- 更新日 : 2024年12月12日
5W1Hとは?ビジネスにおける使い方やテンプレ・5W2Hとの違いを解説
5W1Hとは、情報や物事の整理・伝達時に考慮すべき6つの要素を総称したフレームワークです。ビジネスだけでなく普段のコミュニケーションにおいても役立ちます。ビジネスにおけるあらゆる場面では、「情報を正確に整理し、それを明確かつ過不足なく伝えること」が重要となるため、5W1Hを活用すれば円滑な情報共有が可能です。
今回は、5W1Hの概要からビジネスシーンにおける5W1Hの重要性、さらに各要素の意味、最適な順番、「5W2H」との違いまで徹底解説しています。
目次
5W1Hとは
5W1Hとは、情報や物事の整理・伝達時に考慮すべき下記6要素の総称であり、思考整理に関するフレームワークの1つです。「ご・だぶりゅー・いち・えいち」と読みます。
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企画書・報告書・提案書作成時や会議・プレゼン時など、5W1Hの活用シーンは多岐にわたります。5W1Hを意識しながら伝えたい内容を整理することで、正確な情報共有・円滑なコミュニケーションが可能になるとされており、ビジネスシーンにおいてはより重要性が高まっています。
ビジネスシーンで5W1Hが必要な理由
さまざまな情報が行き来するビジネスシーンにおいて、5W1Hの不明瞭な情報は相手の混乱を招きかねません。情報が正しく伝わらなかったことによって業務が停滞したり、場合によっては誤った方向に進んでしまったりする可能性もあるでしょう。
しかし、5W1Hを意識して基本的な情報伝達ができるようになれば、関係者全員が共通の認識をもちやすくなるためチーム内での連携も強まり、結果として業務効率化・生産性向上につながります。
また、5W1Hはビジネス戦略の立案や立て直しのほか、新たなアイデアの創出においても役立ちます。幅広い場面で応用できるにもかかわらずシンプルで実践しやすい点も、ビジネスシーンにおける5W1Hの魅力と言えるでしょう。
5W1Hの無料テンプレート
5W1Hのフレームワークスキルを高めるためには、5W1Hが指し示す各要素の内容を一つひとつ明確にすることが大切です。途中で軸がブレるのを防ぐためにも、頭の中で考えるだけでなく実際に文字として書き起こしてみるのも良いでしょう。
下記は、マネーフォワード クラウドが提供する5W1Hの無料テンプレートです。
5W1Hの各要素の意味
5W1Hは6つの要素で構成されています。ここからは、それぞれの要素がどのような意味をもつのか、活用例とともにより詳しく紹介します。
When(いつ)
When(いつ)は、主に時間を示す要素です。日時のほか期間や期限、時期、さらにパターンによっては「〇さんの資料ができあがり次第」といったタイミングや、「〇年後」という時間経過も含まれます。
時間に関する要素を明示することで、聞き手はいつまでに対応すべきかを具体的に把握しやすくなるでしょう。
【例】
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Where(どこで)
Where(どこで)は、主に場所を示す要素です。特定のエリアや施設、地域といった物理的空間のほか、環境・範囲の条件や仮想的な空間・概念的な領域も含まれます。
場所や位置に関する情報を明示することで、聞き手は目的地までスムーズにたどり着けるようになるほか、市場分析時においては地域特性の理解が深まったり、より具体的なイメージで戦略や構想を練ったりできるようになります。
【例】
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Who(誰が)
Who(誰が)は、主に人物を指す要素です。しかし、特定の個人だけでなく企業や組織、部署・部門、顧客など「人」に関係するものが広く含まれます。
どのような項目を挙げるかによって、「事象の主体や関与した人物の特定」「責任や役割の明確化」「新たなターゲット層の発見」など、得られる効果は異なります。
【例】
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What (何を)
What (何を)は、主に物事の対象・対象物を指す要素です。具体的には、対象物や製品・商品、テーマや議題・コンセプト、さらにサービス・業務、価値など物理的に存在するモノだけでなく、概念も含まれます。
What (何を)は共有・伝達したい物事や情報の核とも言える要素であり、5W1Hの中でも特に重要度が高まっています。
【例】
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Why (なぜ)
