- 作成日 : 2024年7月4日
USBメモリが認識されない!原因と対処法を解説
USBメモリが認識されない原因は大きく分けて、USBメモリの「物理障害」と「論理障害」の2つです。「物理障害」はUSBメモリ本体が破損していて認識できない状態、「論理障害」は内部システムが破損していてデータが表示できない状態を指します。
また、パソコンに問題が生じている場合もあるため、認識不良の原因をしっかりと確認することが重要です。本記事では、USBが認識できない原因や対処法を解説します。
USBメモリが認識されない原因
USBメモリが認識されない原因は主に、以下の5つが考えられます。
- USBメモリの接点不良
- 電力供給不足
- 別のUSB機器の影響
- USBメモリの物理障害
- USBメモリの論理障害
USBメモリの接点不良
USBメモリとパソコンの接点不良が起こると、USBメモリが認識されないことがあります。
接点不良は、USBメモリの端子部分にホコリが入っていたり、サビていたりすることが原因です。また、端子部分に無理な力が加わり変形している可能性も考えられるでしょう。
ほかにも、USBポートが汚れていたり破損していたりする場合もあります。USBメモリが認識されない際は、USBメモリの端子部分やUSBポートの状態を確認してみてください。
電力供給不足
パソコンからの電力供給で動作するUSBデバイスを同時に複数使用している場合、電力不足でUSBメモリが認識されないことがあります。「ハブポートの電力の限界を超えました。」とエラーメッセージが表示される場合は、複数のデバイスに電力が分散され、電力供給が不足していると考えられます。
パソコンから給電するタイプのUSBハブ(USBポートを増設する機器)を使用している場合は、パソコンの電力供給の限度を超えやすくなるため、注意してください。
別のUSB機器の影響
複数のUSB機器が同時に接続されている場合、それぞれのUSBが干渉し合い、USBメモリが正しく認識されないことがあります。認識したいUSBメモリのほかに、電力を多く消費するUSBデバイスが接続されている場合、電力不足が発生してUSBメモリの動作に影響を及ぼすためです。
USBプリンタやUSB外付けハードディスクは、1台の消費電力が高いものが多いため、USBメモリとの併用に注意してください。
USBメモリの物理障害
USBメモリの物理障害とは、USBメモリ本体の故障や損傷を指します。USBメモリ自体が認識されない場合は、物理障害の可能性が考えられます。原因は、USBメモリの端子部分が落下や衝撃により曲がったことや、頻繁な使用による経年劣化などです。また、USBメモリ内部の基板のひび割れや断線などが起こっている場合もあります。
物理障害は自力で復旧させることが難しく、専門業者に依頼する場合の費用は数万円~数十万円が一般的です。
USBメモリの論理障害
USBメモリの論理障害は、内部のデータに問題が生じていることを指します。
「USBメモリは認識しているがデータが表示されない。」「USB内のファイルが開けない」などの状態は、論理障害が起こっている可能性があります。原因は、ファイルシステムの損傷やウイルスの感染、不適切な取り外しなどです。
論理障害は、市販のデータ復旧ソフトで復旧できる可能性もありますが、障害の程度やUSBメモリの状態によっては、復旧ソフトの使用により悪化するリスクがあります。安易な使用に注意してください。
USBメモリが認識されないときにしてはいけないこと
USBメモリが認識されないときに間違った対処を行うと、USBメモリの状態が悪化する可能性があります。
以下6つの対処法は行わないよう注意してください。
- USBの抜き挿しを繰り返さない
- 端子に息を吹き込む
- 曲がっているUSBメモリを力ずくで戻す
- USBメモリに通電し続ける
- フォーマットする
- 使用デバイスの再起動を繰り返す
USBの抜き挿しを繰り返さない
USBメモリを頻繁に抜き挿しすると、USBメモリの端子部分やパソコンのポート部分に物理的な負荷がかかり、摩擦や損傷を受ける可能性があります。認識されない状態が悪化することに加え、物理障害につながる恐れがあるため注意してください。
また、万が一、データの書き込みや転送中に抜き挿しをした場合、USBメモリとパソコン間の通信が途切れることで、データが破損されるリスクがあります。
何度もUSBメモリの抜き挿しをしても問題の解決はできないため、ほかの原因や対処法を探りましょう。
