- 作成日 : 2024年11月5日
社内報作成をペーパーレスにするには?紙との比較、メリット・デメリットを解説
ペーパーレス化の一環で、社内報をデジタル化する企業が増えています。紙媒体からWeb社内報ツールを使ってデジタル化すると、手間をかけずに発信できるほか、リアルタイムで効果測定が可能です。
本記事では、社内報のペーパーレス化を検討中の担当者の方に向けて、メリット・デメリットやツールの選び方などについて解説します。
目次
社内報作成をペーパーレス化するメリット
ここでは、Webで社内報を配信するメリットについて見ていきましょう。
スピーディーな情報共有
印刷会社に依頼する手間が必要で、企画から発行まで時間のかかる紙媒体と異なり、ペーパーレス化すればブログ感覚でいつでも配信できます。速報を打つなど、情報の鮮度にこだわったスピーディな情報共有も可能になるのです。
記事の修正や追加も簡単
Web社内報なら、修正が困難な紙媒体と異なり、発行後の修正・追加が簡単です。文字数やページ数の制限がないために、急な変更が生じた場合にも、効率的に加筆・更新ができます。
動画・音声の共有
Web社内報ならではのメリットとして、動画・音声を埋め込める点が挙げられます。コンテンツの幅が広がり、社員の興味・関心を引きやすくなる点がポイントです。より多くの情報を提供できる動画・音声を共有すれば、社員間の共感やつながりを高めやすいでしょう。
過去記事の検索や閲覧
カテゴリー整理、タグ検索やキーワード検索に対応しているツールを活用することで、検索性を高められます。紙媒体は社史を振り返る資料になる一方で、過去のコンテンツを効率よく検索できないために、ナレッジの蓄積という面では不向きといえるでしょう
効果測定ができる
Web社内報ツールでは、いいね!数、コメント数、ビュー数などの効果測定をリアルタイムで実施できたり、特定のコンテンツの反響を記事別あるいは社員属性別に確認できたりします。閲覧状況や社内コミュニケーションの課題をデータで見える化し、改善案に活かしましょう。
コストの削減
企業規模によっては、社内報をペーパーレス化することで、大きなコスト削減効果につながる場合があります。紙の使用、印刷や配布にかかっていたコストを減らせる点は、Webで社内報を配信する大きなメリットです。
社内報作成をペーパーレス化するデメリット
ここでは、Webで社内報を配信するデメリットについて見ていきましょう。
システムの導入・運用コストがかかる
Web社内報ツール・システムの導入や運用には、原則、コストがかかる点がデメリットです。中には初期コストのみで、月々の運用コストは不要というサービスプロバイダーも存在します。ユーザー数、ストレージ量、オプションの有無などによって費用が変動する料金形態もあることを押さえておきましょう。
読まれない可能性がある
社内報をペーパーレス化すると、読んでもらえない可能性が出てきます。読む価値のある記事を企画したり、特定の曜日・時間を決めて配信したりして、Web社内報の読者との繋がりを強化するようにしましょう。
Web社内報は「プル型」メディアと呼ばれ、自分からログインする手間と読みに行く行動が必要です。一方、紙媒体の社内報は「プッシュ型」であり、社員が自ら行動しなくても手元に届きます。紙媒体のほうが、中身に目を通してもらえる可能性が高いのです。
デジタル格差による不便さ
工場や店舗勤務のスタッフの中で、PCの操作に不慣れなどデジタル格差があり、Web社内報を読みたくても読めないという不便さが生じる可能性があります。共用PCしかなければ、なかなか読むチャンスがないかもしれません。
社内オペレーションの変更が必要
Web社内報を読んでもらうためには、PC、タブレット、スマートフォンなどのIT機器が必要になります。ただし業種によっては、社員全てにPCなどのIT機器が貸与されていないことも多いはずです。デジタル格差を解消するために、Web社内報アプリを活用し、私用スマホの使用を許可するといった社内オペレーションの変更が必要になります。
紙の社内報とWeb社内報の比較
ここでは、紙媒体の社内報とWeb社内報の持つ特徴の違いを表にまとめました。
特徴 | 紙媒体の社内報 | Web社内報 |
---|---|---|
メディアの特性 | プッシュ型 | プル型 |
コスト | 配布に伴い、印刷費やデザイン外注費がかかる | 運用に伴い、システム導入費用や月額料金がかかる(初期費用の有無は、サービス毎に異なる) |
情報共有 | 手元配布で閲覧されやすい | コンテンツに魅力がないと閲覧してもらえない |
スピード | 企画から発行までの時間が長い | いつでも配信可能なために急ぎの情報配信に強い |
コミュニケーション | 一方通行の情報発信のみで社員間の交流が生まれない | 「いいね!」やコメントで部署や役職を超えた交流ができる |
保管 | オフィス内に紙の保管場所が必要 | ペーパーレスなのでオフィス内に保管場所は不要 |
そもそも社内報とは?
