- 更新日 : 2024年9月11日
進捗管理を見える化するには?エクセルの作成方法・無料テンプレートを紹介
進捗管理の見える化とは、スムーズに業務を遂行するために、プロジェクトの進捗状況を可視化することです。適切に実施すれば、タスクの漏れや遅延を防ぎ、生産性の向上が期待できます。
本記事では、進捗管理を見える化する流れやエクセルを使用した作成方法、うまくいかない原因や成功させるコツなどを紹介します。
目次
進捗管理の見える化とは?
進捗管理の見える化とは、チームのメンバーがそれぞれ抱えているタスクの進捗状況を可視化することです。チーム全体で情報を共有し、スムーズに業務を遂行することが目的です。
複数人で業務をおこなっている場合、進捗状況の共有がうまくいかないことでミスやトラブルが発生する恐れがあります。しかし、進捗管理を見える化すれば、業務の優先順位が明確になり、遅延や漏れを防止できます。無駄な確認作業が減り、チーム内でフォローやサポートがしやすくなることで、生産性の向上も見込めるでしょう。
進捗管理を見える化する方法
進捗管理を見える化するには、主に次の3つの方法があります。
- エクセル(Excel)/スプレッドシート
- ホワイトボード
- 進捗管理ツール
それぞれの特徴を解説します。
エクセル(Excel)/スプレッドシート
エクセル(Excel)やスプレッドシートなどの表計算ツールを使用して進捗管理表を作成すれば、進捗管理を見える化できます。とくに普段からエクセルやスプレッドシートを業務で使用している企業にとっては、コストや手間をかけずに簡単に導入することが可能です。
ただし、エクセルやスプレッドシートで複雑なプロジェクトの管理をするためには、専門的な知識やスキルが求められます。進捗管理表を作成する手間を省くためには、進捗管理に適したテンプレートを活用するとよいでしょう。
ホワイトボード
小規模な企業やチームのメンバーが同じオフィスで働いている場合は、ホワイトボードを使用して進捗管理を見える化することが可能です。
たとえば、ボード全体を「未実行のタスク」「進行中のタスク」「完了したタスク」などの項目で分け、タスクを記載した付箋を貼りつけることで進捗状況を可視化できます。シンプルな方法で誰にでもわかりやすく、簡単に始められる点はメリットといえるでしょう。
ただし、リアルタイムでの情報の反映が難しく、出張やテレワークなどで社外にいる場合は情報共有にタイムラグが生じてしまうというデメリットもあります。
進捗管理ツール
プロジェクト管理やタスク管理ができる進捗管理ツールを活用して、進捗管理を見える化する方法もあります。進捗管理表の作成機能やスケジュール管理機能、情報共有機能などが備わっているツールを選べば、簡単に進捗管理を見える化することが可能です。
進捗管理ツールは大きく分けて2種類あり、社内にサーバーやシステムを構築して自社で運用する「オンプレミス型」と、オンライン上のサーバーを利用する「クラウド型」があります。クラウド型の進捗管理ツールを利用すれば、場所を選ばずリアルタイムで情報を更新・共有できます。
ただし、初期費用やランニングコストがかかる点は注意しましょう。
進捗管理を見える化する流れ
進捗管理の見える化は、次のような流れでおこないます。
- プロジェクトの目標設定
- タスクの洗い出し・整理
- タスクのリソース配分
- 表やツールの作成
- タスクの進捗更新
- タスクの情報共有と調整
それぞれの項目について解説します。
①プロジェクトの目標設定
プロジェクトを成功させるためには、ゴールとなる「いつまでに、何を達成するか」という目標を設定しましょう。
目標を設定する際には、具体的な数値を用いることが大切です。目標設定が曖昧な状態ではタスクの洗い出しやスケジュールの設定がうまくいかず、十分な成果を上げられない恐れがあります。ゴールを明確にし、具体的な期日や目標数値を設定しましょう。
②タスクの洗い出し・整理
具体的な目標を設定したら、プロジェクトの完遂に必要なタスクを洗い出して整理します。まずは大きいタスクを洗い出してからそれぞれのタスクを細分化していくと、プロジェクト全体を具体的かつ定量的に把握できます。
必要なタスクを洗い出したら、それぞれのタスクに優先順位をつけて整理していくとよいでしょう。
③タスクのリソース配分
