- 更新日 : 2024年7月3日
YammerはViva Engageに統合!使い方・Teamsとの違い
Yammer(ヤマー)は、Microsoft社が提供する従業員間のコミュニケーション活発化に役立つ社内SNSツールです。X(旧Twitter)やFacebookに近い感覚で扱えるため、情報共有や困りごとの相談などを迅速に行えます。
また、Yammerは2023年に名称が廃止され、「Viva Engage」という新名称でバージョンアップされました。
本記事では、YammerとViva Engageの違いや使い方、料金プランなどについて解説します。
目次
Yammer(ヤマー)とは?
Yammer(ヤマー)の概要を、次の3点から解説します。
- マイクロソフトが提供した社内向けSNS
- Yammerの主な機能
- YammerとMicrosoft Teams(マイクロソフト チームズ)との使い分け
マイクロソフトが提供した社内向けSNS
Yammerは、2008年にリリースされた社内SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)です。組織内の個人が、電子メールよりも気軽に情報発信できるコミュニケーションツールとして導入されます。
X(旧Twitter)やFacebookなどの一般的なSNSと異なり、公開範囲は組織内の個人のみに限定されるので、情報漏えいの心配はありません。さらに、プロジェクトメンバーで「コミュニティ」を作れば、機密情報のやり取りもできます。
社内SNSとして導入し、従業員同士のコミュニケーションに役立てている企業が多いです。
Yammerの主な機能
Yammerの機能は、次の4つです。
- 投稿・返信
- コミュニティ作成
- フォロー・いいね
- ファイル・画像の共同編集
X(旧Twitter)・FacebookなどのSNSが搭載する機能の大半は、Yammerでも利用できます。組織内に向けて投稿したり、投稿に対して「いいね」を送ったりする機能を活用することで、電子メールよりもカジュアルなコミュニケーションが可能です。
また、特定のメンバーのみを招待したコミュニティを作成することで、プライベートな情報を秘匿する機能もあります。
YammerとMicrosoft Teams(マイクロソフト チームズ)との使い分け
YammerとMicrosoft Teams(以下、Teams)は得意分野が異なるため、次のように使い分けるのがおすすめです。
Yammer | Teams | |
強み | 公開情報の拡散 カジュアルなやり取り | 秘匿性が高い リアルタイムでのやり取り |
得意な形式 | 1対多数 | 1対1、多数対多数 |
活用事例 | 社内掲示板 ニュースの拡散 知恵袋形式の相談受付 | 業務連絡 顧客情報を扱う業務 |
Yammerは多数の相手に対して、カジュアルに情報を発信できるのが利点です。社内の公開情報を発信したり、困りごとの相談を受け付けたりするのに向いています。
一方Teamsの強みは、リアルタイムかつクローズドに情報を共有できる点です。スピードが求められる業務連絡や、秘匿性の高い情報を扱う場合は、Teamsを活用しましょう。
YammerはViva Engage(ビバ・エンゲージ)に統合
Yammerの機能は新しいサービス「Viva Engage」に統合され、Teamsとの連携強化も行われました。Viva Engageは、Yammerの機能はそのままに、新しい機能を追加しています。
YammerがViva Engageに移行した理由は、働き方の多様化に対応するためです。リモートワークを行う社員が増えたため、社内でのコミュニケーションが希薄になりました。Viva Engageへの移行が決まった背景には、遠隔地から密なコミュニケーションを取れるツールの需要が高まったことがあります。
Yammerの進化版、Viva Engageとは?
Viva Engageの目的や機能を、次のポイントから解説します。
- ワーク・エンゲージメントと生産性の向上
- 従業員の定着率が33%向上というデータも
- Viva Engageの主な機能
ワーク・エンゲージメントと生産性の向上
Viva Engageの開発目的は、次の2点です。
- 従業員エンゲージメントの維持
- 到達容易性による生産性向上
エンゲージメントとは本来「契約」「約束」などを意味する単語ですが、企業においては従業員の愛着・思い入れなどを指します。Viva Engageのコミュニケーションで同僚の人となりを知ったり、気軽に意見を発信したりすることで、従業員同士のエンゲージメントを高めることが可能です。
また、Viva Engageは業務で必要な情報を管理しやすいため、必要な情報をスムーズに見つけられます。散らかりがちな情報を簡単に確認できるので、生産性の向上も図れるでしょう。
従業員の定着率が33%向上というデータも
Viva Engageによってコミュニケーションが活発化すると、従業員の定着率向上につながります。
Viva Engageの効果を測定した調査によると、入社から90日間でViva Engageの投稿に積極的だった従業員は、投稿を行わなかった従業員に比べて、2年後の定着率が33%向上したという結果が報告されました。
Viva Engageの主な機能
Viva Engageでは、Yammerの基本的な機能を引き続き利用可能です。投稿や質問を気軽に投稿し、返信・回答を送れます。一方、Yammerから新しく追加された機能は、次の通りです。
- ストーリーLINE投稿
- リーダーシップコーナー
- ナレッジマネージメント
- 高度なエンゲージメント分析
- CopilotによるAI投稿作成
従業員同士のコミュニケーションをより活発にするため、プロジェクトリーダーや上層部と気軽にやり取りができる機能が追加されました。また、従業員の行動を詳細に分析したり、Microsoft社のAIサービス「Copillot」を利用して投稿したりすることも可能です。
YammerとViva Engageの違い
YammerとViva Engageの違いは、次の4点です。
- Teamsとの連携
