• 更新日 : 2023年9月13日

平準化とは?意味や標準化との違い、業務改善の具体策を解説

平準化とは?意味や標準化との違い、業務改善の具体策を解説

業務の平準化という言葉をよく耳にしますが、意味や取り組み方がよく分からないという人も多いのではないでしょうか。平準化と似た言葉に標準化がありますが、2つの言葉の意味は同じではありません。

本記事では、ビジネスシーンで役立つ平準化の意味や業務の平準化を図るための具体策について解説しますので、参考にしてください。

平準化とは?

平準化の読み方は「へいじゅんか」です。平準化にはバラバラの物事を均一化して偏りをなくすという意味があり、英語ではlevelingと表記します。

もともとはロット生産の対義語として、量・品目を均等にばらして生産する「平準化生産」という言葉で使われていました。ここでは近年よく見られるビジネスシーンでの平準化の使い方や、標準化との違いについてご紹介します。

平準化の使い方・例文

ここでは例文をもとに、ビジネスシーンにおける平準化の使い方について見ていきましょう。

  • リソースと作業の処理要求を一致させるため、リソースを平準化する

    例文の意味は、割り当ての過剰や重複を避けるために、人・曜日ごとにリソースやタスクを分散させて均一にならすことです。

  • 業務の担い手の知識を平準化する

    例文の意味は、マニュアルを作成して誰もが同じレベルで業務を引き受けられる状況をつくることです。つまり引き継ぎ作業が不要な作業環境を意味します。

業務の平準化とは?

業務の平準化とは、特定の期間やチームメンバーごとの業務負担の偏りをなくすことです。作業やタスクの負担、それらに伴う労力やストレスも把握して、メンバーごとの業務量を均等にすることを目的としています。

繁忙期だけ、あるいは特定のメンバーだけがムリをするというムラは、閑散期や他のメンバーを活かせないというムダを生みます。業務の平準化は、企業の生産性向上のために大切な取り組みといえるでしょう。

標準化との違い

業務の標準化は成果物の品質向上を目的に、一方の平準化はリソースの有効活用を目的にしている点で違います。

業務の標準化とは、業務のプロセス・フローや成果物の水準を統一し、プロジェクトのメンバー間で認識を共有することです。たとえば、綿密な業務マニュアルを作成しメンバー間で共有すれば、誰もが一定レベルの業務を遂行できます。

ビジネスで業務の平準化が重要な理由

なぜビジネスにおいて業務の平準化は、重要視されているのでしょうか?共同作業を効率よく進めるためにも、業務の平準化は必須です。ここでは重要視される理由を、次のとおり3つご紹介します。

  • プロジェクトの進行を遅らせない
  • 特定のメンバーに負荷をかけない
  • 作業品質を落とさずコストダウンを実現する

ではそれぞれの理由について見ていきましょう。

業務の進行を遅らせない

業務の平準化は、業務を滞りなく期日までに完了させるために重要視されています。リソースの配分が偏っていると、プロジェクトの進行に遅延が生じやすくなるからです。業務を期日どおりに完了できないと、次の工程に迷惑がかかることもあるでしょう。

業務の完了に必要なリソースの代表格には、チームメンバー、予算、時間などが挙げられます。業務の平準化を意識しながら、リソースを配分することが非常に重要です。

特定のメンバーに負荷をかけない

特定のメンバーに業務の割り当てが集中していると、不公平感をうみモチベーションの低下につながります。多すぎる割当量のために、過度な頑張りや長すぎる労働時間を強いられるとバーンアウト(燃え尽き症候群)することもあるでしょう。

一方で、ほかのメンバーは活躍の場が与えられないと感じて転職などで離脱することも考えられます。

作業品質を落とさずコストダウンを実現する

提供する成果物の品質が低下しないためにも、業務の平準化への取り組みは重要です。一部のメンバーが手一杯になると、業務フローが停滞するリスクがあります。次の工程との連携がうまく行かなければ、最終的に納期の遅れなど顧客に迷惑をかけることもあるでしょう。

特定のメンバーが業務フローを停滞させると、次の工程のメンバーに待ち時間が発生します。ムダな人件費が発生する原因となるため、コストダウンのためにも業務の平準化は必要です。

業務の平準化がされていない状態とは?

ここでは、業務の平準化がされていない状態とは何か、具体的にご紹介します。

メンバーごとの作業量にバラツキがある

ある工程を複数メンバーで分担しているケースで、特定のメンバーに作業量が集中している状況は業務の平準化がされていません。たとえば作業割り当ての仕組みが整っておらず、特定のメンバーばかりに直接依頼がいく場合などが挙げられます。

季節や時期ごとの作業量にバラツキがある

業種によっては、特定の季節や時期ごとに作業量が大幅に増加するケースです。期間の単位は業務によって異なります。経理の請求処理であれば基本的に「1か月」単位ですが、オンラインでギフト商品を扱う会社ではキャンペーンを打つたびに作業量が増えるでしょう。

作業量が増える時期を把握しておけば、その時期だけアウトソーシングを利用するなどの事前対策が可能です。なお近年、耳にすることが多い災害対応は、突発的に発生するために平準化が難しい業務になります。

業務が属人化している

業務が属人化している状況も、業務の平準化がされていません。業務の属人化とは、特定のメンバーしかわからなくなっている業務の状態のことです。

たとえばチーム作業においては、メンバーによってできる作業とできない作業が分かれているケースが該当します。進捗状況が共有されていない業務が存在することも、業務の平準化ができていない状況です。

