• 更新日 : 2024年9月4日

振り返りフレームワークとは?仕事で使える9選、無料テンプレートも

どのようなビジネスにおいても、取り組んだ内容を適切に振り返ることは大切です。

振り返りの重要性を理解しているにもかかわらず、「今回はうまくいかなかったから次は気をつけよう」といった、形式的な振り返りにとどまる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、仕事の振り返りに役立つフレームワーク9選と、おすすめの無料テンプレートを紹介します。

振り返りのフレームワークとは?

振り返りフレームワークとは、個人やチームが過去の活動やプロジェクトを評価し、学びを得て改善策を見つけるための体系的な方法です。

フレームワークを活用することで、課題の明確化や振り返り作業時間の短縮など、さまざまな効果が期待できます。

自ら新たに振り返りの方法を模索するよりも、先人たちが作り上げてきた既存のフレームワークを活用したほうが効率的に成果をあげることができるでしょう。

振り返りフレームワークを仕事で使う際のポイント

フレームワークを使って仕事の振り返りを行う際は、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 次回の仕事に繋がるよう意識する
  • 改善点があったら必ず実行する
  • チームメンバーの意見を尊重する
  • 失敗した人を責めない

それぞれのポイントを解説します。

次回の仕事に繋がるよう意識する

仕事の振り返りをする際には、次回の仕事に繋がるよう意識することがポイントです。

悪かった点や課題点をただ振り返るだけでは、今後の仕事でどのように改善していくのか、具体的に何を学んだのかまで把握できず効果的とはいえません。

成し遂げた目標と未達成の目標を明らかにし、次回の仕事に活かすことが目的であることを忘れないようにしましょう。

改善点があったら必ず実行する

振り返りにおいて改善点があれば、必ず実際の行動に移すことが重要です。

反省点や改善点を見つけたものの実行せず、満足して終わっているような状態では意味がありません。

また改善点をそのまま放置してしまうと、過去の失敗から学ぶことができず、同じミスを繰り返してしまう恐れがあります。

したがって、振り返りで見つけた改善点を具体的なアクションプランに落とし込み、実行に移すことが求められます。

チームメンバーの意見を尊重する

振り返りを行う際は、チームメンバーの意見を尊重するようにしましょう。

チームメンバーの意見を尊重しないと、チーム内の信頼関係が崩れてしまう可能性があるだけでなく、チームメンバー自らが意見を発しなくなり、異なる意見や視点が反映されない環境が生まれてしまいます。

反対意見だからといって拒絶するのではなく、メンバー全員が意見を尊重し合い、異なる意見を積極的に受け入れることでチーム全体の問題解決能力が高まります。

失敗した人を責めない

仕事の振り返りにおいて、失敗した人を責めてはなりません。

なぜなら、仕事の振り返りは次回の仕事をスムーズに進めるためのものであって、個人を吊し上げる場ではないためです。

失敗を非難すると、チームメンバーはミスを隠すようになり、率直なコミュニケーションが難しくなります。

失敗した人を追求するのではなく、チーム全体で失敗を共有し合い、どのようにして今後同じ課題を克服していくかを探求することが重要です。

振り返りの無料テンプレート

マネーフォワード クラウドでは、振り返りの無料テンプレートをご用意しております。ご自由にダウンロードしていただけますので、ぜひお気軽にご利用ください。

仕事で使える振り返りフレームワーク9選

仕事の振り返りに最適なフレームワークは以下の9つです。

  • PDCA
  • KPT
  • YWT
  • タイムライン
  • 4行日記
  • KPTA
  • ワールドカフェ
  • FDL
  • Star fish

各フレームワークの特徴についてみていきましょう。

PDCA

PDCAは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Act(改善)」という4つのステップを継続的に繰り返すフレームワークで、業種業界を問わずビジネスで幅広く用いられています。

PCDAを実施する際は、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • Plan(計画):目標やゴールを設定し、定量的な内容に落とし込む
  • Do(実行):計画に基づいて、目標に向けたアクションを行う
  • Check(評価):実行した結果に対して目標達成度を分析する
  • Act(改善):評価を受け反省や改善策を検討し、次の計画に反映させる

上記のサイクルを繰り返すことで、業務の継続的な改善を目指せます。

KPT

KPTは、「Keep(継続)」「Problem(問題点)」「Try(挑戦)」の頭文字をとったもので、振り返りに必要な3つの観点をまとめたシンプルなフレームワークです。

KPTに取り組む際のポイントは、以下のとおりです。

  • Keep(継続):よかったこと / 今後も続けたいことを洗い出す
  • Problem(問題点):うまくいかなかったこと / 課題点を洗い出す
  • Try(挑戦):特定した問題点に対して今後実施すること決める

