• 更新日 : 2025年2月3日

プロダクトロードマップとは?種類や作成方法・無料テンプレを紹介

プロジェクトを成功に導くためにはさまざまな手法やツールがあります。プロダクトロードマップも、プロジェクトの目標や戦略をまとめ、関係者間で共通認識を持つために作成されるツールの1つです。しかし、作成の際になにを書けばいいのか分からないという方も少なくありません。

当記事では、プロダクトロードマップとはどのようなツールであるか、また記載すべき内容や作成方法などを解説します。無料テンプレートも紹介しているため、ぜひ作成にご活用ください。

プロダクトロードマップとは?

プロダクトロードマップとは、製品やサービスの開発における戦略的計画を視覚的に示したものです。製品の目標やビジョンを明確にし、達成するためのステップやタイムラインを整理します。ロードマップには、プロジェクトの優先順位やリソース配分が反映されており、関係者間での情報共有や意思決定を効率化する役割を果たせるのが特徴です。

プロダクトロードマップは柔軟性を持たせながら更新されることが一般的で、アジャイル開発の現場でも広く活用されています。

プロダクトロードマップの無料テンプレート

プロダクトロードマップを効率的に作成するには、テンプレートを活用するのが便利です。テンプレートを使用することで、重要な要素を漏れなく整理でき、短時間で視覚的な計画を作成できます。以下のリンクからテンプレートをダウンロードして、ぜひプロダクトロードマップの作成にご活用ください。

プロダクトロードマップのテンプレートのダウンロードはこちら

プロダクトロードマップの種類

プロダクトロードマップは、目的や対象とするステークホルダーによって異なる種類があります。それぞれの種類は、プロジェクトの進行状況や目標を明確にするために活用されます。以下で代表的な種類について詳しく解説します。

対象者別ロードマップ

対象者別ロードマップとは、プロダクトに関わるさまざまなステークホルダーの視点やニーズを反映して作成されるロードマップです。対象者別ロードマップでは、対象者ごとに求められる情報が異なるため、経営陣向け、開発チーム向け、顧客向けなどに分けて内容を構築します。

たとえば、経営陣向けにはプロジェクト全体の目標や収益見通しが強調され、開発チーム向けにはタスクやスケジュールが詳細に記載されます。対象者別ロードマップは、関係者間の情報共有をスムーズにし、各ステークホルダーが目的を達成するための指針として機能します。

目的別ロードマップ

目的別ロードマップとは、特定の目標や達成すべき目的に焦点を当てて作成されるプロダクトロードマップです。目的別でプロダクトロードマップを作成する際は、プロジェクトの進行や製品の開発を、目的達成のための具体的なステップとして視覚化します。

たとえば、新機能のリリースを目的とするロードマップでは、設計、開発、テスト、リリースといったプロセスが時系列に整理されます。また、顧客満足度向上や市場シェア拡大といった目標に基づく計画を、目的別の形式で管理することが可能です。目的別ロードマップは、チーム全体が同じ目標に向かい、効率的に進むための指針として役立ちます。

プロダクトロードマップに記載する項目

プロダクトロードマップに記載する代表的な内容は以下の通りです。

項目内容
プロダクト概要関係者全員がプロジェクトの全体像を理解しやすくなるように、製品の基本情報や背景を記載します。
目的・ビジョン製品やプロジェクトの目指すべき方向や長期的な目標を明確にします。戦略の軸となる重要な項目です。
責任者各タスクやプロセスの担当者を明記し、進行中の不明点を減らします。進捗確認の際にも役立ちます。
戦略市場での競争力や顧客満足度を高めるための具体的な計画を記載します。ロードマップ全体の骨組みとなる部分です。
目標計画が明確かつ実行可能になるように、達成すべき短期・中期・長期の成果を記載します。
機能実装予定の機能や特徴をリスト化します。ユーザーやチームが関心を持つ部分を明示することで理解が深まります。
スケジュール各タスクやマイルストーンの開始日と終了日を記載します。時系列で進捗を把握するのに有効です。
ステータスタスクの現在の進捗状況(例:未着手、進行中、完了)を記載することで、視覚的な進捗管理が可能になります。
指標成果や進捗を測定するために活用する数値データを記載します。

プロダクトロードマップの作成方法

プロダクトロードマップを作成するには、目標の設定や問題の決定など、いくつかの重要なステップを踏んで作成していきます。以下では、プロダクトロードマップの代表的な作成手順について詳しく解説します。

目標を設定する

プロダクトロードマップを作成する際、まず目標を明確に設定することが重要です。目標は、製品の開発やプロジェクトの成功に向けた指針となるため、具体的で測定可能な形にする必要があります。たとえば、「新規顧客を20%増やす」「既存機能の利用率を30%向上させる」といった明確な目標を設定することで、チーム全体が同じ方向を向いて取り組むことが可能です。

また、短期・中期・長期の目標に分けて設定すると進捗を管理しやすくなり、調整も容易に行えます。目標はプロジェクトの進捗に応じて見直す柔軟性を持たせることもポイントです。

問題を明確にする

目標を設定したら、次は解決すべき問題や課題を明確にしていきます。問題が明確であれば、その後に「問題を解決するべき最善策はなにか」といった視点で考え、作業に当たることができます。

具体的には、顧客のニーズや製品の利用データ、競合分析などの情報を収集し、「現状の課題は何か」「その課題がもたらす影響は何か」を詳細に洗い出します。問題を短期的に解決するべきものと、長期的に取り組むべきものに分類することで、プロジェクト全体の優先順位が整理されます。

ステークホルダーに共有し合意を得る

設定した目標や明確にした問題などをステークホルダーと共有し、認識に齟齬がないかを確認し合意を得ます。プロダクトロードマップを実際に共有する際には開発チームや関係者も参加し、全員が同じ認識・ビジョンを持って進められるようにしましょう。

また、定期的な進捗確認や意見交換の場を設け、フィードバックを積極的に収集することも大切です。ステークホルダーとの信頼関係が構築されるだけでなく、新たなアイデアや視点の発見によって、よりプロジェクトの成功につながります。

プロダクトロードマップの成功を定義する

プロダクトロードマップはただ目標設定や問題を明確にして記載するだけでなく、記載した目標が達成できたか判断する必要があります。「なにが成功となるのか」を、計測可能な指標で設定しましょう。

たとえば、「次の四半期で売上を10%増加させる」「顧客の満足度を50%向上させる」など誰が見ても分かる基準を設定します。指標の設定はKPIの設定と変わらないため、「OKR」などの目標設定フレームワークを活用するのもおすすめです。

プロダクトロードマップの優先順位を決める

プロダクトロードマップをここまで作成したら、なにから取り組むのか、優先順位を決めます。優先順位を決めるためには、まず「どのタスクが緊急性が高いのか」を考えるのがポイントです。新機能のリリースやエラーの修正など、すぐに取り組むべき重要な項目を上位に配置します。

また、タスクごとに「どれくらいの効果があるか」「実現の難易度はどれくらいか」を基準に評価するのもよいでしょう。状況が変わったときには柔軟に見直しを行うことも大切です。

プロダクトロードマップを作成してプロジェクトを成功に導こう

プロダクトロードマップは、製品やサービスの開発を効率的に進めるための計画書です。目標や戦略を明確にし、必要なタスクやスケジュールを整理して可視化することで、チーム全体の方向性を定めます。

プロダクトロードマップの作成時は目標設定や優先順位付けを行い、関係者との合意を得ることで、プロジェクトを円滑に進めるための有効なツールとなります。テンプレートを活用すると内容を入れていくだけのため、簡単に作成可能です。


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