それぞれのタスクを整理したら、次はタスクごとに必要な人員や時間、資金などを見積もって、リソースを配分します。プロジェクト全体を俯瞰し、誰にどのタスクを振り分けるかを考えていきましょう。その際、メンバーのスキルやキャパシティを考慮して、適切にタスクを割り当てられるようにしましょう。
また、優先順位の高いタスクから取り組めるようにスケジュールを立てて、効率的に業務を進められるように意識することも大切です。
④表やツールの作成
リソースを適切に配分したら、それぞれのタスクを可視化できるように表を作成しましょう。進捗管理表にはさまざまな種類があり、代表的なものには棒グラフを用いた「ガントチャート」や「WBS(作業分解構成図)」などがあります。また、進捗管理に適したテンプレートを使用する方法もあります。
エクセルやスプレッドシート、ホワイトボードを使用して作成するか、進捗管理ツールを導入するかについては、プロジェクトの規模や内容、チームメンバーの状況などを踏まえて検討しましょう。
⑤タスクの進捗更新
進捗管理表は一度作成したら終わりではなく、常に最新の状態に更新することが重要です。プロジェクトの進行中は、当初の予定にはなかった作業が追加されたり、納期が変更になったりすることがあります。進捗状況が最新の状態になっていれば、手の空いているメンバーにタスクを割り当てたり、優先順位を変更したりと、適切でスピーディーな対応が可能です。
タスクの進捗状況を更新しやすい環境を整えたり、更新ルールを統一したりするなどして、リアルタイムで情報共有ができるようにしましょう。
⑥タスクの情報共有と調整
進捗管理を見える化すれば、誰でもほかのメンバーの状況を確認できます。タスクが最新の状態に更新されていれば、遅延が生じているタスクがひと目でわかるため、チーム内で迅速に情報共有して対処しましょう。
ミスやトラブルが生じた際は、問題点を洗い出したり、進捗管理表を確認して手の空いているメンバーにタスクを振り分けたりして、その都度調整することが大切です。
進捗管理の見える化をエクセルで作成する方法
普段から業務でエクセルを使用している企業であれば、コストをかけずにすぐに進捗管理の見える化に着手できます。具体的な方法としては、ガントチャートの活用があります。
ガントチャートとは棒グラフを用いた表のことで、縦軸にはタスクの種類や担当者、横軸には日程や進捗率を記載するのが大きな特徴です。ガントチャートを一から作成するには専門的な知識が必要なため、進捗管理に適したテンプレートを使用するとよいでしょう。
たとえばマネーフォワードクラウドの無料テンプレートの場合、次のようにタスクや日程を設定できます。
細かい設定は、次の「設定」のシートタブで編集できます。
担当者を色で区別したり、ステータス表示の設定をしたりと、プロジェクトに合わせて自由に変更することが可能です。
進捗管理の見える化に役立つエクセルテンプレート
進捗管理を見える化する際には、無料でダウンロードできるエクセルのテンプレートを使用するのがおすすめです。一から作成するのに比べて手間がかからず、ダウンロードすればすぐに進捗管理に活用できます。
マネーフォワードクラウドでは「進捗管理」と「ガントチャート」の無料テンプレートをご用意しております。ご自由にダウンロードしていただけますので、ぜひお気軽にご利用ください。
進捗管理の見える化がうまくいかない原因
進捗管理の見える化がうまくいかない原因は、次の4つが考えられます。
- タスクの洗い出し・優先順位が不十分
- 情報共有がされていない
- 更新漏れにより最新の情報がつかめない
- 計画と実態に差異がある
それぞれについて解説します。
タスクの洗い出し・優先順位が不十分
タスクを洗い出す際に、優先順位が曖昧なまま計画を立てると、適切な進捗管理が難しくなります。「Aのタスクが終了しないとBのタスクを開始できない」というようにタスク同士が紐付いている場合、優先順位の設定が不十分だと現場に混乱が生じる可能性があるでしょう。
現場が混乱すれば計画通りにプロジェクトが進まず、進捗管理を見える化したとしてもうまく機能しません。タスク同士の関係を整理して、優先順位を明確にすることが大切です。
情報共有がされていない
メンバー間での情報共有ができていないと、問題なくプロジェクトが進行しているように見えていても、あとからミスや遅延が発覚する恐れがあります。たとえば、タスクを完了とする基準が曖昧だと、「完了」と報告されているタスクが実は「完了の基準を満たしていなかった」という事態が起こりかねません。
