• 更新日 : 2024年10月23日

ペーパーレス化支援につながるツールとは|推進するポイントも

働き方改革によるテレワークの普及が進む近年、多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。DXとは、自社の競争力強化を目的に、デジタル技術を活用してビジネスモデルを変革する取り組みのことです。

そして、DX化の第一歩として重要視される取り組みが「ペーパーレス化」です。当記事では、ペーパーレス化の概要やメリット、推進する際のポイント、さらにペーパーレス化支援に役立つツールを詳しく紹介します。

ペーパーレス化とは?

ペーパーレス化とは、これまで紙ベースで運用していた書類(資料・文書など)を電子化する取り組みのことです。広い意味では「紙の書籍から電子書籍への変化」もペーパーレス化の1つですが、ビジネスにおけるペーパーレス化は紙ベースでの運用を廃止し、各種書類をデジタル化して業務効率化や生産性の向上を図ることを主な目的としています。

デジタル技術の急速な進歩に伴って、政府も働き方改革の一環としてペーパーレス化を推進しています。ペーパーレス化推進の流れを後押しするために、「e-文書法」や「電子帳簿保存法」などの関連法規も改正が続けられており、法的な整備も強化されています。

ペーパーレス化を推進するメリット

(1)業務効率化・生産性向上につながる

複数人での情報共有や共同編集が容易となるほか、ファイル名検索・キーワード検索などの検索機能によって必要な情報を瞬時に見つけ出せるようになります。紙の出力やファイル管理の負担が減ることで、業務効率と生産性の向上が期待されます。

(2)コストの削減につながる

用紙の購入費や印刷代、さらに保管スペースにかかるコストを削減できます。特に、大量の紙書類を大型キャビネットや倉庫で保管していた場合は保管費用を大幅に削減でき、長期的なコストダウンやオフィススペースの有効活用を実現できます。

(3)セキュリティの強化につながる

電子文書は個別ファイルごとにアクセス制限や暗号化が可能で、紙媒体と比べて情報漏洩や紛失・盗難・改ざんのリスクを抑えやすくなります。また、災害や経年劣化による物理的な損傷が発生しないため、データを安全かつきれいな状態で長期保存することが可能です。

ペーパーレス化を推進する場合のポイント

ペーパーレス化はDX化を始める切り口として有効とされているものの、ハードルは決して低いとは言えません。ペーパーレス化を円滑に進めるためには、いくつかのポイントをおさえておく必要があります。

(1)ペーパーレス化の必要性について理解を深める

ペーパーレス化推進にあたって不可欠なのが、基本姿勢を上層部から現場で勤務する従業員までの全社員が理解することです。理解を深めることで、上層部はペーパーレス化の意義や具体的な取り組み・運用ルールを詳しく把握できます。また、現場の従業員はペーパーレス化によるメリットや業務プロセスの変化が把握できることで、ペーパーレス化のスムーズな実現につながります。

(2)スモールスタートで始める

社内にあるすべての書類のペーパーレス化を一気に進めると、従業員の負担が増大し、かえって作業効率の低下を招くおそれがあります。ペーパーレス化のスムーズな実現には、段階的な取り組みが重要です。「まずはバックオフィス部門から」など、部門・業務単位でペーパーレス化を進めることをおすすめします。

(3)ペーパーレス化支援に役立つツールを活用する

ペーパーレス化をより効率的に推進するためには、支援ツールの活用が重要です。ペーパーレス化の目標やデータ化したい紙文書の種類によって最適なツールは異なります。適切なツールを活用することで、円滑なデジタル移行と業務環境の改善につながるでしょう。ツールの選定時は、機能性だけでなく費用対効果や操作性をチェックすることも大切です。

ペーパーレス化とは?導入方法のポイントやメリットを解説

ペーパーレス化支援に役立つツール

ペーパーレス化支援に役立つツール・サービスは数多く存在しています。

前述の通り、どのようなツールが適切なのかはペーパーレス化の目的や電子化したい文書の種類によって異なります。しかし、「ビジネスチャットツール」や「Web会議ツール」、「勤怠管理システム」などは多くの企業で導入される代表的な業務システムと言えるでしょう。

