• 更新日 : 2024年7月3日

Garoonとは?特徴や機能、メリットやデメリットを解説

Garoonとは、スケジュール管理やチャット機能など、業務に必要な機能を一手に担ってくれる法人向けグループウェアです。こうした法人向けグループウェアサービス自体はほかにもいくつかあるため、Garoonを利用するメリットについて疑問に思うかもしれません。

この記事ではGaroonの概要から社内での利用用途、料金プラン、メリット・デメリットまで網羅的に紹介します。

Garoonとは?

Garoonとは、サイボウズ株式会社が提供しているグループウェアです。正式名称は「サイボウズ Garoon(ガルーン)」といいます。グループウェアとは、社内での情報共有やコミュニケーション、業務管理などに使用されるツールです。

チャット機能やスケジュール管理機能など、実務に必要な機能がまとめて搭載されているため、Garoonは日々の業務を網羅的にサポートするツールともいえるでしょう。

他のグループウェアとは何が違う?

Garoonには、メッセージ機能やスケジュール・プロジェクト管理、ワークフローなど、グループウェアに求められる基本的な機能が標準搭載されています。

また、Garoonは誰でも使いやすいUI設計となっており、電子アプリに慣れていないベテラン社員から、はじめて法人向けアプリを使用する新入社員まで利用可能です。さらに外部ツールと連携させることで必要な機能を拡張できるため、企業独自のニーズも解消できるでしょう。

こうした「使いやすく」「拡張性が高い」点がGaroonの特徴となります。

サイボウズOfficeとの違い

サイボウズ株式会社では、サイボウズGaroonとは別に「サイボウズOffice」というグループウェアを展開しています。サイボウズGaroonが中堅~大企業向けのグループウェアであるのに対して、サイボウズOfficeは中小企業をターゲットにしていることが特徴です。

サイボウズ Garoonサイボウズ Office
利用人数10人~数万人100人までの組織におすすめ
管理機能大規模組織対応

→細かなアクセス権の設定、アクセスログの取得など

小・中規模組織向け

→少人数組織での利用を前提にしたシンプルな設計

対応言語日英簡繁日本語のみ
拡張性連携できる製品やプラグインが豊富他システムとは連携不可
価格月額800円〜 / 1ユーザー(スタンダードコース)

月額500円 / 1ユーザー

(プレミアムコース)

月額800円 / 1ユーザー

従業員や部署の数、役職などが多く、さまざまな機能が必要な規模の大きな企業であればサイボウズGaroonがおすすめです。しかし、従業員の数があまり多くなく、シンプルな機能だけでもよいという場合は、サイボウズOfficeでも十分業務効率化を実現できるでしょう。

Garoonの特徴

社内や支店同士での情報共有、スケジュール管理を目的に、グループウェアの導入を検討している方もいらっしゃるでしょう。しかし、実際にGaroonがどのように役立つのか、いまいち想像ができないかもしれません。

グループウェアの導入が必要だと感じていても、上層部や担当者へ有用性をアピールできなければ説得は困難です。ここでは、Garoonがもつ特徴とともに、どのような形で業務効率化が実現するのかを紹介します。

社内コミュニケーションの活性化

サイボウズGaroonでは、用途に合わせた複数のチャット機能がひとつのツール内に備えられているため、従業員がコミュニケーションをとりやすい環境を構築できます。

一般的に従業員がコミュニケーションをとる方法としては、メールやビジネス用チャットツールなどが挙げられます。しかし、職場で使用するコミュニケーションアプリが複数あると、連絡の見落としや確認の手間が生じるでしょう。

サイボウズGaroonを導入すれば、これらの機能がひとつのツール内に備えられているため、従業員同士の情報共有や雑談が容易になり、社内コミュニケーションの活性化につながります。

メンバーのスケジュール管理

Garoonでは、メンバーのスケジュールをカレンダー形式で管理することが可能です。メンバーが自身の予定・タスクを入力、登録すると、ユーザーがカレンダーからメンバーの稼働状況・業務量を把握できるようになります。

これにより、業務が集中しているメンバーや逆にタスクに余裕のあるメンバーが可視化されます。それぞれのスケジュールや余力に沿って業務やタスクを振り分けることで、業務効率化へとつながるでしょう。

情報利用に対する権限の管理

Garoonでは、ファイル共有時にファイルへのアクセス権限や運用権限をユーザーごとに設定できます。マーケティング部門にはデータファイルの編集権限を与え、そのデータを利用する営業部門には閲覧権限のみを与えるといった使い方も可能です。

ほかにも機密性の高い情報に対しては上層部のみ閲覧権限を与えるなど、Garoonは情報保護と業務効率化を両立できることも特徴です。

Garoonの機能

それでは、Garoonが備えている機能を具体的に見ていきましょう。Garoonでは、以下の機能が利用できます。

  • ユーザー管理
  • ワークフロー管理
  • コミュニケーション機能
  • 予定管理
  • イントラネット構築

各機能の概要と、どのような場面で役立つのかについて紹介します。

ユーザー管理

Garoonにアクセスしている従業員情報を扱うユーザー管理機能では、階層的な組織を設定できます。「システム本部」→「情報システム部」→「サービスデスク・システム企画」など、社内の組織を階層的に設定し、各組織に所属するメンバーを入力します。

