• 更新日 : 2024年12月12日

ゼロ工程表とは?作成手順や書き方・注意点・無料テンプレートを紹介

ゼロ工程表は、建設や製造の現場で用いられる、作業日だけを記載した工程表の一種です。通常の工程表は全体のスケジュールを把握するのに適していますが、ゼロ工程表は作業が行われる日に焦点を当てるため、各工程の具体的な進行状況や作業負担を明確にできます。

この記事ではゼロ工程表の作成手順や書き方、注意点を解説します。無料テンプレートも紹介しているので、ゼロ工程表を書こうと考えている方はぜひご一読ください。

ゼロ工程表とは

ゼロ工程表の意味の前に、「工程表」と「ゼロ工程」の意味を知っておく必要があります。工程表とは、建築現場などの工事の進捗状況を管理するために、工事計画をまとめた表のことです。ゼロ工程とは、作業がない日を省いて考えられた工程のことを指します。

ゼロ工程表は作業が行われる日だけを表した工程表であり、時間軸がなく、休みの日や作業がない日は記載されないのが大きな特徴です。ゼロ工程表は、以下のような場面で多く利用されます。

  • 特定の工程について詳しいスケジュールを組みたいとき
  • 月間・週間の具体的な作業内容を確認したいとき

ゼロ工程表を見れば、各作業員が自分の担当する作業工程を把握しやすくなるのが大きなメリットです。一方で、工事全体の大まかな日程の把握には不向きなところがデメリットと言えます。

ゼロ工程表の無料テンプレート

ゼロ工程表を自社で1から作ると、時間的なコストや手間がかかってしまいます。ゼロ工程表を手間なくスムーズに作成したい場合は、テンプレートを使用するのがおすすめです。以下のリンク先から無料の工程表テンプレートをダウンロードできるので、ぜひ活用してください。

ゼロ工程表のテンプレートのダウンロードはこちら

ゼロ工程表の作成手順

ゼロ工程表を作成する際には、Excelなどのソフトを活用するとよいでしょう。パソコンでゼロ工程表を作れば、臨機応変な修正や工事関係者間での情報共有がしやすくなります。

以下では、工程表を作るステップについて詳しく解説するので、ゼロ工程表を作成する際の参考にしてください。

施工範囲・施工手順を決める

ゼロ工程表を作成する際には、最初に施工範囲と施工手順を決めることが大切です。現場ごとに施工範囲を決め、適切な手順や方法を考える必要があります。

施工手順は細かな作業内容まで具体的に分けて書き出すことが重要です。作業内容があいまいな場合、ゼロ工程表の作成に必要な要素を満たしているとは言えず、作業開始後に問題が生じる可能性もあります。各作業に必要な資材・設備などがあれば、作業内容と合わせて書き出すとよいでしょう。必要な資材・設備などを明記しておくことで、現場での資材不足といったトラブルを防止できます。

施工期間を決める

施工範囲・施工手順を決めたら、施工期間を設定してください。適切なスケジュールを組むためには、作業が完了するまでの必要期間を検討する必要があります。

工事を受注する際に、顧客から希望納期を提示されるケースも少なくありません。しかし、希望納期に合わせて施工期間を短くしすぎた場合、スケジュールに無理が生じ、ミスや品質低下、事故の発生などにつながる恐れもあるため注意が必要です。対して、納期に対して施工期間が長すぎると、不測の事態が発生した場合に納期に間に合わなくなる可能性があります。

施工期間に適度な余裕があれば、作業員にも余裕が生まれて品質や効率の維持・向上につながります。納期は施工範囲や作業の内容、作業員数などを踏まえて適切に設定し、施工期間も余裕をもって決めましょう。

人員・機材の配分を調整する

施工期間を決めた後は、人員・機材が各工程にどれだけ必要かを考え、配分調整を行います。人員や機材の配分を計画段階で決めておけば、手配をスムーズに行える可能性が高いです。多少のトラブルが発生した場合でも施工期間に大きな影響がなく、納期までにすべての工事が完了するよう、全体の流れを確認しながら余裕を持って配分調整しましょう。

特に、前の工事が終わらないと進められない工事などがある場合、関連性が高い工事のタイミングを考慮することが大切です。また、複数の工事を同時に行う場合は、設備や機械を使うタイミングが被らないように注意してください。

