- 更新日 : 2024年9月11日
エクセルでチェックリストを作成する方法、無料テンプレートも紹介
エクセルでは、タスク管理やプロジェクトの進行管理などに役立つチェックリストを作成できます。導入や教育のコストがほとんどかからず、簡単に作成できる点がメリットです。
本記事では、エクセルのチェックリストを作成する方法や、複製・削除などのやり方、エクセルを使うメリット・デメリットを紹介します。
目次
エクセルのチェックリストとは?
エクセルでは、チェックリストを簡単に作成できます。チェックリストとは、タスクや確認事項などを一覧にして、完了したものにチェックマークを入れて進捗を管理するリストです。タスクやプロジェクト管理、ToDoリストなど、幅広い用途で活用されています。
チェックリストで日々の仕事を管理すれば、やるべきことが明確になり、業務の抜け漏れを防止できます。業務の効率化や生産性向上につながるでしょう。
エクセルにはチェックリスト作成の機能があり、簡単な設定で作成できます。テンプレートも多く、用途に応じて使い分けできる点が便利です。
エクセルのチェックリストの無料テンプレート
マネーフォワード クラウドでは、エクセルのチェックリストの無料テンプレートをご用意しております。ご自由にダウンロードしていただけますので、ぜひお気軽にご利用ください。
エクセルでチェックリストを作成する方法
エクセルにはチェックリストのテンプレートもありますが、自社に合ったオリジナルのチェックリストを作る機能もあります。
ここからは、作成の手順をみていきましょう。
開発タブの表示
チェックリストの作成には、「開発タブ」が必要です。初期設定のワークシートには開発タブがないため、まず上部のリボンに開発タブを表示させることから始めます。
手順は、次のとおりです。
- ファイルをクリックする
- 「オプション」をクリックし、「リボンのユーザー設定」をクリックする
- 開発にチェックマークを入れ、OKを押す
- リボンに開発タブが追加される
チェックボックスやレ点の挿入
開発タブを表示したら、チェックボックスを作成します。
作成の手順は、次のとおりです。
- 「挿入」をクリックし、「フォームコントロール」欄の「チェックボックス」を選択する
- カーソルが矢印から「+」(選択範囲モード)に変わる
- チェックボックスを挿入したい位置に「+」を合わせてドラッグする
チェックボックスにレ点が表示されたら、正しく作成できています。
チェックボックスは図形のように挿入されるため、セルに合わせるのが難しいこともあります。そのような場合は、書式から「枠線に合わせる」機能を使うとよいでしょう。この方法であれば、クリックのみでチェックボックスの埋め込みができ、作業を短縮できます。
手順は次のとおりです。
- チェックボックスを右クリックしてアクティブにする
- 「書式」をクリックする
- 「配置」をクリックし、「枠線に合わせる」を選択する
- ポインタを操作し、セルに合うように調整する
チェックボックスは「チェック1」などの文字列が自動で入力されるため、テキストを変更する場合は、右クリックで「テキストの編集」を選択し、任意の文字列を入力します。
チェックボックスのコピー
複数項目のリストを作成する場合、オートフィル機能を使います。
セルを選択して右下に表示される黒い四角「フィルハンドル」をクリックし、カーソルを合わせて矢印を「+」(選択モード)にした状態で下にドラッグします。
チェックボックスがコピーされ、チェックリストの作成が完了です。
セルの背景色の設定
リストを見やすくするために、背景色を変えることもできます。
手順は、次のとおりです。
- チェックボックスを右クリックして「コントロールの書式設定」を選ぶ
- 「リンクするセル」にセル番号を記入しOKを押す
リンクが完了すると、チェックボックスにレ点を入れたときに「TRUE」の文字が表示されます。
続けて、次の操作を行ってください。
- 「ホーム」タブ内のメニューから「条件付き書式」を選ぶ
- 「新しいルール」をクリックする
- 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選ぶ
- 「次の数式を満たす場合に値を書式設定」に、数式を入力する
例えば、「A4」のセルに色をつける場合は、「=$A4=TRUE」と入力してください。
次に、「書式」を選択して「塗りつぶし」タブから任意の背景色を設定し、OKをクリックして完了です。
