- 更新日 : 2024年8月27日
課題解決能力とは?問題解決力との違いや高める方法を解説
ビジネスシーンでは、業務を進める中で発生した課題に適切に対処する「課題解決能力(課題解決力)が求められます。課題解決力が高い人は、仕事で現れた課題をより素早く、適切な形で解決できるため、生産性アップにつながります。将来の予測が難しいVUCA時代と呼ばれる現代社会において、課題解決力は重要な能力です。
この記事では課題解決力とは何か、求められる背景や課題解決に取り組むステップを解説します。自分だけでなく部下や従業員の課題解決力を高めるコツも掲載しているため、ぜひ参考にしてください。
目次
課題解決能力(課題解決力)とは
課題解決力とは、目標の達成に向けて行動する中で生じる課題を解決していく能力です。会社やチームが目標を定め、達成に向けて仕事に取り組むときには、課題を発見し、解決する作業を繰り返すことになります。特に業務課題の複雑さが増している現代社会において、課題解決力は重要です。
課題解決力が高い人やチームの特徴は、生産性が高く、効率的に仕事を進められることです。高いスキルを持つチームメンバーは、他者のニーズを正確に把握したり、改善に向けて素早く行動できたりするため、顧客満足度も高まります。課題解決力を向上させるためには、一人ひとりの意識とともに、組織自体がスキル習得のために働きかける姿勢が大切です。
課題解決力と問題解決力の違い
課題解決力と問題解決力の違いは、解決すべき事象へのアプローチ方法にあります。課題と問題という言葉の意味そのものに、大きな違いはありません。課題とは、目的を達成するまでに生じる障害やギャップのことです。一方で問題とは、現在発生している解決すべき事柄を言います。
課題解決力は、将来に向けて同じ障害やギャップが発生しないよう仕組みを変えようとする力です。例えば、季節商品がよく売れるシーズンのみ人手が足りない部署の場合、臨時で人を雇うのは、現状を一時的に対処する問題解決方法にあたります。課題解決は、業務で無駄がないか洗い出し、仕事を効率よく進めるためにシステムを変える働きかけです。課題解決力は、困りごとが起こらない仕組みを作る能力と言い換えられ、問題解決力より高いスキルが必要となります。
課題解決力が高い人の特徴
以下は、課題解決力が高い人が持つ3つの特徴です。
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課題解決力が高い人は、物事を整理して考える論理的思考に秀でた人と言えます。冷静に課題を分析し、解決までの道筋を立てることは、課題解決の近道です。
また、解決までに立てた道筋を成功させるPDCAサイクルも、課題解決の手段です。PDCAサイクルでは、課題解決後に評価を行い、さらなる改善に向けた計画を立てます。PDCAサイクルを回すスピードは、課題の早期解決と再発防止にかかわっています。
なお、課題解決に向けて周囲の人を巻き込むコミュニケーションスキルも大切です。一人の知識や情報だけでは解決できない課題も、周囲の人に助言をもらったり協力を仰いだりすることで解決できます。
課題解決力が重要な理由
ビジネスシーンにおいて、課題解決力の重要性が増す背景には、社会の変化が関係しています。ここからは、課題解決力が求められる理由を社会の変化と関連付けながら紹介するため、将来に向けて課題解決力を身に付けたい場合の参考にしましょう。
将来の予測が困難な時代に対応するため
課題解決力が重要な理由の1つが、将来の予測が難しい現代社会に対応するためです。現代社会はVUCA(ブーカ)と呼ばれています。VUCAは、目まぐるしく変わるテクノロジーや気象現象、感染症の状況、地域紛争などにより、少し先の未来であっても変化が予測できない時代を指す言葉です。
ビジネスにおいても不測の事態が起こる可能性が高く、課題解決力が欠かせません。課題解決力を持った人材や組織ならば、社会の変化を察知し、柔軟に対応できます。課題解決力が高い組織は、膨大な情報の中から課題の本質を捉えて行動できる人が多く、複雑な時代でも成長が期待できます。
多様化する社会の課題を解決するため
課題解決力は、多様性を持つ現代社会で課題を解決するために重要な能力です。現代社会は多様性の時代であり、一人ひとりのニーズや価値観が異なります。解決すべき課題も多様かつ複雑になっているため、多角的な視点と広い視野が必要です。
課題解決力の高い人材は、課題解決に向けて周囲の人や専門家と協働できます。また、課題解決力を持った人は、社会課題からアイデアを生み出したり発想を転換したりする能力が高いので、新たなビジネスを創出できます。
