- 更新日 : 2024年11月27日
週報とは?基本のテンプレート項目と書き方、継続させるコツを紹介
週報とは、業務の進捗状況や成果を週単位で報告する書類のことです。日報が毎日の業務報告を行い、月報が1か月ごとの報告を行うのに対して、週報は週ごとの業務内容を記載する点が異なります。週報は目標の管理や振り返りに役立つのがメリットです。本記事では、業務改善を目指す方に向けて、週報の目的、書き方のポイント、そしてテンプレートも紹介します。
目次
週報とは?
週報とは、1週間の業務内容や進捗状況、成果をまとめた報告書です。日報が日々の業務を詳細に記録するのに対し、週報は1週間を振り返り、業務の進捗や課題、改善点などを報告します。
月報は1ヶ月間の業務内容を総括するのに対し、週報は短いスパンで業務の状況を確認できるのが特徴です。週報を活用すると、チームメンバーの業務状況を把握し、課題解決や業務改善につなげられます。
週報の目的
週報を書く主な目的は、業務の進捗状況を報告し、問題点を早期に発見する点にあります。また、振り返りを通じて業務改善を図り、目標達成に向けた管理を行うことも重要です。さらに、情報やナレッジを共有すると、チーム全体の効率化を促進し、パフォーマンス向上につなげられます。
本項では、週報の目的を4つ紹介します。
進捗状況の報告
週報の中心的な目的は、業務の進捗状況を報告することです。各メンバーの進捗を共有し、プロジェクト全体の状況を可視化すると、遅延や課題を早期に特定し、適切な対策を取れるようになります。
また、週報での進捗報告を通じて、メンバー間の連携を強化でき、チームとしての一体感を高めることにも役立ちます。定期的な報告により、お互いの業務内容や負荷を理解し合い、必要に応じて協力し合える関係性を構築できるでしょう。
振り返りによる業務改善
週報は、過去の業務を振り返り、改善点を洗い出すためのツールでもあります。自身の業務プロセスを見直し、無駄な作業や非効率な部分を特定すると、業務の効率化や品質向上を図れます。
また、改善策を明確にし、次週以降の業務に反映させる点も重要です。振り返りによる継続的な改善を行えると、個人のスキルアップにつながるだけでなく、チーム全体のパフォーマンス向上にも寄与します。
目標の管理
週報により、目標の進捗状況を管理し、達成度を確認できます。個人やチームの目標を明確に記載し、定期的に達成状況を評価すると、目標に向けたアクションプランを適宜修正し、軌道修正を行うことが可能です。
また、目標管理を通じて、メンバーのモチベーションを維持し、高い成果を引き出すことにも役立ちます。達成状況を可視化し、適切なフィードバックを行うと、メンバーのやる気を喚起し、自発的な行動を促せるでしょう。
情報やナレッジの共有
週報は、チーム内の情報やナレッジを共有するための重要なツールです。メンバーが獲得した知見や情報を共有すると、チーム全体の知識レベルを向上させ、問題解決のヒントや新しいアイデアを得られます。
さらに、ナレッジ共有を促進すると、チームの専門性を高め、業務の効率化を図ることも可能です。特に、新しいメンバーが加わった際には、週報を通じて過去の情報を伝達して、スムーズなオンボーディングを実現できます。
週報の基本テンプレート項目・書き方の例
週報を作成する際には、基本的なテンプレートを理解しておくと、効率的に作業を進められます。
下記の内容を参考にし具体的に記載しましょう。
- 計画と目標
- 業務内容
- 進捗状況や成果
- 振り返りや課題点
- 次週の計画や目標
本項では、週報の基本テンプレート項目・書き方の例を解説します。具体例を挙げながら説明するため、書き方の参考にしてください。
計画と目標
週報の冒頭には、その週の計画と目標を明記します。目標は具体的で測定可能な内容にする点が重要です。例えば「新規顧客を5社開拓する」や「プロジェクトのフェーズ1を完了させる」といった具体的な目標を設定しましょう。
目標を明確にすると、業務の進捗状況を客観的に把握できます。また、週末に目標の達成度を評価することで、次週以降の計画や目標設定につなげられます。
業務内容
業務内容の項目では、実際に行った仕事の詳細を記載します。箇条書きでシンプルに表現することで、読み手にとって理解しやすくなります。具体的には、以下のような書き方です。
- A社との打ち合わせを実施し、新規プロジェクトの提案を行った
- Bシステムの不具合を修正し、正常動作を確認した
- C部署との連携により、イベントの準備を進めた
特に、重要な業務や問題が発生した場合は、詳細を記載することで、上司や同僚への報告にも役立ちます。
進捗状況や成果
進捗状況や成果の項目では、目標に対する達成度を評価します。記載する際に、数値や具体例を用いると、進捗状況を明確に伝えられます。例えば「新規顧客開拓の目標に対し、3社と商談を行い、1社と契約締結に至った」といった表現です。
さらに、達成した成果を記載すると、自身のモチベーションを高められます。また、上司からの評価や フィードバックを得る機会にもなるため、積極的に成果をアピールしましょう。
振り返りや課題点
振り返りや課題点の項目では、週の業務を振り返り、良かった点や改善が必要な点を明確にします。課題点については、具体的な内容と次週以降の改善策を記載しておきましょう。
「A社との商談では提案内容が不十分であり、次回はよりニーズに合わせた提案を行う」といった振り返りが考えられます。
課題点を明確にし、改善策を立てると、業務の質を向上できるでしょう。
次週の計画や目標