工程表の種類を選んで作成する

工事内容がすべて決まったら、工程表の種類を選びます。工程表の種類によって特徴や強みが異なるので、目的に合わせて選ぶことが大切です。

工程表の代表的な種類と特徴は以下の通りになります。

ガントチャート工程表
縦軸に作業名、横軸に進捗率が記載され、どの作業がどの程度進んでいるかを一目で把握できる工程表です。比較的簡単に作成できるものの、作業間の関連性などの把握は難しい工程表と言えます。
バーチャート工程表
縦軸に作業項目、横軸に作業を実施する予定の日付が記載され、一目で作業スケジュールが把握できる工程表です。ガントチャートと似た様式で比較的簡単に作成でき、工事全体の進捗状況を把握しやすい工程表となっています。ただし、各工程間の関連性の把握は難しいため、作業の進捗管理には向いていません。
グラフ式工程表
グラフ式工程表は、縦軸に進捗、横軸に日付を記載し、進捗具合を曲線で表す工程表です。作業の進捗状況を把握できるガントチャートと、予定や日付を確認できるバーチャートの両方の特徴を合わせ持っています。ただし、ガントチャートやバーチャートに比べて作成の難易度は高いと言えるでしょう。

上記のような特徴の違いから、ゼロ工程表の作成にはガントチャート工程表を用いるケースが多くなっています。

ゼロ工程表の書き方

工程表の種類を決めたら、手書きやデジタルデータなどの手法を決め、実際に作成に取り組みましょう。関係者が少人数の場合や簡単な内容で問題ない場合は、手書きでゼロ工程表を作るのも1つの手です。しかし、編集や共有のしやすさの面から、最近ではデジタルデータでの作成が主流になっています。

ゼロ工程表をデジタルデータで作成する場合の主な作成方法は以下の2種類です。

  • Excelやスプレッドシート

PCを使い慣れていれば作成しやすい点が大きなメリットとなっています。既存のテンプレートや図形、関数、マクロなどを活用することで、時間を短縮しつつ一目で分かりやすいゼロ工程表を作れるでしょう。

  • 工程管理システム

工程表の作成・管理に特化したツールやソフトを活用するのも手段の1つです。自分でテンプレートなどを用意する必要がなく、システムに情報を入力するだけで簡単に工程表を作成できます。クラウドシステムであれば、現場からも工程の修正などをリアルタイムで行える点がメリットの1つです。

工程表を作るときの注意点

ゼロ工程表に限らず、工程表を作る際には、以下のポイントに注意するとよいでしょう。

  • 情報を詰め込みすぎない

工程表には必要事項だけを書き込み、余計な情報は可能な限り省くことが大切です。1つの表でより多くの情報を共有したいと考える人も少なくありませんが、情報を詰め込みすぎると見にくい工程表になり、一番大切な情報が関係者に伝わりにくくなります。ゼロ工程表には、縦軸・横軸の情報と、それに準じる数値やグラフのみを記載しましょう。

  • 期間設定には余裕を持たせる

工事を進めていく中で、何らかのトラブルが生じる可能性はゼロではありません。期間設定がギリギリの場合、1つのアクシデントが工程全体に大きな影響を与えてしまいます。万が一トラブルが生じても納期に間に合うよう、期間設定には余裕を持たせることが大切です。

  • 管理のルールをあらかじめ決めておく

工程表をどのように管理・共有するかといったルールを明確にすることも重要になります。例えば、紙で工程表を作成し、掲示板に貼って共有していた場合、紛失や確認漏れが起こると対応に遅れが生じます。工程表はクラウド型のツールやアプリを使って共有し、誤ってデータを削除するリスクを減らすために編集権限を設定するなど、社内ルールを決めて遵守しましょう。

ゼロ工程表を書くときにはテンプレートを活用しよう

ゼロ工程表はお互いに共有しやすいように、Excelやスプレッドシート、工程管理ツールなどのデジタルツールを使って書くのが基本です。最初に施工範囲と施工手順を詳細に決め、それぞれの工程に応じて余裕を持った施工期間を定めましょう。その上で、人員・機材を配分し、視覚的に分かりやすい工程表の種類を選んで作成してください。一般的にはガントチャート工程表が使われます。

ゼロ工程表を作る際には、テンプレートを用意しておくと便利です。自社にテンプレートがない場合は、各企業が提供している無料のテンプレートを活用するとよいでしょう。


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