• 更新日 : 2025年2月12日

境界確認書とは?無料テンプレ・確認書の記載内容を紹介

土地の売買や相続、建築工事を行う際には、土地の境界を正確に確認することが重要です。隣地とのトラブルを防ぐためにも、境界を明確にしておく必要があります。その際に役立つのが「境界確認書」です。

この記事では、境界確認書の基本的な内容や作成するメリットを解説します。また、無料で利用できるテンプレートや主な記載項目についても詳しく紹介するので、ぜひご覧ください。

境界確認書とは

境界確認書とは、隣接する土地との境界線を明確にし、双方の合意を証明するための書類です。土地の境界に関するトラブルを未然に防ぐため、隣接地所有者とともに境界を確認し、その内容を書面に残します。

境界確認書は、不動産の売買や相続、建築工事を行う際に特に重要です。作成することで、将来的に境界をめぐる争いが発生した際の証拠となり、円滑な解決が可能になります。

境界確認書は、土地の地番や所有者情報、境界線の位置、確認した立会者の署名などが記載され、関係者全員の合意のもとで作成されるものです。法的な効力を持たせるために、公正証書とする場合や、土地家屋調査士が立ち会うケースもあります。

境界確認書を作成するメリット

境界確認書を作成することで、さまざまなメリットがあります。まず、土地の境界を明確にすることで、隣接地との不要なトラブルを未然に防ぐことが可能です。境界線を確認し、書面として残すことで、後に「ここが境界だ」と主張が食い違う事態を避けられます。

また、土地の売買や相続時に、境界がはっきりしていると手続きがスムーズに進みます。不動産の価値を正しく評価するためにも、境界の確定は重要です。特に、住宅を建築する際には、境界の位置が不明確だと工事に支障が出る可能性があるため、事前に確認しておくことが望ましいでしょう。

さらに、境界確認書があることで、測量図と照らし合わせながら適切な管理ができ、境界標の維持や管理が容易になります。万が一、境界標が亡失した場合でも、確認書があれば復元しやすいです。こうした理由から、境界確認書を作成しておくことは、土地所有者にとって大きなメリットとなります。

境界確認書の無料テンプレート

通常、境界確認書の記載事項はほとんど共通しています。そのため、ひな型・テンプレートを使うことで、簡単に作れます。下記のリンクで境界確認書の無料テンプレートをダウンロードできるので、ぜひご利用ください。

境界確認書のテンプレートのダウンロードはこちら

境界確認書の記載内容

境界確認書には、土地の境界を正しく示し、関係者が合意したことを証明するための重要な情報が記載されます。以下の項目について、具体的にどのように記入するかを解説します。

タイトル

境界確認書のタイトルには、「境界確認書」と記載されることが一般的です。他にも「土地境界確認書」「筆界確認書」「境界立会確認書」「筆界立会確認書」「境界確定書」「筆界確定書」など、さまざまな表記があります。

「境界」と「筆界」は、厳密には異なる意味を持つものです。境界は隣接地との物理的な区切りを指し、筆界は登記上の区分を示します。ただ、タイトルを決める際には両者を厳密には区別せず使用することが一般的です。

所有者

境界確認書には、土地所有者の情報を正確に記載することが必要です。具体的には、所有者の氏名、住所、対象となる土地の地番を明確に記入します。土地所有者双方による署名押印が必要です。

これにより、どの土地についての合意であるかが一目で分かり、後々のトラブルを防ぐことができます。特に、共有地の場合は、すべての共有者の同意が必要となるため、所有者情報を正確に記載することが重要です。

本文

本文には、確認した境界線の位置や範囲について、具体的な記載を行います。例えば、「○○番地と△△番地の境界線は、添付の図面の通りである」などの文言を用い、実際の境界の位置がどこなのかを明確にします。

また、所有者同士が境界の位置について合意したことを明記することも重要です。将来的に境界に関する意見の食い違いが発生した場合でも、書面を基に解決を図ることができます。

