• 作成日 : 2024年3月7日

情報資産とは?管理方法やリスク、セキュリティ対策について解説!

情報資産とは、企業や組織が保有している情報を指し、顧客情報や販売情報、契約書などを含んでいます。外部からのサイバー攻撃や従業員のミスによる情報漏えいをはじめとしたリスクを抱えているため、正しい方法での管理が必要です。本記事では、情報資産の概要や管理方法、セキュリティ対策をする上で重要なポイントなどを詳しく紹介します。

情報資産とは?

情報資産とは、企業や組織が保有している情報のことです。

たとえば、以下のような記録媒体が情報資産となり、適切に保管する必要があります。

  • 顧客情報
  • 商品情報
  • メール
  • 情報が保存されたパソコン
  • 情報が記載された紙

ここでは、情報資産の概要を以下の2つに分けて紹介していきます。

  • 情報資産の種類
  • 情報資産の具体例

情報資産について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

情報資産の種類

情報資産の種類には以下のようなものがあります。

種類詳細
デジタルデータパソコンやUSBメモリなどのデジタルメディアに保存された情報
紙媒体契約書やレポートなどの紙に記載されている情報
ノウハウ従業員の経験やスキルなどの知識・情報
音声・映像会議音声や研修用映像などの情報
オンラインコンテンツWebサイトやSNS投稿などのインターネット上で公開されている情報

このように、データだけでなく紙やノウハウなども情報資産となります。

情報資産を管理するためには、限られた従業員にのみアクセス権を付与したり、端末の持ち出しを制限したりするなどの工夫が必要です。

情報資産の具体例

情報資産の具体例には以下のようなものがあります。

情報資産の例詳細
顧客情報
  • 氏名
  • 住所
  • 電話番号
  • メールアドレス など
従業員情報
  • 給与情報
  • 社会保障番号
  • 人事情報 など
財務情報
契約書
  • 契約書
  • 提携契約
  • 法的文書 など
ソースコードソフトウェアやアプリケーションのプログラムソースコード
商品情報
  • 生産計画
  • 仕様書
  • 技術ノウハウ など

上記のように、企業が保有するすべての情報を情報資産として扱います。

情報資産が漏えいすると大きな問題に発展してしまう恐れがあるため、丁寧に管理する必要があります。

情報資産の管理が重要な理由は?

情報資産の管理は、不正アクセスや情報漏えいのリスクを抑えるために重要です。

紙媒体を中心に管理されていた情報の一部が、技術の進歩によってデジタル化されたことによって、不正アクセスのリスクが高まっています。

情報資産には会社の情報だけでなく、顧客や従業員の情報も含まれており、万が一漏えいすると会社の信用が落ちてしまう恐れがあります。

不正アクセスだけでなく、従業員による情報流出が行われる場合もあるので、情報資産の種類によってアクセス権を変更することがおすすめです。

漏えいする情報資産によっては、法的な問題に発展する恐れがあるため、適切に管理しましょう。

情報資産の管理方法は?

情報資産の管理方法には、以下の2つがあります。

  • 情報資産管理台帳で管理
  • 共有サーバーやクラウドで管理

それぞれの管理方法について詳しく紹介しているので、情報資産の管理に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

情報資産管理台帳で管理

情報資産管理台帳とは、会社で保有している情報の可視化や管理に使用するツールのことです。

具体的には、以下のような項目で情報資産を整理し、管理を行います。

項目記載する内容
業務分類
  • 業務内容
  • 担当部署名
情報資産の名称情報資産の種類
備考補足情報
利用者範囲
  • 利用者
  • アクセス権限
管理部署管理責任のある部署や組織
媒体や保存先
  • 媒体
  • 保存場所
個人情報の種類個人情報保護法やマイナンバー法に則った情報
重要度情報資産の機密性、完全性、可用性の評価値
保存期限法律で定められた保存期限
登録日情報を登録した日付

上記のような台帳を使わずに管理している場合、情報資産を正しく把握できず、情報の漏えいを防げない恐れがあります。

情報漏えいを未然に防ぐためにも、情報資産管理台帳を活用し、常に情報を最新状態にして管理しましょう。

共有サーバーやクラウドで管理

データとして保存している情報資産は、共有サーバーやクラウドで管理する方法も適しています。

ただし、共有サーバーやクラウドで管理する際には、不正アクセスや情報漏えいを防ぐためのセキュリティ対策が必要です。

具体的には、以下のような対策がおすすめです。

  • アクセス権限の管理
  • データの暗号化
  • 社外からのアクセス遮断

クラウドで管理する際には、クラウドサービスのセキュリティ体制を細かく確認してから利用するサービスを選びましょう。

情報資産を管理するために必要なことは?