ステータスの判断基準を明確に示して共有し、タスクの漏れがないように注意しましょう。
更新漏れにより最新の情報がつかめない
せっかく進捗管理を見える化するための仕組みを整えても、更新漏れがあるとうまく機能しません。
最新の情報を共有できる状態になっていなければ、タスクの遅延などのトラブルを見落とす可能性があります。そのままにしておくと、適切なフォローやサポートがないままプロジェクトが進行する恐れがあります。
更新のルールを統一してメンバー間で共有し、常に最新の進捗状況がわかるようにしておきましょう。定期的に進捗状況の共有の場を設定し、最新の状態になっているかを確認することも大切です。
計画と実態に差異がある
進捗管理表を作成しても、計画と実態に差異がある状況ではプロジェクトが予定通りに進行できない可能性が高いでしょう。実際の作業時間が大幅に超過したり、途中で予算が不足したりする恐れがあります。
進捗管理の見える化が適切に機能するためには、現状を理解して、想定されるトラブルなども踏まえて計画を立てることが大切です。
進捗管理の見える化を成功させるコツ
進捗管理の見える化を成功させるコツは、次の3つです。
- 進捗状況の更新を習慣化する
- タスクを細分化する
- チェックをこまめに実施する
それぞれについて解説します。
進捗状況の更新を習慣化する
進捗管理の見える化は、常に最新の進捗状況がわかることが重要なため、メンバー全員が更新を習慣化することが大切です。
たとえば、スマートフォンからでもアクセスが可能な進捗管理ツールを導入したり、オンラインストレージに進捗管理表を保存したりして、時間や場所を問わずに更新できる仕組みを整えるのも方法のひとつです。「始業時と終業時には必ず進捗管理表を確認して更新する」といったルールを決めるのもよいでしょう。
タスクを細分化する
タスクは誰が見ても具体的なアクションがわかるレベルまで細分化して洗い出すことが大切です。大きいタスクを小さい単位に分割することで、進捗状況をより詳細に把握でき、トラブルが発生した際もほかのメンバーがフォローしやすくなります。
また、タスクを細分化してやるべき作業内容や完了の基準を明確にすることで、担当者による質のばらつきも防げます。
チェックをこまめに実施する
進捗管理を見える化する仕組みを整えたら、進捗状況が最新の状態になっているかを確認し、プロジェクト全体の状況をこまめにチェックすることが大切です。遅延やトラブルが発生しているタスクはないか、ひとりで多くのタスクを抱えているメンバーはいないかなど、常に全体を俯瞰してチェックしましょう。
こまめにチェックすることで、仮に問題が発生しても迅速に対応できます。プロジェクトを進行しながら必要に応じて進捗管理表の内容を変更していくことで、進捗管理の見える化がうまく機能するようになります。
進捗管理の見える化に役立つツール・選び方
進捗管理ツールは、業務を効率化するためのさまざまな機能を備えているため、エクセルよりも高度な機能を必要とする場合は導入を検討してもよいでしょう。
たとえば、リマインド機能が備わっている進捗管理ツールを使用するなら、タスクの漏れを防ぐことが可能です。また、チャット機能が備わっている進捗管理ツールなら、メンバー間の情報共有が円滑になるでしょう。
進捗管理ツールを選ぶ際には、自社のプロジェクトに必要な機能が備わっているかを確認し、予算内で導入可能かどうかを十分に検討することが大切です。
進捗管理を見える化し、プロジェクトを成功させよう
進捗管理を見える化すれば、業務の優先順位が明確になり、遅延や漏れを防止できます。ミスやトラブルが発生しても、メンバー間でフォローやサポートがしやすくなるため、生産性の向上も期待できます。
進捗管理を見える化する際には、エクセルやスプレッドシート、ホワイトボード、進捗管理ツールなど、いろいろな選択肢があります。案件の規模や内容に応じて自社に合った方法を選択し、プロジェクトを成功させましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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