チェックボックスにレ点が入っていれば、自動で背景色が入ります。
エクセルのチェックリストを作成するコツ
エクセルのチェックリスト作成では、複製や削除など、覚えておくと便利な方法があります。
ここでは、作成する際のコツを解説します。
複製の仕方
他のセルにもチェックリストを作成したい場合は、チェックボックスのセルをコピー&ペーストすることで、簡単に複製できます。
手順は、次のとおりです。
- チェックボックスが入っているセルを選択した状態でCtrl + Cでコピーする
- コピーしたいセルにCtrl + Vで貼り付ける
- チェックボックスが入っているセルを選択した状態でカーソルを右下に合わせる
- 下にドラッグする
削除の仕方
削除したいときは、次の手順で操作します。
- 「Ctrlキー」を押したままチェックボックスをクリックする
- その状態のまま「deleteキー」を押す
まとめて消したい場合は、Ctrlを押しながら削除したいチェックボックスをすべて選択し、Deleteキーを押してください。
サイズの変更
フォームコントロールで作成したチェックボックスは、図形を広げるように大きさを変更することができません。
チェックボックスのサイズを変更したい場合は、開発タブから挿入を選択したあと、「ActiveXコントロール」からチェックボックスを作成します。
手順は、次のとおりです。
- 開発タブから「挿入」を選択する
- ActiveXコントロールのチェックボックスアイコンをクリックする
- 図形を挿入するときと同じく適当な位置でマウスをドラッグする
- チェックボックスを右クリックして「コントロールの書式設定」を選択する
- 「プロパティ」タブをクリックし、「セルに合わせて移動やサイズ変更をする」を選択する
- 「図形の書式」タブの中にある「配置」から「枠線に合わせる」を選択する
- チェックボックスをセルに合うように調整する
この設定により、行列の幅を変更してサイズを調整できます。なお、デザインはフォームコントロールで作成する場合とは異なり、やや奥行きのあるものになります。
集計
チェックリストにチェックを入れた数の集計もできます。
手順は、次のとおりです。
- チェックボックスを右クリックし、コントロールの書式設定を選ぶ
- コントロールタブ内の値を「オン」にする
- 連動させるセルを「リンクするセル」に指定する
これにより、チェックボックスにレ点を入れたときは「TRUE」、レ点がないと「FALSE」と表示されるようになります。
次に、集計を行いましょう。 条件に一致するデータの個数を数えるCOUNTIF関数を使って集計します。COUNTIFは、検索条件にあった値を選択範囲から抽出し、セルの数を集計する関数です。
設定は、次のように行います。
- 表外の空いているセルに「=COUNTIF」と入力する
- 関数予測から「COUNTIF」をダブルクリックして挿入する
- COUNTIF関数でカウントする範囲を選択する
- 選択し終えたら「,(半角カンマ)」を入力する
- 検索条件に「TRUE」と入力する
- Enterキーを押して式を確定させる
この設定により、チェックボックスにレ点が入っていたら「TRUE」と表示され、集計ができます。
チェック結果と背景色の連動
チェックボックスにレ点を入れると自動で色がつくようにすると、進捗状況が一目でわかり、業務を効率化します。
TRUEとFALSEの設定を利用して条件付き書式を設定し、チェック結果から背景色を自動的に表示させることが可能です。
手順は、以下のとおりです。
- 「条件付き書式」をクリックし、新しい書式ルールの「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択する
- 「次の書式を満たす場合に値を書式設定」の欄に「=(塗りつぶすセルの番号)=TRUE」と入力する
- 「書式」タブをクリックして背景色を選択し、OKを押す
エクセルでチェックリストを作成するメリット
チェックリストをエクセルで作成することで、コストを抑えられるなどさまざまなメリットがあります。
詳しくみていきましょう。
教育コストがかからない
エクセルは多くの社員が使い慣れているため、業務でチェックリストを作成する際も教育コストがほとんどかからないことがメリットです。
