• 作成日 : 2024年1月9日

クラウドサーバーとは?レンタルサーバーとの違いや選び方について解説

クラウドサーバーとは?レンタルサーバーとの違いや選び方について解説

クラウドの普及によって、物理サーバーではなくクラウドサーバーを導入する企業が増えてきました。企業規模によっては、レンタルサーバーの導入が検討されるケースもありますが、クラウドサーバーとどのような点が異なっているのかよくわからないという方も多いでしょう。

そこで本記事では、クラウドサーバーの基礎知識やレンタルサーバーとの違い、導入メリット、選定時に把握しておきたいポイントについて詳しく解説します。

クラウドサーバーとは?

クラウドサーバーとは、インターネット経由でアクセスする仮想化されたサーバーのことです。複数のユーザーが物理サーバーのリソースを共有し、必要に応じてアクセスできます。

また、クラウドサーバーの利点は、物理インフラを持たずにコスト効率の良いコンピューティングリソースを利用できることです。主にウェブホスティング、データストレージ、アプリケーション実行などに用いられ、セキュリティ、拡張性、アクセス性に優れている点が特徴的です。クラウドの普及に伴い、近年では企業や個人のデジタル戦略に不可欠な存在となっています。

クラウドサーバーの種類

クラウドサーバーの種類にはいくつかありますが、代表的なものとして「EaaS(Everything as a Service)」と「PaaS(Platform as a Service)」が挙げられます。

EaaSは、「全てをサービスとして」提供するという考え方で、インフラ(IaaS)、プラットフォーム(PaaS)、ソフトウェア(SaaS)など、クラウドサービスが提供するあらゆるリソースや機能を利用者が使用できるサービスモデルです。

一方で、PaaSは「プラットフォームをサービスとして」提供するモデルです。開発者がアプリケーションを構築、テスト、デプロイ(=システムを開発する段階でアプリケーションの機能をサーバー上に配置および展開するさま)、管理するために必要なプラットフォームと環境のみをクラウド上で提供します。

クラウドサーバーとレンタルサーバーとの違い

クラウドサーバーとレンタルサーバーは、リソースを提供する際のアプローチに違いがあります。

クラウドサーバーは高い柔軟性を持ち、使用量に応じてリソース(CPU、メモリ、ストレージ)をリアルタイムで拡張および縮小できます。したがって、トラフィックの急増にも迅速に対応し、コスト効率の良い運用が可能です。

一方で、レンタルサーバーは固定のリソースと予算で運用され、あらかじめ定められたスペック内での使用が前提となっています。トラフィックが比較的安定している小規模なWebサイトや個人ブログに向いており、初期コストも比較的低いのも特徴の一つです。

クラウドサーバーを導入するメリット

クラウドサーバーを導入するメリットとして、障害や故障に強く、スペック変更やカスタマイズが容易な点が挙げられます。また、コストを抑えて導入できる点も強みといえるでしょう。

ここでは、クラウドサーバーを導入する3つのメリットについて詳しく解説します。

障害や故障に強い

クラウドサーバーは構造上、障害や故障に強いという大きなメリットがあります。クラウドプロバイダーが複数のデータセンターを使用してサービスを展開し、データセンター間でリソースとデータを分散して管理しているためです。

例えば、あるデータセンターに障害が発生した場合でも、他のデータセンターがその役割を引き継ぐことで、サービスの継続が維持できます。

さらに、クラウドサービスはリアルタイムでのバックアップやレプリケーションを容易に行えるため、データの損失リスクを低減します。これにより、ビジネスの重要なデータやシステムを、自然災害や技術的な問題から保護できるのです。

スペック変更やカスタマイズが簡単

クラウドサーバーは、柔軟なスペック変更やカスタマイズが可能な点が魅力です。ビジネスの成長やプロジェクトの進展に応じて、サーバーのリソース(CPU、メモリ、ストレージなど)を迅速に変更できます。

例えば、プロモーション期間中のトラフィック増加のために一時的にリソースを増加させたり、閑散期にはリソースを減らしてたりしてコストを削減することが可能です。

また、クラウドサービスでは使用するOSやソフトウェアをカスタマイズできるため、特定のアプリケーションやサービスに合わせた最適な環境を構築することも容易です。

コストを抑えて導入できる

クラウドサーバーを導入するもう一つの大きなメリットは、初期投資の削減と運用コストの最適化です。

物理的なサーバーの設置には高額な初期投資が必要ですが、クラウドサーバーではハードウェアの購入やメンテナンスの必要がありません。これにより、特に中小企業やスタートアップ企業にとって、高性能なサーバー環境を低コストで利用することが可能になります。

