• 更新日 : 2024年8月29日

引き継ぎ書の書き方!わかりやすい作り方を引継書テンプレートを基に紹介

組織での仕事において、担当者が変わる際に必須となる「引き継ぎ書」。業務引き継ぎにおける引き継ぎ書の作成は、何かと手間がかかってしまうものです。

そこで本記事では、わかりやすい引き継ぎ書の書き方やコツを解説します。また、引き継ぎ書のテンプレートも紹介しますので、作成に役立ててみてください。

引き継ぎ書とは?

引き継ぎ書は、特定の仕事やプロジェクト、あるいは組織全体の管理や運営に関する情報を、現職者から後任者へスムーズに引き継ぐための文書です。引き継ぎ書は、業務の品質や業務の効率を確保するために重要な役割を果たします。

一般的な引き継ぎ書には、以下の情報が含まれます。

  • 担当業務やプロジェクトの概要
  • 重要な連絡先や関係者の情報
  • 業務やプロジェクトの進捗状況や課題点
  • 使用されているツールやシステムの説明
  • 業務の流れや手順
  • 過去の意思決定や背景に関する情報
  • 関連ファイルへのアクセス方法

業務の特性に応じて、引き継ぎ書に記載する情報は異なりますが、後任者が引き継ぎ書をもとに業務を遂行した際に、前任者と同じレベルの業務品質を担保できるのが理想です。

引き継ぎが行われるシーン

担当者の変更に伴う業務を引き継ぐタイミングとして以下のようなシーンが挙げられます。

  • 現任の退職または休職
  • 新人の配属
  • 現任の部署異動

引き継ぎが必要なシーンによっても、引き継ぎ書に記載すべき情報の内容や優先度が異なるため、事前に状況を把握することが大切です。

引き継ぎ書とマニュアルの違い

引き継ぎ書と類似する書類にマニュアルがあります。マニュアル作成の目的は、業務プロセスやシステムの使用方法、製品の組み立て手順などです。引き継ぎ書と比べると、幅広く情報を網羅していることが多いです。

また、引き継ぎ書はあくまで現任者の抱える業務内容を集約した書類になるため、情報の更新はありません。そして、引き継ぎ書を共有する対象も、引き継ぐ業務に関わる人のみとなることがほとんどです。

なぜ引き継ぎ書の作成が重要なのか

引き継ぎ書にどんな情報があればよいのか、なぜ引き継ぎ書の作成が重要なのかを改めて考えてみると、引き継ぎ書の作成の見通しが立つでしょう。

業務の属人化を防ぐ

引き継ぎ書を残しておくことは、後任のためだけでなくチームや組織にもメリットがあります。後任ではない社員に業務を共有することで、業務の属人化を防ぐ役割もあります。

後任者が何らかの理由で業務から離れる場合に代行できる社員がいれば、業務を引き継ぐ工数を減らせるでしょう。

業務の品質や効率の低下を防ぐ

担当者が変わることで業務の品質や効率が下がってしまうことを防ぐ目的で、引き継ぎ書が作成されます。担当者の業務経験が浅い場合は、新しい業務に慣れるのに時間がかかり、時に、業務のミスや遅延が起こりがちです。

結果的に業務の生産性に影響を及ぼしてしまう原因になるため、後任がスムーズに業務を進められるように引き継ぎ書を作成する必要があります。

文書に情報が残るため何度も確認できる

引き継ぎ書として、業務内容を文書化しておくことで、後任が何度も確認できます。口頭で引き継ぎを行うと、情報量が多く聞き漏らしてしまうことがあるでしょう。内容を全て理解できない場合に備えとなる引き継ぎ書があれば、引き継ぎ後のコミュニケーションの削減につながります。

また、一度文書化しておけば、次に引き継ぎ書が必要となった際に0から作成する必要がありません。変更や更新のある部分だけを修正すれば、引き継ぎ書として使用できるでしょう。

引き継ぎ書の作成の流れ

実際に引き継ぎ書を作成する流れを解説していきます。初めて引き継ぎ書を作成する方は、ぜひ確認しておきましょう。

①業務の全体を把握する

引き継ぎ書作成に入る前にまずは、業務の全体を把握しましょう。自分の業務を振り返り、何を引き継ぐべきなのか優先順位を立てていくことが大切です。この段階で漏れが発生してしまうと、引き継ぎ書を大幅に修正する必要が出てくる可能性があるため、注意しましょう。