課題解決に取り組むステップ
以下は、課題解決に向けて行う4つのステップです。
1 | 課題の把握 |
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課題解決に向けた最初のステップは、課題を認識・顕在化することです。「何をベストな状態とするか」というゴールが明確になると、課題が顕在化しやすく、その後のステップにも取り組みやすくなります。 | |
2 | 原因の究明 |
2つめのステップでは、浮き彫りになった課題の解決に向け、原因を探ります。原因の究明で大切なのは、多くの事象の中で、何が重要な課題なのか情報を整理することです。原因を探るためには、課題の全体像を見極め、どのような事象で構成されているのか分析しましょう。 | |
3 | 解決策の提示 |
解決策を考えるときは、なるべく具体的な数字や手法、解決のアイデアを出してから、方針を考えます。解決策の基本方針が決まったら、関係する人や部署に実現可能か確認することも大切です。また、複数の解決策がある場合は優先順位を付けておくと、限りある時間や資源の中で効率的に課題解決が図れます。 | |
4 | 課題解決のための行動・評価 |
解決策が決まったら実際に行動するステップです。行動プランは、必要な予算・時間・スケジュール・担当者を明確にします。行動に移した後に大切なのは、PDCAサイクルに基づく評価と改善です。行動がうまくいかない場合は、課題設定や対処法を見直し、新たな改善策・行動プランを作るなど、柔軟に対応します。 |
課題解決力を高める方法
課題解決力は、日頃の心がけやトレーニングによって高められます。ここからは、自分自身の課題解決力向上と、周囲の課題解決力を高める方法を解説するため、実践的な課題解決力を身に付けたいときの参考にしましょう。
自分の課題解決力を高める方法
自分の課題解決力を高めるポイントは、以下の3点です。
自分が担当する仕事や行動について、「なぜそうするのだろう」「どうしてこうなったのだろう」と考えるようにすると、課題が見つかります。業務上の困りごとや失敗は、「なぜ」を考える良い機会です。行動や事象に疑問を持ち、物事を構造的に捉えられると、課題発見力の向上につながります。
失敗事例の分析は、課題の発見とともに、解決策を見出すのに役立ちます。課題解決において、成功のための道筋を立てる能力は重要です。失敗した案件の流れや失敗原因を分析しておくと、解決策を打ち出す力が高まります。
課題解決力の高い人は、物事を多角的に捉え、深掘りするのが得意です。課題解決力の高い人の意見を取り入れると、視野が広がり、自分では見つけられなかった要因や解決策を見出せる可能性があります。 |
部下や従業員の課題解決力を高める方法
部下などほかの社員の課題解決力を高める方法は、以下の3点です。
研修は、組織全体の課題解決力を高める方法として適しています。研修で学ぶのは、課題解決スキルを身に付けるための考え方やプロセスです。課題解決研修の種類は、管理職向けのマネジメント力を高める研修や、部署向けのトレーニング研修など数多くあるので、自社に合ったものを選びましょう。
目標設定は、課題を発見し、解決策を見出す力を身に付けます。大切なのは、社員自身に目標設定してもらい、達成に向けて取り組むことです。目標と達成率について、社員自身の振り返りとともに、上司によるフィードバックを行うと、問題解決力が向上します。
チャレンジしやすい環境は、課題解決力を高めます。課題解決のためには、ある程度の失敗が必要です。挑戦や失敗を許容する職場は、課題解決に向けた取り組みを実行しやすく、結果的に業務効率化や生産性の向上に貢献します。 |
変化が激しい現代社会において課題解決力は重要
課題解決力は、社会の変化が激しくなり、かつ多様化する現代社会で企業や組織が生き抜いていくために必要な能力です。自分の課題解決力を高めるために、普段から「なぜそうなるのか」を念頭に置いて、失敗事例を分析する癖をつけてください。また、自分より課題解決力が高いほかの社員とこまめに情報共有をするのも大切です。
部下の課題解決力を高めたい場合は、物事にチャレンジしやすい環境を作り、目標設定をして積極的に挑戦してもらうとよいでしょう。また、研修などを活用して課題解決力を磨くのもおすすめです。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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