• 更新日 : 2025年1月31日

商品提案書とは?無料テンプレート・基本構成を紹介

商品提案書は、企業が新商品を市場に投入する際に作成する資料です。商品提案書は商品がどのような価値を消費者に提供するかを示し、関係者を納得させるための基盤となるものです。そのため提案書では、商品の魅力や特徴を読み手に伝え、ビジネスとして成功することを理解させる書き方が重要になります。

この記事では、商品提案書の基本的な構成や作成に役立つ無料テンプレートを紹介します。また、商品提案書の作成に先立って実施する必要のある市場分析で役立つビジネス・フレームワークについても触れます。商品提案書作成のポイントについて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

商品提案書とは?

商品提案書とは、新しい商品やサービスの開発・提案に使用する書類です。単に商品やサービスを紹介するだけでなく、マーケティング戦略など、商品やサービスの開発から収益化までに必要な情報をまとめたものと言えます。商品提案書は、商品の企画・計画段階で作成される書類であるため、商品企画書・商品計画書と呼ばれることもあります。

商品提案書を作成する目的・理由

商品提案書を作成する目的や理由は、商品の企画から製造、販売へと進む上で、社内での理解と決裁を得ることにあります。会社ではなく、個人的にビジネスを行っている場合、商品提案書を作成する必要性はそれほど高くありません。それは、自分ひとりで商品の企画から製造、販売までを行う場合、商品に関する情報を共有する必要がないためです。

しかし、複数の人が協力して商品の企画から製造、販売までを行う場合、情報共有の重要性は高まります。商品の企画から製造、販売までに関係する人々の理解を得て、決裁者の承認を受けるために、商品提案書は必要となります。

商品提案書の無料テンプレート

商品提案書を作成する際には、テンプレートを使うことがおすすめです。一から商品提案書を作成するのに比べて、テンプレートを活用することで、より品質の高い商品提案書を手軽に作れます。下記のリンクでは、商品提案書のテンプレートを無料で配布しているので、ぜひ参考にしてください。

商品提案書のテンプレートのダウンロードはこちら

商品提案書の基本的な構成

商品提案書には、盛り込んでおきたい項目がある程度決まっています。もちろん、提案したい商品・サービスによっては記載するべき項目は異なりうるものです。ただ、基本的な項目・構成を押さえておくことで、さまざまなタイプの商品提案書の作成に応用できます。

ここでは、商品提案書の基本的な構成・書き方について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

背景と目的

背景と目的は、提案する商品の開発背景や市場における必要性、提案の目的を示す重要な要素です。現状の問題提起を行い、業界動向に基づいた提案内容であることを明確にします。背景と目的を記載する際には、商品提案書を読んだ人が納得できる内容に仕上げることが求められます。背景と目的の段階で納得を得られれば、その後の内容についての理解もスムーズに進むでしょう。

ターゲット

ターゲットは、想定している顧客層や具体的な特徴を明確に示すための要素です。ターゲットに関する記載は、できるだけ具体的で詳細な内容を心がけるべきです。「広く浅く」ではなく、「狭く深く」を意識してターゲットを絞り込むことで、より効果的に顧客層にアプローチできます。

事前に調査を行っている場合、その調査結果から導き出されるターゲット像を商品提案書に盛り込みましょう。調査に基づいた提案を行うことで、内容の実現性・説得力が大幅に向上します。

市場と競合の分析

市場と競合の分析は、商品の市場規模やトレンド、競合商品の分析を通じて提案商品の優位性を示すために必要な要素です。提案書を作成する際には、データ分析や競合調査を実施して、ターゲット市場の動向や競合商品の特徴を把握することが重要です。

例えば、3C分析やSWOT分析などのビジネス・フレームワークを用いると、客観性・整合性のある分析結果を得ることができます。客観的で分かりやすい分析を示すことで、商品提案書を読んだ人から信頼を得ることが可能になります。