仕事においてよかった点と悪かった点を明らかにし、次回の仕事に向けた具体的なアクションプランを立てるのに役立ちます。

YWT

YWTは、「Y(やったこと)」「W(わかったこと)」「T(次にやること)」の頭文字から名付けられた、日本生まれの振り返りのフレームワークです。

YWTを効果的に実施するには、以下のポイントを意識します。

  • Y(やったこと):実際に取り組んだ施策を洗い出す
  • W(わかったこと):やったことから得た気付きを洗い出す
  • T(次にやること):今後どのようなアクションに繋げていくか考える
フレームワークの項目がシンプルなため、個人や小規模なチームでの振り返りに最適です。

タイムライン

タイムラインは、プロジェクトにおける出来事を時系列に並べて振り返るフレームワークです。

タイムラインを上手に活用するためのポイントは、以下のとおりです。

  • タイムラインの作成:振り返りたい期間に起こった主要な出来事を時系列に並べる
  • 重要なイベントの洗い出し:成功した出来事やネガティブな課題など、特筆すべき要素を洗い出す
  • 考察と検討:洗い出したイベントがプロジェクト全体にどのような影響を与えたかを分析し、今後の計画にどのように活かすかを具体的に計画する

時系列で出来事を可視化することによって、過去の出来事がどのように起こったかが一目でわかり、得られた成果や発生した課題に対しての客観的な理解が深まります。

4行日記

4行日記は、「事実」「発見」「教訓」「宣言」の4点を書き出し、毎日の振り返りに役立てるフレームワークです。

以下の観点に基づき、1行あたり20文字程度、4行で80文字程度を目安にして簡潔にまとめます。

  • 事実:今日実際に起きた出来事から1つ選んで書き出す
  • 発見:「事実」から得られた気付きやひらめきを書き出す
  • 教訓:「発見」から学んだことを書き出す
  • 宣言:将来自分がありたい姿を書き出す

4行日記を毎日継続することで、自分のクセや関心事などが明確になり、自分のありたい姿に近づくことができるでしょう。

KPTA

KPTAは、先述したKPTのフレームワークにAction(具体的な行動)の要素を加えた形式です。

KPTとKPTAの主な違いは、KPTが現状の評価と将来の改善を中心に据えるのに対し、KPTAは改善策を実行可能なアクションプランにまで昇華させることを目的としています。

Actionの要素を具体的に設けることで、抽象的な反省や目的からさらに具体的な行動に進展させることが可能です。

ワールドカフェ

ワールドカフェは、カフェのようなリラックスした雰囲気の中で、少人数同士で自由な対話を行うフレームワークです。

各グループで話し合いたいテーマを選び、プロジェクトの振り返りを行いながらグループをローテーションさせ、同様の議論を続けます。

短時間で多くのメンバーから意見や知識を集めることができ、参加者は新たな視点を得られるメリットがあります。

FDL

FDLは、「Fun(楽しかったこと)」「Done(完了したこと)」「Learn(学んだこと)」という3つの視点から振り返りを行うフレームワークです。

FDLを実施するためのポイントは以下のとおりです。

  • Fun(楽しかったこと):仕事で楽しかった経験を振り返る
  • Done(完了したこと):期間中にアウトプットしたタスクや目標を確認する
  • Learn(学んだこと):これらの経験から学んだことを明らかにし、今後の改善に活かす

 

FDLは、他のフレームワークのように問題点を提起することがそれほどありませんので、個人やチームの士気を高めたい場合に適しています。

Star fish

Star fishは、以下5つの項目を書き出し、重要度の高い要素から議論するフレームワークです。
  • Keep Doing:すでに実施していることで効果があり、今後も続けるべきもの
  • More of:すでに実施していることで効果が大きく、今後さらに注力したいもの
  • Less of:実施に労力を割いているが、あまり効果を得られていないもの
  • Stop Doing:効果がなく、いますぐに止めるべきこと
  • Start Doing:新たに実践したいこと

Star fishを用いることで、現在のプロジェクトや業務を細分化して振り返ることができるため、最も大きな課題にアプローチして改善するのに役立ちます。

振り返りフレームワークの無料テンプレート

フレームワークのテンプレートに沿って情報を入力すれば、誰でも簡単に仕事やプロジェクトの振り返りが行えます。

以下では、振り返りに役立つフレームワークの無料テンプレートを紹介します。

振り返りのフレームワークを活用して仕事に役立てよう

この記事では、仕事の振り返りに役立つ9つのフレームワークと、おすすめの無料テンプレートを紹介しました。

仕事の振り返りは、ビジネスパーソンにとって大切な習慣です。

過去の成果と失敗を分析し、次の仕事に活かすことで持続的な成長を遂げられます。

今回紹介した振り返りのフレームワークを試して、自分に合う方法を見つけてください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事