• 更新日 : 2024年12月12日

スマホアプリ仕様書のテンプレート・分かりやすい作成方法を解説

スマホアプリの開発現場では、コミュニケーションエラーや仕様変更によって、開発が思うように進まなくなってしまうケースも多々あります。開発をスムーズに進めるためには、プロジェクトの初めに仕様書を作成しておくことがおすすめです。

当記事では、スマホアプリ仕様書の必要性や分かりやすい仕様書を作るためのポイントを解説します。簡単に仕様書を作成できるテンプレートも紹介するので、スマホアプリ開発に関わる方はぜひ参考にしてください。

スマホアプリ開発の仕様書とは?

スマホアプリ開発における仕様書は、開発プロセスの基盤になる文書です。仕様書はアプリの機能や要件、設計の詳細を明確に定義しているので、プロジェクトの進行中に確認することで開発チーム全体が同じ目的を共有できます。アプリについての基本事項が共有できていると、開発中の誤解やコミュニケーション不足を防止でき、作業を効率的に行えます。

また、クライアントやプロジェクトマネージャーとの合意を得やすくする役割も果たし、仕様変更時にも参照できます。アプリの将来的な拡張や保守にも役立ち、プロジェクトの長期的な成功を支える重要な要素です。

仕様書と設計書の違い

スマホアプリ開発における仕様書と設計書は、プロジェクトの異なる段階で使用される文書で、それぞれ役割が異なります。

仕様書は、アプリの機能や動作要件を明確に定義する文書で、何を実現するかを説明します。たとえば、ユーザーがどのような操作を行い、アプリがどのように応答するかなど、アプリ全体の機能的な要件が記載されています。

対して設計書は、仕様書に基づいて具体的にどのように実装するかを技術的に詳細化した文書です。設計書には、システム構造、データベース設計、UI/UXのレイアウトやフロー図などが含まれ、エンジニアが実際に開発を行うための指針となります。

大きな違いとしては、仕様書が「何を作るか」を定義し、設計書が「どのように作るか」を示す役割を持っている点が挙げられます。

スマホアプリ仕様書の無料テンプレート

スマホアプリの仕様書を作成する際は、テンプレートを使用すると記載する内容や項目があらかじめ決まっているため便利です。スマホアプリ仕様書は下記からダウンロードが可能なので、ぜひ活用してください。

スマホアプリ仕様書のテンプレートのダウンロードはこちら

スマホアプリの仕様書の種類

仕様書と一言で言っても、どの段階で作成するか、どのような目的で作成するかによって記載する内容は異なります。ここでは、スマホアプリの仕様書の中でも、作成しておくことで大きなメリットがある3つの仕様書について、役割や内容を解説します。

要求仕様書

要求仕様書は、スマホアプリ開発の初期段階で作成されるドキュメントで、アプリに必要な機能や要件を明確にするためのものです。たとえば、ユーザーがアプリを通じてどのような操作を行いたいか、どのような問題を解決するか、どのような価値を提供するかを詳細に記載します。

要求仕様書を作成する目的は、開発者とクライアントが同じ目標を持ち、誤解やコミュニケーションエラーを防ぐことです。要求仕様書によって、アプリの要件をクライアントやプロジェクトの関係者と共有し、開発チームにアプリが何を達成するべきかを伝える役割を持ちます。また、変更が必要な場合もこの文書を基に話し合いが進められるため、プロジェクトの方向性を確認しやすくなります。

外部仕様書

外部仕様書は、アプリのユーザー視点やシステムとの外部インターフェースに焦点を当てたドキュメントです。具体的には、アプリの画面設計、操作フロー、エラーメッセージや通知などのユーザーが目にする部分や、UI/UXデザインに関連する要素が含まれ、アプリの使いやすさや視覚的な面を定義する重要な資料です。

外部仕様書を作成する目的は、開発者やデザイナーがユーザーが求める体験を具体的に把握できるようにすることです。機能やシステム構造を具体的に決めておくと、ユーザーが直感的にアプリを操作でき、かつ他のシステムともスムーズに連携するように設計が進められます。

