- 更新日 : 2024年9月11日
業務プロセスとは?なぜ重要?業務フローとの違いや改善手順を解説
業務プロセスとは、企業が業務を達成するための業務の流れのことです。ビジネスプロセスや業務工程などと言い換えられることもあります。
業務プロセスを改善することで、生産性を向上できる点がメリットです。本記事で、業務プロセスを可視化する業務プロセス図の書き方や、改善方法の具体例を紹介します。
目次
業務プロセスとは?
一般的に、業務プロセスとは、日常「業務」の連なりや、「業務」を通じて営利を獲得するまでの流れのことです。会社はさまざまな業務で成り立っています。業務とは商品を営業・販売する仕事、経理の仕事、人事の仕事など、会社内・事業内で発生する仕事のことです。
業務に関する言葉は、業務プロセス以外にもいくつかあります。ここから、業務プロセスの言い換えや、業務フローとの違いを確認していきましょう。
業務プロセスの言い換え
業務プロセスの言い換え表現は、ビジネスプロセスや業務工程などです。いずれも、業務の開始から終了までをひとつの流れとしてとらえている点が共通しています。
また、業務プロセスに関連する用語のひとつがBPRです。BPRはBusiness Process Re-engineeringを略した言葉で、会社の業務内容や業務フローなどを抜本的に変えていくことを指します。
業務プロセスと業務フローとの違い
業務プロセスと混同しやすいビジネス用語が、業務フローです。業務プロセスと業務フローの定義の違いは、会社によって異なることがあります。
全体の業務の流れを業務プロセス、その中の一部の流れを業務フローとするのが、違いのひとつです。また、図で示したものをあえて業務フローと表現することもあります。
なお、状況によって、業務プロセスと業務フローに大きな区別をつけず同じような意味で使うこともあるでしょう。
なぜ業務プロセスの改善が必要なのか
ビジネスにおいて、業務プロセスの改善や見直しが求められることがあります。なぜなら、業務プロセスを改善することが、生産性の向上や経費の削減・IT化などにつながるためです。
たとえば、業務プロセス改善で共通のマニュアルを導入すれば、従業員の質の平準化や作業の漏れ防止につながり、生産性を向上できます。また、業務プロセスを見直して無駄を省けば、経費の削減につながるでしょう。
さらに、業務プロセスを改善することが、ロボットによる業務自動化や電子システムの導入などのIT化のきっかけにもなることもあります。
そのほか、従業員モチベーション向上や労働環境の改善、自社製品・サービスの質を上げる場合などにも、業務プロセスの改善が有効です。
業務プロセスの改善手順
業務プロセスの改善手順は、以下のとおりです。
- 業務プロセスを可視化する
- 改善点や課題を明確にする
- 改善策を検討する
- 改善策を実施し、効果検証を行う
それぞれ解説します。
業務プロセスを可視化する
最初に業務プロセスを可視化することが大切です。可視化することにより、業務プロセスの現状が見えてきます。
可視化には、図を使うことがポイントです。枠や矢印などを使い、業務手順や作業の中身などを書き出していきます。手順や作業内容は、現場でなければわからないこともあるため、担当者へ聞き取りすることも大切です。
以下より無料のテンプレートをダウンロードしていただけますので、ご活用ください。
改善点や課題を明確にする
業務プロセスを可視化したら、その中から改善点や課題を明確にしましょう。課題を把握することにより、何を変えていけばよいかがわかります。
たとえば、可視化や聞き取りで以前より作業に時間がかかっていることが判明すれば、作業時間の改善が課題です。また、理由を突き詰めていけば、「人手不足」「従業員の質のばらつき」といったより細かな課題がわかります。
なお、改善点や課題がいくつもある場合は、解決するメリットや解決までにかかる時間などを考慮した上で、優先順位を決めることも大切です。
改善策を検討する
改善点や課題が明確になったら、具体的な改善策を検討します。「従業員の質のばらつき」であれば共通マニュアルの導入、「人手不足」であれば業務改善システムの導入などが改善策の具体例です。
改善策を立てたら、どのように実施するかもあわせて検討しましょう。実施までのスケジュール、業務プロセスの改善にあてる人員などを決めます。
改善策を実施し、効果検証を行う
検討した改善策を実施していきます。まずは、小規模で効果が出やすそうなものから実施していくとよいでしょう。成功体験を積み重ねれば、従業員のモチベーションアップにもつながります。
また、実施後も効果検証を実施するなど、定期的に改善策を見直すことが大切です。効果がなかった場合は、なぜうまくいかなかったのかを分析しましょう。
業務プロセスを可視化する業務プロセス図の作成方法
「業務プロセスの改善手順」で説明したとおり、業務プロセスの改善には業務プロセスの可視化が欠かせません。作成の意義を十分に理解した上で、図形を使ってわかりやすいフロー図(業務プロセス図)を作成しましょう。
業務プロセス図を作成する際は、記号を使って開始・中間・終了までの流れを示します。判断によって対応が分かれる場合は、分岐を示すことが業務プロセス図作成時のポイントです。
業務プロセス図を作成しても、複雑だったり読みにくかったりすると効果は期待できません。たとえば、業務プロセス図に開始地点が複数ある場合や分岐先が曖昧な場合は、業務の流れが掴みにくくなります。
また、複雑なプロセス図になることを避けるためには、使う記号の数を限定することが大切です。さらに、業務の流れとプロセス図の時系列を一致させるよう心がけた方が、読み手に伝わりやすくなります。
より見やすい業務プロセス図を作成するには、各企業が提供しているツールを使用することもポイントです。ツールを活用すれば、柔軟に図を作成・変更できるため余計な労力や時間をかけずに済むでしょう。
なお、一般的に業務プロセス図の作成にはBPMNを使用します。BPMNとは、Business Process Model and Notation(ビジネスプロセス・モデルと表記法)を略した言葉で、OMG(Object Management group)によって管理されている国際標準の表記のことです。
参考:OMG BUSINESS PROCESS MODEL & NOTATION™(BPMN™)
業務プロセスを効率化するには?
業務プロセス効率化の具体例は、以下のとおりです。
- 適材適所に人員を配置する
- 他社への委託(アウトソーシング)を検討する
- ITツール・システムを導入する
適材適所に人員が配置されていれば、各従業員が能力を発揮しやすくなります。その結果、業務の流れがスムーズになるでしょう。
アウトソーシングを導入すれば、一部の業務を外部の専門企業に委託し、自社の従業員をコア業務に集中させられます。そのため、業務プロセスが効率化してコスト削減にもつながるでしょう。
ITツール・システムを導入すれば、業務プロセスの効率化が進み、従業員が少ないなどの課題も解消できます。業務プロセスの効率化につながるツールやシステムの具体例は、ロボットが単調な作業・ルーティン業務を正確にこなすRPAです。
なお、業務プロセスの効率化につながるツール・システムにはさまざまな種類があります。導入する際は、自社の状況に適したものを取り入れることが重要です。
業務プロセス改善で生産性を向上させる
業務プロセスとは、日常「業務」の連なりや「業務」を通じて営利を獲得するまでの流れを指すことが一般的です。似た意味で、ビジネスプロセスや業務工程、業務フローなどの言葉が使われることもあります。
企業の生産性を向上させるには、業務プロセスの改善が必要です。自社で生産性における課題を抱えている場合は、図解して業務プロセスを可視化した上で、改善策を検討してみてはいかがでしょうか。
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