また、クラウドサービスの多くは使用量に基づく従量課金制を採用しているため、必要なリソースのみを支払い、余分なコストを節約できます。企業は、使用状況に応じてリソースを調整し、運用コストを最適化できるため、予算管理が容易になります。

クラウドサーバーを導入するデメリット

クラウドサーバーの導入には多くのメリットがある一方で、セキュリティリスクやコスト面でデメリットが発生する場合もあります。本項で紹介するデメリットも考慮しつつ、メリットとのバランスを見ながら慎重に導入を検討することが大切です。

情報セキュリティのリスク

クラウドサーバーの利用においては、データが外部企業のサーバーに保存されるため、セキュリティレベルがクラウドサービス事業者の対策に大きく依存します。このため、プロバイダーのセキュリティ対策が不十分であれば、サイバー攻撃による被害リスクが高まるのです。

また、データをインターネット経由で転送する過程におけるセキュリティリスクも懸念されます。暗号化や安全な接続の確保が不可欠ですが、セキュリティ対策が不十分な場合、サイバー攻撃によるデータの盗聴や改ざんのリスクが生じるでしょう。

このようなリスクを軽減するためには、信頼できるプロバイダーの選定や強固なセキュリティポリシーの確立、従業員向けのセキュリティ教育などが重要です。

使用量が増えるとコストが高くなるケースも

クラウドサーバーのもう一つのデメリットは、使用量が増えるとコストが想定以上に高くなる可能性がある点です。

クラウドサービスは通常、使用したリソースの量に応じて課金される「従量課金制」を採用しているため、使用量が増加すると比例して費用も増加します。特に、予想外のトラフィック増加やリソースの過剰利用が発生した場合、予算を大幅に超えてしまう恐れがあります。

また、一部のクラウドサービスでは、データ転送量に応じた追加料金が発生することもあり、大量のデータを頻繁にやり取りする場合には特に注意が必要です。

クラウドサーバーの選び方

クラウドサーバーを選定する際は、導入目的に適したサービスが提供されているかどうかを検討し、十分なセキュリティレベルが保たれていることも確認する必要があります。

また、サポート体制や料金体系もチェックし、総合的に自社に適したサービスを選ぶことが大切です。ここでは、選定時の4つのポイントについて解説します。

導入目的に適したサービスを提供しているか

クラウドサーバーを選ぶ際に特に重要な着眼点は、自社の導入目的に適したサービスを提供しているかどうかです。

ウェブホスティング、大規模なデータ解析、アプリケーション開発、リモートワーク環境の構築など、企業によってクラウドサーバーの使用目的はさまざまです。サーバーのスペック(CPUの性能、メモリの容量、ストレージの種類と容量)、ネットワークのパフォーマンス、データセンターの地理的な位置などを事前に確認し、自社の要件に合致しているかをよく検討することが重要です。

ビジネスの成長に伴うスケールアップや将来的な拡張性も考慮し、短期的なニーズだけでなく長期的な視点で選択することが求められます。

セキュリティレベルの確認

セキュリティが高いレベルで維持されているかどうかも、クラウドサーバーを選ぶ上で重要な要素の一つです。

データセンターの物理的なセキュリティやファイアウォール、侵入検知システムなどのネットワークセキュリティ、データの暗号化、アクセス管理のポリシーなど、さまざまなセキュリティ対策を確認して、データを預けるのに相応しいかどうかを検討しましょう。

また、情報セキュリティマネジメント(ISO/IEC27001など)を取得しているかどうかも重要な指標といえるでしょう。クラウドサービスプロバイダーが定期的なセキュリティ監査を行っているか、第三者機関による評価があるかも確認することをおすすめします。

サポート体制はどうか

クラウドサーバーの選定において、サポート体制の充実度も重要な判断基準になります。障害が発生した際や技術的な問題が生じた場合、迅速かつ適切なサポートを受けられるかどうかがビジネスの継続性に大きく影響するからです。

サポートの対応速度やオペレーターの品質、問い合わせ可能時間などを確認して、自社に合った体制を持つ事業者を選びましょう。

特に、クラウドサーバーを利用する上で自社の従業員の技術的な知識が不足している場合や、特定のアプリケーションに特化したサポートが必要な場合は、サポート体制をより慎重に検討する必要があります。