詳細仕様書

詳細仕様書は、要求仕様書や外部仕様書をもとに、より具体的な技術的要件を記述した文書です。詳細仕様書では、プログラムの設計やデータベースの構造、アルゴリズム、APIの仕様など、アプリケーションの内部動作に関する詳細な情報がまとめられます。主にエンジニアやプログラマーに向けて作成され、実際の開発プロセスで参照されます。

詳細仕様書を作成しておけば、開発者がコードを書く際に必要な技術的な情報を一元化し、スムーズに開発を進めるための指針を提供できます。これにより、個々のプログラマーが同じ理解を持ち、統一された基準で開発を行えるようになります。ミスや齟齬を防ぎ、プロジェクト全体の効率を高めるために、詳細仕様書は重要な役割を果たします。

分かりやすい仕様書を作るには?

スマホアプリの仕様書を作成する際は、伝わりやすく分かりやすい文書になるように心がける必要があります。ここでは、どのような点に注意して作成すればよいのか、具体的に解説します。

要求事項を詳細に記述する

スマホアプリの仕様書を作成する際、アプリが達成すべき具体的な機能や性能を示す要求事項は詳細に記述しましょう。たとえば、「ユーザーがログインできる機能」だけでなく、「ユーザーがメールアドレスとパスワードでログインでき、3回以上の誤入力でロックがかかる」など、具体的な条件や例外も明記することで、開発チームが明確な理解を持ち、実装に取り組めるようになります。

要求事項があいまいだと、後々の手戻りや修正作業につながるリスクがあります。要求事項を詳細に記述し、漏れや不確定な部分を避けることが、開発プロセス全体を円滑に進めるポイントです。

また、関係者間で共通の認識を持つために、要求事項を簡潔かつ具体的に書くことも重要です。あらかじめ詳細な要求事項を決めておき、プロジェクト全体の方向性を揃えて期待通りのアプリを完成させましょう。

イメージ図や画像を使う

アプリ仕様書にイメージ図や画像を含めることで、テキストだけでは伝えきれない情報を視覚的に補足し、理解を深められます。ユーザーインターフェースの設計やボタンの配置、配色などをテキストのみで説明するのは困難ですが、イメージ図やスクリーンショットを添えると、関係者全員が具体的なビジュアルを基に議論や修正を進めやすくなります。

アプリのデザインやレイアウトが頻繁に変更される可能性がある場合には、バージョン管理を徹底し、最新の情報が反映されるよう注意しましょう。ビジュアルを明確にしておくと、開発の進行をスムーズにし、最終的なアプリの品質向上にもつながります。さらに、開発チームとデザイナー間でのコミュニケーションが円滑になる点もメリットの1つです。

画面遷移のイメージ図を添付する

画面遷移のイメージ図(ワイヤーフレームやフローチャート)を仕様書に添付しておくことで、ユーザーの操作フローやアプリの動作を視覚的に把握できます。画面遷移図とは、ユーザーがアプリ内でどのようなステップを踏んで操作を行うのか、どの画面から次の画面に移動するのかを視覚化するもので、開発者やデザイナーにとって重要な指針です。

ユーザーの操作の流れを具体的に示すと、開発者はシステムの背後にあるロジックを正しく実装できます。また、クライアントや他の関係者と操作性や機能性について話し合い、改善点を見つける際にも、画面遷移図を活用できます。

画面遷移のイメージ図を用いることで、複雑な操作フローやシステム構造をシンプルに説明でき、開発プロセス全体の効率化が図れます。

スマホアプリ仕様書の作成をテンプレートで簡単に

スマホアプリの仕様書は、アプリの機能や要件を詳細に記載した文書であり、開発をスムーズに進めるために必要不可欠です。プロジェクトの進行具合や記載する内容によって「要求仕様書」「外部仕様書」「詳細仕様書」などを使い分け、開発の足がかりにしましょう。

仕様書は要求事項を抜け漏れなく記載し、適宜イメージ図を使うことが大切です。あらかじめ記載する内容やフォーマットが決まっている仕様書テンプレートを使えば、作成の手間を減らせます。スマホアプリの仕様書作成には、テンプレートを活用しましょう。


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