- リーダーシップコーナー
- ナレッジマネージメント
- エンゲージメントの分析
Teamsとの連携
Viva Engageで追加された重要な機能は、Teamsとの連携です。PC・スマートフォンのTeamsアプリから、Viva Engageに直接アクセスしたり、Viva Engageで自分に関連する投稿の通知を受け取ったりできます。
Teamsは、プロジェクト内・個人間など、特定の範囲内で情報をリアルタイムに交換できます。一方で、多数の相手を対象とした情報発信は難しかったため、Viva Engageとの連携で、より簡単に情報発信ができるようになります。
リーダーシップコーナー
「リーダーシップコーナー」機能は、組織のトップと直接コミュニケーションを取れる機能です。企業の社長や役員、プロジェクトのリーダーと直接意見を交換できるため、ビジョンや文化を共有しやすくなります。
リーダーシップコーナーの目的は、自分の仕事に関係するリーダーとつながることで、従業員の帰属意識を高めることです。また、リーダー側は従業員から意見を募集することで、新しいアイデアを考えたり、フィードバックを受けたりできます。
ナレッジマネージメント
ナレッジマネージメントとは、従業員が必要な知識を共有し、早期に疑問を解消できる機能です。リモートワークで理解できない内容が出てきたり、自分の判断で行動してよいか判断できなかったりする場合、周囲の人に質問するのが難しくなります。
そのような時は、「Answers in Viva」機能を使いましょう。Viva Engageの「Answers」タブから質問を投稿したり、関連する回答を確認したりできます。また、自分の業務に関連するトピックをフォローすれば、新しい質問や投稿が投稿されると通知が届きます。
エンゲージメントの分析
Viva Engageでは、Yammerよりも高精度な分析ツールを利用可能です。コミュニティ全体のアクティブユーザーは何人か、リーダーの投稿を何人が見たかなどのデータを数値化し、確認できます。
上位に表示されたコメントや、コメントしたユーザーの属性なども記録されるため、より多くの従業員に見てもらえるような投稿を作る助けになるでしょう。
Microsoft Viva Engageの料金プラン
Viva Engageの料金プランは、次の4種類です。
サービス名称 | 価格(ユーザー1人当たり月額、税抜) |
---|---|
Microsoft 365(Viva Engage Core) | 5,059~8,208円 |
従業員コミュニケーションとコミュニティ | 299円 |
Workplace Analytics と従業員フィードバック | 899円 |
Microsoft Viva スイート | 1,799円 |
Microsoft 365を契約している場合
すでにMicrosoft365を契約している場合、追加料金なしで「Viva Engage Core」が利用可能です。Viva Engageでの投稿・返信や、投稿へのエンゲージメント確認など、最低限の機能のみを使えます。
ただし、Microsoft 365のE3プラン・E5プランには、Teamsが含まれません。Teamsとの連携機能を使う場合は、別途契約が必要となります。
Viva Engageを単独契約する場合
Viva Engageを単独契約する場合は、3つのプランから選択可能です。
- 従業員コミュニケーションとコミュニティ
- Workplace Analytics と従業員フィードバック
- Microsoft Viva スイート
すべての機能が必要な場合は、スイートが最適でしょう。スイートプランの中に不要な機能が含まれる場合は、より料金の低いプランも検討してみてください。
「従業員コミュニケーションとコミュニティ」にはリーダーシップ機能・ナレッジマネージメントなどの機能が含まれず、純粋なSNSとして機能します。また、投稿に対するエンゲージメント分析を中心とする場合は「Workplace Analytics と従業員フィードバック」が最適です。
単独契約の内容にもTeamsは含まれないため、連携機能を使う場合は別途契約が必要になります。
Microsoft Viva Engageの導入方法・使い方
Viva Engageの導入方法は、次の2通りあります。
- Teamsからインストール
- Viva Engageのみをインストール
Teamsからインストール
TeamsにViva Engageをインストールする手順は、次の通りです。
- PC・スマートフォンからTeamsを開く
- 画面左のバーから「Teamsアプリ」→「セットアップポリシー」と進む
- 検索欄に「Viva Engage」と入力し、検索する
- Viva Engageが表示されるので「追加」を選択
Viva Engageのみをインストール
Viva Engageを単独契約した場合、次の手順でインストールしましょう。
- ブラウザのURLバーに「engage.cloud.microsoft」と入力
- Microsoftアカウント情報を入力し、サインインする
- URLバーのダウンロードボタンをクリックする
- 「インストール」を選択する
Microsoft Viva Engageを導入して社内コミュニケーションを活発化させよう
Viva Engageは、Microsoft社からリリースされている社内SNSツールです。以前はYammerという名称のサービスでしたが、リモートワークに対応するため、従来の機能を引き継いでバージョンアップされました。
Viva Engageを利用すると、社内コミュニケーションが活発化され、従業員のエンゲージメント向上に役立ちます。コミュニケーションの難度が下がり、情報への到達が容易になるため、結果的に業務効率化も可能です。
社内SNSの導入による業務効率化をお考えの方は、Microsoft Viva Engageを検討してみてはいかがでしょうか。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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