商品コンセプトとイメージ

商品コンセプトとイメージは、商品の核となるコンセプトや消費者に伝えるべきイメージを明確にするための要素です。提案する商品が、どのように課題解決を実現できるのか、どのような価値を消費者に提供できるのかを明確にすることが重要です。コンセプトから商品の名称や外観を決めることになるため、企画段階で明確なコンセプトを確定しておく必要があります。

商品の内容と価格設定

商品の内容と価格設定は、商品の具体的な仕様や機能、さらにそれに見合った価格を設定するための要素です。商品の内容を説明する際には、「どのような価値を消費者に提供できるのか」や「競合と比べてどのような点で優れているのか」を意識することが大切です。

商品の価格を低く設定すると、多くの顧客に購入してもらえる可能性が高まりますが、1個あたりの利益が小さくなります。反対に、価格を高く設定すると購入する顧客が限られる一方で、1個あたりの利益は大きくなります。価格設定は感覚で行うのが難しいため、市場調査を綿密に行い、客観的な根拠を基に検討しなければなりません。

販売戦略とプロモーション計画

販売戦略とプロモーション計画は、商品の販売方法やプロモーション(販売促進)の方向性を定め、消費者への具体的なアプローチ方法を示す要素です。どれだけ優れた商品であっても、プロモーションがなければ十分に売れないことが多いです。商品の持つ魅力を生かしながら、適切な販売戦略とプロモーション計画を検討することが求められます。

予算と収支計画

予算と収支計画は、商品の開発から製造、販売にかかるコストや収益の見込みを明確にするための要素です。商品企画の決裁を行う人にとって、予算計画・収支計画は非常に重要なポイントになります。

どれだけのコストがかかり、そのコストをどの程度の期間で回収できるのかを明確にしておかなければ、決裁者の承認を得ることは難しいです。また、単年度の収支だけでなく、長期的な収支計画を立てておくことも欠かせません。

商品提案書の作成に役立つビジネス・フレームワーク3選

商品提案書を作成する際にビジネス・フレームワークを使うことで、アイデアを整理して客観的に分析できます。市場や顧客、自社の状況を正確に理解することで、説得力のある提案が可能です。

ここでは、商品提案書の作成に役立つビジネス・フレームワークとして有名なものを3つ紹介します。

3C分析

3C分析とは、企業戦略の立案や商品企画の際に活用されるフレームワークです。「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の3つの要素を中心に、事業環境を多角的に分析します。この手法により、自社商品の強みや市場でのポジショニングを明確化できます。特に、競合との差別化や顧客ニーズの把握に役立つ点が特徴です。

SWOT分析

SWOT分析とは、企業やプロジェクトの現状を評価するためのフレームワークです。「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」を4象限で整理します。内的要因と外的要因を分けて考えることで、戦略策定に役立ちます。強みを生かし、弱みを補う商品設計を行い、市場環境の機会を掴むことで競争力の高い商品を企画することにつながるでしょう。

バリューチェーン分析

バリューチェーン分析とは、企業の価値創出プロセスを分析するフレームワークです。主活動(製造、販売など)と支援活動(人事、技術など)を分解し、競争優位の源泉を特定します。商品開発においては、製造から販売までのプロセスを見直し、競争優位を最大化する商品の企画に役立てられます。例えば、製造コスト削減や独自技術を生かした価値提案が可能です。

商品提案書を作成して商品開発を成功させよう

商品提案書は、商品の価値を効果的に伝えるための重要なツールであり、適切な構成と内容が求められます。基本的な構成には、ターゲットや市場・競合分析、価格設定などが含まれます。また、提案書作成に先立つ分析ではビジネス・フレームワークを用いることがおすすめです。

商品提案書は単なる書類作成ではなく、戦略的に市場にアプローチするための手段であることを理解しておくことが重要です。適切な構成と情報を盛り込むことで、提案書の効果を最大化できます。


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