• 更新日 : 2024年8月23日

ロードマップとは?ビジネスでの意味や作成手順を7つのステップで解説

ビジネスにおけるロードマップは、プロジェクトの全体把握やタスクを遂行するうえでの道標となるものです。プロジェクトがスムーズに進行しない場合、ロードマップを作成することで改善できる可能性があります。

本記事ではロードマップの重要性から作成方法、そしておすすめの管理ツールも解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

ロードマップとは?

ビジネスのプロジェクトにおけるロードマップは、プロジェクトの計画と進捗を視覚的に示すための指標です。プロジェクト全体を段階的に進行させるための計画や方針を示し、関係者がプロジェクトの全体像を理解しやすくするために使用されます。

ロードマップにはプロジェクトの目標、タスクの内容、タスク期日、タスク担当者などの情報が盛り込まれ、メンバー間で進捗を管理することで、プロジェクトを成功に導くための重要な役割を果たします。

ロードマップが利用される場面

ロードマップは、社内の目標や戦略に基づいてプロジェクトの計画を策定する際に使用されます。フェーズごとに図でわかりやすく組織成長のプロセスを明示することで、直感的に理解してもらえるようなものが理想です。

また、ロードマップは、ステークホルダーに対してプロジェクトの進捗や方向性を視覚的に伝える手段としても利用されます。関係者がプロジェクト全体の概要を理解しやすくし、協力し合える環境を整えます。

ロードマップが不要な場合もあります。優先度の低いタスクがまとまった業務や短期プロジェクトにおいては、ロードマップを作成するよりWBS(作業分解構造図)を作成し、すぐにアクションを取れるような管理をすべきでしょう。ロードマップを作成すべきタイミングを見極めることも重要です。

ロードマップとマイルストーンの違い

ロードマップと類似する概念に、マイルストーンがあります。マイルストーンはプロジェクトの進捗を示す重要なポイントまたはイベントを指します。ビジネスにおけるマイルストーンとして一般的なのは、特定のタスクやフェーズの完了、特定の成果物の達成などです。

ロードマップがプロジェクトの計画と進捗の全体像を提示するものである一方、マイルストーンは具体的な成果物やイベントに焦点を当ててプロジェクトの進捗を測定するための基準となるものです。どちらも目標やゴールに沿って適切に設定することが、プロジェクトの成功に不可欠といえるでしょう。

ロードマップの種類

ロードマップには、「プロジェクトロードマップ」と「プロダクトロードマップ」の2種類があります。それぞれの特徴を確認し、ロードマップを作成する際の参考にしてみてください。

プロジェクトロードマップ

プロジェクトロードマップは、ビジネスや組織が特定の目標や戦略を達成するための計画や方針を視覚的に示す指標です。プロジェクトの目標と全体像を把握し、一貫性を保ちつつプロジェクトを進める基盤となります。

一般的に「ロードマップ」と呼ばれるのは、プロジェクトロードマップを指していることが多いでしょう。

プロダクトロードマップ

プロダクトロードマップは、企業の製品やサービス開発、改良、展開に関する計画や戦略を視覚的に示す指標です。製品やサービスの開発に限定したロードマップのことで、タスクの粒度も細かく設定される場合が多いです。

具体的には、プロダクトの方向性をはじめ、製品リリースの各サイクルにおける新しい機能の導入、改良、バグ修正などを含み、プロダクトの進化を段階的に示します。製品やサービスの開発段階で有効な基盤となる指標といえるでしょう。

ロードマップを作成するメリット

ロードマップの作成は、プロジェクトの進行や製品開発においてさまざまなメリットがあります。詳しく見ていきましょう。

プロジェクトの目的が明確になる

プロジェクトの目的が明確になることで、期限通りにプロジェクトを遂行できたり、ミスの防止につながったりなど生産性の向上が期待できます。また、プロジェクトの目的が組織やチームに伝わることで、メンバーのモチベーションが低下することなく作業を進められるでしょう。

行動計画が具体的になる

ロードマップを作成することで、タスクレベルの行動が明確になります。行動計画を立てる際も、タスクの内容やリソース、タスク期限を漏れなく具体化しやすく、プロジェクトの進行をスムーズに行えるでしょう。

メンバー内で情報が共有できる

メンバー内で情報を共有できる点も大きなメリットです。プロジェクトにおいて情報の相違があると、コミュニケーションに齟齬が生まれ、コストがかかってしまいます。ロードマップを作成しておくことで、正しい情報を共有しながらプロジェクトを進められます。