そもそも社内報とは、社内向けに広報活動を行うためのツールです。社内の情報共有を促進する目的で、社員やその家族・関係者を対象に発行されます。近年では、企業価値を高める手法として、社内報の有用性が見直されていることを押さえておきましょう。
社内の情報共有
社内報は、社員の誰もがアクセスできる公式のニュースソースです。社内報を発行すれば、企業規模に関わらず、全ての社員との間で情報共有が可能になります。そのため、情報格差や伝達モレといった懸念を払拭できるでしょう。
社内報・会報誌・広報誌の違い
広報の一環で、企業・組織はさまざまなメディアを発行します。それぞれの違いを、下記にまとめました。
種類 | 対象(読者) | 目的 |
---|---|---|
社内報 | 社員やその家族・関係者 | 社内の情報共有 |
会報誌 | 会員及び会の活動に興味を持つ人 | 会員との関係及びブランド力の強化 |
広報誌 | 社外の不特定多数 | 商品・サービスの紹介、環境保護の取組みや社会貢献などの活動の宣伝 |
いずれのメディアにおいても、読者との絆を深められるよう魅力的なコンテンツ作りを心がけましょう。
紙からペーパーレスに社内報を移行する方法
まず紙媒体からWebへ移行する目的を明確に設定しましょう。運用方法を決定するためにも、ナレッジの管理、エンゲージメントの向上、あるいは情報共有など、その目的を明確化することが重要です。
その上で、Webへ移行する目的や文化に合ったWeb社内報サービス・システムを選びます。移行の際に何から始めるべきか不安が大きい場合には、課題解決に向けて伴走するサポート体制を整えている運営会社を選ぶのがおすすめです。
また特定の部署で社内報担当者を決める、部署を跨いで運用チームを編成する、各部署で順番に担当する、各部署が自由に配信するなど運用体制を決めましょう。社内報をペーパーレス化する際の注意点は、ペーパーレスを目的化せずに紙媒体とWebを併用する余地も残して起こしておくことです。情報の特性に応じてメディアを使い分けることで、より社員に伝わる社内報を提供できるようになるでしょう。
社内報のペーパーレス化に役立つツールの選び方
紙媒体で発行していた社内報をペーパーレス化するために、どのようなツールを選べば良いのでしょうか。ここでは5つの観点から、Web社内報ツール・システムの選び方についてご紹介します。
機能や使いやすさ
ツール・システムの選定にあたっては、Web社内報に特化したツール・アプリにするのか、社内ポータルサイトを設置できるシステムにするのか、必要な機能を決める必要があります。たとえば社内ポータルサイトを設置すると、社内報に加えてワークフローやナレッジ管理などペーパーレス化・業務効率化も可能です。
またブログ感覚で記事を作成できるか、誰でも入稿できるか、企画内容にあったテンプレートが用意されているかなど、使いやすさもチェックしましょう。
費用やユーザー数はどうか
Web社内報の運用にかかる費用は、ツール・システムによって料金形態が異なります。
- 初期費用と月額費用の両方がかかるケース
- 初期費用あるいは月額費用のみで利用できるケース
さらにユーザー数やストレージ容量、閲覧制限やシングルサインオンなど追加するオプションによって費用が変動する仕組みです。自社の企業規模やペーパーレス化で実現したいことなどの観点から、Web社内報運用にかかる費用を算出して、ツール・システム選定時の検討材料にしましょう。
拡張性やカスタマイズは可能か
トップページのレイアウトやテンプレートのデザインを自由にカスタマイズできれば、自社オリジナルメディアのように見せることが可能になります。共同編集や自動翻訳など、拡張性の高いツール・システムを選定すれば、グローバルに社員をつなぐメディアへと成長させていけるでしょう。