端子に息を吹き込む
USBメモリの端子に息を吹き込むと、ホコリやゴミが端子の奥に押し込まれ、接触不良が悪化するリスクがあります。USBメモリは、湿気に影響を受けやすい精密機器です。息を吹き込んだ際に唾液が入り、内部の接点が錆びたり腐食したりすることもあるでしょう。
曲がっているUSBメモリを力ずくで戻す
USBメモリは精密機器のため、物理的な圧力や衝撃に対して脆弱です。無理な力を加えると、端子部分や内部の配線などの損傷につながるため、データ復旧が困難な物理障害につながる可能性があります。
USBが曲がっていて接点不良が起こっている場合は、専門業者に修理を依頼した方が良いでしょう。無理な負荷をかけると、データの読み取りが不可能になるリスクも考えられます。
USBメモリに通電し続ける
パソコンにUSBメモリを挿し込んだままにすると、誤作動が起こったり、意図しないデータの読み書きがされたりすることがあります。また、通電が続くと内部部品が破損して状態が悪化するリスクもあるでしょう。
フォーマットする
「フォーマット」とは、データを初期化することです。フォーマットを行うと、USBメモリ内のすべてのデータが消去され、アクセスは不可能になります。専門業者に依頼しても、データ復旧は非常に難しく、完全に元の状態に戻すのは困難です。
「フォーマットする必要があります。」というメッセージが表示される場合もありますが、安易にフォーマットを行わず、ほかの対処法を探るか、専門業者に依頼するべきでしょう。
使用デバイスの再起動を繰り返す
USBメモリやパソコンなどの精密機器は、電源を入れる際に一番大きな負担がかかります。頻繁に再起動を繰り返すと、ハードウェアに負担がかかり、寿命を縮めたり故障したりする可能性があります。
USBの認識エラーを解消するために、何度も電源を入れたり切ったりしている際に、内部部品の故障やデータの損傷が起こるかもしれません。
また、何かしらの問題が生じてエラーが起こっている場合は、再起動を繰り返しても根本的な解決はできないため、原因を探りましょう。
USBメモリが認識されないときの対処法
USB メモリが認識されない場合、以下11個のステップに添って対処してみてください。
- USBメモリを奥まで挿してみる
- 端子部分のゴミを取り除く
- USBハブを使わない
- 別のUSB端子に挿し直す
- 別のUSBデバイスを取り外す
- パソコンを再起動・放電してみる
- BIOSを正しく設定する
- ウイルスチェックを行う
- ドライバーを再インストールする
- フォーマットする
- 新しいUSBメモリに交換する
1.USBメモリを奥まで挿してみる
USBメモリが認識されない場合にまず試したいのは、奥まで挿し込めているかどうかの確認です。USBメモリが奥まで挿し込まれていない場合、接点不良が起こり認識されないことがあります。
USBメモリとパソコンの相性によって、ポートが固かったり緩かったりするため、まっすぐにゆっくりと奥まで挿し込んでみてください。
2.端子部分のゴミを取り除く
USBメモリの端子部分にホコリやゴミが入り、接点不良が起きている可能性があります。ゴミやホコリが目に見えない場合でも、端子部分の清掃で認識不良が解消するかもしれません。
端子部分の適切な掃除方法は、以下2つです。
- エアダスターを使用する
エアダスターを使って、USBメモリの端子部分に詰まったホコリを吹き飛ばします。 - アルコールを使って清掃する
無水エタノールを含ませた綿棒で端子部分を優しく拭き、ホコリや汚れを除去します。ただし、液体が内部に入らないように注意が必要です。
3.USBハブを使わない
USBメモリを接続する際、USBハブの使用は避けるべきです。USBハブを介して接続すると、電力供給不足が起こる可能性があるためです。USBメモリをパソコンのUSBポートに直接接続することで、電力供給が安定し認識される可能性が高まります。
また、USBハブを使用して多数のデバイスを同時に接続している場合、USBメモリが正常に動作しない可能性があります。ほかのUSBデバイスをハブから一時的に取り外してみてください。
4.別のUSB端子に挿し直す
特定のUSBポートのみが汚れていたり壊れていたりして、USBメモリに問題がなくても認識できないことがあります。USBメモリ本体に問題がなければ、別のUSBポートに挿し直すことで認識不良が解消する可能性があるでしょう。