最後に、ペーパーレス化支援に役立つ代表的なツールを7つ、それぞれ概要・役割とともに紹介します。

ビジネスチャットツール

ビジネスチャットツールは、チャットやビデオ通話による業務上のコミュニケーション機能のほか、ファイル共有やタスク管理などビジネスを支援する各種機能も備わったデジタルツールです。

ビジネスチャットツールを活用することで、社内の従業員間および部署・チーム間での情報共有をスムーズに行えます。また、取引先の担当者が同じビジネスチャットツールを使用していればシームレスなやり取りが可能となり、さらなる業務効率化も期待できます。

Web会議ツール

Web会議ツールは、インターネットを介して遠隔地にいる社員や取引先と音声・ビデオベースの会議を行えるツールです。リアルタイムでの資料共有や議論を円滑に行える「画面共有機能」や、不参加者にも会議内容を共有できる「録画機能」が備わっています。

出張や会議資料の印刷が不要になるため、ペーパーレス化に大きく貢献します。テレワークやオンライン会議が普及している近年、多くの企業に導入されています。

勤怠管理システム

勤怠管理システムは、従業員の勤務情報や残業・休暇の申請状況をオンラインで管理できるツールです。出退勤の記録をオンライン上で簡単に管理できるため、テレワークの推進や紙のタイムカードの廃止に役立ちます。

勤怠管理システムによっては、法律で定められた勤務時間の基準を超えないよう管理する機能や給与計算システムとの連携機能が搭載されており、バックオフィス部門の業務効率向上にも貢献します。

オンラインストレージ

オンラインストレージは、クラウド上に資料・データを保管できるプラットフォームです。

クラウド上のサーバーに保管した電子データは、いつでもどこでもアクセスできます。リアルタイムのファイル共有も容易で、不要な印刷物を削減することが可能です。

また、ほとんどのオンラインストレージはデータごとにアクセス権限を設定できます。大容量のデータも安全に保存・共有でき、ペーパーレス化促進と業務効率化に効果を発揮します。

電子契約システム

電子契約システムは、法的な契約書や重要文書を電子データとして作成・保管できるシステムです。電子署名とタイムスタンプを付けることで、紙の契約書と同等の効力をもたせられます。

電子契約サービスを活用すれば、オンライン上で契約を結べるようになります。紙の契約書の捺印や郵送、管理が不要となり、手間とコストの削減が可能です。また、電子契約システム上で締結した契約書は電子保存されるため、書類紛失のリスク低減にもつながります。

文書管理システム

文書管理システムは、企業の資料や書類を電子的に一元管理するためのツールです。従来の紙書類をスキャンしてデジタルデータとして保存することで、どのデバイスからも効率的かつ安全にアクセスできるほか、検索機能を活用して目的の資料を即座に探し出せるようになります。

また、ファイルの共有やアクセス制限も柔軟に設定できるため、業務の効率性が向上し、文書管理の透明性が高まります。さらに、物理的な書類保管スペースを削減することで、オフィススペースの有効活用やコスト削減にもつながります。

ワークフローシステム

ワークフローシステムは、社内における各種申請・承認手続きを電子化するためのシステムです。ワークフローシステムを導入することで、申請から承認までのルーティンワークを自動化でき、バックオフィス部門を中心に社内での業務フローが大幅に改善します。

また、ワークフローシステムで各種申請・承認手続き業務を自動化することで、対応漏れをはじめとした人的エラーの削減にもつながります。

ペーパーレス化支援ツールはペーパーレス化の目的に応じて選ぼう

ペーパーレス化とは、紙ベースで運用していた資料などを電子化する取り組みのことです。企業がペーパーレス化を推進することには、業務効率化・生産性向上・コスト削減・セキュリティ強化といったメリットがあります。

ペーパーレス化をより効率的に推進するためには、支援ツールの活用が有効です。どのようなツールが適切なのかはペーパーレス化の目的や電子化したい文書の種類によって異なることも覚えておきましょう。


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