CSVファイルからの読み込みができるため、社員数や部署数の多い企業でも導入時の初期設定が容易です。また、直感的にユーザーの追加、変更、削除の操作ができるため、従業員の増減にも迅速に対応できるでしょう。

従業員が多い企業であっても導入しやすい機能が施されているのは、中堅~大企業向けのサービスならではの特徴となります。

ワークフロー管理

Garoonでは、上司や上層部への申請プロセスを電子化し、ワークフローを統一・管理できるようになります。

たとえば、パソコンやソフトウェアの導入を現場から紙の書類で申請する場合、必要事項を記入し各担当者へ直接提出しなければいけません。この場合、関係者の予定が合わなかったり、上層部の業務が立て込んでいたりすると、現場からの申請が承認されるまでに数週間の期間がかかってしまうでしょう。

Garoonによって申請プロセスを電子化してワークフローを管理することで、承認までの期間を大幅に短縮できます。

コミュニケーション機能

サイボウズGaroonでは、コミュニケーション機能として「メッセージ」「スペース」「掲示板」という3つの機能を利用できます。

メッセージ・宛先の人物のみが閲覧できる機能

・個人への質問や雑談などが主な使用用途

スペース・部署やチームといったグループ単位での活用に適した機能

・チャットだけでなく、ToDo機能によるメンバーのタスク管理も可能

掲示板・全社に向けて情報を発信できる機能

・社内イベントや社長メッセージなど社内全体での共有事項を伝達するのに有効

また、Garoon内からメールの通知を受け取る機能もあります。社内の従業員同士ではGaroonのチャット機能を活用し、社外の取引先相手にはメールでやり取りをしつつ、Garoon内で通知を受け取るといった体制を構築できます。

予定管理

Garoonでは、メンバーの予定やタスクをカレンダー形式で管理できます。

記入された各スケジュールにはコメントを残すこともできるため、ほかのチャット機能を利用せずに、予定やタスクに関するやり取りが可能です。わざわざチャット機能とスケジュールを見比べる必要がなくなるため、効率的なスケジュール調整が可能となります。

ほかにも、スケジュール画面ではメンバーごとに「閲覧」「変更」「追加」「削除」のアクセス権が与えられます。これによりスケジュール表を閲覧、コメントをしている際の誤操作も防げるでしょう。

イントラネット構築

イントラネットとは直訳すると”内部ネットワーク”で、企業内の人のみが利用できるネットワークです。Garoonでは「ポータル」機能が備え付けられており、管理者側の手間や負担を最小限に抑えながら、従業員が活用しやすいイントラネットを構築できます。

また、社内外のシステムやサイトをまとめて表示できる「リンク集」や、全社や部署向けの通達が掲載できる「掲示板」などを、Garoonのトップ画面に表示させることも可能です。さらに外部ツールと連携させることで、データを解析した表やグラフも表示できるようになります。

Garoonの料金プラン

Garoonには自社で管理するサーバーにインストールしてサービスを利用するパッケージ版と、自社でサーバーを構築せずにサービスとして利用するクラウド版の2種類があります。

パッケージ版は、サーバーやデータセンターの管理を自社で実施するため、セキュリティ面をGaroonに依存しないことが特徴です。

一方、クラウド版はサーバーやデータセンターを自社で管理する必要がないため、バージョンアップやバックアップなどもGaroonに任せられます。クラウドへアクセスすればサービスを利用できるため、営業や出張で外出している従業員もアクセスできる点もメリットです。

パッケージ版とクラウド版、それぞれの料金プランについて見ていきましょう。

パッケージ版

パッケージ版ではライセンスを購入し、自社のサーバーへインストールすることでサービスを利用できます。新規でパッケージ版を契約する場合、以下の料金プランとなります。

ユーザー数新規ユーザーライセンス
~50ユーザー600,000円 / 50ユーザー
51〜249ユーザー11,000円 / 1ユーザー
250〜499ユーザー10,000円 / 1ユーザー
500〜999ユーザー9,000円 / 1ユーザー
1,000〜2,499ユーザー8,000円 / 1ユーザー
2,500〜4,999ユーザー7,500円 / 1ユーザー
5,000〜9,999ユーザー要問い合わせ
10,000〜ユーザー

最小ユーザー単位は50人からであり、50人以上になると1ユーザーごとに価格がプラスされます。また、パッケージ版のサイボウズOfficeから、パッケージ版Garoonに乗り換える場合には、新規の契約よりも約30%の割引となります。