また、タスクの変更や修正が必要な場合でも、すぐにメンバー内に共有し、プロジェクトの軌道修正が図れます。

ロードマップ作成の7つのステップ

ここからは実際に、ロードマップを作成する手順について紹介します。ロードマップを初めて作成する方は、必見の内容です。

①まずは目標を決める

最初に、プロジェクトの目標およびゴールを定める必要があります。メンバー全員に理解してもらえるような具体性があり、達成可能な目標を設定しましょう。

目標を設定するうえで、現状を分析することも重要です。例えば、売上を目標にする場合は、売上を上げるためにボトルネックとなっている課題や改善点を洗い出しましょう。現状を正しく把握することが、共感される目標設定につながります。

②目標達成までの期間を決める

目標を決定したのちに、スケジューリングする段階に入ります。最終的な目標を設定する過程に中間目標や短期目標などのマイルストーンを設定することが大切です。特にプロジェクトの規模が大きい場合には、マイルストーンを設定し、プロジェクトの進捗をスムーズに行うことが求められます。

③現状を把握する

目標設定および達成までの期間を決定したのちに、現状との差を把握しましょう。リソースや目標に対する数値的な乖離を洗い出すことで、プロジェクトを進行するうえでどの部分を重要視すべきかの見極めができ、プロジェクトの成功や目標の達成につながります。

④問題点・リスクを考える

プロジェクトの開始以降で発生する可能性のある問題点やリスクを事前に予測しておくことも重要です。目標や期限、タスク内容に相違がないかをメンバー全員で確かめ合いながら、ロードマップを作成しましょう。

⑤課題と解決策を考える

プロジェクトの開始までに解決すべき課題およびその解決策についても考えておくべきでしょう。実際に特定の課題に直面していない段階でも、事前に解決策まで導いておくことで、スムーズにタスクを進められます。

⑥ロードマップを可視化する

ロードマップを可視化する段階では、ここまでの決定事項を漏れなく正確に盛り込むことが大切です。外部の関係者が見ても理解できるよう、図やチャートなどを効果的に使用しましょう。

⑦プロジェクトのメンバーに周知・共有する

最後に、ロードマップ全体をプロジェクトメンバーに共有し、各メンバーが役割と責任を理解し協力できるようにします。明確なコミュニケーションがプロジェクトの成功を後押ししてくれるでしょう。

メンバーから変更や修正に関する意見が出た場合は、一度メンバー全員で話し合う時間を作り、必要に応じて、ロードマップに変更を反映させていくことが大切です。

 

見やすいロードマップを作成するツールやコツ

ロードマップを作成するのに時間がかかってしまうと、コア業務に悪影響を及ぼします。そこで本章では、ロードマップの作成に役立つコツや効率化を促すツールについて紹介します。

Microsoft(エクセル、パワーポイント)

ExcelとPowerPointは、プロジェクトロードマップの作成に広く使用されています。Excelはセルや列を自由に編集でき、複数のシートを利用してプロジェクトの複雑な詳細情報やデータを統合できます。また、多彩なグラフやチャートの作成が可能で、プロジェクトの進捗やリソースの可視化に優れています。

PowerPointは、プロジェクトロードマップを視覚的に示すのに適したツールです。スライドや図形を使って、わかりやすく聞き手に図示できます。またデザインのテンプレートを活用することで、質の高いロードマップを効率よく作成可能です。

Trello

Trelloは、カード、リスト、ボードなどの形式でタスク管理が可能で、初心者でもわかりやすいUIが特徴のツールです。カンバンボードでタスクやプロジェクトの進捗を素早く把握でき、わかりやすく可視化しながらプロジェクトを進められるでしょう。

タスクの粒度が細かい場合においても管理しやすいため、非IT系企業にとっておすすめのツールです。

Lychee Redmine

Lychee Redmineも優れたプロジェクト管理ツールの一つです。複数のプロジェクトの管理をサポートするプロジェクトレポート機能や、進捗状況の可視化に優れたデザイン性が魅力的です。

また、メンバー間の稼働状況や負荷の把握も可能で、管理者のみならず、タスクに関わるメンバーにとっても、使用する意義のあるツールといえます。

ロードマップを作成する際の注意点

ここでは、ロードマップを作成するときの注意点を解説します。

タスクを細かく設定しすぎない

ロードマップはタスク管理を目的としたものではないため、細かくタスクの詳細を記載することは避けるべきです。プロジェクトの全体像が把握できるように、タスクの要点だけを記載したり、メインタスクのみを明示したりする必要があります。

定量的な評価を怠らない

ロードマップの進捗において確認や評価をする際には、定量的に行うことがポイントです。プロジェクトの管理は、関わるステークホルダー全員が客観的に評価できるような仕組みでなければなりません。定量的に評価できるよう、数値目標を設定し、プロジェクトを正しく管理することが大切です。

価値のあるロードマップを作成しましょう!

ビジネスにおけるロードマップについて解説しました。正しい手順でロードマップを作成することで、プロジェクトの進行を効果的に進めることが可能です。ロードマップ作成の時間が取れない方は、管理ツールの導入を検討するとよいでしょう。


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