• 更新日 : 2025年2月12日

現況確認書(入居時チェックシート)とは?無料のテンプレートも紹介

賃貸物件のオーナーが、入居者を部屋に迎え入れる前に部屋の状態を正しく記録しておくことは、トラブル防止のために大切な作業です。現況確認書(入居時チェックシート)を用意して、部屋の状態を写真やチェックリストで残せば、後々「入居したときからこの傷や汚れはあった・なかった」と争いになるリスクを減らせます。

この記事では、現況確認書の意味や作り方、および入居時チェックのポイントについて解説します。

現況確認書(入居時チェックシート)とは

現況確認書(入居時チェックシート)とは、賃貸物件に入居したときの状態を記録する書類です。壁のキズ、床の汚れ、窓やドアの開閉の状態、備え付けの設備の動作など、入居前の部屋の状態を残しておき、退去時の原状回復についての判断基準にします。

オーナーや管理会社にとっては、入居時の現況確認書は重要な書類です。必要な修繕費や補修内容を請求する際に、入居していた相手から「不当な請求を受けている」などと言われ、争いになるリスクを小さくできるためです。

特に、長期間にわたって不動産を借りている入居者ほど、入居前の記憶は曖昧になります。当事者間の記憶だけでは、いつ・何が起きたのかは食い違いやすく、事実関係や責任の有無についてトラブルになりやすい傾向があります。

現況確認書の作成は法律上の義務ではありません。しかし、現況確認書をきちんと作っておけば、たとえ裁判になったとしても証拠資料になると国土交通省は「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」で伝えており、現況確認書の作成を推奨しています。

出典:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」

現況確認書の無料テンプレート

現況確認書を使ってトラブルを防ぐためには、さまざまな項目をチェックして、状態を記録しておく必要があります。しかし、イチからすべてのチェック項目を洗い出すのは大変です。

したがって、多くの大家や不動産会社は、Web上などで公開されているテンプレートを活用しています。テンプレートがあれば、専門的な知識がなくても、誰でも簡単に現況確認書を作成可能です。入居前のチェックを手軽にでき、入居後のトラブルを未然に防げるため、ぜひ無料のテンプレートを活用してください。

現況確認書のテンプレートのダウンロードはこちら

現況確認書を使った入居時チェックのポイント

現況確認書は作るだけでトラブルを回避できるものではありません。退去時の原状回復の判断材料になることを前提に作る必要があります。

以下のようなポイントを押さえて、入居時チェックを行いましょう。

大家側が主導で破損や汚損のチェックをする

入居時の確認は、まず大家自身が主体となって行うことが大切です。部屋の隅々まで自分の目で状態を確認し、壁や床、ドア、窓などの箇所に傷や汚れ、破損がないかを丁寧にチェックしましょう。

自分で確認することで、「自分が見逃していた入居時の傷や汚れを、入居者に誤って請求する」などのトラブルを未然に防げます。反対に、入居時になかった傷や汚れを「入居時にすでにあった」と主張される恐れも減らせるでしょう。

入居者と一緒に確認する場合でも、最初に大家が現状をしっかり把握しておくと、双方の認識にズレが出にくくなり、トラブルの可能性を減らせます。

写真で記録を残す

文字だけの記録では、細かい部分や実際の状態が伝わりにくい場合があります。スマートフォンやデジタルカメラを使って、部屋全体や特に気になる部分の写真を撮っておくことが重要です。

特に傷や汚れなどは、文章だけでは主観的な表現になりやすく、退去タイミングで悪化しているかどうか客観的な判断に困るケースがあります。したがって、明るい場所で、傷や汚れがはっきり確認できる角度から撮影した写真を残しておきましょう。写真と現況確認書をセットにしておくと、証拠としての信頼性がさらに高まります。

手元に証拠を残しておく

チェックシートと写真などの記録は、オーナーと入居者の双方で必ず手元に保存しておくことが大切です。紙の書類としてファイルにまとめるのはもちろん、デジタルデータとしてタイムスタンプが残る形でパソコンやクラウドに保管しておくのがおすすめです。退去時に部屋の状態についてのトラブルが発生した場合でも、最初の状態を証明できます。

また、現況確認書は入居者側にも最終確認をしてもらい、双方で署名や捺印をしておきましょう。

テンプレートを活用して現況確認書を作ろう

現況確認書があれば、退去時に修繕費や原状回復費を請求する際に、誤解が生じるリスクを減らせます。現況確認書を作る際には、文字で室内の現状について書くだけでなく、写真の形でも記録を残しておきましょう。また、オーナー側が主導で室内の状況をチェックし、入居者と合意を取っておけば、後々のトラブル防止につながります。チェックシートはトラブルが起きたときの証拠になるため、退去時まで必ず保存してください。

無料のテンプレートを使えば、細かなチェックポイントを書き落とすことなく、きちんと証拠になる現況確認書を作りやすくなります。テンプレートを活用して現況確認書を作るのがおすすめです。


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