また、別のパソコンで試してみるのも良い方法です。別のパソコンで正常に認識する場合、USBメモリではなくパソコン側に問題があると考えられます。
USBメモリ本体の問題なのか、接続しているパソコンの問題なのかを特定し、対処を行いましょう。
5.別のUSBデバイスを取り外す
USBメモリをはじめ、ほかにもUSBデバイスを同時使用している場合は、電力不足が起きたり、デバイスが干渉しあったりして、USBメモリを認識できない可能性があります。
USBデバイスをすべて取り外してから、使用したいUSBメモリのみを接続してみてください。
6.パソコンを再起動・放電してみる
一時的なシステムエラーが起こっていたり、パソコンに帯電していたりする場合は、パソコンの再起動でUSBメモリの認識不良が解決する可能性があります。ただし、一時的なエラーや帯電が原因の場合は、一度の再起動で解消する場合が多いため、何度も再起動しないよう注意してください。
また、再起動する際には、USBメモリを取り外してから行いましょう。USBメモリを挿し込んだまま再起動をするとUSBメモリに負荷がかかり、論理障害や物理障害につながる可能性があります。
7.BIOSを正しく設定する
BIOS(Basic Input/Output System)は、パソコンのハードウェアを管理・制御するためのプログラムです。BIOSでUSBポートが無効設定になっていると、USBメモリは正しく認識されません。有効に変更することで解決する可能性があります。
BIOSの表示や設定、変更などの方法は、使用パソコンによって異なるため、各メーカーのサポートサイトをご確認ください。
8.ウイルスチェックを行う
パソコンやUSBメモリがウイルスに感染すると、データの破損やシステムエラーを引き起こし、正常に認識されないことがあります。セキュリティソフトを使用してウイルスチェックを行い、感染している場合は除去してください。
ウイルスに感染しているパソコンにUSBメモリを接続すると、USBメモリにもウイルスが感染することがあります。パソコンだけでなく、USBメモリのウイルスも必ずチェックしましょう。
9.ドライバーを再インストールする
ドライバー(パソコンの内蔵機器や周辺機器を動かすためのファイル)の誤作動が原因で、USBメモリを認識できない可能性が考えられます。デバイスマネージャーからUSBドライバを一度削除した上で、USBデバイスドライバを再インストールしてみましょう。
使用しているパソコンのOSによって方法は異なりますが、主な手順は以下の4つのステップです。
- デバイスマネージャーを開く
- デバイスをアンインストールする
- パソコンを再起動する
- ドライバーをインストールする(自動または手動)
詳細は、各メーカーのサポートサイトを確認してください。
10.フォーマットする
フォーマットは安易に行うべきではありませんが、上記9つの方法で解決しない場合は試してみても良いかもしれません。
USBメモリに論理障害が起こっている場合、フォーマットでUSBメモリのファイルシステムを初期化し、再び使用可能な状態に戻せます。ただし、フォーマットはデータがすべて消去されるため、重要なデータが含まれている場合は行わないでください。
11.新しいUSBメモリに交換する
上記すべての方法を試しても解決できない場合、USBメモリが物理障害を起こしている可能性があります。多くの場合、物理障害は専門業者に修理を依頼しなければ直せないため、新しいUSBメモリに交換する必要があります。
重要なデータが保存されている場合は、USBメモリを交換する前に、データ復旧を行いましょう。USBメモリが認識できなくても、データ復旧ソフトやデータ復旧サービスを利用して、データを救済できる可能性があります。
原因を探り、適切な対処法をとることが大切!
本記事では、USBメモリが認識されない原因と対処法を解説しました。主な原因は、USBメモリ本体の障害やドライバーの問題、環境などが挙げられます。原因を探り、それぞれの問題に対して適切な対処法を試してください。
また、USBメモリの定期的なメンテナンスとバックアップを行うことで、データの安全性を確保し、トラブルを未然に防げます。問題が解決しない場合は、専門業者に相談することも検討しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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