- 更新日 : 2024年12月12日
IT手順書とは?テンプレートをもとにわかりやすい書き方や例文を解説
IT手順書とは、ITシステムの操作や運用に関する手順を事細かに記載したドキュメントです。作業品質が一定に保たれたり、ミスを防止できたりするメリットがあります。
IT手順書の作成時には、文章や表などを用いてわかりやすく記載することが重要です。本記事では、IT手順書がどのようなものなのか、マニュアルとの違いや作り方、フォーマットなどを紹介します。
目次
IT手順書とは?
IT手順書とは、情報システムの運用や管理に関する一連の作業手順を詳しく記したドキュメントです。IT機器やソフトウェアの設定方法、操作手順、トラブルシューティングの方法など、順を追って具体的に説明することが目的です。
例えば、管理者や利用者がIT手順書を参考にしながら、ITシステムを正しく使用したり、問題が起きた時に適切な対処を行ったりするために活用されます。
また、手順書を整備しておくと、担当者が代わってもスムーズに引き継ぎができ、属人化を防げます。新人教育の際にも手順書は欠かせないツールです。
マニュアルとIT手順書との違い
マニュアルとIT手順書は似ていますが、厳密には異なる文書です。マニュアルは業務の概要や目的などを網羅的に説明する書類であるのに対し、IT手順書は特定のITシステムに関する具体的な操作手順に特化したドキュメントです。
つまり、マニュアルが製品の「全体像」を伝えるものだとすれば、IT手順書は「細かな手順」に焦点を当てたものです。IT手順書では、設定画面のスクリーンショットを交えながら、作業の流れを細かく時系列で記述していきます。情報の範囲は狭いですが、より実践しやすい内容といえるでしょう。
IT手順書を作成するメリット
IT手順書を作成すると、下記のようなメリットが得られます。
- 作業品質が一定に保てる
- 作業を効率的に進められる
- 業務の属人化を防げる
- ミスを防止できる
特に、誰が行っても高い品質を担保できる点がメリットです。それに伴い、作業を効率的にできるでしょう。
本項では、IT手順書を作成するメリットを詳しく解説します。
作業品質が一定に保てる
IT手順書を作成すると、作業品質を一定に保てます。手順書には、ITシステムの操作方法や注意点などが詳細に記載されているため、担当者が変わっても同じレベルの作業が可能になります。
作業結果のばらつきを抑え、安定した品質を維持できるでしょう。特に、複雑なITシステムの運用においては、手順書の存在が品質の均一化に大きく貢献します。
作業を効率的に進められる
IT手順書があれば、作業を効率的に進められます。ベテランの担当者は、長年の経験からITシステムの操作に関する豊富なノウハウを持っていますが、手順書として明文化すると、ほかの担当者とも共有できるようになるためです。
手順書を参照しながら作業を進めれば、初心者でもスムーズに業務を遂行できるようになり、全体的な作業効率の向上が期待できます。また「システムの使い方がわからず説明書を読み込む」などの時間が減るため、業務の生産性を高められるでしょう。
業務の属人化を防げる
属人化とは、特定の担当者しか業務を遂行できない状態です。手順書がない場合、ベテランの担当者の知識やスキルに頼らざるを得ないため、属人化が進んでしまいます。
しかし、手順書があれば、誰でも一定レベルの作業ができるようになるため、担当者が不在になっても業務を滞りなく進められます。属人化によるリスクを回避し、組織全体で業務の品質を高められるでしょう。
ミスを防止できる
IT手順書に沿って作業を行うと、ミスの発生を防げます。手順書には、作業手順が詳細に記載されているため、重要なポイントを見落とすリスクが減るためです。また、手順書があれば、作業中に不明点があっても、確認しながら進められます。
さらに、ミスが発生した場合の原因特定や再発防止にも役立ちます。手順のどの部分でミスが起こったのかを突き止め、改善することで、同じミスを繰り返さないようにできるためです。
IT手順書のテンプレート-無料ダウンロード
IT手順書を作成する際に一から書式を考えるのは大変なため、テンプレートの活用をおすすめします。
マネーフォワード クラウドでは、IT手順書の作成に最適なテンプレートを無料で提供しています。手順書に必要な項目が網羅されており、自社の業務にアレンジするだけで、活用しやすいでしょう。
また、手順書の品質も向上するため、業務の効率化や属人化の防止にも貢献します。
IT手順書の作成にお困りの方は、ぜひテンプレートをダウンロードしてみてください。
IT手順書に記載する内容
IT手順書を作成する際は、作業を円滑に進めるために、必要な情報を漏れなく記載することが重要です。
例えば、一目で何の手順書かわかるように、作業名や目的を記載しましょう。作業に必要な情報を記載したうえで、作業手順やチェックポイントなども記載してください。
本項では、IT手順書に記載すべき内容について詳しく解説します。
作業名や目的
IT手順書の冒頭には、作業名や目的を明記します。作業名は「会員情報の登録」や「ドライバーのインストール」など、一目で内容がわかるようなタイトルを付けましょう。
また、作業の目的もあわせて説明すると、担当者の理解が深まります。単に作業工程を列挙するだけでは、なぜその作業が必要なのかが伝わりにくいため、目的を共有してください。目的を理解していれば、実際の作業の際に、想定外の対応にも応用できるようになるでしょう。
作業に必要な情報
作業を行ううえで必要となる情報も記載します。以下の内容を漏れなく記述しましょう。
- 担当者名
- 作業環境
