• 作成日 : 2024年11月5日

ペーパーレス会議とは?資料共有の方法、システム比較(無料あり)

ペーパーレス会議とは、紙の資料をデジタル化して印刷せずに行う会議のことです。この記事では、ペーパーレス会議のメリット・デメリットや具体的な種類について解説します。ペーパーレス会議を導入することで業務効率化を実現したいビジネスパーソン向けの記事となっているため、ぜひ参考にしてください。

ペーパーレス会議とは?

ペーパーレス会議とは、これまでは紙にプリントアウトして会議で配布していた資料をデジタル化し、ペーパーレスの状態で行う会議のことです。デジタル化した資料はパソコンやタブレット端末などで共有・確認します。

また、同じくデジタル化したうえでプロジェクターや大型ディスプレイに資料を映す形で行うペーパーレス会議もあります。

タブレットやパソコンで資料を確認する形であれば、参加者は自分の好きな箇所にメモを残したり書き込みをしたりできます。

ペーパーレス会議の種類や具体例

ペーパーレス会議と一言でいってもその種類はさまざまです。ここでは具体的にどのような種類があるのか解説します。ペーパーレス会議の導入を検討している企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。

画面と資料を共有し、リモートで会議

ペーパーレス会議の種類の一つが、画面と資料を共有したうえでリモート会議を行う方法です。会議の参加者はそれぞれパソコンやタブレットを所有しており、その端末で共有された資料を確認しつつ、リモート会議ツールなどでコミュニケーションをとります。

PC・タブレットを持ち寄り、対面で会議

リモートではなく、対面で会議を行う場合でもペーパーレス会議は可能です。たとえばパソコンやタブレット端末を各自が持ち寄ったうえで資料を共有し、各自の端末で資料を確認する方法があります。会議の参加者が出社しており、紙の印刷を減らしたいときに使える方法です。

プロジェクターなどで資料を共有し、対面で会議

対面で会議する場合、プロジェクターなどで資料を共有する方法もあります。パソコンやタブレット端末を持ち寄る方法との違いは、各自が自分の端末を見るか、1つの同じ画面を見るかという点です。またこの方法の場合、参加者が自分のパソコンなどを持ち寄らなくても会議を進められます。

ペーパーレス会議のメリット

ここではペーパーレス会議のメリットを紹介します。メリットがわかっていれば、ペーパーレス会議導入を周囲に提案する際の材料にもなるため、ぜひ参考にしてください。

紙や印刷のコストが削減できる

ペーパーレス会議最大のメリットが、紙や印刷などの各種コストを削減できる点です。会議のたびに人数分の紙の資料を印刷していると、1回の会議では大した量ではなくても1週間、1ヶ月、1年と積み重ねていく中で、膨大なコストがかかります 。ペーパーレスにするだけでこれらのコストを大幅にカットできることを考えると、早急に取り組むべきといえるでしょう。

会議の準備にかかる時間を短縮できる

ペーパーレス会議にすることで準備の手間や時間を省けます。たとえば紙の資料を印刷する場合、人数分の資料を印刷するだけでも時間がかかるでしょう。ページ数が多く参加者も多いと、それだけで1時間以上時間がかかることもあるかもしれません。ペーパーレス会議にすればこのような手間をなくし、効率よく準備を進められます。

リモート会議がしやすい

ペーパーレス会議はリモート会議との相性がよい点もメリットです。資料をデジタル化すれば印刷する必要はなくなり、オンライン上で共有できるため、参加者はインターネット環境さえあれば資料にアクセスできます。自宅からリモートワークしている人でも、資料にアクセスして内容を確認したうえで会議に参加できるようになるでしょう。

資料の共有がしやすい

ペーパーレス会議は、紙の資料をデジタル化しているため、共有しやすい点が特徴です。たとえば、メールやチャットツールなどで会議参加者に対してPDFで共有すれば共有の手間がかかりません。また、事前に共有できるため、資料に目を通した状態で会議に参加してもらえ、議題などについてスムーズに話し合うこともできるでしょう。