なお、本文には第三者に売却などで所有権が移転した後にも、境界線について確認した内容を引き継ぐことも記載します。

確認内容

境界確認書には、具体的な確認内容を記載します。例えば、測量の結果や境界標の設置場所などの詳細が含まれます。

測量士や土地家屋調査士が測量を行った場合は、その結果を記録し、境界の物理的な位置を明確にすることで、誤解や紛争の防止が可能です。将来的な境界標の移動や亡失があった場合でも、元の位置を正確に把握することができます。

境界の状況・立会者

境界の状況については、添付図面を用いて説明するのが一般的です。境界確認書と図面は一緒にホッチキスで綴じて保管することで、内容の整合性を維持できます。

また、書類の作成者や立会者として、土地家屋調査士や関係者の氏名を記載することも必要です。特に、測量を伴う場合には、専門家が関与したことを明確にしておくと信頼性が高まります。

土地の境界の調べ方

土地の境界の調べ方には、いくつかの方法があります。ここでは、代表的な調査方法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

法務局で土地の情報を調べる

法務局(登記所)は、不動産の登記情報を管理する公的機関であり、全国各地に設置されています。土地の所有者情報や地番、面積、抵当権の有無などを確認するために、法務局で登記情報を調査することが可能です。

また、法務局では登記事項証明書や地積測量図などの各種書類を取得でき、これらを基に土地の権利関係や境界情報を確認できます。手続きは窓口での申請のほか、一部の書類はオンライン請求や郵送での取得も可能です。土地の境界を正確に把握するためには、法務局での調査が重要な手段の1つとなります。

測量士に測量を依頼する

測量士に依頼すると、正確な境界を測定できます。特に、隣接地との境界線が曖昧で後々揉め事となってしまう不安がある場合は、資格を持った測量士に測量を依頼した上で境界を確認しておいたほうが無難です。

土地家屋調査士に調査を依頼する

土地家屋調査士は、土地の境界確定や登記に必要な調査を行う専門家です。土地の境界を確定する必要がある場合、土地家屋調査士に依頼することが多いです。

測量士に依頼する場合であれ、土地家屋調査士に依頼する場合であれ、調査には費用が発生します。不動産の状況・隣接している土地の数によって費用が異なるため、事前の見積もりを行ってから依頼しましょう。

市役所で境界情報を確認する

自分の土地と公道・公共用地が接している場合は、市役所で境界情報を確認できます。市役所で行っている境界確認・境界確定は、資料などに基づく協議と現地立会の上で実施します。通常、申請から完了までに2か月~3か月の期間が必要です。

なお、市役所で行える境界確認・境界確定は、公道・公共用地と接している土地に限られます。市役所では、私有地同士の境界を確認することはできません。

登記事項証明書や地積測量図を確認する

登記事項証明書(登記簿謄本)や地積測量図は、法務局で取得できる土地の詳細情報を示す重要な書類です。登記事項証明書には、土地の所有者、地番、面積、抵当権などの情報が記載されており、権利関係を明確にする役割を果たします。

一方、地積測量図は一筆の土地の面積や境界の測量結果を示した公的な図面で、不動産登記法に基づいて作成されます。測量の精度や記載内容には厳格な規定があり、登記情報と照らし合わせることで境界を正確に把握することが可能です。これらの書類を確認することで、土地の状況や権利関係をより詳細に理解できます。

境界確認書を作成してトラブルを未然に防ごう

境界確認書は、土地の境界を明確化し、将来的な境界トラブル防止のために重要な書類です。境界確認書を作成することで、隣地所有者との間で境界に関する認識を統一でき、不要な紛争を回避できます。

境界確認書を作成する際は、適切なテンプレートを利用し、記載すべき情報を漏れなく記入することが大切です。土地の境界を正しく把握し、円滑な取引や土地利用を実現するために、境界確認書を活用しましょう。


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