セキュリティ対策は適切か
機密性の高い情報は、セキュリティ対策が適切になされているイントラネット上での公開がおすすめです。しかし移動中など社外で社内報を読めるように、私用スマホからWeb社内報を閲覧できるようにする場合もあるでしょう。
私用スマホの利用に対応できる、適切なセキュリティ対策について検討することが重要です。アカウントが発行された社員のみログインできたり、退社後は管理者がアカウントを削除してアクセス不可にできたりするか確認しましょう。
サポート体制はどうか
無償・有償のサポート内容についても、チェックが必要です。導入時に設定・更新などの操作をレクチャーしてもらえると、スムーズにWeb社内報の運営をスタートできます。また運用中に出てきた不明点や課題に対してどのような対応が可能か、サポート体制を確認しておきましょう。中にはサイト内の改修やコンテンツの制作を依頼できる場合もあります。
ペーパーレス化した社内報の作成方法
ここでは、Web社内報を作成する際のポイント5つをご紹介します。
興味を引くコンテンツをつくる
社員が思わず読みたくなるようなコンテンツを届けるために、共感を呼ぶ企画の立案が必要です。一般的にトップメッセージ、決算報告などの社内ニュース、各事業部の活動報告・実績紹介、社員紹介などのコンテンツで社内報は構成されています。読者アンケートなどの参加型企画、社員の努力や好事例、インタビューや実務に役立つノウハウを紹介するなど、知る価値のある情報を発信して、興味を引きましょう。
画像や動画を活用する
記憶に残りやすく、多くの情報を素早く伝えられることから、Web社内報に動画を活用しない手はありません。YouTubeやTikTokなどの動画配信サービスが普及したことで、活字を読むよりもスマホで動画を視聴することを習慣にしている社員も多いからです。また社員が写っている画像を使うと自分事化しやすいために、読者はより興味や関心を持つようになります。
掲載するテーマと目的を決める
テーマと目的が曖昧なまま制作を進めていくと、誰にも刺さらないWeb社内報になりかねません。誰に向けて、どのようなテーマを、どう伝えるかを常に意識しながらWeb社内報を作成しましょう。Web社内報を発行する目的と掲載するテーマを明確にしておけば、情報の取捨選択に役立ちます。
更新通知を行う
読むというアクションを読者に促すためにも、Web社内報が更新されたらすぐに更新通知を行いましょう。社内チャットツールを介して更新の告知を行うことも一つの方法です。Web社内報サービスの中には、アプリを提供していて、更新するとプッシュ通知でお知らせできるものもあります。
外国人従業員も考慮する
グローバルで展開している企業は、海外の支社・支店、関連会社で働く外国人従業員も読者として考慮することが大切です。グローバル社内報の発行形態には、現地語に翻訳したミラー版、日英併記版、外国人従業員のみに向けたオリジナル版があります。海外支店が取り上げられるように海外発の記事を用意すれば、外国人従業員の参加意識を高められるでしょう。
Web社内報を活用し新しい情報をタイムリーに共有しよう
社内報をペーパーレス化すると、新しい情報の鮮度がフレッシュなタイミングで発信できるようになります。社員自らが読みにいくプル型メディアという特性から、読まれるコンテンツを届ける工夫と積極的な告知が必要です。Web社内報ならではの動画コンテンツも制作しながら、社内の情報共有を進めていきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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