パッケージ版のGaroonを利用する際には、上記の費用とは別にハードウェア費やサーバールームなどの費用も発生するため、しっかりと事前に見積もっておきましょう。

クラウド版

パッケージ版はバージョンアップに伴い買い替えが必要なものの、基本的には買い切りのプランとなります。一方で、クラウド版では契約人数に伴う費用を月額、もしくは年額で支払います。

クラウド版のGaroonの料金プランは以下の通りです。

契約人数月額年額
〜300ユーザー845円 / 1ユーザー9,935円 / 1ユーザー
301〜1,000ユーザー800円 / 1ユーザー9,405円 / 1ユーザー
1,001〜3,000ユーザー要問い合わせ
3,001〜ユーザー

仮に契約者の数が1,000人の会社がGaroonを新規契約する場合、パッケージ版とクラウド版ではそれぞれ以下の費用がかかります。

  • パッケージ版:800万円 + 初期費用(ハードウェア費やサーバールームなど)
  • クラウド版:約940万円(年間)

比較してもわかる通り、どちらかが極端に安くなるということはないでしょう。価格だけでなく社内体制なども踏まえて、パッケージ版とクラウド版のどちらを導入するのか検討してみることがおすすめです。

Garoonのメリット

続いて、他のグループウェアサービスにはないGaroon独自のメリットについて見ていきましょう。Garoonのメリットとしては以下の3点が挙げられます。

  • サポートが充実している
  • 連携できる外部システムが100種類以上ある
  • 情報漏洩のリスクが抑えられる

サポートが充実している

Garoonはカスタマーサポートが充実しています。電話やメール、チャット、対面など、利用者のニーズに沿った方法で問い合わせが可能です。

サポートの品質も高く、簡単な操作方法の質問だけでなく、実務における踏み込んだ質問も受け付けています。たとえば「自社で使用しているシステムと連携できるのか」「もっと効率的な使い方はあるのか」などの質問にも回答してもらえるでしょう。

ほかにも管理者向けのセミナーや製品の活用事例、組織改善の手法を紹介するイベントも随時開催しています。販売して終わりではなく、現時点で活用しているユーザーへのサポートも充実していることが、サービスの普及につながっています。

連携できる外部システムが100種類以上ある

Garoonでは、運営会社が同じサイボウズ株式会社である「kintone(キントーン)」をはじめ、さまざまな外部ツールと連携させることが可能です。採用管理システム「HITO Link」や、名刺管理・営業支援サービス「ホットプロファイル」など、別の会社が提供しているサービスでも連結できます。

連携できるサービス数は100種類以上あるため、社内体制や業務上の課題などを踏まえて、適切な機能を追加しましょう。

情報漏洩のリスクが抑えられる

Garoonはセキュリティ面にも力を入れており、不正アクセスやハードウェア障害などへの対策が設けられています。Garoon側のサーバーでは、障害が発生した時に備えて24時間体制で監視が行われており、復旧時の体制も構築されているため安心です。

グループウェアを導入すると、そのツール内で業務のスケジュールや社外秘のデータが保存されたファイルなど、多くの情報を一括して管理できます。これにより業務効率化が実現する一方で、情報漏えい時のリスクも大きくなっているのです。グループウェアサービスを導入する際には、セキュリティ面も慎重に考慮しましょう。

Garoonのデメリット

Garoonのデメリットとしては、以下の項目が挙げられます。導入前にしっかりと把握しておきましょう。

  • 多機能すぎて使いこなせない場合がある
  • 費用と機能のバランスを確保できない場合がある

多機能すぎて使いこなせない場合がある

Garoonにはスケジュール管理やチャット機能、社内申請の電子化など、業務に必要な機能がまとめて設けられています。外部ツールを連携させれば、さらに機能は多くなるでしょう。

一方で、多機能ゆえにすべての機能を使いこなすのが困難な場合もあります。どの機能をどのように使うのか、どの情報をどこに記載するのか、などを社内ルールとして統一しておかなければ、必要な情報へアクセスするのに時間と手間がかかるでしょう。

Garoonを最大限効率的に活用するために、導入前に使用用途やマニュアルを定めておくことが大切です。

費用と機能のバランスを確保できない場合がある

Garoonは利用するユーザー単位で費用を支払わなければいけません。ある程度規模の大きな企業での利用を前提にしているため、サービス利用に伴う出費は大きくなるでしょう。そのため、Garoonを導入してもあまり有効活用できなかった場合、費用対効果が悪くなってしまいます。

導入前にはどのような用途で使用するのか、費用対効果を得られるのかを十分に議論して明確にしておきましょう。

Garoonを導入して業務効率化を実現しよう

Garoonとは、サイボウズ株式会社が提供しているグループウェアサービスです。誰でも使いやすく、多機能、セキュリティ面にも優れているなどの特徴を有しています。
その反面、機能を有効活用できなければ費用対効果は悪くなってしまいます。自分たちが求めている機能や使い方を明確にし、業務効率化を実現できるか議論したうえで、Garoonの導入を検討してみてはいかがでしょうか。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事