• 作成日 : 2024年6月27日

オンライン決済システムの選び方!個人での導入方法を紹介

オンライン決済システムを選ぶ際には、ターゲットの属性を踏まえておくことが大切です。この記事では、オンライン決済システムの概要や種類、具体的な方法などについて解説します。システムの導入を通して業務効率化を目指ししている企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。

オンライン決済システムとは?

オンライン決済システムとは、インターネット上で決済を実施できるシステムのことです。オンライン決済と一言でいってもその方法はさまざまです。

  • クレジットカード
  • ネットバンキング
  • キャリア決済
  • ID決済
  • 電子マネー など

公益財団法人NIRA総合研究開発機構によると、個人の消費支出額におけるキャッシュレス決済の比率は70.6%で、個人消費における一般的な支払い方法になっているといえるでしょう。

オンライン決済の仕組みは、消費者が商品を購入する際の代金をインターネット上で送金するという非常にシンプルなものです。クレジットカードや決済サービスのアカウント情報などを入力すると、暗号化されて決済サービス会社に送られ、購入者の銀行口座などから代金が引き出されます。

参考:公益財団法人NIRA総合研究開発機構「キャッシュレス決済実態調査2023」

オンライン決済システムの種類

オンライン決済システムの種類は、オンライン決済に特化したもの、実店舗でも使用するもの、Webサービスやアプリ向けのものなど多岐に渡ります。ここでは具体的にどのような種類のシステムがあるのか解説します。

オンライン決済向け(ECサイトなど)

オンライン決済向けのシステムは、主にECサイトで商品やコンサートなどのチケット、セミナー販売などを行う際に使用されます。

決済方法にはいくつかの種類があり、例えばメールで決済用のURLを送信して支払いを行うメールリンクや専用トークン、SMS認証による決済などがあります。これらの方法はクレジットカードなしでも支払いができるため、クレジットカードを持っていない人やクレジットカードを好まない人などの取り込みも期待できるでしょう。

実店舗+オンライン決済の両方に対応

実店舗とオンラインの両方に対応しているオンライン決済システムもあります。これは、実店舗に専用の決済端末を設置し、店舗での決済データをオンライン上での決済データと一元化できるものです。

実店舗+オンライン決済のやり方は、複数の販路を持っており、決済を統一したい場合におすすめの方法です。例えば、デリバリーと実店舗の両方でサービスを提供している飲食店などが挙げられます。

Webサービス・アプリ向け

Webサービス・アプリ向けのオンライン決済システムは、主に有料のWebサービスやアプリのようなサブスクリプションサービスの支払いに用いられるものです。

Webサービスやアプリは、ユーザーの利用開始時期が異なるため、支払い期日の柔軟な設定や日割り計算などに対応しなければなりませんが、Webサービス・アプリ向けの決済システムであれば、対応可能です。

オンライン決済の方法

ここでは、オンライン決済の具体的な方法について解説します。ここで取り上げる決済方法は以下の表にまとめています。

特徴主な事業者手数料・上限金額向いている層
クレジットカード決済・利用者の多い支払い方法

・オンライン、実店舗の両方に対応

VISA、Mastercard、JCBなど・手数料は3~10%程度

・上限は一般カードでは10万~100万円、ゴールドカードでは50万~300万円

・ECサイトをはじめとした幅広い企業
銀行決済・ATMや店舗に行く手間がかからない

・利用のハードルが低い

三菱UFJ、みずほ、三井住友など・手数料は無料〜300円程度で振込先銀行によって異なる

・上限は銀行によって異なり、1回10万円までや1日500万円までなどさまざま

・クレジットカードを持たない人をターゲットにしている企業
キャリア決済・携帯電話の通信事業者の利用料金に合算して決済

・利用限度額を設定できる

au、docomo、SoftBankなど・手数料は5~10%程度

・上限はキャリアによって異なり、基本的に1〜5万円程度

・クレジットカードを度持たない若い世代をターゲットにしている企業
ID決済・事前にチャージしておいて決済する電子マネーの一種

・決済フローがシンプル

Amazon Payや、楽天ペイ、​LINE Pay、​PayPayなど・手数料は0円

・上限はサービスによって異なる

・決済にかかる時間を短くしたい企業
電子マネー決済・事前にチャージしておいて支払うSuica、​nanaco、​楽天Edy、WAONなど・手数料は3~4%程度

・上限はサービスによって異なり、数万円単位となるのが一般的

・決済にかかる時間を短くしたい企業

・クレジットカードを持たない人をターゲットにしている企業

後払い決済・商品を受け取った後に支払いをするNP後払い、GMO後払い、スコア後払い、クロネコ代金後払いサービスなど・手数料は2%〜5%程度

・上限はサービスによって異なるが、55000円のサービスが多い

・購入時の途中離脱を回避したい企業

・ECサイトでの買い物経験が少ない人をターゲットにしている企業

クレジットカード決済

クレジットカード決済は、オンライン決済の中でも特にポピュラーな方法です。消費者は自分のクレジットカードを作成し、購入時にカード情報を入力して決済すると、後日カード会社から請求が届き、銀行口座から引き落とされる仕組みです。

クレジットカードはオンライン・実店舗両方の決済に対応しているため、販路拡大や顧客獲得を目指す企業にとっては非常に重要な決済方法となります。また、海外の顧客をターゲットにする場合、クレジットカード対応は必要不可欠だといえるでしょう。

銀行決済(ネットバンキング)