普段の業務でエクセルを使っている社員であれば、あらためて操作方法を教育する必要がなく、導入からすぐに運用できます。操作コストや時間がかからない分も、チェックリストの作成や運用体制の整備などに注力できるでしょう。
導入のハードルが低い
エクセルで作成するチェックリストは、導入のハードルが低いというメリットもあります。エクセルは企業が通常の業務で使用しているパソコンに標準装備されていることも多く、導入にあたって追加のコストがほとんどかかりません。
新たなシステムを導入する場合、初期費用や運用のコストがかかり、操作に慣れるまでに一定の時間がかかるでしょう。
エクセルを活用すれば、手軽にチェックリストを業務に導入できます。
豊富なテンプレートを使って簡単に作成できる
エクセルで作成するチェックリストは、テンプレートが豊富に用意されているのもメリットです。Microsoft社のホームページをはじめ、インターネット上にはさまざまなチェックリストのテンプレートが提供されています。
テンプレートは用途に合わせてさまざまな種類があるため、自社の業務に適したデザインをみつけやすいでしょう。
自由にカスタマイズできる
エクセルは関数をはじめさまざまな機能が搭載されているため、カスタマイズしやすいのもメリットです。エクセルの操作に習熟していれば、自社の業務内容や使用目的、業務フローに合わせて自由にアレンジできるでしょう。
カスタマイズにより操作性が高まり、業務を効率化して生産性を高められるというメリットもあります。
エクセルでチェックリストを作成するデメリット
エクセルによるチェックリスト作成は、更新の手間がかかったり、リアルタイムの共有ができなかったりするなど、デメリットもあります。
ここでは、チェックリストをエクセルで作成する場合のデメリットを解説します。
更新に手間がかかる
エクセルでチェックリストを作成すると、更新のたびに保存・共有をしなければならず、手間がかかる点がデメリットです。
チームでチェックリストを共有している場合、チェックをするたびに保存・共有しないと、「いつ・誰が・どの部分をチェックしたのか」がわからなくなります。
手間がかかるためにチェックリストの更新がまめに行われなくなる恐れがあり、進捗状況がわからないなど業務に支障をきたす場合もあるでしょう。
項目の変更が面倒くさい
エクセルでチェックリストを作成する場合、項目の変更が面倒というデメリットもあります。関数やマクロが組み込まれた項目も、あらためて設定し直さなければなりません。
複雑な数式が設定されたテンプレートを社員が誤って操作し、機能しなくなってしまうこともあります。
項目の変更や追加、復旧が必要になったときにいつでもすぐに操作できる社員がいなければ、スムーズな運用は難しくなるでしょう。
ある程度のIT知識が必要
エクセルのチェックリスト作成は導入しやすいとはいえ、ある程度のIT知識は必要です。チェック作業はしやすくても、項目の変更や、より効率的な利用という点では、ITの操作に慣れていることが求められます。
チームにIT知識が不安なメンバーがいる場合は、運用しにくいかもしれません。導入する場合は、本格的に運用するまでに教育が必要になるといえるでしょう。
リアルタイムでメンバーと共有できない
エクセルはクラウドで共有するシステムと異なり、リアルタイムの共有ができません。チェックリストに更新や情報の追加があった場合、メールやチャットなどのツールに添付して共有する必要があります。メンバーに最新の情報が行き渡るまでにタイムラグが発生する点はデメリットです。
共有の通知に気づかずに古いチェックリストを利用してしまう可能性もあり、業務に支障が出てしまいます。常に最新の情報を共有して進めなければならない業務では、エクセルの利用は向いていないといえるでしょう。
便利なチェックリストをエクセルで簡単に作成しよう
タスクやプロジェクト管理などに役立つチェックリストは、エクセルで簡単に作成できます。自社の業務に合わせてカスタマイズでき、導入のハードルが低いといった点がメリットです。
ただし、更新に手間がかかり、リアルタイムの情報共有ができないというデメリットがあります。
エクセルで使えるチェックリストはテンプレートも豊富にあるため、まずは気軽に導入してみるとよいでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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