セキュリティを強化できる

ペーパーレス会議はセキュリティ強化にも貢献するものです。たとえば紙の資料の場合、配布された資料を置き忘れたり紛失したりする恐れがあります。社内での紛失であれば問題にならない可能性もありますが、社外で紛失するとトラブルにつながる恐れもあるでしょう。

また、オンライン上で資料を共有する際、アクセス制限や閲覧権限などを設定することで会議の参加者以外が資料にアクセスできない状態にできます。

ペーパーレス会議のデメリット

ペーパーレス会議にはメリットの一方でデメリットも少なからず存在します。ここでは具体的にどのようなデメリットがあるのか解説します。メリット・デメリットの双方を踏まえたうえでペーパーレス会議を推進しましょう。

メモが取りにくい

ペーパーレス会議のデメリットの一つが、メモを取りにくい点です。紙の資料の場合、参加者全員に配布され、ペンさえあれば誰でも自分の資料に書き込みができます。しかし、たとえばプロジェクターで資料を映し出す形だと、各自が資料上にメモを取れません。

また、タブレット端末を使っていても、書き込みに使用する専用のペンがないと、やはりメモが取れません。

資料の一覧性が低い

紙の資料の場合、資料の一覧性が低い点にも注意しなければなりません。紙の資料の場合、資料をデスクに広げることで資料全体を同時に確認できます。しかし、タブレット端末やパソコンで資料を共有する場合、画面の大きさにはどうしても限界があるため、全体を一度に確認することはできません。

また、確認する部分にズームする必要があり、他の箇所との関係やつながりなどもわかりにくくなります。

通信環境の影響を受ける

オンライン上で資料を共有し、リモート会議でペーパーレス会議を行う場合、インターネット回線の影響を受ける恐れがあります。通信環境が悪い場所から参加していると音声が途切れて、コミュニケーションをうまく取れなくなる恐れがあるでしょう。

相手の反応が見えにくい

リモート会議によるペーパーレス会議の場合、オンライン上で会議を行えるため、相手の表情などから反応を伺うことができません。口には出さなくても、相手の表情や仕草などから会議の議題に対する感触を得ることは十分可能です。しかし、ペーパーレス会議を導入することでそれが難しくなる可能性があるため、きっかけの一つを失うことになりかねません。

発言しにくい

紙の資料を使った会議の場合、必然的に対面での会議となるため、積極的に発言が起こりますが、ペーパーレス会議をリモートで行うと発言しにくくなる恐れがあります。意見があまり出ないため、会議が思ったようにスムーズに進まない事態にもなりかねません。

ペーパーレス会議を進める際に決めておくこと

ここではペーパーレス会議を行うにあたって事前に決めておくべきことを紹介します。ちょっとしたことを決めておくだけで会議がスムーズに進められるため、ぜひ参考にしてください。

使用するツールの選定

会議にどのツールを使用するのか事前に選定しておきましょう。タブレット端末を使用するのか、パソコンを使用するのか、スマートフォンなのかによって作成する資料のデザインに影響するためです。

たとえばパソコンやタブレット端末の場合は横向きの資料が、スマートフォンで見る人が多い場合は縦向きの資料が適しているでしょう。このような資料の向きへの配慮は、紙の資料を印刷する会議ではあまり意識しないポイントです。

デジタル資料の事前配布

ペーパーレス会議をスムーズに進めるためには、資料を事前に共有しておくことが大切です。ペーパーレス会議は資料を事前にデジタル化しておくことで印刷・配布の手間を省ける点が特徴であるため、その特徴を最大限に活用するために事前配布は必須といえます。

会議の進行方法

ペーパーレス会議をどのように進めるのか、進行方法もチェックしておきましょう。会議で発表する人がペーパーレス会議に慣れていないと、資料をスムーズに開けなかったり、リモート会議ツールで自分の画面を共有できなかったりして手間取る事態になりかねません。進行に手間取るとペーパーレス会議のメリットも薄まってしまうため、注意が必要です。