- 使用するツール
- アカウント名 など
特に重要度の高い情報は、見落とされないように、太字にするなどの目立つ書式で強調するとよいでしょう。また、情報が古くなっていないかを定期的にチェックし、常に最新の状態に更新しておくことも忘れないでください。
作業手順
作業手順は、できるだけ細かいステップに分解して記載します。初めて作業する人でもスムーズに進められるよう、具体的に説明しましょう。
文章だけでなく、画面のスクリーンショットや図解なども活用すると、視覚的にわかりやすく伝えられます。なお、例外パターンへの対処方法なども記載しておくと、トラブル発生時に慌てずに対応できます。
手順が長くなる場合は、全体の流れがわかる概要を冒頭に記載するとよいでしょう。詳細な手順に入る前に、大まかな流れをつかむと、作業全体のイメージがつかみやすくなります。
チェックポイント
最後に、作業のアウトプットが適切かどうかを確認するためのチェックポイントを記載します。できるだけ定量的な指標を用いて、客観的に評価できるようにしましょう。
例えば「応答速度が○○ミリ秒以内になっていること」など、具体的な数値を示せると、判断基準が明確になります。チェックポイントを設けることで、ミスの早期発見や品質の維持につながるでしょう。
わかりやすいIT手順書の書き方
IT手順書を作成する際は、すぐに着手でき、滞りなく作業を進めるために、わかりやすい内容にまとめることが重要です。
例えば、どのような目的で作業を行っているのかを示しましょう。また、シンプルな文章やデザインで記載し、すぐに理解して実践できるようにしてください。
本項では、わかりやすいIT手順書を書くためのポイントを解説します。
目的を明確にする
IT手順書の冒頭では、作業の目的や背景、期待される効果などを明記しましょう。作業の意義や位置づけを理解してもらうと、担当者のモチベーション向上や作業品質の改善につながります。
目的を記載する際は、抽象的な表現は避け、できるだけ具体的、かつ明確に伝えられます。例えば「システムの安定稼働を実現するため、定期的なメンテナンスを行う」といった具合に、目的と手段を関連付けて説明するとよいでしょう。
手順書を使うターゲットを設定する
IT手順書を作成する前に、どのようなスキルレベルの人が使用するのかを明確にしておきます。「初心者向け」や「中級者向け」など、ターゲットとなる読者像を具体的に記載しましょう。
使用者のITリテラシーや業務知識に合わせて、専門用語をかみ砕くなどの調整が重要です。例を挙げると、ITに詳しくない50代の事務職の方を想定する場合であれば、専門用語は避け、平易な言葉で丁寧に説明する必要があります。
手順書を使う人の目線に立って、わかりやすさを意識してください。
目次で全体像を記載する
IT手順書の冒頭には、手順書の構成を示す目次を記載しましょう。目次から必要な箇所にすぐにアクセスできるよう、項目を細分化してください。
目次を見ただけで、手順書の全体像が把握できるようにまとめることで、使用者の利便性が向上し、実際の活用につながります。また、目次自体も見やすいレイアウトになるよう心がけましょう。
シンプルな文章やデザインを使う
IT手順書では、簡潔でわかりやすい文章を心がけることが大切です。一文を短くまとめ、専門用語は避けるなど、読みやすさに配慮しましょう。
また、図解やスクリーンショットを効果的に使うことで、視覚的に理解しやすい手順書に仕上げられます。文章だけでなく、視覚情報も積極的に取り入れてみましょう。
さらに、フォントや色使い、レイアウトなどのデザイン面もシンプルにまとめましょう。見やすさと読みやすさを重視し、余計な装飾は控えめにしてください。
IT手順書の効果的な運用方法や注意点
IT手順書を作成するだけでは、業務の効率化や品質向上は実現できません。手順書を効果的に運用するための方法と注意点は以下のとおりです。
- IT手順書を細心の状態に保つ
- 活用されているかを確認する
まず、作成したIT手順書を定期的に見直し、最新の状態に保ってください。業務内容の変更や、より効率的な方法の発見などに合わせて、手順書の内容を定期的に更新していく必要があります。
手順書の内容が古くなったままだと、担当者間で認識のズレが生じ、トラブルの原因になりかねません。手順書と実際の作業内容に乖離があれば、放置せず、こまめに修正を加えましょう。
そのために、半年や1年など、一定の期間ごとに手順書の見直しを行うルールを設けるとよいでしょう。
次に、手順書の使用状況を可視化し、どの程度活用されているのかを確認する点も大切です。あまり参照されていない手順書があれば、内容や構成を見直す必要があります。
活用の有無をチェックする際は、現場の意見を積極的に取り入れ、使いやすさを追求しましょう。定期的にアンケートを実施するなどして、改善点を洗い出してください。
IT手順書はわかりやすい表現が必要
IT手順書とは、ITシステムの操作や運用方法を詳細に記したドキュメントを指します。業務の標準化や効率化、ミスの防止などに役立ちます。
IT手順書には、作業名や目的、手順等を細かく記載しましょう。具体的に記載することで、確認の手間をかけずに、円滑に進められます。
また、目次を記載して全体像をわかりやすくしたり、シンプルな文章やデザインを使い理解しやすくしたりする点も重要です。
IT手順書をわかりやすく作成して、業務を円滑に進めましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
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