Why (なぜ)は、主に理由や原因を指す要素です。単純に事象や物事の根拠を示すパターンもあれば、プロジェクトの目的や達成すべきゴールを示すパターンもあります。
理由や原因を明示することで、議題となっている事象・行動の背景や根本的な問題の特定、さらにビジネス環境の変化に応じた柔軟な施策の立案につながります。
【例】
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How(どうやって)
How(どうやって)は、主に特定の施策・行動を進める際の手段や過程を指す要素です。具体的には、売上を伸ばすための販売方法や問題解決に向けた環境の整備方法、さらに目標達成に向けた使用ツールなどが含まれます。
手法やアプローチ、プロセスの詳細を示すことで、プロジェクト計画や実施の手順がより明確になり、関係者は必要な準備やリソースの配分を正確に行うことも可能となります。結果として、プロジェクトの成功に大きく寄与するでしょう。
【例】
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【使い方別】5W1Hの最適な順番
5W1Hの基本的な順番は「いつ(When)→どこで(Where)→誰が(Who)→何を(What)→なぜ(Why)→どのように(How)」とされていますが、ビジネスシーンによって効果的な順番は適宜変わります。
ここからは、5W1Hの最適な順番を、「報告・連絡・相談をするとき」「顧客にプレゼンテーションをするとき」「マーケティング戦略を立てるとき」の使い方別に分かりやすく紹介します。
報告・連絡・相談をするとき
上司や先輩に報告・連絡・相談をするときは、基本的な順番と同様の順番で5W1Hのフレームワークを用いましょう。
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この流れは、雑誌記事やインタビュー記事などで多くの方が慣れ親しんでいるフォーマットであり、伝わりやすいことが特徴です。伝達内容によっては、順番が前後するケースもあります。
顧客にプレゼンテーションをするとき
顧客にプレゼンテーションをするときなど相手からの「共感」を得たい際は、なぜ(Why)から始まる下記の順番で伝えると良いでしょう。
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スティーブ・ジョブズをはじめとした世界的に有名な経営者も、上記の順番に沿ってプレゼンを行う傾向があります。聞き手が共感を得るにあたって特に重要となる要素は「なぜ」「どのように」「何を」であり、その他の「誰が」「いつ」「どこで」といった情報は「何を」に補足する形で伝えることもポイントです。
マーケティング戦略を立てるとき
マーケティング戦略を立てるときは、なぜ(Why)から始まりどのように(How)で終わる下記の順番で伝えると良いでしょう。
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マーケティング戦略の立案においては、さまざまな視点から検討する必要があります。議論の背景や施策の背景、目的などを詳細に説明し、最後に具体的な施策について述べることで、説得力がより増すでしょう。
5W1Hと5W2Hの違い
5W1Hの派生系フレームワークに、「5W2H」があります。5W2Hとは、5W1Hの構成要素であるWhen(いつ)・Where(どこで)・Who(誰が)・What(何を)・Why(なぜ)・How(どうやって)に「How much(いくらで)」の要素が加わったフレームワークです。
How much(いくらで)は、コストや利益といった具体的な数値を明確化するのに役立つ要素であり、提供する商品・サービスの価格設定時やマーケティング活動・事業計画の作成時にも活用されています。
また、5W2HにおいてHow muchがHow many(どれほどの規模で)として使われることもあります。
5W1Hは企業成長に欠かせないフレームワークの1つ
5W1Hは、情報の整理や効果的なコミュニケーションをサポートするフレームワークです。
「When(いつ)・Where(どこで)・Who(誰が)・What(何を)・Why(なぜ)・How(どうやって)」の6つの要素から構成されています。ビジネスシーンにおいては、論理的かつ効率的な問題解決や意思決定の場面で多大な効果を発揮します。
なお、5W1Hの要素は状況・シーンに応じて柔軟に順序を調整できます。ここまでの内容やテンプレートも参考に、固定的なフォーマットにとらわれず目的に応じた最適な5W1H活用にチャレンジしてみてください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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