メモの取り方

メモを取りにくいデメリットをどのように克服するのか、事前に確認しておきましょう。各自が端末を持ち寄る形であれば問題ありませんが、1つの画面を参加者全員に共有する場合、メモに残して欲しいことがないか定期的に確認するなどしてください。

議事録の記録方法

メモ同様議事録をどのように記録するのかについて、把握しておく必要があります。たとえば議事録担当者の資料をマスターとしてそこにメモ書きを追加するなどのルールを定めておくだけでも、議事録を作成しやすくなるでしょう。

セキュリティ対策

データ化した資料に誰でもアクセスできる状況は、場合によってはトラブルにつながりかねません。そのため、アクセス権限を設定するなどして、セキュリティ対策を講じるようにしてください。

ペーパーレス会議の資料の共有方法

ペーパーレス会議において、資料を共有する方法はさまざまです。ここでは具体的にどのような方法があるのか解説します。

クラウドストレージのリンクを共有

クラウドストレージのリンクを使って共有することが可能です。この場合、クラウドストレージに資料をアップし、ストレージのURLを共有したうえで各自が資料をダウンロードする形となります。

ビジネスチャットツールでリンクを共有

ビジネスチャットでリンクを共有する方法もあります。この場合、先ほどのクラウドストレージのほかGoogleドキュメントなどのリンクを共有することで、各自がアクセスする形をとります。

ペーパーレス会議システムを活用

ペーパーレス会議システムを活用する方法もあります。ペーパーレス会議とは、それまでプリントアウトして配布していた資料をデジタル化したうえでパソコンやタブレットなどで共有し、会議を行うシステムのことです。資料への書き込みや画面同期もできるなど、利便性の高さが特徴です。

ペーパーレス会議のシステム比較(無料あり)

ここではペーパーレス会議に利用できるシステムを紹介します。無料で利用できるものもあるため、ぜひ参考にしてください。

Zoom Meetings

Zoom Meetingsとは、Zoomのビデオ会議やチャット機能全般のことです。Zoom Meetingsを使えば、会議からチャットでのやり取りができるほか、サードパーティのホワイトボードやノートなどとも連携できるため、ペーパーレス会議をよりスムーズに進められます。

Zoom Meetingsのプランは以下の通りです。

Basic
  • 無料
  • 1つの会議に100人まで参加可能
  • 1つのミーティングは40分まで
Pro
  • 1,999円/月
  • 1つの会議に100人まで参加可能
  • 1つのミーティングは30時間まで
Business
  • 2,749円/月
  • 1つの会議に300人まで参加可能
  • 1つのミーティングは30時間まで

参考:Zoom

Microsoft Teams Rooms

Microsoft Teams Roomsとは、Teams会議へ接続する必要な機能を備えた特別なライセンスのことです。Teamsの認定デバイスにTeams Roomsのライセンスを付与することで、会議室からTeams会議に参加できるようになる仕組みです。

こちらは、共有パソコンや代表者のパソコンで使用するライセンスではありません。Microsoft Teams Roomsがあれば、少人数の会議からチーム単位の打ち合わせを多拠点で行えるようになります。

Microsoft Teams Roomsのプランは以下の通りです。

Microsoft Teams Rooms Basic
  • 無料
  • 上限25室
Microsoft Teams Rooms Pro
  • 5,997部屋/月

参考:Microsoft Teams

ペーパーレス会議のメリット・デメリットを押さえておこう

今回はペーパーレス会議の概要やメリット・デメリットなどについて解説しました。ペーパーレス会議は、メモを取りにくい、一覧性に優れていないなどのデメリットがある一方で、紙の印刷コストが不要となる、準備の手間がかからない、リモートワークとの相性がいいなどのメリットもあります。

ペーパーレス会議を推進する場合は、専用システムの導入も検討してみてください。


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