料金体系を確認する

セキュリティやサポート体制も重要ですが、料金体系を検討することも大切です。前述のように、クラウドサーバーのコストは使用量に基づく従量課金制が一般的です。しかし、提供されるサービスによって料金体系は大きく変わってきます。中には固定料金プランやデータ転送量に基づく料金を設定している場合もあるので、自社の使用パターンや予算に合わせて最適なプランを選ぶことが重要です。

また、長期契約による割引やリソースの予約購入によるコスト削減オプションがあるかも確認しましょう。想定外の予算超過を防ぐためにも、料金シミュレーションを綿密に行うことがおすすめします。

クラウドサーバーの導入はこんな企業におすすめ

クラウドサーバーの導入が適している企業は、自社でサーバー管理を行うのが難しい企業や、リモートワークを推進している企業、BCP対策を推進している企業などが挙げられます。また、初期費用を抑えたい場面でも、クラウドサーバーの導入が効果的です。

ここでは、クラウドサーバーの導入がおすすめの企業の特徴を紹介します。

自社でサーバー管理を行うのが難しい企業

クラウドサーバーは、特に自社でサーバー管理を行うのが難しい企業におすすめです。物理的なサーバーの設置、維持、アップデートには専門的な知識、時間、そして膨大な初期投資が必要です。

特に小規模企業やスタートアップでは、これらのリソースや初期投資費用を確保することが難しい場合が多いので、クラウドサーバーを利用することで、ハードウェアの定期メンテナンスやアップグレードが不要になります。クラウドサーバーを選択することで、ITインフラの管理コストや運用負担が大幅に軽減されます。

また、セキュリティ更新やシステム監視などもクラウド事業者が管理するため、企業は自社の中核ビジネスに集中することが可能です。

リモートワークを推進している企業

リモートワークを推進している企業にとって、クラウドサーバーは使い勝手の良いソリューションです。

クラウドサービスは場所に依存せず、インターネット接続可能な環境であればどこからでもアクセス可能です。これにより、社員がオフィスに出社しなくても、必要なファイルやアプリケーションに安全かつ迅速にアクセスできます。

また、クラウドサーバーはリソースの柔軟な拡張および縮小が可能なため、トラフィックの増加にもスムーズに対応できます。さらに、クラウドベースのコラボレーションツールや管理システムを統合することで、業務の生産性を高め、社内コミュニケーションを活性化させることができるでしょう。

BCP対策を強化したい企業

ビジネス継続計画(BCP)を強化したい企業にとって、クラウドサーバーの導入は適しています。

災害や緊急事態が発生した際に、企業のデータとシステムの安全性を確保することは非常に重要です。クラウドサーバーは、データを複数の地理的に分散されたデータセンターに保存するため、災害時にもデータの消失を防いで迅速にビジネスを再開できます。

また、リアルタイムのデータバックアップやレプリケーション機能により、どのような状況下でもデータの整合性が保たれ、ビジネスの継続性が確保される点も魅力です。

初期費用を抑えたい企業

初期費用を抑えながらITインフラを構築したい企業にとって、クラウドサーバーの導入が適しています。

従来の物理サーバーの設置には、高価なハードウェアの購入、設置スペースの確保、冷却システムや電力供給などのインフラの整備が必要でした。一方、クラウドサーバーは、事業者が用意したハードウェアを利用するため、初期投資をほとんど必要とせず、月額利用料を支払う形でサービスを利用できます。

企業は必要なリソースのみを選択し、使用した分だけの料金を支払うため、初期コストを抑えながらサーバーを使えます。

メリットとデメリットを把握して、自社に合ったクラウドサーバーを選ぼう

クラウドサーバーの選択は、そのメリットとデメリットを総合的に考慮し、自社のニーズに合わせて考えることが重要です。柔軟なリソース管理、コスト効率の良さ、セキュリティ面での強化などのメリットがありますが、セキュリティリスクや使用量に応じたコスト増加のも理解しておきましょう。

自社のビジネスモデル、予算、技術的要件を明確にし、適切なクラウドサービスプロバイダーを選ぶことで、効果的なクラウド環境を実現できます。最終的には、クラウドサーバーが自社の成長と進化をサポートする強力なツールとなるでしょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談していただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事