銀行決済は、ネットバンキングを利用すればオンライン上でも行えます。支払いのために銀行やATMに行く手間がかからないため、利便性に優れています。また、消費者にとっては、普段自分が使用している銀行口座のオンライン版を利用する形となるため、オンライン決済に抵抗のある人でも、利用のハードルはそれほど高くありません。

キャリア決済

キャリア決済は、携帯電話の通信事業者の利用料金に合算して決済する方法です。利用者は、決済時に携帯電話のID・パスワードを入力することで支払いできます。

キャリア決済は利用限度額の設定ができるため、使い過ぎてしまう心配がなく、若年僧にとっても使いやすい方法だといえるでしょう。

ID決済

ID決済は、電子マネーの一種です。クレジットカードなどに紐付けする、もしくは事前にチャージしておいて支払いを行います。

オンライン決済する際は、IDとパスワードを入力するだけで済むため、手間がかかりません。そのため、決済途中で情報の入力が手間になって途中で離脱してしまう事態を回避できます。

電子マネー(プリペイド)決済

電子マネーは、事前にお金を入金することで利用できるプリペイド式の決済方法です。オンライン決済に対応しているものもあるため、クレジットカードを好まない人や所有できない人を顧客として取り込みたい場合などにもおすすめです。

また、利用者にとっては使い過ぎを回避できる点もメリットだといえるでしょう。

後払い決済

後払い決済は、商品やサービスを購入して受け取った後に代金の支払いを行う方法です。後払い決済は、購入時に入力する情報が少ないため、購入時の途中離脱を回避できます。さらに商品を受け取ってから支払いをする流れのため、初めてECサイトで買い物をする人にとって安心感がある点がメリットといえるでしょう。また、クレジットカードを持っていなくても利用できる点も特徴です。

【業種別】オンライン決済システムの導入方法、選び方

ここでは、業種別にオンライン決済システムを選ぶ際のポイントなどについて解説します。これからオンライン決済システムを導入しようとしている企業の担当者はぜひ参考にしてください。

ネットショップ・ECサイト

ネットショップやECサイトの場合、オンライン決済の中でも一般的となっているクレジットカードの導入は必要不可欠です。決済をスムーズにできるかどうかは顧客の満足度にもつながるため、利用者の多い決済方法には対応できるようにしておきましょう。

また、クレジットカードを持っていない人や、オンラインショッピングの経験が少ない人を逃さないように、キャリア決済や後払い決済などにも対応できるようにしておくことをおすすめします。

エステ・整体・マッサージ

エステや整体、マッサージなどのサービスは、事前予約による支払いが一般的であるため、クレジットカードやネットバンキングの導入がおすすめです。また、サブスクリプションサービスの決済に向いているWebサービス・アプリ向けの決済システムを導入しましょう。

学習塾・習い事

学習塾や習い事は、継続して支払いを行うケースが一般的であるため、クレジットカード決済やネットバンキングを導入しておくと、利用者側が決済をスムーズに行えます。クレジットカードであれば、利用に伴うポイントも付与されるため、高い授業料を支払うこととなる人にとってはメリットとなるでしょう。

旅行・宿泊サービス

旅行や宿泊サービスは、オンライン上で予約・支払いを済ませておくケースが増えているため、クレジットカード決済やネットバンキングは欠かせません。また、近年では海外からの観光客も増えていることから、PayPalのような海外で主流のオンライン決済システムも導入することで、顧客を逃してしまう事態を回避できます。

デジタルコンテンツ

電子書籍やオンラインゲーム、動画配信サービスなどのデジタルコンテンツは、オンライン上で取引を完結させるケースが一般的であるため、クレジットカード決済は欠かせません。また、クレジットカードを持っていない人を逃さないためには、キャリア決済やネットバンキングなども導入しておくことをおすすめします。

手軽なオンライン決済システム「リンク型」決済とは?

リンク型決済とは、オンラインショッピングの際に購入者が決済代行会社が用意する決済画面にアクセスして支払い情報を入力する決済方法のことです。

支払いに関する情報入力画面を代行会社が手配するため、オンラインショップ運営企業は、支払い情報を取り扱うことなく決済を行える点が特徴です。これによって、運営企業の手間を軽減できるほか、情報漏洩のリスクも抑えられるでしょう。

オンライン決済システムの導入の際の注意点

オンライン決済システムを導入する際には、以下のような点に注意してください。

  • システムの利用料金が発生する
  • 現金よりも入金に時間がかかる
  • ターゲット属性を考慮する必要がある

オンライン決済システムの利用にあたっては、月額費用や決済手数料が発生します。そのため、導入を検討している企業は、各種料金がどのくらい発生するのか踏まえたうえで、それでも導入したほうがいいのかを考えるようにしましょう。

また、現金の場合は支払い直後に手元にお金が入りますが、オンライン決済は、月末締め、翌月払いといった形で入金までに時間がかかるため、資産管理がしにくくなります。

そのほかにも、オンライン決済サービスが便利だからといってむやみやたらに導入するべきではありません。ターゲット属性を踏まえたうえで、適切なシステムを導入するべきです。例えば、クレジットカードを持たない若年層をターゲットにする場合は、キャリア決済や電子マネーなどの方が向いているでしょう。

オンライン決済システム導入で業務効率化を実現

インターネット上で決済を実施できるシステムオンライン決済システムは、支払い方法が多様化している現在において欠かせないものです。

クレジットカード決済や銀行決済、キャリア決済など、さまざまな種類のオンライン決済方法があるため、導入にあたっては、自社のターゲットがどのような支払い方法を選択しているのか把握したうえで適切なサービスを導入することが大切です。


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