業務の平準化を行なうメリット

ここでは業務の平準化を行うメリットを、次のとおり3つご紹介します。

  • 属人化や業務量の偏りを防ぐ
  • 業務の生産性が向上する
  • チームの連携が強化できる

ではそれぞれのメリットについて見ていきましょう。

属人化や業務量の偏りを防ぐ

業務の平準化によって、業務の属人化やメンバーごとの業務量の偏りを防げます。そのため業務量が急に増えても、すべてのメンバーで負荷を分担できる点がポイントです。変化に柔軟に対応できるので、作業品質や納期への悪影響を回避できます。

業務の生産性が向上する

平準化を図ることにより、生産性の向上が期待できます。業務量と投入するリソースをバランスさせることで、より高い費用対効果で安定的に業務に取り組めるようになるからです。

また業務フローからリソースの「ムダ・ムリ・ムラ」を除くことで、チーム全体で処理できる業務の総量を増やせます。その結果、高い作業品質を担保しつつ生産性の向上が可能になるわけです。

チームの連携が強化できる

業務を平準化すれば遅延を防ぎスムーズに進行できるために、チームの連携が強化できます。

またチームメンバーが膨大な作業量に圧倒されたり、少なすぎてショックを受けたりする状況に陥ることもありません。現場で働くすべてのメンバーが、安心して業務に取り組めるようになります。

業務の平準化を図るための具体策

特定のメンバーに集中しがちな業務を、できる限り均一化してほかのメンバーに割り振るのは、難しいことのように思えるかもしれません。しかし次にご紹介する具体策を着実に進めることで、業務の平準化を図ることが可能です。

ここではどのように業務の平準化を進めるべきか、その具体策をご紹介します。

業務量を調査し可視化する

まずは現状の業務量を確認しましょう。業務量調査では、次の項目を可視化します。

  • どの業務が
  • どの時点で
  • どれくらいのボリュームが
  • どれくらいの頻度で発生しているか

業務量調査においては、できる限り正確な情報を収集することが重要なポイントです。なお調査方法の種類には「実測法」「実績記入法」「推定比率法」「合成法」などがあります。

業務量の偏りを見つける

可視化した業務量のデータから、特定のメンバーに業務量の偏りが生じていないか見つけてください。費やしている時間の量、かけている手間の負荷、背負っている精神的負担などを分析しましょう。

定型化できる業務はマニュアル化する

定型業務であるルーティンワークとは別に、計画立案、日程調整や商談などの業務は非定型業務と呼ばれます。非定型業務は利益を生みますが、その反面、平準化しにくく属人化しやすいです。

そこで非定型業務のベースにある思考のプロセスを、できるだけマニュアル化するよう取り組んでみましょう。マニュアルでナレッジを共有すれば、経験の少ない人もある程度の成果を上げられるようになるからです。

業務の役割分担を最適化する

業務を遂行しているチームに管理者あるいはリーダーを立て、割り振りなどのディレクションを任せる方法です。チームの管理者あるいはリーダーが業務分担表を作成・共有することで、業務の役割分担を最適化しましょう。

業務分担表を作成すると、業務の属人化など作業効率を悪化させる原因を見つけやすくなります。また各工程のつながりが見え、自分の担当業務の立ち位置が分かるようになる点もポイントです。個々のメンバーが、より責任感をもって仕事にあたるようになります。

ITシステムを活用し自動化する

業務効率化に役立つITソリューションを活用して、業務フローを自動化することも検討しましょう。データ入力業務を自動化できるOCRやRPA、日程調整、マニュアル作成やタスク管理に役立つITソリューションなどがあります。

OCRとは手書きの文字を読み取りデジタル保存化する技術、RPAとはロボットによる定型作業の自動化のことです。いずれも作業時間の短縮、ヒューマンエラーの回避、作業時間の短縮を期待できます。

定期的に見直しをする

業務の平準化による望ましい効果を継続的に保つためには、定期的な見直しが必要です。ある程度の時間がたてば平準化の効果を検証して、新たな偏りや改善点の有無について確認しましょう。定期的な見直しは、PDCAサイクルなどのフレームワークが役立ちます。

業務の平準化による注意ポイント

業務の平準化に取り組む際の注意点は、スモールスタートを心がけることです。新しい取り組み全般にいえることですが、小さな規模で始めて徐々に大きく広げていくようにします。

組織内で、大きな変化を起こす取り組みへのコンセンサスを形成するのは簡単なことではありません。一方、スモールスタートであれば参加するメンバーも少ないので、共通理解の形成もはかどります。また問題が発生した場合も、影響が及ぶ範囲は最小限で済むでしょう。

業務の平準化にあたっては、特定の部門内で先導的に取り組むグループを定めます。グループの体験から得たノウハウをベースに、組織全体に平準化を徐々に浸透させるイメージです。

業務量を可視化してスモールスタートで始めよう

業務の平準化は、業務にひそむ「ムリ・ムダ・ムラ」をなくす業務効率化の取り組みの1つです。業務量が特定の人や時期に偏ることを防ぐため、まずは現状の業務量調査をもとに可視化して、スモールスタートではじめましょう。

業務の平準化を図る取り組みは、一度行えば効果がずっと続くというものではありません。望ましい効果を保つためには、効果を検証し改善する取り組みが必要です。


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