情報資産を管理するためには、以下の4点に注意しましょう。

  • 情報資産の把握
  • 情報資産の取り扱い状況の確認
  • 情報資産のリスク評価
  • 情報資産のセキュリティ対策

それぞれのポイントについて詳しく紹介するので、ぜひ参考にしながら実施しましょう。

情報資産の把握

情報資産を管理するためには、自社で抱えている情報資産を把握しましょう。

詳細に情報資産を把握するためには、先述した情報資産管理台帳の使用がおすすめです。

情報資産管理台帳を使用すれば、情報資産を可視化でき、管理部署や利用者範囲などが把握しやすくなります。

情報資産の取り扱い状況の確認

情報資産を洗い出し、把握ができたら取り扱い状況を確認しましょう。

安全性を高める方法として、情報資産ごとに閲覧可能者や管理者、アクセスログなどをチェックすることをおすすめします。

情報資産の取り扱い状況の確認は一度行えばいいわけではなく、定期的に行う必要があります。

定期的に確認することで、不正アクセスや情報漏えいなどの問題が防止可能です。

情報資産のリスク評価

情報資産の内容によって、適切な保護方法が異なるため、リスク評価も行いましょう。

情報資産のリスクは、機密性・完全性・可用性の3つから評価ができ、具体的には以下のようなレベル分けができます。

機密性完全性可用性
レベル2
  • 安全管理義務が法律で定められている
  • 自社や取引先に大きな影響がある

    など

  • 安全管理義務が法律で定められている
  • 自社や取引先に大きな影響がある
自社や取引先に大きな影響がある
レベル1漏えいすると業務に大きな支障が出る改ざんされると業務に支障が出る利用できないと業務に支障が出る
レベル0漏えいしても影響が少ない改ざんされても影響が少ない利用できなくても影響が少ない

これらの観点からリスク評価をし、情報資産ごとに重要度を算定しましょう。

情報資産のセキュリティ対策

情報資産のリスク評価まで完了したら、セキュリティ対策を行いましょう。

情報資産のセキュリティ対策として、以下の方法があります。

  • 重要情報へのアクセス制限する
  • ソフトウェアのアップデートを徹底する
  • ウイルス対策を行う
  • 電子メールを安易に開封しない
  • 公共のWi-Fiを利用しない
  • 社外への端末の持ち出しを制限する

上記のセキュリティ対策は一例であり、自社で抱える情報資産によっては他の対策も必要となります。

情報漏えいや不正アクセスを防ぎ、情報資産を安全に管理するためにも、セキュリティ対策を徹底しましょう。

情報資産のセキュリティ対策で重要なポイントは?

情報資産のセキュリティ対策を行う上で重要なポイントは以下の3つです。

  • 従業員への教育・研修
  • アクセスログの保存・監視
  • IT資産管理ツールの導入

情報資産のセキュリティ対策を行わなければ、情報漏えいや不正アクセスが起こり、法的な問題に発展する恐れがあるため、丁寧に実施していきましょう。

従業員への教育・研修

情報資産を厳重に管理していても、従業員のミスによって情報の漏えいが発生する恐れがあるため、教育や研修の実施が重要です。

セキュリティ対策に対する意識が低い従業員が多い場合、アップデートや情報の扱い方によって不正アクセスのリスクが高まってしまいます。

重要なデータを印刷できないようにしたり、端末の持ち出しを禁止したりすることで、情報漏えいのリスクを軽減できます。

会社の情報だけでなく、従業員自身を守るためにも細かく教育や研修を行いましょう。

アクセスログの保存・監視

クラウドや共有サーバーで情報資産を管理している場合、アクセスログの保存や監視も行いましょう。

アクセスログを追うことで、データの移動や保存の更新履歴を監視できます。

使用履歴やログの保存や監視には手間がかかってしまいますが、不正アクセスのリスクを軽減できるでしょう。

重要な情報を扱う場合には、全従業員ではなく限られた従業員にアクセス権限を制限すると情報漏えいを防ぎやすくなります。

紙で情報を管理していると閲覧者を追いにくく、紛失するリスクもあるため、安全性を高めるために情報資産のデジタル化をしておきましょう。

IT資産管理ツールの導入

情報資産を効率良く一元管理できるIT資産管理ツールの導入もおすすめです。

IT資産管理ツールを導入すると、以下のような機能を利用できます。

  • アプリケーションソフトウェアの配布
  • 周辺機器やネットワーク機器の契約管理
  • ソフトウェアライセンスの管理
  • セキュリティ更新プログラムの配布
  • デバイスの使用制限
  • 操作ログの履歴確認
  • 遠隔操作

このように、常に最新のソフトウェアやセキュリティ更新プログラムを利用できるので、安全性を高められます。

また、デバイスの使用制御や遠隔操作機能により、不正アクセスや社外秘情報の持ち出し防止も可能です。

IT資産管理ツールによって搭載されている機能が異なるので、ぜひ調べてから利用してみてください。

情報資産を適切な方法で管理しよう

情報資産とは、企業や組織が保有している情報のことであり、顧客や販売情報に加え、メール・パソコンなどの記録媒体も含まれています。情報資産は不正アクセスや情報漏えいなどのリスクを抱えているため、適切な管理を行う必要があります。

情報資産管理台帳やIT資産管理ツールを用いて、情報資産を適切に管理しましょう。


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