事業ごとやタスクの頻度別にある程度分類しながらリストアップを進めると、わかりやすい引き継ぎ書を作成できます。

②スケジュールを立てる

引き継ぎ書を作成するスケジュールも早めに設定しておきましょう。業務の引き継ぎ前後は、その他の業務で忙しいことが予想されるため、引き継ぎ書の作成は時間に余裕を持って進めましょう。

③概要とポイントをまとめる

リストアップした業務の概要とポイントをわかりやすくまとめましょう。また、業務の現状抱える課題や問題についても触れておくことで、後任者に業務の理解を促すことも重要です。

④項目ごとに引き継ぎ書を作成する

項目ごとに引き継ぎを作成するときは、できるだけ同じフォーマットを使用しましょう。また、引き継ぐ業務が想定より多くなり、引き継ぎ書の作成が遅れる見込みがある場合は、この段階で周囲に共有しておくことが大切です。

⑤抜け漏れがないか上司や同僚に確認する

引き継ぎ書が完成したら、抜け漏れがないか上司や同僚などに確認してもらい、フィードバックをもらいましょう。重要な項目やタスクが漏れてしまっている場合は、すぐに修正を図り、内容のブラッシュアップに努めることが大切です。

⑥後任者へ引き継ぎを行う

最後に後任者へ引き継ぎを行います。引き継ぎ書を用いて説明した際にわかりにくい箇所があれば、業務に関連する資料の共有や実際に業務を一緒にやってみるなど、フォローするまでが引き継ぎのプロセスです。

また、後日後任者から質問があった場合には可能な限り対応し、前任者としての役割を果たすことが引き継ぎにおいて求められる姿勢でしょう。

業務引継書のテンプレート

引き継ぎ書の作成には、テンプレートを活用いただくのが大変便利です。
作成の際には、引き継ぎ書の作成の流れを踏まえたうえで、後任者がスムーズに業務をスタートできる情報を網羅することが重要です。

わかりやすい業務引継書の書き方

引き継ぎ書を作成する際には、引き継ぐ後任のみならず、上司やチームメンバーも理解できるような内容であることが求められます。ここではわかりやすく書くポイントをいくつか紹介します。

後任者のリテラシーに合わせて作成する

引き継ぎ書は、後任者のリテラシーに合わせて作成することが重要です。後任者がわかっている場合は、後任者の業務経験や引き継ぎに割ける時間なども考慮したうえでわかりやすく作成しましょう。

後任者がわからない場合や業務未経験の場合は、引き継ぎ書を作成して共有したのちに、質問対応する時間を確保しておくことが望ましいです。後任からの要望に応じて引き継ぎ書の更新を図ることで、業務引き継ぎがよりスムーズになります。

業務同士の関係性や関わる関係者を記載する

引き継ぎ書の作成で工夫すべきポイントとして、業務の関係性や関係者が目に見えてわかる引き継ぎ書を作成することが挙げられます。一つひとつの業務を理解できても、業務に関わるメンバーや、業務同士のつながりを後任者が把握できないと、業務の生産性を上げるのに時間を要してしまうでしょう。

引き継ぎ書には、1週間、1ヶ月の業務の流れやタスク同士のつながりなどを記載しておくことで、業務の全体像を理解しつつ、各業務をキャッチアップできるような情報を網羅しましょう。

見出しや文章に統一感を持たせる

引き継ぎ書に記載する情報の書き方について、見出しや文章に統一感を持たせることも大切です。特に細かいタスクが多い業務の場合は、タスクの粒度や重要度に沿って見出しを揃えることが後任者にスムーズな理解を促します。

また、引き継ぎ書は業務を理解することが目的のため、読みやすさを考慮し、文章のトンマナを統一しておくとよいでしょう。

引き継ぎ書の役割を明確にしてスムーズな引き継ぎを!

引き継ぎ書の重要性をはじめ、作成の流れや書き方について解説しました。後任者の状況や業務の特性に応じて、引き継ぎ書の役割は異なります。最近では、リモートワークが多くなってきているため、業務の動画で撮影しておくことも有効な方法です。

口頭での引き継ぎをメインとするのか、引き継ぎ書に残す形で引き継ぐのか、その他さまざまな業務の引き継ぎ方があるでしょう。その中で、引き継ぎ書の役割を明確にし、円滑に業務を引き継げるようにすることが大切です。


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