークスペースやフォルダを選択する。 |
4 | 質問のタイトルと本文を入力する。 |
5 | 質問内容に関連するタグを自分で作成して設置、もしくは「よく使われるタグ」から選択する。 |
6 | 画面右上の「投稿」をクリックする。 |
以上で、メモの投稿は完了です。
ダッシュボード機能(Qast利用状況を可視化)
ダッシュボード機能は、Qastの利用状況を可視化して、ナレッジ蓄積・共有の課題発見や改善につなげられるツールです。
ダッシュボードを開く際は、下記の操作を行います。
●「ダッシュボード」の開き方
1 | トップページの「新規作成」をクリックし、「質問する」を選択する。 |
2 | 「ゼロから作成」を選択、もしくはテンプレートを使用する場合は左メニューの一覧から選択する。 |
以上の操作で、ダッシュボードが表示されます。
ダッシュボードにはサマリー・統計・ユーザー別・投稿別といったメニューがあります。サマリー以外のデータはCSV形式でのエクスポートが可能です。
Qast(キャスト)の料金プラン
Qastの料金プランは無料のフリープラン以外に、スタンダード・ビジネス・プロフェッショナル・プレミアムの4種類があります。
各プランの料金と、使用できる機能は下記の通りです。
料金・機能 | スタンダード | ビジネス | プロフェッショナル | プレミアム |
月額料金 | 600円(1ユーザーあたり) | 900円(1ユーザーあたり) | 24万円(200ユーザーまで) | 30万円(200ユーザーまで) |
初期費用 | 10万円 | 20万円 | 20万円 | 20万円 |
1ファイル容量 | 50MB | 250MB | 250MB | 250MB |
基本機能(ダッシュボード以外) | ○ | ○ | ○ | ○ |
ダッシュボード | – | ○ | ○ | ○ |
Slack連携/Teams連携 | ○ | ○ | ○ | ○ |
メンバー一括招待 | ○ | ○ | ○ | ○ |
投稿データのCSVエクスポート | ○ | ○ | ○ | ○ |
社員IDでのログイン | ○ | ○ | ○ | ○ |
セキュリティオプション | – | ○ | ○ | ○ |
Qast AI | – | – | ○ | ○ |
ナレッジ編集部 | – | – | ○ | ○ |
専属コンサルタント | – | 500ID~ | 400ID~ | 300ID~ |
出典:Qast「料金」
スタンダード・ビジネスは20名~の利用でプランを選択できます。
プロフェッショナル・プレミアムは200ユーザーまでは固定料金で、以降は1ユーザーあたりで追加料金がかかる仕組みです。
またプロフェッショナルは、Qast AI・ナレッジ編集部のいずれか1つを選択して利用できるプランとなっています。
Qast(キャスト)がおすすめな企業
Qastは、ナレッジ・情報の共有に課題を抱えている企業で、かつ明確な利用目的がある場合に有効活用しやすいサービスです。
特に下記のような特徴を持つ企業は、Qastがおすすめと言えます。
・全社的に情報共有を行いたい
情報共有ができていない職場では、業務の無駄やミスが発生したり、顧客対応の失敗を招いたりするおそれがあります。社内情報共有を活性化できるグループウェアを導入したい企業にQastはおすすめです。
Qast導入によって招待済みのユーザー全員に情報を伝えられるため、スムーズな情報の共有・活用を促進できます。
・ナレッジを一元管理したい
事業の安定・発展を図るには、技術やノウハウが個人に帰属している状態から、会社全体で共有できている状態を目指すことが重要です。
QastはQ&A・メモ・こましりboxなどの機能があり、ナレッジ共有や情報整理に適したサービスです。Slackの投稿をQastにも投稿するという機能があり、業務上のコミュニケーションで発生したナレッジを蓄積できます。
・社員のITリテラシーが高い
Qastには数多くの機能が備わっていて、使いこなすにはパソコンや記事投稿システムの仕組みを理解する必要があります。
社員のITリテラシーが高い企業であれば、Qastの機能を十分に活用して、ナレッジ管理により高い成果を出せるでしょう。
Qast(キャスト)とほかのナレッジ管理ツールとの違い
ナレッジ管理ツールは管理の手法によって、下記のようにさまざまな種類があります。
専門知識型 | ネットワークを活用し、組織内外の専門知識をデータベース化するタイプ |
ベストプラクティス型 | モデルケースの行動内容や思考を形式知化して共有するタイプ |
顧客知識共有型 | 顧客対応業務で得られた知識を集約・整理するタイプ |
経営資本・戦略策定型 | 組織内の情報を集約・分析し、経営戦略に役立てるタイプ |
Qastは、上記の中では「専門知識型」に分類されます。ただし、使い方によってはベストプラクティス型や顧客知識共有型、経営資本・戦略策定型のツールとして活用することもできるでしょう。
ほかのナレッジ管理ツールと比べたとき、Qastならではと言える特徴が「企業が蓄積したあらゆるタイプのナレッジを管理できる」という点です。
企業がナレッジ管理で抱える課題の種類を問わず対応できるため、ナレッジ管理ツールの導入で選ばれやすいサービスとなっています。
効率的なナレッジ管理を実現するQast
Qastは、現代の企業におけるナレッジ管理の課題を解決する強力なツールです。多様な機能を備え、社内情報の一元化や業務知識の共有、効率的な教育プログラムの構築に貢献します。Qastの導入により、情報共有の促進やナレッジの蓄積がスムーズに行えるだけでなく、業務の属人化を防ぎ、人材育成の効率化も期待できます。
さらに、セキュリティ対策が充実しているため、安心して利用できる点も魅力です。ナレッジ管理の一環としてQastを導入することで、組織全体の生産性向上と持続的な成長が可能になるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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