次週の計画や目標を記載します。具体的なアクションプランを設定することで、業務をスムーズに進められます。目標については、前週の振り返りを踏まえ、達成可能な内容を設定することが重要です。
計画は「先週の課題を踏まえ、A社との商談では事前にニーズを深堀りし、提案内容を充実させる」といった記載をしましょう。また「B社とのシステム導入プロジェクトをフェーズ2まで進める」といった目標設定も有効です。
次週の計画や目標を明確にすると、業務に対するモチベーションを高められます。
週報を上手に書くためのポイント
週報を上手に書くためには、業務内容はもちろん次週の目標や進捗、改善案を記載する必要があります。事実を書くだけだと、どのような行動につなげるべきかや現状の進捗がわからないためです。
また、業務において気づいたポイントを記載しておくと、後で見直した際に仕事のやり方を改善できるようになります。
本項では、週報を上手に書くためのポイントを解説します。
業務内容だけでなく目標や進捗、改善案を書く
週報を書く際には、単に業務内容を羅列するだけでなく、目標や進捗状況、改善案を含める点が重要です。具体的な目標を設定し、達成度を評価して、業務の方向性を明確にできます。
また、業務の進捗状況を詳細に記載し「どのような課題があり、どのように改善すべきか」を具体的に示すと、上司や同僚との情報共有が円滑になります。
数字や日付を用いて具体的に書く
週報には、数字や日付を用いて具体的に記述することが重要です。定量的なデータを活用すると、進捗状況や成果を客観的に評価できます。
また、日付を明記することで、業務のタイムラインを把握しやすくなります。「6月1日に A社との打ち合わせを実施し、6月5日までに提案書を提出した」といった内容です。具体的な日付を記載すると、業務の流れを理解しやすくなります。
5W3Hを意識して伝わりやすい文章にする
週報を書く際には、下記のように5W3Hを意識して、読み手に伝わりやすい文章を心掛ける点が重要です。
5W3H | 具体例 |
---|---|
誰が(Who) | マーケティング部の山田 |
何を(What) | 新商品のプロモーション施策を実施 |
いつ(When) | 6月1日 |
どこで(Where) | 東京支社 |
なぜ(Why) | 商品の購買につなげるため |
どのように(How) | 広告を打つ |
どのくらい(How many) | 1ユーザーにつき週に3回表示 |
いくら(How much) | 30万円の予算 |
上記のように5W1Hを意識することで、目標や行動が明確になります。
読み手が情報を簡単に理解し、適切に対応できるような週報を作成しましょう。
業務に関する気づきを取り入れる
週報には、日々の業務から得た気づきや学びを取り入れる点が重要です。業務を遂行する中で、改善点や新しいアイデアを見つけられるでしょう。それらの気づきを週報に具体的に記載し、改善策を提案することで、業務の効率化や品質向上につなげられます。
例えば「顧客対応の際に、よくある質問をまとめたFAQを作成することで、対応時間を短縮できると感じた」といった気づきを週報に記載しましょう。その後に「実際にFAQを作成する」といった行動につなげると、業務改善につながります。
週報を継続させるコツ
週報を効果的に活用するためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。業務内容だけでなく、目標や進捗状況、改善案を盛り込むことで、より実践的な内容になります。また、数字や日付を用いて具体的に記述し、5W3Hを意識した伝わりやすい文章を心掛けましょう。
さらに、業務に関する気づきを積極的に取り入れることで、次週以降の業務改善に役立てられます。
週報に書くことを忘れないようメモを取る
週報を効果的に活用するためには、日々の業務の中で気づきや進捗状況をメモしておくことが重要です。会議中やタスクを遂行している最中に、重要なポイントをその場でメモするようにしましょう。
具体的には、数字を用いて進捗状況を記録したり、課題や改善案をキーワードで書き留めたりすることで、週報を作成する際の手間を削減できます。デジタルツールを活用してメモを整理すると、週報に必要な情報を効率的に集約できるでしょう。
週報に対するリアクションを習慣づける
週報を提出して終わりではなく、上司や同僚からのフィードバックをすることで、週報の質を向上させられます。週報が提出された後は、積極的にフィードバックをして、改善点や良かった点をコメントしましょう。
フィードバックを受けた内容は、次週以降の業務に反映させるように伝えてください。課題解決に向けた行動を起こしたり、良い点をさらに伸ばしたりすることで、業務の質を高められます。
作業日報のテンプレート(無料)
日報のテンプレートになりますが、以下より無料でダウンロードしていただけますので、ご活用ください。
週報の書き方を理解して、業務の振り返りと改善につなげよう
週報は、業務の進捗状況を報告し、課題を明確にして改善につなげるためのツールです。基本的な書き方を理解して、継続すると、自身のスキルアップやチームでの成果につながります。
自分の業務を振り返り、上司や同僚とコミュニケーションを取ることで、個人の成長とチームの発展につなげていきましょう。週報の書き方を理解して、業務の効率化や質の向上を目指し、仕事におけるパフォーマンスアップのカギとなるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
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